BoutReview
記事検索 by Google

(レポ&写真) [MARS] 10.4 新宿:bodog fightでソンが逆転の一本

トリニティ "MARS bodog fight 01"
2006年10月4日(水) 東京・新宿FACE

  レポート:本庄功志  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 

第8試合 bodog fight提供試合 65kg契約 5分3R
×マテウス・ラーデスマキ(フィンランド/チーム・スカンジナビア)
○トルネード・ソン(韓国/闘神塾KOREA)※ソン・オンシクから改名
1R 3'38" チョークスリーパー


 MARS成績が3連勝とノッているソン。まだ21歳と若く、これからMARSの中心選手になるかが期待される。
 試合開始前に「ラーデスマキ選手が再三の注意にも関わらず、顔にワセリンを塗っていた為イエローカードが与えられます」とアナウンスされると、会場は失笑。だが試合はその雰囲気を吹き飛ばすようなハイレベルな展開に。

 スタンドから両者素早い動きを見せ、会場の空気を一変させる。グラウンドでも上下目まぐるしく入れ替わり、噛み合っている様子を漂わせる。ラーデスマキはソンが上からパワーボムをしてきたところ腕十字をキャッチする。潰されるも蹴って上のポジションを奪取し、主導権をキープするが、ソンがリバーサルに成功すると、サイド、バック、スリーパーと一気に反撃。見事逆転勝利をおさめた。

 MARSの天野代表はこの試合を他の試合と比べ「別格」のクオリティと評価。「次は知名度ある選手とやらせたい」とソンに対しMARS側からも期待がかかるのが窺え、ソン自身も次の試合が大きなポイントになってくるだろう。対するラーデスマキもソンの速い動きに対応しており、能力の高さを見せた。
 ソンはこれで無傷の4連勝。日本での知名度はまだまだで“地味強”と考えられても仕方がない。ただ、今回の試合はアメリカのbodog fightのテレビ番組で放映されることが決まっており、総合の本場・アメリカにもアピールする機会となる。日米の格闘技ファンが認める選手になり、65kg級にトルネードを吹かせる日はそう遠くないかもしれない。

◆天野代表「MFCトーナメントはレベルが高かったですね。次が楽しみです。あとソン戦は別格。ちょっと違うな、と関係者と話していました。
10/28両国大会に野地竜太選手が参戦するが?)前から目はつけていました。対戦相手の候補はもういます。それなりの相手になりますね。
(野地、金原と言った日本のビッグネームがサプライズ参戦しているが?)そうですね。サプライズは今後も考えていきます。メインイベント(下記のヌールミネン戦)は迫力があるかなと思って組みました。もう少しバチバチの殴り合いをしてほしかったですね。今回の興行は前回が50点ということで、今回は55点で。大会も手ごたえを掴んできたので、次回両国大会も気を引き締めてがんばります」
 

第10試合 bodog fight提供試合 無差別級 5分3R
○ヤルノ・ヌールミネン(フィンランド/チーム・スカンジナビア)
×イ・サンス(韓国/恨AJC)
判定3-0 (豊永=ヌールミネン/鬼木=ヌールミネン/内藤=ヌールミネン)


 ムエタイベースで総合格闘技初挑戦のヌールミネン。対するサンスはヌールミネン同様100kgオーバーの巨漢ファイター。
 ヌールミネンは相手をテイクダウン。上になるとボディ、顔面とパウンドを打ち分ける。ブレイクがかかるも再び上のポジションになると、マウントを奪取。しかしニーオンザベリーに戻しパウンドを放つなど、初めてということでこれはもうご愛嬌というところか。案の定バランスを崩され、サンスに逃げられてしまうと、スタンドでパンチの連打をもらってしまい自ら劣勢の場面を作ってしまう。1R終了時点では、まだ両者若干元気がある様子だ。
 2R入りヌールミネンがまたもマウントを取ると、相手の片腕を自身の足で固定しバランスよくパウンドを放つ。総合初挑戦でできる芸当ではなかなかない。
 しかし2R中盤を過ぎたころから、双方のスタミナが底を尽きはじめ試合に陰りが見え始める。3Rからはお互い完全なスタミナ切れで、パンチに勢いもない。終始組んで休むという展開でブレイクが続く。ブーイングが出てもおかしくない状況だったが、両者すべてを出し切ろうという姿勢が見られたので観客も重々納得か。
 フルマーク判定で勝利したヌールミネンは、リング上で長い間大の字。試合後のインタビューで「今はただ寝たい」と言っていただけに、放っておけばそのまま眠ってしまっていたかもしれない。

◆ヌールミネン「今までやってきた試合で最後のラウンドは、人生の中で一番辛かったです。最初の2Rはよかった。しかし最終ラウンドがダメだった。MMAは初めてで、それで3Rは辛い。だが日本で始められたことは光栄です。
(またMMAはやりますか?)今答えなきゃならないとしたら、答えはノーです(笑)しかし時間が経つにつれて考えも変わってくるかもしれません。来月36歳になるので厳しいかもしれませんが。
(今後の目標は?)今はただ寝たいです(笑)。前にニューヨークに行ったので疲れていた。後は時差の関係でコンディションが良くなかったです。今日は70〜80%ぐらい。パンチのコンビネーションが打てなかったですね」

第9試合 bodog fight提供試合 ヘビー級 5分3R
×カリエム・エリングトン(アメリカ/フリー)
○エドモンド・カバウカンチ・ジュニオール(ブラジル/ハードコンバット)
1R 2'08" 肩固め


 開始早々エリングトンが右のローを放つ。結局エリングトンの攻撃はそれだけで、あとはジュニオールが距離を詰めテイクダウンを奪うと、袈裟の状態から相手にじわじわとプレッシャーをかける。この状態で固めたらあとは極めるだけで、フィニッシュは肩固めでなんともあっけなく試合は終わってしまった。


■MFCチャレンジ・ライト級(-70kg)トーナメント 一回戦(準決勝、決勝は12月に実施)

第7試合 5分2R
×割田佳充(CORE)
○キム・ドヒョン(韓国/闘神塾KOREA)
1R 2'43" 腕ひしぎ十字固め

第6試合 5分2R
○西内太志朗(U-FILE CAMP)
×大塚隆史(AACC)
2R 3'05" チョークスリーパー

第5試合 5分2R
○坪井淳浩(GSB)
×奥山健太(禅道会)
2R 2'21" 腕ひしぎ十字固め

第4試合 5分2R
○毛利昭彦(毛利道場)
×キム・ヨンス(韓国/闘神塾KOREA)
3R 判定2-1 (鬼木=毛利/和田=キム/内藤=毛利)
2R 判定0-1 (鬼木=ドロー/和田=キム/内藤=ドロー)

■その他の結果

第3試合 無差別級 5分2R
○濱田順平(誠ジム)
×小島良祐(武門会)
2R 0'39" KO (左フック)

第2試合 65kg契約 5分2R
×小塚誠司(格闘技サークルOZ)
○堀 友彦(フリー)
判定0-3 (内藤=堀/和田=堀/鬼木=堀)

第1試合 無差別級 5分2R
×加藤 実(フリー)
○ファン・ヒョンソン(韓国/闘神塾KOREA)
1R 0'23" KO (右フック)

Last Update : 10/06 10:53

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | STAFF

Copyright(c) 1997-2006 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。