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(レポ&写真) [スマックガール] 9.15 後楽園:赤野、ミドル級新女王に

キルゴア&スマックガール実行委員会 "SMACKGIRL 2006 〜群女割拠〜"
2006年9月15日(金) 東京・後楽園ホール  観衆:1,375人(主催者発表)

  レポート:本庄功志  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ※大会の模様はJ SPORTSにてオンエア。9月23日(土)17:00 - 18:30 J sports 1 ほか。


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第10試合 メインイベント ミドル級 スマックガール第2代女王決定戦 5分3R
○赤野仁美(AACC)
×モーリー・ヘイゼル(アメリカ/サンディエゴ・アンディスピューテッド)
2R 1'32" 腕ひしぎ十字固め

※赤野が新王者に

 赤野が内股でテイクダウンを奪い足関節を狙う。スタンドではヘイゼルの右ストレートがヒットするも「そんなの当たりました?覚えてないです」と試合後ケロっと話し、赤野もパンチを返し打ち合いに応じる。
 ヘイゼルは組み付いて相手の腿にヒザを当てていき、赤野は「腿にダメージあった」と話す。しかし赤野はバックグラウンドの柔道技を生かし投げでテイクダウンを取り、常にトップポジションを奪い試合の主導権を握る。
 2R早々赤野が背負い投げで上になると、速攻で腕十字の体勢に入り、粘るヘイゼルだったが腕が伸びタップした。

 「今まで自分だけを信じてきたわけではなく、チーム、ファン、いろいろな人を信じてきました」と涙ながらに赤野は話す。「チャンピオンになって終わりじゃないので、また次のステージに私もジョシカクも上がっていきたい」とすでに次のビジョンを見据えている様子だった。AACCに初のベルトを持ち帰った赤野は、チームと共に手にした戴冠に涙が止まらなかった。

◆赤野「最初から腿に相手のヒザが入ってて、ダメージあったんで、早く極めなきゃと思ってました。(リング上で)人前で泣く事はなかったのですが、泣いちゃうんだなーっと。ローラvs藪下を見て、勝ったほうに挑戦するのは私だし、勝つのも私だと思っていました。
(ベルトを巻いて)チャンピオンになるのが前提なんで。これからどう戦っていくのかというのが大事です。
(AACCにとって初のベルトだが?)大森のゴールドジムのショーケースに飾りたいと思います。お客さんがいつでも見られるように。
(今後は)ローラともやりたいし、海外の強い選手ともやりたい。パウンドありもやりたいです」

第9試合 54kg契約 5分2R
○WINDY智美(パンクラスism)
×せり(巴組)
2R 1'15" KO (ヒザ蹴り)


 WINDYが強烈な右ローを放つと、2発ほどで早くもせりの足が流れる。せりは前へ前へプレッシャーをかけていき、組み付いては相手を倒しにかかるも、WINDYは倒されない。WINDYはフットワークを使い常に距離を保ち、冷静に試合を進める。2Rに入りWINDYが「途中から作戦をヒザに変えた」と語り、変更した作戦が当たる。WINDYの組んでのヒザがボディにヒットすると、効いたのかせりが下がる。野獣が小動物を狩るようにWINDYがパンチ、ボディ、ヒザのコンビネーションで追撃すると相手はたまらずダウン。10カウントになってもせりは立ち上がれず、WINDYのKO勝ちとなった。

◆WINDY「決まったのはヒザですね。途中から作戦はヒザに変えました。組み付く場面が多かったんで、インターバルが終わり首相撲でいこうと。キックの首相撲はバカにできませんよ(笑)
(10カウントでの勝利だったが?)これが私には普通ですね。復帰戦はやっぱこうじゃないと。相手の襲いかかってくるような前にくるパワーを感じられたんで、その場面で打ち合うっていうのは無理だなと。でも倒すつもりで組み付いていこうと思っていました。また再スタートなんでがむしゃらに行かなきゃなと思ってます。あの人とこの人とやりたいとかじゃなくて、勝って証明していかなきゃならない時期に来たと思うので。」

第8試合 ライト級 5分2R
×MIKU(クラブバーバリアン)
○リサ・ワード(アメリカ/ユナイテッド・ファイトチーム)
1R 3'04" アームロック


 SGS公式ルールは初挑戦のMIKU。今ノッている女子のファイターとして寝技30秒ルールにどう対応し、スマックに新しい旋風を吹かせるか注目が集まる。だが海外からの高い壁に阻まれてしまうことに。
 開始早々いきなりお互いの打撃が交錯し、リサがタックルにきたところにMIKUがヒザを合わせるなど、今までの試合にないスピード感を見せ会場からは驚きの声が上がる。序盤いきなりリサがフロントチョークに捕らえると「あっと思ったらやばい状態になっていた」とMIKUの顔が赤く染まっていく。30秒経った後ブレイクがかかるも、MIKUは立ち上がり際に一瞬ふらつき、ルールに助けられたことがわかる。

 リサはMIKUから豪快な投げで何回も上になり、テイクダウン能力の高さを窺わせる。しかしMIKUも下から素早く腕十字を仕掛け応戦すると、リサがバスターで回避。しかしスマックルールではバスターは反則で、リサに口頭注意が与えられる。スタンドに戻るも、再び投げで袈裟の状態になったリサは相手の腕を自分の足に挟み、アームロックを極めMIKUに何もさせず完勝した。
 MIKUは敗れたもののインタビューの時は常に笑顔だった。悔しさもあるが「こんな強い人が世界にはいるんだ」とワクワクしているようにも感じられた。強い人が目の前にいると胸が高鳴る。「こんなつぇー奴がいるなんてオラわくわくする」と語ったドラゴンボールでの孫悟空のように、MIKUもそんな人間なのかも知れない。

◆MIKU「最初投げられてビックリしました。悔しいけどすごいなと。総合のレベルが違うなと思いました。スマックの舞台は他と変わらないですね。何も出させてもらえなかったので、いい勉強になりました」

第7試合 アキハバラ@DEEP Presents スペシャルマッチ ライト級 5分2R
×舞(チーム品川)
○風香(JDスター)
判定0-3 (芹澤=風香/梅木=風香/山崎=風香)


 風香が右のハイで牽制すると、舞がパンチを振って突進。距離が縮まると風香が投げでテイクダウン。しかし舞がバックを奪い返すなどポジションが入れ替わると、風香が鼻血を出し早くも可愛らしい顔が血に染まる。
 しかしスタンドでは風香が右のローなど蹴りで距離を取り、密着すると投げを放っていき試合の主導権を握る。風香は2Rに腕十字を取られる場面があったが、回避すると常に上のポジションでボディに休まずパンチを打つ。常にアグレッシブに攻め、判定で文句なしの勝利を収めた風香が、ルックスだけじゃないところを見せ付けた。

◆風香「3戦目で偉そうなこと言うようなんですけど、KOなり一本なりしたかったです。取れるかもと思うんですけど、外されて逆に極められてしまうかもしれないと防御に入ってしまいました。そういう所を今後の練習で改善していきたいです。
(鼻血が出ましたが?)プロレスラーなのかもしれないですけど、血を見たら安心するんで落ち着きました。試合前はすごい緊張しているんですけど、プロレスでリング慣れしているせいか、リングに上がると落ち着きました。プロレスやっていても総合の練習もやっていきます。プロレスが本業なんで試合は少なくなると思うんですけど、1戦1戦大事にしてどっちも100%でやりたいです。あと終わってから『プロレスラーが最強なんだよ!』と言おうと思ってましたが、舞い上がっちゃって忘れちゃいました」

第6試合 フライ級 5分2R
○吉田正子(NATIVE SPIRIT)
×兼谷絵里(和術慧舟會A-3)
判定3-0 (和田=吉田/芹澤=吉田/山崎=吉田)


 自作のベルトを巻いて登場の吉田。試合はお互いスタンド勝負をするも、お見合いが続き膠着気味。吉田は右のローを幾度も放ち有効。グラウンドの展開にもなるものの、両者目立った攻防はない。結局ラウンド通じて手数多く攻めた吉田が判定で勝利し、7月に行なわれたグラップリングルールでのリベンジに成功した。 
 吉田はマイクで「すごい中途半端な試合をしてしまいましたが」と前置きした後「もしみなさんが許してくれるなら、女王に挑みたい」とフライ級女王のしなしさとこに対戦アピール。G-SHOOTOのトーナメントでも優勝し実績も十分だが、今回もう少しインパクトのある勝ち方をして、しなしを振り向かせてほしかったところだ。

第5試合 アッパーライフPresents The Next Cinderella Tournament 2006 ミドル級決勝  5分2R
×中村さくら(禅道会)
○竹下嘉奈子(和術慧舟會東京本部)
1R 3'09" 腕ひしぎ十字固め


 竹下がグラウンドでアームロックから腕十字と移行し、中村の腕が伸びるも30秒ルールに阻まれる。スタンドでは竹下が長いリーチを生かしたジャブで中村を懐に入れさせない。痺れを切らしたか中村がタックルでテイクダウンを奪うも、下から竹下が速攻で腕十字を極めた。

第4試合 アッパーライフPresents The Next Cinderella Tournament 2006 フライ級決勝 5分2R
○浜田福子(闇愚羅)
×KM-MAKI(RISE FIGHT CLUB)
判定3-0 (和田=浜田/梅木=浜田/山崎=浜田)


 坊主頭の浜田に対し、KM-MAKIはコーンロウのヘアスタイルにチアガールのような可愛らしいコスチュームで登場。両者の見た目のコントラストがハッキリしている。
 試合は序盤、浜田が数度フロントチョークを極めにかかる。KM-MAKIも逆に浜田をフロントチョークで捕らえ、キャッチが入る場面もあったが、極めることができず。KM-MAKIは引き込んでグラウンドに持ち込もうとする展開が多く見られたが、自ら不利なポジションを与えてしまう。両者決定打に欠けたものの、浜田がグラウンドで上にいた時間が長く印象が良かった。

第3試合 フライ級 5分2R
○Edge(闇愚羅)
×玉田育子(AACC)
判定3-0 (和田=Edge/芹澤=Edge/梅木=Edge)


 Edgeの腰の入った左右のフックに、時折アッパーを混ぜるパンチはかなり強力。試合では右のボディも有効で、終始打撃で玉田を圧倒。玉田は強烈なパンチを幾度となくもらうも、倒れずテイクダウンを狙っていく。しかしEdgeのパンチは止まらず判定で勝利。
 Edgeの打撃は渡辺久江やWINDY智美より一発の破壊力では劣るものの、回転の速いパンチは現フライ級女王のしなしさとこをも脅かすものとなるだろう。

第2試合 ライト級 5分2R
○高林恭子(ALIVE)
×内藤晶子(和術慧舟會RJW)
判定3-0 (和田=高林/芹澤=高林/梅木=高林)


 内藤が左の強いローを何発も当て相手の足を痛めていく。しかし高林が距離を潰し何回も投げてテイクダウンを奪い、有利なポジションを取っていく。1R終盤腕十字を極める場面があったが、あと少しというところで寝技30秒ルールに泣く。内藤はスタンドで果敢に前に出て打撃を出していくも、高林がフットワークで上手くかわし、逆にパンチを当てていく。ラウンド通じて投げで何回もテイクダウンを奪った高林が判定で勝利した。

第1試合 無差別級 5分2R
○たま☆ちゃん(巴組)
×亀井奈津子(闇愚羅)
1R 3'13" 腕ひしぎ十字固め


 たま☆ちゃんが投げで何回もテイクダウンを奪い、スタンドでもジャブやストレートを的確に当て試合をリードする。ワンツーからタックルで早くもマウントを取ったたま☆ちゃんは、そこから難なく腕十字を極め勝利した。

 


 

DEEPでしなしさとこを下し王座を奪取した渡辺久江が休憩明けにファンに挨拶。

メインの女王戦の前には、両国国歌を声楽家の女性が独唱。無伴奏で美しい歌声が場内に響き渡り、雰囲気を盛り上げた。

大会終了後の記念撮影。メイド服姿の人もいれば、ボーリングのピンの着ぐるみの人も。

Last Update : 09/17 12:09

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