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(レポ&写真) [PRIDE] 4.8 埼玉:モンソン、藤田に完勝。ソクジュ連勝

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE.34"
2007年4月8日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ  観衆:23,336人(満員)

  レポート:本庄功志(偶数試合)、井原芳徳(奇数試合)  写真:井田英登
  【→カード紹介記事】 【→掲示板:ミドル級以上】 【→ウェルター級以下】

  ※桜庭登場の場面についてはこちらの記事に掲載しています。


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第8試合 ヘビー級 1R10分・2-3R5分
×藤田和之(日本/「Team Japan」藤田事務所)
○ジェフ・モンソン(アメリカ/アメリカン・トップチーム)
1R 6'37" チョークスリーパーホールド


 藤田はPRIDEのテーマ曲を流し、PRIDEのTシャツを着て入場。対抗戦を煽る絶好のシチュエーションを用意する。解説席には榊原代表が登場し、PRIDE vs UFCの対抗戦を見届ける。
 試合はモンソンのタックルを切り続ける藤田が、がぶってヒザ、離れ際にサッカーボールキックを放つなどペースを握る。モンソンはタックルを切られても、素早くバックに回るなど上手い動きをするも、藤田はポジションキープを許さない。
 しかし、モンソンがついにバックをキープすると、じわじわと藤田の首にプレッシャーをかける。体を反転させたモンソンは、ガッチリと藤田の首を締めつけ勝負あり。対抗戦の初戦は、モンソンの完勝に終わった。
 藤田があっけなく敗れたせいもあり、すぐにエンディングのセレモニーが開始され、榊原代表が勇退、選手から胴上げされるという暖かい雰囲気のまま大会は終了したが、メインイベントの衝撃が頭に焼きつき、なんともモヤモヤする終わりだった。

◆モンソン「PRIDEでずっと戦いたいと思っていて、サブミッションで勝てて嬉しいです。でも、試合全体では満足していません。PRIDEは1から見ていて、ずっと出たいと思っていました。(グラウンドをアグレッシブに動いていたが?)何とか寝技で終わらせたいと思っていました。(UFCとのルールの違いでとまどいはあったか?)一回、4点ポジションからのヒザをもらいそうになりましたが、他は上手くかわせました。ヒザをもらいそうな体勢を作らせてしまった自分自身に残念です。(リングとケージの違いは?)テイクダウンの奪い方に大きな違いがありました。(藤田をUFCのファイターと比べて)トップファイターだと思いました。パンチが強く、レスリングも強いし、スタミナもありますから。(今後はPRIDEを継続参戦?それともUFCのベルトを狙う?)今の時点では、答えるのは難しいです。お金より対戦相手が大事。ヒョードルのような選手と戦いたいです。次はアブダビコンバットに集中したいです」

第7試合 ミドル級 1R10分・2-3R5分
×ヒカルド・アローナ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
○ソクジュ(カメルーン/チーム・クエスト・アフリカ)
1R 1'59" KO (右アッパー)


 開始しばらく右ローの打ち合い。ソクジュのローのほうが走っており、鋭い音が響く。アローナはソクジュのローをつかんで倒そうと抱え上げるが、柔道ベースのソクジュは倒れず。しつこく倒そうとするアローナを突き放すと、膝蹴りに行く素振りを見せたが、距離ができたため、とっさの判断で右アッパーへ。これがクリーンヒットしアローナは真後ろに倒れ、ソクジュが鉄槌2発とサッカーボールキックを放った後にレフェリーがストップした。アフリカの野生児・ソクジュが、ラスベガス大会での勝利がまぐれではなかったことを証明した。

◆ソクジュ「できることはすべてやったので、自信もって行きました。(作戦通り?)そうですね。思ったとおりスムーズにできました。作戦は相手を叩きのめすということです。(フィニッシュの前に、ヒザを出そうとしたが?)出そうとしましたが、相手が下がってしまったので間に合わないと思い、パンチに切り替えました。(キリンに教わった技は使った?)その技を使うと、相手を殺してしまうと思ったのでやめました(笑)。(今後戦いたい選手は?)自分から選ぶということはしたくないですね」
 

第6試合 ライト級 1R10分・2-3R5分
○青木真也(日本/パラエストラ東京)
×ブライアン・ローアンホー(オランダ/レッドデビル)
1R 1'33" 腕ひしぎ十字固め


 試合序盤、ローアンホーが飛びヒザで青木をヒヤリとさせる。組んで引き込んだ青木だが、相手のパウンドを2・3発もらってしまい、不安を見せる。スタンドに戻り、ローアンホーの飛びヒザをキャッチした青木が再びグラウンドへ。そこからは、チャンスを逃さずに一瞬の腕十字で勝利した。

◆青木「最初にヒザをもらってしまい、普段ならグラウンドパンチをもらっても『もっと打ってこいよ』という気持ちになるのですが、今回はヒザが効きました。(ライト級唯一の試合だったが?)日本で初のナンバーシリーズでのライト級の試合なんですよ。光栄ですね。(GPで戦いたい相手は?)北岡さんがDEEPでの査定試合をクリアして、ライト級GPに上がってもらい、決勝でやりたいですね。(UFCで戦いたい選手は?)70.3(ライト級)だったら、ショーン・シャークとか、ケニー・フロリアンとかですね。77(ウェルター級)だったら、ディアス、ヒューズ、サンピエール?戦って勝つ自信はあります。PRIDEが一番ということを見せます。あと、ルールはPRIDEでもUFCでもどっちでもいいですね。でも、PRIDEの方がおもしろいです。PRIDEが最高のイベントだと、今日思いました」

◆ローアンホー「作戦通りにいきませんでした。初めてのPRIDEで、ものすごく大きな会場にのまれてしまいました。グラウンドに行かないように、スタンドでKOを狙いましたが、青木が強かったです。青木とライト級GPの中で再戦したいです」



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第5試合 ヘビー級 1R10分・2-3R5分
○ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロージャン)
×ドン・フライ(アメリカ/フリー)
1R 6'23" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)


 「男塾、行ってみよう」。そんな煽りVTRから場内は盛り上がる。序盤、両者はフライ×高山を再現するかのように、首を抱えての殴り合いを披露。トンプソンが上になりマウントを取るが、フライは返して上になり、ギロチンを狙う。だがトンプソンは脱出すると、フライをロープに詰め膝蹴り。あとはパンチラッシュをひたすら続け、レフェリーストップ勝ちをおさめた。試合後は両者ともマイクを持ち、榊原代表への謝辞を述べた。

◆トンプソン「フライは最も好きな選手だったので、戦えて驚き、感動しています。映画の“レイジング・ブル”を思わせる試合だったと思います。フライとの対戦で、エキサイティングな試合を期待されましたが、そのような戦いができてよかったです。フライの試合は、高山、コールマン、ケン・シャムロックといった代表的な試合がありますが、今回の試合がフライの中で、良い試合の一つに挙げてもらえればいいと思います。(フライがPRIDE男塾塾長だが、トンプソンも入る?)男塾には入りません(笑)。ルールを破るかもしれませんし、また戦うかもしれませんからね」

◆フライ「今回の試合で、自分のエゴが崩れました。観客の気持ちは、フライ対高山のような試合で、自分が勝つだろうと思っていたでしょう。自分も勝つと思っていました。(今後の予定は?)トンプソンを追って、イギリスに渡ろうと思います。(試合後、榊原代表と話していましたが?)1年経ったら、新しい団体の代表でもいいし戻ってきてほしい」

第4試合 ヘビー級 1R10分・2-3R5分
○ギルバート・アイブル(オランダ/ボスジム)
×小路 晃(日本/フリー)
1R 3'46" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 PRIDEの初期に行われていたかのようなカードが、10周年の記念すべき大会で実現した。最初にグラウンドで上になったのは小路。しかし、アイブルが足関節を仕掛けると、小路の顔が一瞬歪む。両者足を取り合う展開に入り、上になったアイブルが小路の顔にパウンドを連打し試合は終了した。

◆アイブル「最初はものすごく緊張していました。PRIDEの節目で、今まで負けが多すぎたので勝ててよかったです。(相手の印象は?)侍の心を持った選手。彼は急な試合で、あまり練習ができなかったと思うので、自分がラッキーでした」

◆小路「(急遽参戦だったが?)作戦をもっとしっかり立てたかったですね。バラさん(榊原代表)の最後の興行だったので、穴を開けたくなかったです。試合は体重差ありましたが、力負けはしてなかったです。デカイ奴とやりたかったのでよかったです。(PRIDE旗揚げメンバーの一人だが?)1から出ているのは僕だけなので、パイオニアの一人としていろいろ伝えていきたいです」

第3試合 ウェルター級 1R10分・2-3R5分
○瀧本 誠(日本/吉田道場)
×ゼルグ・弁慶・ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)
1R 5'40" アームロック


 弁慶は長い足から勢いのある右ミドルをローを放つ。だが瀧本は外掛けで上になると、バックマウントを奪い、腕十字でチャンス。ところが極め急いだあまり弁慶に逃げられ、踏みつけを浴びる。弁慶はそのままマウント。愛称にふさわしい軽業に場内が沸く。
 猪木アリ状態の後、ブレイクがかかると、倒れた滝本に弁慶は再び踏みつけ。下になった瀧本だが、5分過ぎ、相手が休んでいるのを察知すると、腕十字を狙いつつリバーサル。そのままアームロックを極め、勝利をもぎ取った。
 激闘を制した瀧本はマイクを持つと「一発いいのをもらって全身が痺れています」と明かし、「榊原社長のために絶対勝とうと思っていました」等と話した。

◆瀧本「疲れました。(踏みつけなどをもらっていたが?)特に気にしていません。今は痛くないので。試合では、基本的なガードを下げないで、チャンスがあったら前に出るという感じです。最初の寝技で、相手が疲れているのを感じたので、先が楽になるなと思いました。今回初めて道衣を脱いで、どこまでできるか不安がありました。今後は、相手によって脱いだり脱がなかったりしたいです。(今後の目標は?)今日みたいな良い試合を、毎回続けられれば良いと思います」

◆弁慶「(瀧本から、後半スタミナが切れていたという指摘があったが?)最初の5分でスタミナは切れかかっていました。もっとスタミナがあれば、瀧本ともっと良い勝負ができたと思います。(相手は金メダリストだったが?)クロアチアのマローという柔道の選手とトレーニングをしてきました。でも瀧本の方が技の種類がありましたね。(初めてのPRIDEは?)オープニングで、藤田、フライ、モンソンといった選手と一緒に入場できて全てが感動です。良くなった自分を見てもらいたいと思うので、また戻ってきます」

第2試合 ヘビー級 1R10分・2-3R5分
○バタービーン(アメリカ/チーム・バタービーン)
×ズール(ブラジル/B-TOUGH)
1R 2'35" V1アームロック


 開始早々いきなりの殴り合いを始める両者。精度ではビーンが上で、右フックをズールのテンプルにヒットし、よろけさせる。組み付いたズールはテイクダウンに成功するも、ビーンがリバーサルして上に。ビーンは上から鉄槌でプレッシャーをかけ、アームロックを極め勝利した。

◆ビーン「ズールは自分を寝かせれば倒せると思ったのが大きな過ちだったと思います。もっと自分が寝技をできるということを知ってもらってもいいと思います。(モンスターGPについて)非常に興味があります。大きな相手と戦うのはエキサイティングですからね」

◆ズール「(敗因は?)あまりに小さい差です。テイクダウンから、サブミッションで行こうと思っていましたが、相手がボールのように重くてできなかったです。(左手指に、包帯を巻いているが?)殴り方を誤って、骨折してしまいました」

第1試合 ヘビー級 1R10分・2-3R5分
○中尾“KISS”芳広(日本/フリー)
×エジソン・ドラゴ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
1R 9'15" 袈裟固め


 中尾が何度もタックルでテイクダウンを奪い、四点ポジションで膝を当てる等主導権。5分を過ぎ、サイドをキープすると、袈裟固めタップを奪い完勝。「この勝利を榊原社長に捧げたいと思います」とマイクでアピールした。

◆中尾「体調は万全だったので、いいファイトができました。試合前に、フロントチョークか袈裟固めで極めようと思っていました。
 勝ったら言おうと思っていたのですが、前回の中村戦は、試合1週間前に大学病院との裁判の準備をしていました。薬の処方が正しく行われていなかったのでは?ということです。詳細は近々発表できると思います。最終的には、藤田戦に辿り着きたいです」


Last Update : 04/09 21:07

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