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(レポ&写真) [MARS] 5.13 幕張:岡見・ロバーツ・井上・漆谷が完勝

トリニティ "MARS World Fighting GP in 幕張"
2006年5月13日(土) 千葉・幕張メッセ

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板・総合スレ】 【→キックボクシングスレ】

  ■テレビ中継:サムライTV 5/27(土) 22:00〜24:00(再放送あり)

※キックルールは組んでからの膝蹴りは1回のみ。フリーノックダウン制。コーベット×ロバーツのみ膝連打&肘有り。総合ルールはグラウンドの相手の頭部への蹴りが反則。
 

第9試合 総合ルール 82kg契約 5分3R
○岡見勇信(和術慧舟會東京本部)
×バン・ジウォン(韓国/テグ異種格闘技アカデミー)
1R 4'38" TKO (レフェリーストップ:バックマウントパンチ)


 序盤の岡見はスタンドでプレッシャーをかけるが、情報の乏しかったジウォンの右フックを警戒。最初2〜3分は様子見だったが、そり投げで倒すと、後は一気に攻勢に。いったん立ち上がってパウンドを落としながらパスガードに成功すると、バックマウントからパンチを連打し余裕の勝利をおさめた。
 「6月のD.O.Gで強い選手とやりたい」という岡見。そこで実力を示し、8月から始まるHERO'Sのライトヘビー級(85kgを予定)トーナメントに名乗りをあげるつもりだ。
 もちろん単に出るだけでは終わらない。「外国人にいいようにやられてキャラ作りを手伝うような選手になりたくない」とも語り、勝つことへの意欲がより強くなっている。4月のROTRのトーナメントの準決勝で惜敗したことも影響しているだろう。
 秋山成勲、桜庭和志と並ぶ、あるいはそれ以上のヒーローとなれるか。この日のMARSでの完勝を弾みに、今年後半ブレイクしてくれることを期待したい。

第8試合 キックルール 無差別級 3分3R
×ネイサン・コーベット(オーストラリア/ファイブ・リングス・ドージョー/WBCムエタイ世界86kg級王者/92.6kg)
○アレックス・ロバーツ(アメリカ/空柔拳会館/R.I.S.E. G-BAZOOKAトーナメント'06優勝/102.9kg)
2R 1'51" KO (右ハイキック)


 1R、コーベットが左右のストレート、左ボディ、右ロー等を的確にヒット。前日のルールミーティングで認められた肘は、ダウンを奪いに行くような打ち方。ロバーツも前日に認められた首相撲からの膝蹴りの連打で応戦するが、「1R目は動きが硬かった」といい、手数で劣りやや防戦といった様子だ。
 とはいえ1Rで相手の力量を読み「カウンターを取れることがわかった」といい、膝蹴りだけでなく右ミドルも当てるように。「今週に試合が決まったから全然練習してなかった」という肘も、コーベットに負けじと駆使する。
 最後は圧巻だった。重みのある右ミドルにコーベットが苦しみ、ガードが下がりだすと、ロバーツはそのチャンスを逃さず右ハイキック。コーベットは前のめりに倒れ、なんとか立ち上がるも足元がおぼつかずストップがかかった。

 「世界のトップレベルも怖くない。自信ついた」と流暢な日本語で明るく語るロバーツ。「MARSも出たいけどK-1ジャパンに出たい」とも語り、7月30日に北海道で開催されるK-1ジャパンGP参戦に意欲を示した。
 コーベットは初のKO負けにショックが大きく早々と会場を後に。関係者を通じ「体重差に苦しんだ。チャンスがあればまた日本で戦いたい」とコメントを残した。
 

第7試合 総合ルール 75kg契約 5分3R
×キム・ヘンギ(韓国/チーム・タックル)
○井上克也(和術慧舟會RJW/パンクラス・ウェルター級暫定王者)
3R 4'20" TKO (レフェリーストップ:マウントパンチ)


 ゴング早々、ヘンギは飛び膝を仕掛け、間合いになっても左ジャブも的確に当て続け主導権。井上はローブローをもらい2分近く休む一幕も。相手の情報が乏しく「様子を見過ぎた」が、終盤には左ストレートでヘンギをぐらつかせ、流れを引き寄せる。
 2Rからは右ローも効力を発揮。終盤に相手の指が目に入るアクシデントもあったが、くじけることなくパンチの連打でヘンギを苦しめる。
 3Rは完全に井上のペース。パンチの連打でマットに這わせると、サイド、バックからパウンドを連打。ヘンギはアキレス腱固めを狙い抵抗するが、最後は井上のマウントパンチを浴び撃沈した。
 終わってみれば完勝の井上だが、序盤の劣勢を反省。「自分はスロースターターなんで、最初から100%行けるようになりたい」と話す。8月27日のパンクラス横文大会でのウェルター級タイトルマッチまで時間があるため、もう1試合挟みたいが、この日痛めた左拳の回復具合を見ながら考えるという。


第6試合 総合ルール 68kg契約 5分2R
×矢野卓見(烏合会)
○ソン・オンシク(韓国/テグ異種格闘技アカデミー)
判定0-3 (和田19-20/平18-20/礒野19-20)


 間合いの状態が続く試合。矢野は最初の引き込みは逃げられたが、2度目のグラウンドではアキレス腱固めでチャンスを作る。ところがオンシクはそのまま上体を起きあがらせ、バックを取ってパンチを落とし反撃する。
 2Rも同様、間合いの状態が続き、中盤には両者とも消極的だとして口頭注意が与えられる。攻めあぐねた様子で矢野は少しずつ疲労の色が濃くなる。終盤には矢野のタックルを潰したオンシクが、またもバックを取りパンチと鉄槌を落とし続けポイントを奪取。勝負を決定付けた。

※第5試合はプロレス


第4試合 総合ルール 59kg契約 5分2R
○漆谷康宏(和術慧舟會RJW/修斗バンタム級世界3位)
×ダニエル・リマ(オーストラリア/ファイブ・リングス・ドージョー/修斗フェザー級世界4位)
判定3-0 (和田20-18/平20-19/芹澤20-17)

※当初「芹澤20-16」と発表されたが、公式記録への記入ミスが判明し訂正された。

 開始前、膝をマットについて構える漆谷はゴング早々ダッシュして飛び膝。HERO'SのKIDのような秒殺KO勝ちにはならなかったものの、これで機先を制し、ローの打ち合いでも主導権。リマにオンブの状態からチョークを狙われても、冷静に対処する。
 1R終盤には早くもローが効きだし、パンチでリマの腰が落ちるとまたも飛び膝蹴り。これも命中せず、その後リマの足関につかまりかけたが難なく脱出する。アグレッシブで多彩な動きで観客を魅せつつ、きっちりラウンドのポイントを取ってみせた。
 2Rはリマもロー連打と右フックで意地の反撃を見せるものの、漆谷はひるまず応戦。左ローと右フックを返すうちにリマは嫌がるように。再三のリマのタックルも切り続け主導権を維持し、文句無しの判定勝ちをおさめた。
 修斗で一階級上のトップランカーに完勝したことは、漆谷にとって大きな自信につながる上、関係者の評価を高める好材料となるだろう。


第3試合 キックルール 70kg契約 3分3R
○ブルース・マクフィー(オーストラリア/K6ジム/WMC南太平洋王者)
×小川孔久(空柔拳会館)
判定3-0 (センチャイ29-26/少29-25/シーナ29-26)
※1R左ハイキックで小川に1ダウン
※1R倒れた相手への蹴りでマクフィーに減点1

第2試合 キックルール 71kg契約 3分3R
×丸山純一(ザ・スピリットジム)
○守屋拓郎(NJKF・町田金子ジム)
1R 1'24" KO (右ローキック)

第1試合 キックルール 無差別級 3分3R
○松本勇三(勇三道場/82kg)
×加瀬大策(ARMS/112kg)
1R 2'17" KO (左ハイキック)
※1R左ストレートで松本に1ダウンあり


◆天野プロデューサー「次回が勝負」

 カード決定の難航した新生MARS。結局出場しなかったパンクラスの佐藤光留がカード表に載り、大会前の紹介VTRにも登場したり、カード表の試合順の誤りのせいで選手のアップが遅れ、急遽休憩が挟まれる等、数々のハプニングが起こった。
 会場が都心から離れていることも相まって客入りも苦戦。天野勇気プロデューサーは「マッチメークに限らず色々バタバタしてしまった」と険しい表情で語り、「秋口の次回大会が勝負」と気を引き締めていた。


Last Update : 05/16 12:55

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