(レポ&写真) [K-1 MAX] 4.4 横アリ:魔裟斗好発進。山内撃沈
FEG "Ameba presents K-1 WORLD MAX 2007 〜世界最終選抜〜" 2007年4月4日(水) 神奈川・横浜アリーナ 観衆:11,628人(主催者発表)
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第10試合 3分3R(延長1R) ○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/MAX '03 世界大会優勝) ×オーレ・ローセン(デンマーク/アンテイムド) 判定3-0 (岡林30-27/朝武30-27/大成30-27)
1R、魔裟斗は序盤に右のローとミドルを当て、中盤には左右のパンチを当てるように。終盤には右ロー、左ミドルと攻撃を散らし、主導権をキープする。ローセンの右フックを浴びることもあったが、2Rも右ローとパンチのコンビを着実に当て主導権を維持。3Rはパンチと膝のラッシュで圧倒し、文句無しの判定勝ちをおさめた。 魔裟斗は「相手が亀のようにガードするので倒せなかった」と話すが、自分の動きに関しては「蹴りが使えて体の切れも良かった。走り込みの成果が出た」と満足。「まだ強くなれる」と優勝に向け自信を示した。
第9試合 3分3R(延長1R) ○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング・オランダ/MAX '05 世界大会優勝) ×佐藤嘉洋(日本/フルキャスト / 名古屋JKファクトリー/MAX '05 '06 日本大会優勝) 判定3-0 (御座岡30-29/朝武30-28/大成30-29)
1R序盤、佐藤が左膝とローを当てるが、次第に見えてきたサワーは、カウンターでパンチを当てるように。2Rにはさらにサワーのヒットが増え、佐藤は劣勢に。3Rはサワーがパンチを当て続け圧倒。世界王座奪還に向け好スタートを切った。
第8試合 3分3R(延長1R) ○ドラゴ(アルメニア/チーム・イッツ・ショータイム) ×山内裕太郎(日本/全日本キック・AJジム/全日本スーパーウェルター級王者) 3R 1'50" TKO (タオル投入)
開始からドラゴが何度も山内をコーナーに詰める展開。山内はジャブを打ちながら回って距離を取り続けるが、1R残り30秒、右フックをもらった後、ドラゴの軌道の変化するバックスピンキックをもろにもらい、ダウンを喫してしまう。 本来ならピンチからが山内の真骨頂。だが2R序盤、ドラゴの右ローをもらい尻餅をつき、ダウンを宣告される。スリップにも見えたが、これが効いていたため、山内はスイッチが入らず。その後はドラゴの怒濤の攻撃を浴び、右ローで再びダウン。 3Rにはグロッキー状態の山内に、ドラゴが左前蹴り、右ローを当て立て続けに2ダウンを奪取。最後は山内がコーナーに詰められ、右ローの連打を浴びたところでセコンドからタオルが投入された。完敗だった山内だが、不屈の魂は初見のK-1ファンにも伝わり、拍手を浴びながら退場した。
第7試合 3分3R(延長1R) ○ブアカーオ・ポー・プラムック(タイ/ポー・プラムックジム/MAX '04 '06 世界大会優勝) ×アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン) 判定3-0 (黒住30-27/朝武30-28/大成30-27)
1Rからブアカーオがコーナーにアンディを詰め、ボディやローを当て主導権。2Rになるとその場面がさらに増え、アンディは防戦一方に。結局3Rになってもその流れは変わらず。華麗なテクニックと圧倒的な強さで、アンディのミラクルを封じた。 谷川貞治K-1イベントプロデューサーは「アンディは倒されると思ったけどたいしたもんだった。世界トーナメントの16人に選ぶ可能性がある」と高く評価した。
第6試合 3分3R(延長1R) ○ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/ウォリアーズMMAアカデミー) ×前田宏行(日本/BUKURO GYM) 判定3-0 (御座岡30-27/朝武30-29/大成30-29)
カラコダが左ジャブを当て、前田になかなかチャンスを作らせず。2Rには左ローも着実に当て、ジャッジの印象を良くする。3Rは互いに左フックを当てるも単発止まり。結局最後まで大差ないまま続いたが、ヒット数で勝ったカラコダに軍配。因縁の相手との決着をつけた。
第5試合 3分3R(延長1R) ×アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/MAX '02 世界大会優勝) ○TATSUJI(日本/アイアンアックス/MAX '05 '06 日本大会準優勝) 判定0-2 (岡林29-30/朝武30-30/大成29-30)
ボクシングベースの両者がパンチで打ち合う展開。蹴りと膝も絡み、動きのある試合となるが、互いにクリーンヒットが少なく、山場のないまま本戦が終了。ドローにも思えたが、手数でやや上回ったTATSUJIをジャッジ2者が評価した。負けたクラウスは足早にリングを降り、退場しながらテレビカメラを殴り、怒りを示していた。 世界最終選抜の査定対象となった日本人で、唯一白星を得たTATSUJIだが、谷川プロデューサー個人としては、世界トーナメントの16人の枠に選びたくない考え。「本人が一番わかっていると思う。魔裟斗選手も全日本キックの頃、人を倒せない時期があった。TATSUJI選手はその辺を越えないと、世界に行っても活躍できない」と、決定力不足を指摘した。クラウスは決着戦を希望しており、開幕戦の再戦というのも一つの道だろう。
第4試合 3分3R(延長1R) ○ダニエル・ドーソン(オーストラリア/シュートボクシング・オーストラリア/WBOスーパウェルター級7位) ×ジョーダン・タイ(ニュージーランド/レイ・セフォー・ファイトアカデミー) 判定3-0 (御座岡30-28/朝武29-28/大成30-29)
ボクシングで無敗のドーソンが、巧みにパンチを当て、左ハイもヒットさせ、1Rは主導権。2R以降はタイもパンチを当て、ほぼ互角の展開。タイは得意のハイを放つが、クリーンヒットはほとんど無し。最後まで淡々とした攻防が続くも、着実にポイントを取ったドーソンが、オセアニア代表戦を制した。
第3試合 3分3R(延長1R) ○マイク・ザンビディス(ギリシャ/メガジム) ×武田幸三(日本/新日本キック・治政館/MAX '03 日本大会準優勝) 判定3-0 (岡林30-26/朝武30-26/大城30-26)
1R、前後に細かく出入りするザンビディスの前足に、武田がローを着実に当てる。ザンビのパンチラッシュもブロックして防御するが、ラウンド終盤にザンビが飛び込んでの右フックを当てダウンを奪い、いきなりポイント差をつける。 2Rも武田が序盤にローを当てるが、中盤からはザンビが左ボディを起点にしたパンチのコンビを当て主導権。3Rもパンチラッシュと右ハイでチャンスを作る。武田も時折「来い」と挑発しながら奮闘するが、最後まで武田にチャンスを得られなかった。
第2試合 3分3R(延長1R) ×ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル/プチテンジム) ○ツグト“忍”アマラ(モンゴル/フリー) 判定0-3 (黒住28-30/朝武29-30/大成29-30)
1R、忍が右ローと左ハイを着実に打ち分け主導権。2R以降はナラントンガラグがパンチ戦に持ち込み、甲乙つけがたい展開となったが、1Rのポイントを取った忍が勝利。モンゴル人対決を征し、世界一トーナメント開幕戦に望みをつなげた。
第1試合 3分3R(延長1R) ○イアン・シャファー(オーストラリア/ファイブリングス・オーストラリア) ×尾崎圭司(日本/チーム・ドラゴン) 判定3-0 (御座岡30-25/朝武30-25/大成29-25)
1R、シャファーがバックスピンキックで尾崎をぐらつかせ、左右のフックの連打でダウンを奪取。その後もパンチで圧倒し、連打で2ダウン目を奪う。2Rになると尾崎はローを着実に当て、流れをつかみかけるが、シャファーの右フックをもらうとぐらつきまたダウン。バックハンドブローを当てるが、終了のゴング直後の攻撃のため、ダウンと認められず。3Rは尾崎がバックハンドを何度も放つも、シャファーに逃げ切られた。
第0試合 60kg契約 3分3R ○HIROYA(フリー) ×西村憲孝(KSS健生館) 1R 2'47" KO (3ダウン:パンチ連打)
開始まもなくから、経験で上回るHIROYAが主導権。右ハイを当てた後、右フックをきっかけにパンチラッシュでダウンを奪取。ローも効かせつつ、パンチで立て続けにダウンを奪い完勝した。今後はタイのインターナショナルスクールに留学。日本とタイの両方で試合をしていく。
◆オープニングファイト
第3試合 3分3R ○名城裕司(頂上会 テアゲネス・スポーツ・アカデミー) ×安田鉄平(ウェスト・ジャパン) 1R 2'12" KO (首相撲からの左膝蹴り)
名城が序盤からハイを当て、左膝で流れをつかむと、ボクシング世界王者の兄を彷彿とさせるパンチラッシュでダウンを奪取。最後は首相撲からの左膝蹴り一発で豪快に安田をマットに沈めた。
第2試合 3分3R ×サトルヴァシコバ(全日本キック・勇心館) ○パク・ウィングヒョング(香港/ウニーク・タイボクシング) 1R 0'33" TKO (レフェリーストップ:右飛び膝蹴りでダウン後)
開始早々、ヴァシコバは突進。パクは前蹴りを放って落ち着いて対処。ヴァシコバの左ストレートをもらってぐらつくが、再びパンチを振り回してきたヴァシコバのアゴに、右の飛び膝をクリーンヒットさせ、見事KO勝ち。2月の試合後に頭を丸め、気持ちを入れ替えたヴァシコバだったが、K-1 2連敗となってしまった。
第1試合 3分3R ×蜜山剛三(ファイブリングス) ○城戸康裕(MAキック・谷山ジム/MA日本ミドル級王者) 判定0-3 (市瀬28-30/シャルリー27-30/豊永28-30)
1R、両者カウンター狙いの静かな攻防が続くが、終盤に城戸が右飛び膝を蜜山のアゴに当て、パンチラッシュでチャンス。2R以降も静かな展開となるも、城戸が随所でパンチの連打をまとめ完勝した。
Last Update : 04/05 11:44
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