(レポ&写真) [修斗] 3.24 後楽園:マモル、またもドロー防衛
サステイン "クリムゾン・プレゼンツ プロフェッショナル修斗公式戦" 2006年3月24日(金) 東京・後楽園ホール 認定:インターナショナル修斗コミッション
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第9試合 メインイベント 世界バンタム級タイトルマッチ 5分3R △マモル(シューティングジム横浜/世界王者) △BJ(AACC/世界1位) 判定1-0 (菅野30-28/横山29-29/鈴木29-29) ※マモルが2度目の防衛
タイトルマッチは大半の時間が立ち技の攻防に。1RはBJが手数で上回る。サウスポーの構えから左ローを着実に当て、組み付いては膝蹴り。細かな攻撃でも大応援団が掛け声を送るため、BJにとってはやりやすいだろう。 だが2Rはチャンピオンのペースに。序盤、ガードを下げて軽く挑発した後、右ハイをヒットさせることに成功。その後も右ミドル、右膝、左ボディ等を当て、手数で上回る。中盤には右ストレートをもらってしまうが、終盤には右ボディストレートや右ミドル等でラッシュを仕掛け、このラウンドのポイントを取る。
ところが3R、マモルが疲れを見せ始め、再び流れはBJに。組み付いて膝を当てるようになり、中盤には左ストレートを炸裂。残り1分には左ミドルを効かせつつ、外掛けでテイクダウンに成功。いったん立たれてしまうが再び外掛けで倒し、終了ギリギリで底力を発揮した。 判定はドロー。マモルは04年9月のホビソン・モウラ戦に続くドロー防衛。「恥ずかしい限り。今度こそKO防衛できるよう頑張る」と話し、「ちょっちゅねー」と言いながら苦笑いを浮かべていた。
◆マモル「負けない試合をしちゃった。プレッシャーを含め、まだまだ修行が足りない。(2Rに)ハイキックが当たった時、もっと攻め込むべきだったけど、悪い部分が出た。天狗になってたつもりはないけど、自分を見つめ直すいいきっかけになった。長期政権をダラダラやっても意味が無い。爆発的な力を出せる長期政権にしたい」
◆BJ「夢のような相手と戦ったけど、思ったよりもできて自信になった。首相撲でやられながら『こんなやり方もあるんだ』『これをやったらダメだ』って身を持って教えてもらった感じ。最近の修斗は勝ちにばっかりこだわる選手が多いけど、僕はもっとお客さんが盛り上がるような試合ができるようになりたい」
※試合前の花束贈呈はWBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守が行った。
第8試合 セミファイナル バンタム級 5分3R ○生駒純司(直心会/世界4位) ×高橋大児(秋本道場ジャングルジャンクション/世界8位) 3R 3'50" 一本 (三角絞め)
生駒は開始すぐ、高橋のタックルで下になると、すぐさまリバーサルに成功し、マウントから三角絞めを極めかける。その後はスタンドで高橋がパンチを当て、コーナーに押し込んでボディフックを効かせるという展開の繰り返し。高橋のボクシングの練習の成果が発揮される。 2Rは劣勢だった生駒だが、3Rに底力を発揮。寝技になり下からの三角に失敗したが、高橋が離れたところで蹴り上げると、嫌がった高橋は再び生駒のガードの中へ。すると生駒はすぐさま三角の形に入り、ガッチリロックして一本。「一本じゃなきゃ勝ちじゃない」というポリシーどおりのフィニッシュで後楽園を沸かせた。 マイクを持つと「4月に36歳になりますけど、ぜんぜん大丈夫です」と発言。王者マモルへの挑戦&リベンジに向け、健在ぶりを強調した。
第7試合 バンタム級 5分3R ×久保山誉 (K'zファクトリー/世界5位) ○阿部マサトシ(AACC/世界9位) 判定0-3 (菅野26-29/横山26-30/鈴木27-29) ※1R右フックで久保山が1ダウン
序盤リズム良く左ローを当てるのは久保山だが、サウスポーのマサトシは、左フックを振ったあとの右フックでダウンを先取する。その後も右フックだけでなく左ボディも当て久保山を苦しめる。 2Rは久保山のタックルをきっかけに寝技中心の展開。久保山のパスガード狙いからマサトシはリバースに成功するが、久保山は下からの蹴り上げとアリキックで反撃する。 3Rも久保山は寝技勝負を望みタックルを繰り返す。だがマサトシはさばいて膝蹴りとパンチを当てる。後のない久保山は終盤は打撃戦に応じるが、マサトシも一歩も引かず。 結局1Rのダウンが大きくポイントに作用しマサトシの判定勝ちに。02年8月の高橋戦以来2年7ヵ月ぶりとなる修斗での試合に「デビュー戦のつもりで挑んだ」といい、「今日はスタミナが切れたけど、もっと練習して、BJやマモル選手を追い抜きたい」と話し、タイトル獲りを表明した。
第6試合 修斗グラップリング 78kg契約 5分2R ○青木真也(パラエストラ東京/ミドル級世界王者) ×鶴屋 浩(パラエストラ松戸) 2R 1'04" 一本 (フットチョーク)
大学を卒業し、4月から静岡県警に就職する青木の希望により急遽実現した一戦。足元に絡みつこうとする鶴屋をふりほどき、青木はテイクダウンとトップでポイントを重ねる。立った状態の差し合いの攻防では、得意の飛びつき腕十字を相手陣営に読まれて攻めあぐねる。しかし1R後半には足関でチャンスを作り、終了際にはテイクダウン、トップ、マウントで一気に6ポイントを重ねる。 2R序盤にも同じ合わせ技で15-0に差を広げると、最後はマウントのまま右ふくらはぎを鶴屋の喉に押しつけるフットチョークという技で、あっさりと一本勝ちをおさめた。「ゴング格闘技」誌の対談記事でエディ・ブラボーに教わった技だという。 青木はマイクで、4月から社会人になることを表明しつつ、必ず修斗に戻ってくることを約束した。ベルトの防衛期限は1年。最低半年は出場は厳しいという。
第5試合 ウェルター級 5分2R ○天突頑丈(PUREBRED大宮/環太平洋9位) ×マリウス・リアウケビュチス(リトアニア/ダインラルファスジム) 判定2-0 (菅野20-19/鈴木20-19/若林19-19)
天突がテイクダウンに成功するが、マリウスがヨアキム・ハンセンのように長い手足を下から効かせるため、パウンドを落とせない。逆に下からのパンチをもらう場面もあったが、天突は2Rになるとパウンドのヒット数を増やす。マリウスもその攻防から打開できるほどの能力は無く、上から攻め続けた天突の勝利。だが笑顔は無かった。
第4試合 ライト級 5分2R ○孫 煌進[ソン・ファンジン](スクランブル渋谷) ×中尾享太郎(シューテイングジム横浜) 判定3-0 (菅野20-17/横山20-18/鈴木20-18) ※2R右フックで中尾が1ダウン
孫が右フックの威力を発揮。1Rはコーナー際で当てそのまま上になったせいもありダウンにはならなかったが、2Rにはローのカウンターでうまく合わせ、ダウンを奪うことに成功する。その後、享太郎の右ストレートとローで動きが止まったが、享太郎も疲れがあってか攻めきれず。孫は戦績4戦3勝(1KO)1敗とし、クラスAに大きく近づいた。
第3試合 ミドル級 5分2R ×ミンダウガス・スミルノヴァス(リトアニア/オシマスジム) ○吉田善行(東京イエローマンズ) 1R 4'00" TKO (レフェリーストップ:バックマウントからの鉄槌連打)
ミンダウガスがオンブになりスリーパーを狙うが、吉田は前後反転させて上になると、腰を浮かしてパウンドを落としサイドに。最後はバックを取り鉄槌を連打しTKO勝ちをおさめた。
第2試合 61kg契約 5分2R ○小塚誠司(PUREBRED大宮) ×亘理崇麿(パラエストラ仙台) 判定3-0 (菅野20-18/横山20-19/鈴木19-18)
1Rはスタンドで小塚が右フック、亘理が右ローを当て、寝技では亘理が上になりパウンドを落とす展開。2R、首投げに失敗した小塚から亘理がマウントを奪うが、小塚はブリッジで跳ね返し逆にバックからチョークを極めかける。亘理は脱出して上からパウンドを落とし続けたが、結局このチョークが決め手となり小塚の勝利となった。
第1試合 ミドル級 新人王決定トーナメント一回戦 5分2R ×湯浅友和(シューティングジム大阪) ○マテウス・イリエ・ネキオ(ブラジル/PUREBRED大宮) 判定0-3 (菅野18-19/鈴木17-19/若林17-20) ※1R右フックで湯浅に1ダウン
1R序盤にマテウスがチョークでキャッチ。スタンドでパンチを浴びる数は多いが、打たれ強く一発の威力では上で、1R後半には右フックでダウンを奪う。2Rはやや疲れを見せたが1Rと似たような展開で、プロデビュー戦を白星で飾った。
Last Update : 03/31 11:28
|