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(レポ&写真) [パンクラス] 7.28 後楽園:川村ネオブラMVP。吉本引分

パンクラス
"SEGA SAMMY Presents PANCRASE 2006 BLOW TOUR"

2006年7月28日(金) 東京・後楽園ホール

  レポート:本庄功志  写真:井原芳徳
  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 

第8試合 ライトヘビー級 第12回ネオブラッド・トーナメント決勝 5分2R
○川村 亮(パンクラスism)
×小谷野澄雄(烏合会)
1R 1'15" KO (グラウンドでのパンチ)

※川村がネオブラッドMVP獲得

 大会後にパンクラスの尾崎社長に「いいスターが出てきた。10年に一度、(前田)吉朗以来かな」と言わしめた川村。試合はその言葉に遜色ない内容だった。回転の速い打撃で小谷野を攻め立て、コーナーに追い込むとパンチの連打。右ストレートが当たり小谷野が尻餅を付くと、さらに速射砲のようなパンチの嵐で文句なしのKO勝利を収めた。 
 川村について尾崎社長は「大事に育てたいけれど、負けてもいいのでどんどん上の選手をぶつけていく」とも話す。これからの川村は、ライトヘビー級の上位ランクに食い込んでいくに違いない。王者は同門の近藤有己だが、どこまで近づき、いつか追い越すのだろうか。これからの川村は茨の道を進むことになるであろうが、それを凌駕するポテンシャルを持っている事に期待したい。

◆川村「獲らなきゃいけないものだったので、獲れて嬉しいです。これからやっていくうちに課題もあって…。そっちの方がデカいですね。(反省は?)打撃が出たんですけど、流れの中で出ていなかった。スイッチ入るのが遅かったですね。最初から全開で行かないと。(今後は)もっと厳しい試合があると思う。胸を張っていかないといけないですね。ネオブラ王者がこんだけ強いんだよというのを見せたいです」
 

第1試合 フェザー級 5分2R
△裕希斗(U-FILE CAMP.com)
△吉本光志(AJジム)
判定1-0 (岡本18-18/和田20-18/廣戸20-20)


 全日本キック・ライト級1位、IKMF東洋ライト級王者の吉本が総合格闘技初挑戦。どこまで総合に対応できるのか、第1試合から注目が集まる。
 吉本の打撃はもちろん一級品。序盤は得意の打撃で裕希斗を圧倒する。「打撃が効いて映像がコマ送りで見えていた」と裕希斗が試合後語っているように、キック王者の打撃はかなり強烈だったようだ。吉本は途中相手のタックルを切り、マウントになる場面もあり適応力の高さを皆間見せる。

 だが1R終盤、裕希斗の左ストレートがヒットし吉本がダウン気味に倒れると、裕希斗がそのままグラウンドで腕十字を捕らえる。しかし1R終了のゴングが鳴り、チャンスを逃す。
 2R、スタンドでは吉本が一枚も二枚も上だが、グラウンドになるとディフェンスで精一杯。マウントを奪われると、エビを使い上手く返したいが、思うようにエビを使えず足をバタつかせる。ゴング直前なんとかスタンドに戻るが、そのまま試合は終了。ジャッジは1者裕希斗につけたが、他はドローという結果に終わった。

第4試合 ウェルター級 5分3R
×大石幸史(パンクラスism/4位)
○カーロス・コンディット(アメリカ/ファイターズ・イン・トレーニング)
3R 1'01" TKO (ドクターストップ:口唇の負傷)


 コンディットが多彩な打撃のコンビネーションで大石を翻弄。長い手足で1,2,3,4からハイ、組んでからの強烈な膝などを当て、確実にダメージを与えていく。大石もパンチを返し、何度かテイクダウンに成功するが、コンディットが下から休まずパンチを出していき、なおかつトップポジションを許さない。
 3Rにコンディットのヒザで大石がダウン気味に倒れる。そこから、サッカーボールキックを見舞いえげつなく攻め、大石が出血。ドクターチェックが入り試合はストップされた。

◆コンディット「(2連敗し)いつか勝てるだろうと思っていたが、それが今日だった。(大石は)手堅い選手であることに変わりなかった。レスリング出身なので、テイクダウンに来るのはわかっていた。倒されても、立ち上がって得意の打撃を出すだけなので慌てなかった。(今後について)ベルトに挑戦するには、結果を出さなくてはいけない。その為にハードなトレーニングをやる。(ファンへ)これからはまだ見せていない自分を見せる。もっと自分を知ってもらいたい」




第7試合 ウェルター級 第12回ネオブラッド・トーナメント決勝 5分2R
○本田朝樹(パンクラスP's LAB横浜)
×熊澤伸哉(闘心)
判定3-0 (廣戸20-18/岡本20-19/梅木20-18)


 沖縄のランデルマンこと熊澤が、5戦連続一本勝ちでトーナメントを制する事ができるか期待が集まったが、本田の一方的な展開に。。
 試合は両者正面から激しくぶつかり合い、会場を沸かせる。本田の打撃が熊澤を再三捕らえるが、タフな熊澤は倒れない。しかし時間が経つにつれて打撃が効いてきたか?1R後半で一気に失速。ダメージも蓄積し早くもスタミナが切れてきた様子だ。
 2Rに入ってもスタミナで若干上回る本田が試合をリード。対する熊澤は完全なスタミナ切れで打撃にもスピードがない。後半は本田もスタミナが切れてきて、もうお互い気力と気力の勝負といったところか。両者フラフラになりながらも試合は終了し、判定で本田が勝利しトーナメントを制した。

第6試合 ライト級 第12回ネオブラッド・トーナメント決勝 5分2R
×西内太志朗(U-FILE CAMP.com)
○松田恵理也(フリー)
判定1-2 (梅木20-19/廣戸20-20/和田20-20)

※マストシステムにより廣戸と和田が松田に優勢

 寝技に行きたい西内とスタンド勝負をしたい松田。両者の思惑がくっきり分かれる展開となったこの試合。
 1R序盤、西内がテイクダウンを奪いスピニングチョークを極めようとする場面もあったが、極められずスタンドの展開が続く。松田は得意のスタンドで上下打ち分けて攻めるが、決定打を与えることはできない。
 2R開始早々、松田の右ハイがヒット。しかし、西内は怯まずテイクダウンを奪いマウントを取ることに成功。だが松田もすぐリバーサルし、イノキアリ状態のままブレイクがかかる。打撃戦ではやはり松田が上か。手数を多く出し、コンパクトな打撃を放ち相手を苦しめるが、最後まで決定打を与えられないまま試合は終了。判定は割れ、松田が勝利した。試合後は元同門の先輩・松田を、西内が肩車して讃えた。

第5試合 フェザー級 第12回ネオブラッド・トーナメント決勝 5分2R
○植村“ジャック”龍介(パンクラスP's LAB東京)
×曹 竜也(闘心)
判定3-0 (岡本20-19/和田20-19/廣戸20-19)


 曹は入場時、軍服のような上下迷彩の格好をし、マシンガンを装備して観客に打ち鳴らすパフォーマンス。会場を大いに沸かせる。試合は、さすがに決勝戦ということもあって実力は拮抗している。グラウンドの展開になってもポジションが激しく入れ替わり、両者一歩も引かない。
 2Rの終盤、スタンドでパンチの打ち合いになり、植村のパンチが多くヒットする。この攻撃がジャッジに影響したか、判定で植村が勝利した。

第3試合 ライト級  5分2R
△伊藤崇文(パンクラスism)
△Dr.Yoshimura(K.I.B.A.)※吉村直記から改名
判定0-0 (和田20-20/岡本20-20/廣戸20-20)


 全日本キックにも参戦したことがある伊藤が、その打撃テクニックを随所に披露する。しかし、決定打を与えることはできない。2Rを通して何回もテイクダウンを奪う事に成功するが、Yoshimuraの鉄壁のガードから有効打一つ与えられず。
 伊藤が上になる展開が多かったが、ダメージを与えられず膠着気味だったため試合はドロー。手堅く試合を進めるのはいいが、両者にはもっと冒険してほしかったと思う。噛み合わなかったのもあるかもしれないが、それが今後両者の課題なのかもしれない。

第2試合 ライトヘビー級 5分2R
×桜木裕司(掣圏会館)
○福田 力(KILLER BEE)
判定0-3 (岡本19-20/廣戸18-20/梅木19-20)


 桜木はヘビー級からライトヘビー級(90kg)に落としての参戦。両者、現王者近藤有己の対抗馬になるかが注目される一戦だ。
 試合は福田がテイクダウンを奪ってから、パウンドを効かせ終始試合をリード。桜木はいまだにグラウンドでの展開に不安が見える。打撃の展開に持ち込みたい桜木だが、余力乏しく、回転蹴りを見舞い自ら下になってしまう場面も。判定ではグラウンドで試合を有利に進めた福田に文句なしの軍配が上がった。

◆ パンクラスゲート

第3試合 無差別級 5分2R
○水野竜也(U-FILE CAMP登戸/97.1kg)
×長屋圭三(高田道場/82.7kg)※忍田憲明(フリー)から変更
1R 4'20" TKO (レフェリーストップ:腕ひしぎ十字固め)
※長屋にイエローカード1
          
第2試合 ライトヘビー級 5分2R
×人見友和(ハイブリッドレスリング山田道場)
○藤井陸平(和術慧舟會RJW)
1R 2'01" KO (スタンドでの膝蹴り)

第1試合 フェザー級 5分2R
△山澤勇紀(スタンド)
△宮川武明(P's LAB横浜)
時間切れ

Last Update : 07/31 11:35

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