(レポ&写真) [海外総合] 10.14 米国:坂井澄江、デビュー戦は無効試合
Primal Tribe Fighting Club "XFS (Xtreme Fight Series) II" 2006年10月14日(土) 米国アイダホ州ボイズ・QWestアリーナ
レポート:シュウ・ヒラタ(BoutReview USA) 写真:Todd Hester 【→掲示板スレッド】
総合ルール 3分3R −坂井澄江(日本/フリー) −エイミー・デイビス(アメリカ/ワールド・ジム・コンバット・クラブ) 1R 終了時 ノーコンテスト
プロレス団体J'dを2002年に退社後、単身アメリカに渡り主に東海岸のインディー・マーケットで活躍していたプロレスラー坂井澄江が総合デビューを果たした。ルールはUFCと同じパウンド、顔面肘打ち有り。対するは開催地アイダホ在住のキックボクサー、エイミー・デイビスだ。
試合開始早々、相手の打撃に付き合わずいきなり組み付いた坂井は、豪快な大外刈りでテイクダウンを奪うと袈裟固めの状態に。そこからパウンドを数発落としたが、すぐに腕十字へ移行。正味一週間の練習でいきなり総合初挑戦となった坂井は試合後「練習したんですけど、やっぱりまだ顔面は殴れませんでした」と語っていたが、思い切って顔面にパウンドを落とすのを躊躇し、関節技を仕掛けたのだ。 しかし右腕が伸びきってもタップしないデイビス。レフェリーもどう対処していいのか分らない状態が続いたので、坂井は技を解きスタンディングに戻ると、もう一度大外刈りで投げ、今度はデイビスの左腕をがっちりと腕十字に決めタップを奪った。
相手に何もさせない完勝劇で総合デビューを飾ったと誰もが思った次の瞬間、リングサイドにいたタイムキーパーの間違いで、坂井の極めた腕十字がラウンド終了からすでに3秒過ぎていた事が発覚。他の試合がすべて1ラウンド5分で、この試合だけで特別に1ラウンド3分だったという事をタイムキーパーが忘れていたという大チョンボにより、公式記録はノーコンテストとなってしまった。
XFSのプロモーターは、次回大会でのリマッチを確約。しかしUFCのリアリティ番組「ザ・アルティメット・ファイター」の大成功により、総合格闘技がちょっとしたブームとなっているアメリカにおいて、今や存在する総合格闘技のプロモーションの数は50を超える。今回の試合で圧倒的な強さをみせつけた坂井の元にも、さっそく他のプロモーションからの試合のオファーが殺到している。次の総合の試合は12月あたりになる予定だが、必ずしもこのXFSでのデイビスとの再戦になるという事でもなさそうだ。 「プロレスが大好き」な坂井は、これからもプロレスラー、総合格闘家の二足のわらじを履いて活躍していく予定。ちなみに坂井は、一週間後の21日、ノースカロライナ州で開催されたプロレスのTVマッチ大会「Battle Angel」にも出場し、一日に3試合こなしている。
Last Update : 10/22 00:01
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