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(レポ) [PRIDE.33] 2.24 ラスベガス:シウバ王座陥落。五味一本負け

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE.33 - Second Coming -"
2007年2月24日(土) 米国ネバダ州ラスベガス・トーマス&マックセンター

  レポート:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板・+ミドル級】 【→掲示板・−ウェルター級】


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第9試合 PRIDEミドル級タイトルマッチ 5分5R
×ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー/王者)
○ダン・ヘンダーソン(アメリカ/チーム・クエスト/挑戦者・PRIDEウェルター級王者)
3R 2'08" TKO (レフェリーストップ:左フックでダウン後)

※ヘンダーソンが新王者に。2階級制覇達成

 開始すぐ、ヘンダーソンがローを打った後、バランスを崩し下に。シウバはハーフとなるが膠着し、2分経過と同時にブレイクがかかる。ヘンダーソンは独特の前傾の動きから繰り出す右のパンチでペース。終盤に互いにパンチを当てるが、組み付いたところでラウンドが終了する。ポイントの振り分けは難しいラウンドに。
 2R、ヘンダーソンは組み付いてテイクダウンに成功。膠着気味ながら随所でパウンドを当て、シウバの右目尻を切る。シウバは下から腕十字を狙うがヘンダーソンは防御。その後も着実にパンチを当て、このラウンドのポイントを取る。
 3Rもヘンダーソンがタックルで上になろうとするが、シウバは切ってスタンドに戻す。シウバのローをもらい、ややペースダウンしたかのように見えたヘンダーソン。だがこれは罠だったか?その後、軽く放ったバックブローがシウバにヒット。直後のパンチラッシュは組み付かれ防がれたが、離れて左ジャブを放った後、左右のフックを振り回して左フックを2連続でヒット。シウバが大の字で倒れ、ヘンダーソンが鉄槌一発を見舞ったところでレフェリーが試合をストップした。
 ヘンダーソンは下馬評を覆し、2階級制覇と宿敵へのリベンジに成功。母国での試合を最も理想的な形で締めくくった。一方のシウバはミルコ戦に続き2連続KO負け。念願のUFCライトヘビー級王者・チャック・リデル戦から大きく後退した。本人は明かさなかったが、試合前に体調を崩し、前日には40度近い熱があったという。


第8試合 ライト級 5分3R
×五味隆典(日本/久我山ラスカルジム/王者)
○ニック・ディアス(アメリカ/シーザー・グレイシー柔術)
2R 1'46" フットチョーク

※ディアスのマリファナ陽性反応により、4/10付けで無効試合に裁定変更 [→関連記事]

 いきなりタックルで来た五味を、ディアスは防御してアームロックを狙うが、失敗して下に。長い足を活かして三角を狙う。五味が猪木アリ状態でブレイクを誘い、スタンドに戻すとパンチ戦に。五味も被弾するが、逆に右フックを当て、ディアスをダウンさせる。
 大チャンスとなった五味。上からパンチを狙うが、石田戦のような火の玉ラッシュにはならない。もたついている間にディアスはじわじわと回復。下から五味の腕を抱えて、関節技を狙い、流れを引き戻してしまう。また猪木アリからブレイクを誘った五味だが、両手をブランとさせて辛そうな表情。膝とパンチを当てるものの、腰が入らず、逆にディアスが右ジャブの連打をきっかけに攻勢に。激しい打撃戦にラスベガスの観客は大喜び。だが、五味からは川尻戦等で見せたような覇気が感じられない。
 1Rはなんとか逃げ切った五味だが、2Rもパンチで押され劣勢。場内からはディアスコールが巻き起こる。ディアスは五味の左ストレートで右の頬をカットしドクターチェックを受けるがすぐ再開。パンチ戦の後、五味はタックルでテイクダウンに成功するが、ディアスはすぐさま足を昇らせフットチョークを極める。五味はアウレリオ戦以来となるタップアウト。苦いラスベガスデビュー戦となった。
 ディアスはこの勝利で、五味とのタイトルを賭けての再戦が確実に。ところが試合後のネバダ州アスレチックコミッションによる薬物検査の結果、ディアスに大麻の陽性反応が出たという(参照記事:シャードッグ)。まだ再検査や公聴会等があるため、クロとは確定していないが、再戦が遠のきそうな気配だ。


第7試合 ミドル級 5分3R
○マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
×アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
1R 3'27" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 動きのいいアリスターが膝とストレートをヒットし先手。グラウンドでも上になる。だがショーグンは下からのアームロックをきっかけに上になると、立ち上がって構えをスイッチすることで相手の隙を誘った後、右のハンマーパンチをアリスターのアゴにクリーンヒット。見事一発で試合を終わらせ、ベガス大会2連勝を果たした。先輩・シウバが敗れたことで、ベガス大会の中心選手となりそうな気配だ。


第6試合 ヘビー級 5分3R
○セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/ロシアン・トップチーム)
×マイク・ルソー(アメリカ)

1R 3'46" 腕ひしぎ十字固め

 1R、ハリトーノフの2発目の左ローをつかんでルソーが上に。サイド、マウント、バックを取り、ハリトーノフが逃げようとしてもタックルでまた上になる。ところがハリトーノフは冷静。パウンドを腕十字につかまえ、見事タップアウト勝ちをおさめた


第5試合 ライト級 5分3R
○桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
×マック・ダンジグ(アメリカ/レジェンド・ファイトチーム / チーム・エクストリーム)
2R 4'01" TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)


 パンチで飛び込んできたダンジグに対し、マッハは右フックをヒット。膝も交えてラッシュを仕掛け、いきなり主導権を握る。柔道仕込みの投げも決め、1R終盤にはアームバーでチャンスを作る。
 2Rになると、1Rから当て続けてきた右ローが効き目を発揮するように。ヒットする鋭い音が響くたび場内が歓声に包まれる。そうやって下に意識を向けさせた後、マッハは得意に右フックをクリーンヒット。見事なKO勝ちで、UFC以来のアメリカSecond Comingを締めくくった。


第4試合 ミドル級 5分3R
×アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
○ソクジュ(カメルーン/チーム・クエスト)
1R 0'23" TKO (レフェリーストップ:左フックでダウン後)


 ソクジュがサウスポーのホジェリオに対し、右の蹴りを上中下に散らした後、飛び込んできたホジェリオに左フックをヒット。アゴにもらったホジェリオは大の字に倒れた。素質の高さを感じさせたソクジュ。次戦が楽しみだ。


第3試合 ミドル級 5分3R
×トラビス・ビュー(アメリカ/チーム・エクストリーム)
○ジェームス・リー(アメリカ/マッシュ・アカデミー)
1R 0'39" フロントチョークスリーパー


 ファーストコンタクトのリーの右ストレートがクリーンヒット。ビューはタックルで強引に組み付き防御するが、リーはギロチンでキャッチ。タップを奪い、あっさりと勝利をもぎ取った。


第2試合 ウェルター級 5分3R
×三崎和雄(日本/GRABAKA)
○フランク・トリッグ(アメリカ/RAWトレーニングアカデミー)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)


 1R、トリッグはテイクダウンに成功すると、サイドからバックへ。チョークを狙い続け主導権を維持する。
 2Rもトリッグがすぐサイドを取り先手。マウント、バックでチャンスを作る。三崎は脱出すると右ストレートを当て続けるが、残り1分近く、三崎の右膝蹴りにトリッグがタックルを合わせまたも上に。疲れを見せる場面もあるが、主導権は譲らない。ベテランらしい巧い試合運びだ。
 3Rは2Rの再現VTRのような展開。トリッグがウェルター級GP覇者・三崎を完封した。


第1試合 ライト級 5分3R
○ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー)
×ジェイソン・アイルランド(アメリカ/タップ・オア・スナップ)
3R 2'33" 腕ひしぎ十字固め


 1R中盤、ハンセンはサイドを取りバックマウントへ。いったんスタンドに戻されるも、再び倒して素早い動きで再びバックを取る。最後は下になるが1Rのポイントを取る。
 2R、ハンセンは頭を振ってフェイントを使った後、右アッパーをクリーンヒット。膝蹴りでラッシュを仕掛けチャンスを得る。グラウンドでアイルランドにアームロックで捕まえられる場面もあったが、肩固めを仕掛けながらマウントを奪い、終盤には腕十字を狙う。
 3Rもハンセンが主導権。下になると三角を仕掛け、腕十字に移行。アイルランドが悲鳴をあげたところでレフェリーが試合を止めた。ハンセンの完勝ゲームだった。
 

Last Update : 03/07 11:59

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