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(レポ&写真) [女祭り] 5.20 ディファ:グレイシャア、ジェットら王者に

J-NETWORK "女祭り Final round"
2007年5月20日(日) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 

 
<テレビ中継>
 CS スカイ・A「J-KICK」
  初放送 5月30日(水) 22:50〜24:50 再放送 6月2日(土) 23:30〜25:30 6月19日(火) 22:50〜24:50
 CS サムライTV「キックの星」5月31日(木)22:00〜23:00 ダイジェストを15〜20分程度


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◆ J-GIRLS認定初代王座決定トーナメント

第16試合 メインイベント フライ級 決勝戦 サバイバルマッチ1(2分3R+延長1R)
○グレイシャア亜紀(J-NETWORK・ソーチタラダ渋谷/WMCインターコンチネンタル女子スーパーフライ級王者)
×田中佑希(全日本キック・BOOCH BEAT)
判定3-0 (シーナ30-28/松本30-28/山中30-28)

※3R右フックで田中に1ダウン
※グレイシャアが王者に

 2月3月の新宿大会を経て、ようやく決勝を迎えたJ-GIRLS認定初代王座決定トーナメント。女子キックボクシングの4階級の王者を1日で決めるという歴史的な大会の最終試合は、それにふさわしい劇的な結末となった。

 大会の主催団体であるJ-NET。そして男子キック界では高い実力を誇る全日本キック。だがフライ級を除く3階級で、この両団体はベルトを1つも取れていない。グレイシャアと田中のリマッチというテーマに加え、団体を背負った戦いというテーマも加わった。田中は人気選手の山本優弥らをセコンドにつけ入場。グレイシャアはダンスチームのHUE楽LIST(ヘラクライスト)の踊りに合わせて登場。メインイベントは独特の熱気を帯びる。

 先手を取ったのはリベンジに燃える田中のほうだった。ジャブでのお見合いの後、田中は右ストレートをきっかけに距離を詰め、左右のパンチの連打を当てる。その繰り返しは2Rになっても変わらない。グレイシャアも田中のパンチをかわしてから組み付いて膝蹴りを当てるようになるが、後手に回ってしまっている印象だ。3Rも田中は同様の攻めで主導権。2Rまでは耐えていたグレイシャアだが、次第に苦し気な表情に。

 だが終了間際、グレイシャアは奇跡を起こす。左のインローを蹴った後、田中のジャブをかわし、そのまま相手の顔を見ずに右のオーバーハンドフック。ジムの会長からいつも「これで倒せる」と言われていたという渾身の一撃で、田中を前のめりでマットに倒す。10カウント以内に立ち上がった直後、試合終了のゴングが鳴る。明暗分かれた2人だが、試合後はさわやかに笑顔で抱擁し、互いの健闘を讃え合った。

 セレモニーではグレイシャアを技術面等でサポートしてきた元WMTFジュニアバンタム級世界王者の三井綾さんが花束を贈呈。続く勝利者インタビューで、グレイシャアは次の世代の選手たちにエールを送った。戦いの遺伝子は、着実に受け継がれ、進化を遂げる。この日は4階級の王者戦だけでなく、トーナメントを敗退した選手によるランキング査定試合も組まれた。女子キックが普通のスポーツとしてようやく定着しそうな気配を、キャリアもベースも全く異なる4人の王者の笑顔を見ながら感じた。
 

第15試合 ミニフライ級 決勝戦 サバイバルマッチ1
○ジェット・イズミ(クロスポイント吉祥寺)
×林田昌子(全日本キック・藤原ジム)
判定3-0 (松本30-28/小川30-27/シーナ30-27)

※3R右ハイキックで林田に1ダウン
※ジェットが王者に

 エントリー11選手と全階級で最も層の厚い“女子最激戦区”ミニフライ級は、1日で準決勝と決勝の行われるハードスケジュールに(他の階級は6〜7人)。そんな中勝ち上がったのは10年近いキャリアを誇るベテラン・ジェットと、欠場となった岡田敦子の代役でエントリーした10戦目の新鋭・林田だ。
 1Rからジェットは、馬力の差を活かし、重みのある膝蹴りとボディブローを当てる。林田もカウンターで右ストレートを当て、大差をつけさせない。だが2Rからはジェットがカウンターの右を当て返す場面が増え、流れをつかむように。そして3R、林田の右ストレートに合わせ、近距離から右ハイキックを当て完璧なダウンを奪い、見事完勝した。

 盤石のように見えたジェットだが、実は怪我の影響で十分な追い込みができなかった。得意技のハイもコンディション的に出せる回数は2回程度だと踏んでいたが、数少ないチャンスを物にできたのは、これまでの苦しい経験の蓄積があったからこそだろう。
 以前から怪我に悩まされることが多かったジェットの選手生活と、興行が定着しなかった女子キックの歴史は、どこかダブるものがある。だが、かつてJ-NETのアクティブJに所属したベテラン・ジェットが、古巣のリングで悲願の初ベルトを獲得。冬の時代を越え、ジェットと女子キックにもようやく開花の春がやってきたことを感じさせる光景だった。


第4試合 ミニフライ級 準決勝戦(2) サバイバルマッチ1
×大島 椿(J-NETWORK・フォルティス渋谷)
○ジェット・イズミ(クロスポイント吉祥寺)
判定0-2 (シーナ29-29/松本29-30/山中29-30)

第3試合 ミニフライ級 準決勝戦(1) サバイバルマッチ1
×星野久子(全日本キック・勇心館)
○林田昌子(全日本キック・藤原ジム)
判定0-3 (シーナ29-30/松本29-30/小川28-29)

第2試合 ミニフライ級 リザーブ戦 サバイバルマッチ1
×MITSUKI(全日本キック・DRAGON GYM)
○まゆみ(KFG)
判定0-3 (松本28-30/少28-30/小川28-30)


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第14試合 バンタム級 決勝戦 サバイバルマッチ1
×成沢紀予(J-NETWORK・ソーチタラダ渋谷)
○せり(巴組)
判定0-2 (小川30-30/松本29-30/少28-30)

※せりが王者に

 総合で3年前に格闘家デビューし、2年前にキックに初挑戦、以来毎月のように試合出場してきた“鉄人”せりが、初ベルト奪取に成功した。
 せりは開始すぐから積極的に前に出てパンチを連打し、ペースをつかむ。長身の成沢は首相撲からの膝蹴りで応戦しようとするが、せりの突進を食い止めることができない。ようやく3Rになり打ち合いに応じるようになるが、せりに手数で押され、接戦ながらも涙を飲んだ。
 今大会の前日に開催されたスマックガールでは、せりの先輩の高橋洋子がベルトを獲得しており、2日間で一気に2本のベルトが巴組にもたらされたことになる。
 巴組きっての知性派として知られるせりは「私の試合は地味だと言われるけど、一つ一つ成長していると思う。発展途上の選手の成長を見るのも格闘技を見る楽しみだと思うので、これからもJ-GIRLSを見に来て下さい」と、自身だけでなくJ-GIRLSの魅力も観客にアピールした。

第13試合 フェザー級 決勝戦 サバイバルマッチ1
×真(全日本キック・峯心会)
○佐々木仁子(チームドラゴン)
判定0-3 (松本29-30/少28-30/山中28-30)

※佐々木が王者に

 男子のキック界で猛威をふるうチームドラゴンが、女子でも強さを証明した。開始しばらく、上背のある真が前蹴りとハイキックを当て先手を取る。だが佐々木はセコンドの前田憲作氏のアドバイスを聞き、距離とリズムをつかむと、重みのある右フックをたびたび当てるように。3Rは真に何度も顔をそむけさせ完勝。勝利者インタビューでは「チームドラゴンは常勝軍団と言われていて、ここで私がベルトを取れたことがうれしい。これからが新しいスタートです」と話し、さわやかな笑顔を浮かべた。


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◆ ランキング査定試合

第9試合 ミニフライ級 2分3R
○紅絹(J-NETWORK・フォルティス渋谷)
×ダイヤモンド酒井理絵(クレイジーフォックス)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)


 酒井は開始早々、ブレイク直後の攻撃でイエローをもらう。対する紅絹(もみ)も酒井をにらみつける等、両者喧嘩腰の熱い戦いに。2R以降、紅絹の左右のフックが何度も当たるようになり、酒井は攻められず判定を喫したが、派手なルックスと気の強さはインパクト十分。将来タイトル戦線で再びぶつかる日を期待したい。

第12試合 フェザー級 59kg契約 2分3R
△高田 結(全日本キック・峯心会)
△龍子(MAキック・菅原道場)
判定1-0 (30-30/30-29/30-30)

第11試合 バンタム級 55.5kg契約 2分3R
△柳川 舞(J-NETWORK・フォルティス渋谷)
△佐竹のぞみ(全日本・鷹虎ジム)
判定0-0 (29-29/30-30/29-29)

第10試合 フライ級 52kg契約 2分3R
×CHIZU(MAキック・菅原道場)
○杉貴美子(SOLID FIST)
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)



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◆ その他のワンマッチ

第8試合 ミニフライ級 2分3R
○田島はる(J-NETWORK・アクティブJ)
×ちはる(ウィラサクレック・フェアテックスジム)
判定3-0 (30-29/30-28/30-27)

第7試合 51.5kg契約 2分3R
○山口貴子(TARGET-Z)
×古谷あさみ(MAキック・谷山ジム)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

第6試合 究極の女子中学生対決 セミプロファイト 90秒2R
△神村江里加(山木ジム)
△山田紗暉(マーベラス)
判定0-0 (20-20/20-20/20-20)

第5試合 究極の女子中学生対決 セミプロファイト特別ルール 90秒2R
○陣内まどか(新日本キック・トーエル)
×山田真子(マーベラス)
判定2-0 (20-19/20-20/20-18)

第1試合 ヴィジュアルファイト(エキシビジョンマッチ) 90秒2R
−カレン
−櫻 梨花
勝敗無し


Last Update : 05/23 14:42

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