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(レポ&写真) [R.I.S.E.] 6.19 有明:我龍が死闘。百瀬、無差別T制覇

R.I.S.E.プロモーション "FULLCAST PRESENTS R.I.S.E. G-BAZOOKA TOURNAMENT '05"
2005年6月19日(日) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


CS放送・GAORAオンエアスケジュール(ゲスト解説:佐藤嘉洋)
【前編】7月21日(木)23時〜25時/22日(金)19時30分〜21時30分 /24日(日)10時〜12時/25日(月)10時〜12時
【後編】7月26日(火)23時〜25時/27日(水)19時〜21時 /29日(金)15時〜17時

第9試合 セミファイナル -70kg契約 3分3R
×我龍真吾(ファイティングマスター/J-NETWORKウェルター級王者)
○龍二(リアルディール/REALDEALミドル級王者)
判定0-3 (梅沢25-30/櫻井25-30/秋谷24-30)

※1R右ストレートで我龍2ダウン、2R右ストレートで我龍1ダウン、3R左フックで我龍1ダウン、右ストレートで龍二1ダウンあり

 「もし残り1分、判定になりそうだったら、リングの中央で足を止めて、せーので殴り合いってのをやりましょう」
 喧嘩師・我龍は試合前の紹介VTRで、対戦相手の龍二に前代未聞の提案。本当にそういうことが、しかもここまで劇的な展開の中で起こることを、誰が想像しただろう?

 昨年12月にキック界に本格復帰した我龍。サムライTVの「キックの星」では元ヤンキー、バツ2で3人の子連れというキャラが強調され、ほぼ毎月各団体で試合をするという話題性が先行してきた。しかしこの日、話題性だけではない、ファイター我龍の本質の凄さを観客は目の当たりにすることになる。

 一方の龍二は、4/29シュートボクシング大阪大会にて、昨年のR.I.S.E. DoAトーナメント覇者・菊地浩一からダウンを奪い判定で勝利。本格東京デビューとなった今回の我龍戦で、予想以上の破壊力とタフネスを東京の格闘技ファン&関係者に見せつけることになる。

 2匹の昇り龍が、R.I.S.E.のリングで遭遇。この日のこの2人の起こした竜巻をきっかけに、R.I.S.E.という大会自体も新たな地平に昇っていきそうな予感がした。

 試合は開始しばらく、我龍が右ローとミドルでけん制。いつもの大振りのケンカパンチを繰り出すと、龍二もパンチで応戦。すると我龍が数発もらってしまい後ずさり。右ストレートで早くもダウンしてしまう。
 再開後も打ち合い。我龍はコーナーに追い詰められパンチの連打を浴びる。これはなんとか耐えたが、逃げ足はフラフラ。龍二の追い打ちの右ストレートで2度目のダウンを喫し、一気に窮地に。
 本当は逃げ切らないといけないところだが、頭に血が昇ってしまっている我龍は、さらに打ち合いに応じてしまう。龍二のパンチをまたももらい追い詰められるが、ここでゴング。崖っぷちのところで救われる。
 インターバルで頭を冷やした我龍は、2R序盤は慎重な攻め。故意ではないが、我龍のローブロー2連続で龍二は失速。我龍はパンチとローで一気に攻勢に転ずる。しかし龍二はローブローのダメージからじわじわと回復すると、ラウンド終盤、パンチの連打で我龍をコーナーに詰め反撃。右ストレートでまたもダウンを奪う。このラウンドも、終わってみれば龍二の圧勝。我龍は後が無くなった。

 3Rも我龍は打ち合いに。何発かいいパンチを当てるのだが、龍二はなかなか倒れない。逆にカウンターの左フックでスタンディングダウン。いよいよ危ないかとも思われたが、我龍はここでミラクルを起こす。圧倒的不利と思われた大博打のパンチ戦で、右ストレートで逆にダウンを奪ってみせる。

 会場は異様な大盛り上がり。我龍の逆転ダウン奪取で、さらに盛り上がりは加熱。そして残り1分、我龍の試合前の提案に、龍二が答える。お互いグローブを合わせ意志を確認すると、足を止めての殴り合いを繰り返すこと2回。勝負論からすればムチャクチャな展開だが、ここまでの二人の壮絶な攻防を見せられると、もう何でもいいや!という気分にさせられてしまう。試合終了のゴングが鳴っても、場内のどよめきはしばらくやむことがなかった。

 我龍は02年、新日本キックの鷹山真吾のリングネーム時代、庵谷鷹志との“鷹”対決でも壮絶な殴り合いを繰り広げ、その時は庵谷から何度もダウンを奪い、最後はダウン寸前まで追いつめられた。今回の“龍”対決は全くの攻守逆パターンになったが、02年当時の一番イケイケだった鷹山=我龍を彷彿とさせる熱いファイトがまた見られたことは、オールドファンにとって感慨深いものがあるだろう。
 とはいえファイターは勝ってナンボの世界。序盤から打ち合いに応じて熱くなってしまい、自滅してしまった点を当人は猛反省していた。「キックの星」では奥さんから「あんたはすぐ熱くなる!」「距離取ってちゃんと蹴ってかないと!」等と的確なダメ出しを食らっていた。ある意味試合のパンチより、こっちの方が我龍にとっては痛かったかもしれない。

 




◆ G-BAZOOKAトーナメント

第1試合 リザーブマッチ 3分3R(延長1R)
×酒井公高(フリー)
○コウイチ・ペタス(ザ・スピリット・ジム)
3R 2'29" KO (2ダウン:パンチ連打)


 元プロボクサーの酒井のパンチを警戒し、コウイチはステップで距離を取り、着実にローを当てダメージを与える。何度かパンチの連打を浴びる場面もあったが、3Rに右ローでようやくダウンを奪取。さらにローで追い詰め、最後はコーナーに詰めてのパンチの連打でスタンディングダウンを奪い、リザーブ権を獲得した。
 結局本戦出場のチャンスは回ってこなかったが、本戦出場の青柳が倒しきれなかった相手から、デビュー2戦目でKOを奪えたことは、大きな自信につながるだろう。

第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○百瀬竜徳(TARGET)
×伊賀弘治(龍生塾/SB日本ライトヘビー級3位)
2R 判定2-0 (梅沢20-19/大澤20-20/小川20-19)

※2R、偶然のバッティングにより伊賀が右目尻をカットしドクターストップ。その時点までの試合内容で判定

 1R、伊賀は左足を少し痛めているのか?百瀬の右ローを何発かもらうだけで苦い表情を見せる。2R、勝負はこれからという雰囲気だったが、パンチの打ち合いで偶然のバッティング。伊賀が右目尻を切り、ドクターストップがかかり、判定の末百瀬の勝利となった。

第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○神谷友和(福生橋本ジム/MA日本ヘビー級1位)
×ウィル・リーバ(ザ・スピリット・ジム)
判定3-0 (小川29-28/櫻井29-28/大澤29-28)

※1R右フックでリーバに1ダウンあり

 コンビネーションを着実に当てるリーバに対し、サウスポーの神谷は左ミドルで応戦。打ち合いではカウンターで右フックを当てダウンを奪う。リーバもその後左ボディを当てるなど反撃する場面もあったが、神谷も左ミドルを返す等応戦。トータルで見ればリーバが攻める時間が長かったが、1Rにダウンを奪った神谷が逃げ切った。

第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○FABIANO(TARGET)
×澤屋敷純一(チームドラゴン)
4R 判定3-0 (小川10-9/櫻井10-9/大澤10-9)

3R 判定1-0 (小川30-30/櫻井30-29/大澤29-29)

 激しいパンチの打ち合いが続くが、どちらもなかなか決め手がなく延長戦へ。それでも差のつきにくい内容となったが、ハイをクリーンヒットさせる等、手数が上回ったFABIANOがなんとか勝ち残った。

第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×青柳雅英(アイアンアックス/R.I.S.E.ヘビー級トーナメント'03優勝)
○マグナム酒井(士道館/前MA日本ミドル級王者)
判定0-3 (櫻井28-30/小川29-30/秋谷27-30)


 「ヘビー級戦士を調教だ」試合前、マグナムはこう予告したが、一回戦はまさにその予告通りの展開。フェイントで膝とローを当て青柳を翻弄し、左フックもクリーンヒット。じわじわとダメージを与える。3Rにはムエタイのように組んでは相手を吹き飛ばしたり、ノーガードで挑発したりと、余裕の試合運び。優勝を予感させた。

第6試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○百瀬竜徳(TARGET)
×神谷友和(福生橋本ジム/MA日本ヘビー級1位)
判定3-0 (秋谷30-28/小川30-28/櫻井30-28)

※3R右フックで神谷1ダウン

 体格で勝る神谷を相手に、百瀬はフットワークを使いつつ右ストレート、右ロー、右ミドルを着実に当てる。2Rには前蹴りで神谷を吹き飛ばし、優勢を印象づける。3R、さすがに不利とみたか、神谷が前に出ると、百瀬の右フックがクリーンヒット。ダウンを奪うことに成功し、念願の決勝進出を果たした。

第7試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×FABIANO(TARGET)
○マグナム酒井(士道館/前MA日本ミドル級王者)
判定1-2 (櫻井28-30/秋谷30-29/梅沢28-29)


 1Rはマグナムが左ボディを的確に当てるなど、やや優位に試合を進めるが、FABIANOの右ローがじわじわと効きはじめる。マグナムはパンチで組み付いてごまかすが、2R終了間際は倒れる寸前に。3Rもローで苦しむが、マグナムはアッパーとストレートを何度かクリーンヒット。判定は割れたが、かろうじてマグナムが決勝に駒を進めることに成功した。FABIANOは念願の同門決勝を逃した。

第10試合 決勝 3分3R(延長2R)
○百瀬竜徳(TARGET)
×マグナム酒井(士道館/前MA日本ミドル級王者)
1R 2'45" KO (右ハイキック)

※百瀬が優勝

 序盤、マグナムの出方を伺っていた百瀬だが、突然コーナーにつめてのパンチラッシュでダウンを奪取。さらにラッシュを仕掛け、最後は右ハイでマグナムを葬り去った。
 一回戦はややラッキーだったが、距離を取って戦うマグナムとは接近戦、巨漢の神谷にはフットワークを活用と、相手によって戦略をうまく立てた、それを実行できたのが百瀬の優勝の要因と言えるだろう。R.I.S.E.旗揚げ以来期待されていた、ヘビー級のエース候補生がようやく成果を残せた意義は大きい。



◆ その他ワンマッチ

第8試合 -70kg契約 3分3R
○TATSUJI(アイアンアックス)
×井手泰晴(リアルディール)
判定3-0 (秋谷30-29/櫻井30-29/梅沢29-28)


 TATSUJIはパンチに頼りすぎず、右ローも多用。井手も鋭い右ローで応戦するが、TATSUJIのそれがヒットの数で上回る。やや単調な展開のまま試合が終わったが、今回の勝利をきっかけに、TATSUJIの存在がDoAトーナメント戦線に及ぼす影響は小さくないだろう。試合後はスポンサーのフルキャストの社長の誘いで観戦に訪れた、楽天の三木谷社長がTATSUJIに勝利者賞を手渡した。

オープニングファイト第3試合 -67kg契約 3分3R
○吉川英明(チームドラゴン)
×日菜太(湘南格闘クラブ)
判定3-0 (梅沢30-28/大澤30-27/秋谷30-28)

オープニングファイト第2試合 -63kg契約 3分3R
△菅原勇介(山木ジム)
△松葉賢治(クロスポイント)
判定0-1 (梅沢29-29/大澤29-30/秋谷29-29)

オープニングファイト第1試合 -55kg契約 3分3R
○小山内直人(谷山ジム)
×小林優起(クロスポイント)
判定3-0 (梅沢30-28/大澤29-27/秋谷29-27)
※小林にダウン1あり

Last Update : 06/29 11:57

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