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(レポ&写真) [全日本キック] 7.23 後楽園:石川防衛。増田2階級制覇

全日本キックボクシング連盟 "Spear of Destiny"
2006年7月23日(日) 東京・後楽園ホール  観衆:1,650人(満員)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 

第7試合 Wメイン(2) 全日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R
○石川直生(青春塾/王者)
×正巳(勇心館/フェザー級5位)
1R 2'24" KO (3ダウン:膝蹴り)

※石川が初防衛

 試合前、本来の挑戦者・前田尚紀が松葉杖とギプスの痛々しい姿でリングインし、観客と関係者に今回の欠場を詫びた。
 石川と正巳は試合前のコメント通り、1Rからラッシュを仕掛ける。公開練習と同様、石川は前蹴りでファーストコンタクト。正巳もパンチを振り回し、石川を押し倒し気迫を前面に出す。
 だが一撃一撃の威力は石川が数枚上。首相撲に捕まえ膝を連打すると、正巳はみるみるうちに失速し、顔面に2発もらいダウンする。さらに石川は膝で猛ラッシュ。立て続けに2ダウンを追加し、貫禄のKO勝ちをおさめた。
 前日の真王杯開幕大会のメインでも、桜井洋平がTURBΦを1RでTKO。石川は「自分の試合前日なので皆には止められたけど、あの試合だけは見た。洋平選手の一方的な戦い方をイメージし、その通りできた」と明かす。

 前回の大宮司戦の1R目のダウンの呪縛も解き放つことができた。「とにかく心の隙を見せないことが大事」と話していたため、正巳を倒した後もしばらくシリアスな表情が続いたが、ベルトを巻き両手を上げられた瞬間、ようやく笑顔がこぼれた。
 「今の僕の夢は軽量級のキックボクシングを世に出すこと。でも、僕一人じゃできない。怪我で休んでいる前田と(山本)真弘にも早く戻って来て欲しい。僕の野望と軽量級キックの野望を楽しみにしていて下さい」とマイクアピール。
 バックステージでは10月新宿FACEでの自身プロデュース興行について言及し、「軽量級で面白いことをやるのが僕の使命」「大晦日にキックボクサー同士が肘を振り回し、一般視聴者の度肝を抜かせたい」と野望を語った。
 次の試合はその新宿大会となる模様。9月の全日本キックのタイ遠征にも同行し、現地でも練習したい考えだ。タイ遠征は9/17(日)ラジャダムナン、9/19(火)ルンピニーに各2選手参戦。山本元気の出場が決まっている。
 

第6試合 Wメイン(1) 全日本ライト級タイトルマッチ 3分5R
×サトルヴァシコバ(勇心館/王者)
○増田博正(スクランブル渋谷/2位)
3R 2'13" TKO (ドクターストップ:膝蹴りによる額のカット)

※増田が第17代王者に。フェザー級に続く2階級制覇

 1R序盤、ヴァシコバの左ハイに合わせ、増田は左ストレートをヒット。そのままヴァシコバを後ろに押し、倒れ際に膝を顔面に叩き込む。これでヴァシコバは左眉をカットしドクターチェックが入る。
 だが2R序盤、ヴァシコバは左ストレートでダウンを奪うことに成功。3R序盤にも、増田の左ハイに合わせ左ストレートを合わせ、ややスリップ気味ではあるがダウンを奪う。地力ではやはりヴァシコバが上かと思わせる展開だった。
 とはいえ増田は、1R序盤にヴァシコバの左眉を切って以降、「相手が焦っているのがわかった」といい、ローや膝蹴りを随所で当て、ダウン時以外は攻勢には持ち込ませない。

 「ヴァシコバは首相撲ができない。ローに左ストレートを合わせるのがわかっていたので、コンパクトにローを打つようにした」と試合後明かす。キャリア約10年・34戦目のベテランならではの老獪な戦術だ。3R中盤過ぎにはクリンチの状態でヴァシコバの傷口にパンチを連打。出血が激しくなり、ついにドクターストップとなった。
 増田は全日本とJ-NETのフェザー級王座に続き2階級制覇。マイクを持つと、「スクランブル渋谷に移って以来、結果を出せなくて、山口(元気)会長、内田(康弘)トレーナーに申し訳なかった。結果を出せてうれしい」と話した。今後については「ダウンをもらってのTKO勝ちなので、もっとボクシングを練習しないといけない」と反省し、大月晴明らへのリベンジも目標に掲げた。

第5試合 セミファイナル 67kg契約 3分5R
○大輝(JMC横浜GYM/全日本ウェルター級王者)
×喜入 衆(ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKスーパーライト級王者)
判定3-0 (朝武50-47/野口50-47/和田50-46)


 2階級分ぐらい大きく見える大輝が、1Rから重みのある右フック、右アッパー、左ボディ、左ミドルを何発も当て圧倒。だが「蹴りの打ち分けがうまくできなかった」といい、また、喜入の打たれ強さも相まって、最後までダウンを奪えず。喜入の右ローももらい続け、初めての5R目で疲れ「思ったより動けなかった」といい、国内トップ集団入りを前に少し課題を残す内容となった。

第4試合 スーパーフェザー級 サドンデスマッチ(3分3R+延長1R)
○岩切博史(月心会/フェザー級7位)
×栗原 豊(光ジム/ライト級9位)
2R 2'59" KO (3ダウン:パンチ連打)


 岩切が1R終盤にパンチ連打でダウンを奪取。2Rもパンチ連打で立て続けにダウンを奪い、急遽出場の栗原を粉砕した。

第3試合 肘無し ヘビー級 サドンデスマッチ
○山宮恵一郎(GRABAKA/6位/90.0kg)
×ジミー明成(パンクラス・チーム玉海力/102.0kg)
判定3-0 (和田30-28/勝本30-28/朝武30-29)


 山宮がサウスポーの構えから上下のフェイントをかけ、頭を下げての左右のフックを当て続け主導権。3Rには打ち合いでパンチをもらい失速したが、キックデビュー以来の連勝を3に伸ばした。

第2試合 ライト級 3分3R
×長谷川誠(青春塾)
○畑尾龍宏(REX JAPAN)
判定0-3 (26-29/26-29/26-29)

第1試合 スーパーウェルター級 3分3R
×横澤浩史(S.V.G.)
○大蔵“PHOENIX 1号”(PHOENIX)
3R 2'00" KO

オープニングファイト第2試合 フェザー級 3分3R
△尾田兼次(S.V.G.)
△土師幸廣(朝久道場)
判定0-1 (30-30/28-30/30-30)

オープニングファイト第1試合 スーパーウェルター級 3分3R
○小笠原克樹(青春塾)
×星野大介(総合格闘技津田沼道場)
判定3-0 (29-26/29-26/29-26)

Last Update : 07/26 12:20

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