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(レポ&写真) [修斗] 5.12 後楽園:リオンが新王者に。STG横浜全勝

サステイン "プロフェッショナル修斗公式戦 SHOOTO The DEVILOCK"
2006年5月12日(金) 東京・後楽園ホール
認定:インターナショナル修斗コミッション

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第7試合 メインイベント 修斗世界ライト級王者決定戦 5分3R
×アントニオ・カルバーリョ(カナダ/シャオ・フランコ・マーシャルアーツ/世界1位・米大陸1位)
○リオン武(シューティングジム横浜/世界5位・環太平洋1位)
1R 3'06" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

※リオンが第5代王者に

 開始すぐ、カルバーリョが右ローを当てた後、変則的な左ハイキックでリオンをぐらつかせる。「試合で打撃が効いたのは初めて」というリオンだが、カルバーリョの右ミドルを抱えてグラウンドに持ち込むと、一気に形勢逆転。パウンドを一発入れると「行けると思った」といい、あとはひたすら連打するのみ。パウンドは「実は得意中の得意」だというだけあり、一発一発が的確で重みもある。カルバーリョはもらい続けるうちに動きが緩慢に。レフェリーが試合を止めると、青コーナーにはSTG横浜のジム生が駈けより、リオンの勝利を祝った。

 この日はSTG横浜勢4人1R勝利。リオンはバックステージで「今日は横浜祭りです」と話したがまさにその通りの内容に。「SHOOTO The DEVILOCK」という当初のコンセプトが霞むほどだった。
 王座奪取についてリオンは「実感がわかない。カルバーリョにリベンジした気持ちのほうが強い」と話す。突然タイトル戦が決まったことで、長い間プレッシャーを感じ続ける必要が無かったことがリオンに幸いした。
 だが本当の試練が訪れるのは初防衛戦。若くてランクイン間もないリオンが取ったことで、他の強豪達も刺激を受けないわけがない。ペケーニョの絶対王政から群雄割拠の戦国時代へ。修斗ライト級の新時代が、この祭りの夜から始まった。
 

第6試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
○マモル(シューティングジム横浜/世界王者)
×井口 攝(TEAM BADASS 13/世界6位)※摂より改名
1R 2'45" TKO (レフェリーストップ:膝蹴りによる額のカット)


 マモルが右ミドルを出せば、サウスポーの井口も左ミドルをお返し。グラウンドに持ち込みたい井口はタックルを試みるが、マモルは切って素早くバックに回り込み、思うようにはさせない。
 スタンドに戻ると、マモルは上下のパンチの連打で一気に主導権。ハイキックも交え、コーナーで首相撲につかまえると、膝蹴り一発で井口の額を切り裂くことに成功する。長いドクターチェックの後再開するが、マモルのパンチラッシュに井口は防戦一方。出血が激しくなり、2度目のドクターチェックでストップがかかった。

 先にマイクを持った井口が、マモルに「ありがとうございました」と言い頭を下げ完敗を認めると、場内がどよめく。さらに「120% MAXを出したけど、やっぱ強えな。辞めるかもしんねえけど、気まぐれにやっていきます」と井口らしい言葉を残してリングを降りた。マモルもそれに応え「井口っちゃん、ありがと!」とエール。戦った者同士だけで通じ合う暖かい友情の感じられる、感動的な光景だった。


エキシビジョンマッチ 3分1R
−桜井“マッハ”速人(マッハ道場/ミドル級世界6位・環太平洋4位・第4代世界王者)
−佐藤ルミナ(roots/ライト級世界4位・環太平洋3位・初代環太平洋王者)
勝敗無し


 どちらもスタンドとグラウンドで多彩な動きを見せ、最後はルミナが飛びつき腕十字でタップを奪った。両者ともコンディションが良ければ今大会にも出たかったとのことで、今後の出場に意欲を示した。
 なお、開会式後にデビロックの遠藤氏は、度重なるカード変更を観客に詫びた上で、「今回がボリューム1。2回、3回と続けていく」と継続開催に意欲。ルミナ、マッハ、郷野聡寛の登場に期待しよう。


第5試合 78kg契約 5分2R
○川口健次(シューティングジム横浜/ライトヘビー級初代王者)
×デイヴィダス・ペトラウスカス(リトアニア/ダインラルファス/ミドル級クラスB)
1R 2'05" TKO (レフェリーストップ:バックマウントパンチ)


 川口のセコンドには、若手時代から苦楽を共にする桜田直樹氏がつく。開始すぐ、川口はジャブを振りながら組み付く。ペトラウスカスが首投げに失敗すると、すぐさまバックマウントに。手の振りをうまく使い、きっちり効かせるパンチをペトラウスカスの頭に叩き込み続け、見事復帰戦を白星で飾った。
 マイクを持った川口は「坂本(一弘・サステイン)社長や桜田会長らと共に、佐山聡の残した修斗を守り、PRIDEやHERO'Sに負けない興行にする」とアピールした。

◆川口「もの凄く緊張しました。殴り合った方が面白かったけど、昨日1R KOされる夢を見て、とにかく今日は勝つために組技になりました。川口スペシャルも出したかったんですけどね。(体型に驚いたが?)日頃忙しくてあんまり食べられなかったから。元々ミドル級の体格なんですよ。復帰戦が決まったのは先週の火曜だったけど、生活が落ち着いてきたので、そろそろ試合に出ようとは思っていました。(ここで偶然、佐藤ルミナが通りかかると)負けてもはい上がるルミナにはいつも勇気づけられたよ。(今後は?)3日ぐらい経ってから考えます。いつも試合前は辞めたくてたまらなくなるから」

第4試合 ウェルター級 5分3R
○廣田瑞人(GUTSMAN修斗道場/環太平洋6位・05年新人王)
×風田 陣(ピロクテテス新潟/環太平洋10位)
判定3-0 (菅野30-24/若林30-24/鈴木30-25)

※1R・2R、右ストレートで風田に各1ダウン

 キック出身の風田が右ローと膝蹴りをうまく当てるが、ガードが甘くなる隙を突いて廣田が右ストレートでダウンを奪取。1R終盤にも右ストレートでぐらつかせ、上からのパンチで風田の鼻血を誘う。2Rにも右ストレートでダウンを奪い、その後も度々サバ折りで風田を倒して上になるが、なかなかフィニッシュに持ち込めない。逆に3R終盤にはバテた廣田に風田が膝を連打し、ベテランの根性を見せつけた。

第3試合 67kg契約 5分3R
○不死身夜天慶(シューティングジム横浜/ライト級世界10位・環太平洋7位)
×田村彰敏(津田沼道場/ライト級環太平洋10位)
1R 2'10" KO (右フック)


 ストライカータイプの両者がスタンドの打撃で真っ向勝負。だが的確さで上回るのは不死身夜の方。右ストレートを当て続け、右フックでダウンを奪取。田村は10カウント以内に立ったが、うまく歩けずKOが宣告された。

第2試合 66kg契約 5分3R
○阿部裕幸(AACC/ライト級環太平洋9位)
×デビッド・パディーリャ(アメリカ/ジーザス・イズ・ロード/ライト級クラスA)
1R 3'15" 一本 (腕ひしぎ十字固め)


 パディーリャのセコンドにはライト級元トップランカーのステファン・パーリングの姿が。太りすぎてパディーリャと同じ階級だったとは思えない。
 パディーリャが脇を差してテイクダウンを狙うが、崩して上になったのは阿部の方。すぐさまマウントを取ると、腕十字、足関でチャンスを作る。パディーリャは辛うじて逃げて上になるが、阿部の攻め手は止まらず、下からの腕十字で一本。修斗公式戦ではペケーニョ戦以来となる約4年ぶりの勝利に満面の笑みを浮かべていた。

第1試合 62kg契約 5分2R
○水垣偉弥(シューティングジム八景/フェザー級クラスA・05年新人王)
×亘理崇麿(パラエストラ仙台/フェザー級クラスB)
1R 3'49" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 開始すぐ水垣が上に。亘理の下からの仕掛けを潰して、上から的確にパウンドと鉄槌を落とし続け完勝した。急なオファーを受けた亘理の勇気も讃えられるべきだろう。

※休憩明け、山下志功がリングイン。4/22 フロリダのAFCで修斗ライトヘビー級世界王座を奪取したことをファンに報告した。

Last Update : 05/15 10:12

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