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(レポ&写真) [修斗] 7.30 後楽園:戸井田、石川に辛勝。井口初戦は引分

サステイン "クリムゾン・プレゼンツ プロフェッショナル修斗公式戦"
2005年7月30日(土) 東京・後楽園ホール
認定:インターナショナル修斗コミッション

  レポート:井原芳徳  写真:小林秀貴  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第8試合 メインイベント ライト級 5分3R
×石川 真(PUREBRED大宮/世界5位・環太平洋4位)
○戸井田カツヤ(和術慧舟會トイカツ道場/環太平洋8位)
2R 4'09" 一本 (チョークスリーパー)


 2か月前からボクシングジムでのトレーニングを始めた石川が、左右のフックを当て攻勢。トイカツが組み付いても、力強く突き放しチャンスを与えない。トイカツは1R終了後のインターバルに宇野薫から「総合をやれ」と言われたといい、飛び膝や突然しゃがんだりと変則的な動きを絡めてかく乱を試みる。だが流れは変えられず、次第に鼻血を出すようになり、ダウンも時間の問題かと思われた。
 しかし2R終盤に入りかけたところ、パンチが交錯した後、石川がコーナーに後ずさり。トイカツは組み潰して速攻でバックを取ると、スリーパーを極め見事逆転勝利を奪い取った。

 マイクを持ったトイカツは「3つやりたいことがあります。1つ、門脇の敵討ち(※7.3名古屋大会の日沖発戦)。2つ、カリスマへのリベンジ(※昨年12月のルミナ戦)。3つ目なんですけど、俺の階級のチャンピオン(=ペケーニョ)が(HERO'Sで)負けたんで、所選手にライセンスをあげてください。俺が敵撃つから!」とアピールした。
 だがリングを下りずに赤コーナーで待ち続けていた石川は「バッティングでクラッときたところで極められたのはおかしいと思います」と主張。8月の横文大会での再戦を希望すると、トイカツは「夏休みを取りたいんで」といなしたが、石川は9月の後楽園大会での再戦を要求し、トイカツは握手をしてリングを降りた。
 バックステージでも石川は「他の場面も合わせると4回ぐらいバッティングがありました。故意としか思えません。試合中レフェリーに指示しましたが聞いてもらえませんでした。これでは修斗が競技じゃなくバーリトゥードになってしまいます。(コミッションに)提訴しつつ再戦を訴えます」と主張した。

第7試合 セミファイナル 62kg契約 5分3R
×秋本じん(秋本道場JUNGLE JUNCTION/フェザー級世界6位・環太平洋5位)
○大石真丈(K'z FACTORY/フェザー級世界8位・環太平洋6位)
1R 3'14" テクニカル一本 (レフェリーストップ:腕ひしぎ十字固め)


 パンチが交錯した後、大石が秋本を組み潰して上に。足の取り合いの後、秋本が上になるが、大石は下から三角絞めで捕まえ、そのまま頭部にパンチを連打する非情な攻めを繰り広げる。さらに秋本の右腕をつかまえアームロックを狙うと、三角をほどいて腕十字に。秋本はタップしなかったが、苦痛の表情を浮かべたところでレフェリーが試合を止めた。
 マイクを持った大石は、世界タイトル戦を要求しながらも、タイトルを保持したまま対戦できなかったことを秋本に詫びた。秋本は「これでノーサイド。今度飲みましょう」と返答。両者の暖かい友情に観客から拍手が送られた。

第6試合 ウェルター級 5分3R
×天突頑丈(PUREBRED大宮/環太平洋6位)
○冨樫健一郎(パレストラ広島/環太平洋8位)
判定0-3 (菅野29-30/浦29-30/鈴木28-30)


 3R最初から最後まで距離を取ってのボクシング戦。冨樫が天突の連打の突進をかわし、右ジャブを何度か当てる。3R終了間際には右フックで天突が左目尻をカット。決定打といえばこれぐらいのようにも思われたが、冨樫が天突にプロ6戦目で初黒星をつけることに成功した。
 とはいえ内容は打ち合いも無く単調な攻防に終始。観客に試合を見せるプロとしては両者とも敗者と言い切ってもいいだろう。二人とももっと色んな技術を持っているのだから、せめて3R目ぐらいは違う展開に持ち込む姿勢を見せて欲しかった。

第5試合 ミドル級 5分3R
○青木真也(パレストラ東京/世界8位・環太平洋5位)
×岩瀬茂俊(Team TOPS/世界9位・環太平洋6位)
1R 0'35" 反則失格 (ローブロー)


 青木の突進を岩瀬が突き放した直後、放った右ローが青木の股間に「パコーン」と大きな音をあげ直撃。ダメージが大きく、そのままストップとなってしまった。青木は無念と苦痛の入り交じった表情でマイクを持ち、近いうちの岩瀬との再戦を約束した。

第4試合 バンタム級 5分3R
△久保山誉(K'z FACTORY/世界5位)
△井口 摂(BAD ASS 13)
判定1-0 (菅野29-28/鈴木29-29/若林29-29)


 1Rはスタンドの打撃戦。久保山が何発もローを当て、井口の右太股を赤く腫れ上がらせる。パンチから組み付きたい井口だが、動きを読まれて突き放されてしまう。だが突発的に強烈な左ハイを放ったりと、非凡なセンスを修斗ファンに早くも印象づける。
 2Rは序盤から久保山が上に。しかし井口はガードポジションからオモプラッタや三角絞めを狙い試合のペースを握る。極めには至らないが、意外なテクニシャンぶりを見せつける。
 3Rになると久保山がスタミナ切れを起こし急激に失速。井口のパンチの連打が当たりだし、バックハンドブローも命中させる。やや苦し紛れの久保山のタックルも切り、がぶりの状態でパンチを当てながら終了のゴングを聞く。

 判定はドロー。久保山や王者マモルを挑発し続けた井口にとって、苦い修斗初戦となってしまった。
 マイクを持った井口は「すいません、引き分けておいてなんですけど、修斗のリングに上がれるよう尽力していただいた関係者の皆様、応援してくださったファンの皆様、ありがとうございました」と謙虚なコメント。だが試合後に声をかけてきた久保山について言及すると、井口は久保山と握手して笑顔を浮かべていたにも関わらず、「ふざけんなタコ。俺はバンタム級の仲よしごっこをしに来たんじゃねえぞ」と毒舌モードにスイッチ。「俺のこと見限った奴ら、ざまあみろ。俺はこのリングで成り上がっていくからな」と吠えて退場した。

第3試合 ライト級 5分2R
○田村彰敏(総合格闘技津田沼道場)
×孫 煌進(スクランブル渋谷)
判定2-0 (二瓶20-19/鈴木19-19/若林20-18)


 開始早々、田村の右ストレートで孫がダウン気味にスリップ。その後もスタンドの打撃戦で観客を沸かせる。だが差し合いの状態で膠着し何度かブレイクがかかる等、なかなか両者とも打開の糸口を見いだせない。2Rには田村が左眉をカットしドクターチェックを受けるが、1R序盤の攻撃が評価されたのか?判定勝利をものにした。

第2試合 フェザー級(新人王決定トーナメント準々決勝) 5分2R
○鈴木 徹(和術慧舟會岩手支部)
×田村貴生(パレストラ広島)
1R 4'03" 一本 (チョークスリーパ−)


 鈴木はアブダビ出場者、田村は柔術茶帯。互いにテイクダウンを奪ってからの動きに警戒してか、長く続かないままスタンドに戻り、その度にボクシング戦で観客を沸かせる。だが中盤過ぎ、田村が背負い投げに失敗。そのまま崩れてバックを取った鈴木がチョークを極めタップを奪った。
 鈴木は入場時に銀色の宇宙人のコスチュームで登場し、脱げばアブダビでも着ていた肌色のスパッツ姿で全裸のように見えたりと、独特のキャラで観客を楽しませた。試合後の記念撮影もファイティングポーズではなく、股間を押さえてのコミカルなポーズ。今後の試合でもどういう個性が炸裂するか楽しみだ。

第1試合 72kg契約 5分2R
×竹内コウジ(シューティングジム横浜)
○光陰 兜(PUREBRED大宮)
判定0-3 (二瓶17-20/鈴木18-20/若林18-20)


 光陰が両ラウンドともマウントを奪い、2Rにはサイドからアームロックを狙い続ける等主導権をキープし完勝した。

※第3試合に予定されていたライト級(新人王決定トーナメント準決勝)5分2R・松本大輔(PUREBRED京都) vs. 不死身夜天慶(シューティングジム横浜)は、不死身夜の目の負傷により中止となった。

Last Update : 07/30 23:27

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