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(レポ&写真) [真王杯] 7.22 後楽園:桜井、TURBΦを1R 粉砕

真王杯実行委員会 "キックボクシング 真王杯 55kg・60kg オープントーナメント(ADVANCE VII 〜前進〜)"
2006年7月22日(土) 東京・後楽園ホール
認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

  レポート:井原芳徳(60kg級)、本庄功志(55kg級) 写真:井原芳徳
  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


◆ 60kg級

第10試合 一回戦 3分5R
○桜井洋平(Bombo Freely/NJKFライト級王者)
×TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver. OJ/元NKBフェザー級王者)
1R 1'19" TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)

※1R左フックでTURBΦに1ダウン
※ドクターチェック中のセコンドのリング内侵入により桜井に減点1

 「ニュージャパンのリングだけどニュージャパンじゃない。国崇とかも雰囲気が違ってやりにくいと言っていた」。試合後、桜井は語ったが、「キックの真の王者を決める」真王杯のコンセプトと、通常の後楽園大会3つ分ぐらいありそうな豪華カードが、いつものリングを違う空気にした。
 メインは02年9月のNKBフェザー級初代王者決定戦(統―トーナメント決勝)の再戦。前回は桜井が1Rにダウンを奪い、5R判定勝ちをおさめている。両陣営の応援も凄まじい。
 「TURBΦちゃんの気合が入っていたので、相手のペースに飲まれないようアゲアゲで行った」という桜井。体格差を活かし、序盤から首相撲につかまえ、膝蹴り。これはTURBΦにバランスを崩され尻餅をついてしまう。だが再開後、ローを放ったTURBΦは、左フックをもらいバランスを崩し、ダウンを喫する。ややスリップ気味ではあったが、これで桜井はさらに勢いづくことに。TURBΦをパンチラッシュでロープに詰めると、右肘一発でTURBΦの額を切り裂き、見事TKO勝ちをおさめた。
 「最近の試合と動きが全然違うことをわかってもらえたと思う。まだまだこんなもんじゃない。日本人相手負け無しで行きたい」「TURBΦちゃんとこの試合で勝った方が優勝すると誓っていた。必ず優勝する」と試合後話した桜井。気持ちも体も絶好調。9/24(日)の準決勝では大宮司と対戦。この勢いのまま、真の王の座まで上り詰めるのか?

第9試合 一回戦 3分5R
×アトム山田(武勇会/WMAF世界フェザー級王者)
○ラスカル・タカ(月心会/全日本フェザー級4位)
6R 2'38" KO (3ダウン:パンチ連打)

5R 判定0-1 (松田48-48/山中48-49/和田48-48)
※3R左フックで山田に1ダウン
※公式記録はドロー

 真王杯の一回戦の組合せは、赤コーナーにマスコミとNJKF関係者の投票上位者が並ぶ仕組み。この日は赤コーナー8人(リザーバー除く)のうち7人が勝ち上がったが、唯一番狂わせに成功したのが、全日本キックから参戦したラスカルだった。
 大阪在住のため後楽園で他団体の選手の試合を見る機会が少ないため、アトムについても「凄い昔のビデオしか無く、研究できなかった」というラスカル。序盤から大振りのフックやボディブローをもらい「スタミナを消耗した」という。だがそう感じさせない動きを維持。サウスポーの構えから得意のローを着実に効かせ、3Rには左フックでダウンを先取する。
 4R以降はパンチ主体の消耗戦に突入。5R中盤にはバッティングでラスカルが右まぶたを切ってしまう。残り30秒は足を止めての打ち合いで“我龍タイム”状態。ラスカルはこの時「気持ちよくて、このまま倒れてもいいと思った」という。

 判定はドロー。手数でアトムが評価されたのだろうが、ダメージの蓄積もアトムが上だったことは、延長戦が始まってすぐ示される。開始すぐ、ラスカルは左フックの連打でダウンを奪取。アトムもフラフラになりながらもバックブロー等で奇襲を仕掛けるが、ラスカルのハイキックの連打を浴び2度目のダウン。最後はパンチの連打を浴びたところで棒立ち状態となり、レフェリーがKOを宣告した。
 「僕が真王杯にエントリーされた時、『なんでラスカル?』という声もあったと思うが、全日本の4位でもここまでやれることを見せたかった。全日本キックが一番だと思う」とバックステージで語ったラスカル。実際、3位の前田尚紀とも4月に延長4R目に突入する激闘を繰り広げた経験もあり、そのタフネスが今回の試合でも活かされた格好だ。
 準決勝では中須賀と激突。「大宮司選手は以外知らない。現役選手の理想型は大宮司選手。僕は不器用でスタイリッシュになれないけど。大宮司選手に勝ち上がって欲しい」とラスカルは話していた。
 

第6試合 一回戦 3分5R
○大宮司進(シルバーウルフ/ISKA世界スーパーフェザー級王者)
×山田健博(高橋道場/全日本ライト級3位・元MA日本2階級王者)
判定3-0 (和田50-49/松田50-49/山中50-49)


 大宮司のセコンドには魔裟斗の姿も。大宮司は左ミドルを主体に、左ボディや左ストレートのパンチも当てる。対する山田はひたすら右ローを狙い続ける展開。3Rに大宮司がヒット数で差をつけるも、なかなか均衡が崩れなかった。しかし5R終盤に大宮司がパンチの連打でチャンス。結局この攻撃が勝負を決定づけたが、勝ち名乗りを受けた大宮司は首をかしげ内容に不満げだった。

第5試合 一回戦 3分5R
○中須賀芳徳(OGUNI-GYM/NJKFフェザー級2位)
×奥山光次(渡辺ジム/MA日本フェザー級1位)
3R 0'41" KO (左フック)


 2Rまで一進一退の攻防。中須賀の作戦は、左ミドルを当て距離を取り、パンチを当てることだった。しかし「相手のストレートが結構真っ直ぐ伸びてきて焦った」といい、緊張も相まって思うように動けない。
 だが3Rになると、ようやく慣れてきたか?本人も「拳のいい感触があった」と振り返る左フックがクリーンヒット。ちょうどよく練習していた攻撃だといい、これでKO勝ちに成功した。準決勝はラスカルと激突する。

第2試合 リザーブファイト 3分5R
○砂田将祈(誠至会/J-NETWORKフェザー級1位)
×安田和伸(岩瀬/NJKFフェザー級3位)
判定3-0 (多賀谷50-49/松田49-48/山中50-48)


 クリンチの多い展開となり、両者ともなかなか噛み合わない攻防が続いたが、随所で膝を効かせた砂田が勝利した。

◆ 55kg級

第8試合 一回戦 3分5R
○藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者、MACH 55 1st 優勝)
×岩波祐次(渡辺ジム/MA日本バンタム級王者)
4R 2'08" KO (3ダウン:左ローキック)


 序盤、岩波の首相撲からの膝と肘に捕まる場面の多かったあらしだが、2Rからローを当て効かせるようになると主導権。3Rには左ミドルと左ボディで体力を奪い、ハイ、ローと攻撃を散らし圧倒。4Rには右フックでのファーストダウンをきっかけに、パンチ連打、左ローで立て続けにダウンを奪い完勝した。

第7試合 一回戦 3分5R
○国崇(拳之会/NJKFバンタム級王者)
×カピラ前沢(フリー/元MA日本スーパーフェザー級王者)
4R 0'48" TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)

※2R飛び膝蹴りで前沢に1ダウン

 前沢の変則的な右ローを受け、やや攻めあぐねているようにも見えた国崇だが、左ボディを随所でヒット。「左ボディは入っていなかった」と試合後振り返っているが、前沢のスタミナは確実に奪われていったことだろう。
 2Rには得意の飛び膝蹴りでダウンを奪うと、3Rには前蹴り、肘、ボディ等の多彩な攻めで圧倒。3R後半には左肘打ちにより前沢が額をカット。試合は続行されるも、4Rに二度のドクターチェックを挟み試合ストップ。国崇が順当に勝ち進んだ。
 準決勝ではあらしと去年のMACH 55準決勝以来16ヶ月ぶりに激突する。リベンジ&決勝進出なるか?

◆国崇「動きが硬かったです。今年4試合は納得していません。(前沢について)オーラというか、なかなかやり辛く、攻め切れなかったです。(準決勝は)会長とビデオをチェックして、気持ちを入れ替えます」

第4試合 一回戦 3分5R
○米田貴志(OGUNI-GYM/NJKFバンタム級1位)
×牧 裕三(アクティブJ/J-NETWORKバンタム級王者)
2R 2'32" TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)


 1R両者互角の展開だが、米田がじわじわとローを効かせ2Rには主導権。ミドルにパンチに攻撃を散らし、肘で牧の右目尻をカット。さらに額も切り裂き、計3回のドクターチェックの末、TKO勝ちをおさめた。

第3試合 一回戦 3分5R
○寺戸伸近(BOOCH BEAT/全日本バンタム級1位)
×真二(OGUNI-GYM/NJKFバンタム級3位、MACH 55 1st 準優勝)
判定3-0 (和田48-47/山中48-46/高木48-46)

※1R右フックで寺戸に1ダウン。2Rパンチ連打で真二に1ダウン

 真二が開始すぐに右フックでダウンを奪う。しかし寺戸は2R、パンチと肘の猛攻でダウンを奪い返し挽回。その後はパンチとローで一進一退の攻防。長期戦では5R制で戦い慣れている真二が優位とも予想されたが、寺戸は手数が落ちず、終盤は圧倒。真二を純キックルールでも下すとともに、準決勝に駒を進めることに成功した。米田とのフレッシュな対決に期待したい。

第1試合 リザーブファイト 3分5R
○美保裕介(PITジム/NJKFバンタム級4位)
×那須儀治(大誠塾/新空手トーナメント優勝)
判定3-0 (和田50-45/多賀谷50-45/松田50-43)

※4R右ハイキックで那須に1ダウン、5R飛び膝蹴りで那須に1ダウン
 
 美保は得意のフックを振り回しつつ、右のロー、ミドルもヒット。またジャンプして脳天にヒジを落とすような攻撃も加え打撃戦をリードする。
 4R、右ハイでダウンを奪うと、一気に倒しにかかる。ここは仕留められなかったが5Rにもゴング直前に飛び膝蹴りでダウンを奪い、大差でリザーブ権を手にした。

Last Update : 07/25 17:47

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