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(レポ&写真) [IKUSA GP] 6.18 Zepp:石川&真弘の全日本勢が大活躍

IKUSA事務局 "IKUSA GP -U60 SUPERSTAR☆Z TOURNAMENT - Opening Stage -"
2005年6月18日(土) 東京Zepp Tokyo

  レポート:井原芳徳  写真:米山真一  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 
 

IKUSA其の伍 IKUSA-U60 GP一回戦Bブロック(2) 60kg契約 3分3R(延長1R)
×TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver.OJ/元NKBフェザー級王者)
○石川直生(青春塾/全日本フェザー級3位)
3R 1'16" KO (2ダウン:右ストレート)


 TURBΦは下がりながら距離をキープし、ワンツーやローを当て続けるお得意の展開。IKUSA3戦目ということもあり、小さなリングでの距離感もつかめるようになったようだ。終盤、下がりながら右ストレートをもらい、後方にダウン気味にスリップしてしまう場面もあったが、1R全体の主導権を握ったのはTURBΦだった。
 しかし2Rから石川は距離を詰めて組み付き、膝を当てる攻撃に移行。TURBΦに攻撃を出させない。じわじわと流れを引き寄せると、3R、TURBΦのパンチに合わせ、「温存していた」という右ハイをTURBΦの首筋にクリーンヒット。マットに崩れ落ちたTURBΦは、気力でなんとか立ち上がるが、足元はフラフラ。なぜかレフェリーは続行してしまったが、石川の軽く当てた右ストレートで2度目のダウンを喫し、初戦敗退となってしまった。

 「思った通り、スピードがあってパワーは無い選手だった」とTURBΦを試合後評した石川。試合前の挑発合戦も、「勝って当たり前。盛り上げるだけ盛り上げて勝ったほうがオイシイ」という計算ずくのものだった。
 これまで全日本キック内ではW山本、前田尚紀の下というイメージの強かった石川。今回IKUSAというイケメンの彼にぴったりの舞台で、IKUSA軽量級エースの首を刈ったことで、存在感を一気にアピールできた。これまで足りなかった決定力も、ようやく身についてきた感がある。準決勝の相手のKAWASAKIについても「穴はある」と語り、早くも完勝を予感させる。「細木数子ファンのおばあちゃんから、あんたは今年は“達成の年”だよと言われたんですよ」とあっけらかんと語っていたが、本当にこの男、スゴいことを達成してしまいそうな匂いがする。

IKUSA其の四 IKUSA-U60 GP一回戦Bブロック(1) 60kg契約 3分3R(延長1R)
○KAWASAKI(リアルディール/REALDEALライト級王者)
×歌川暁文(U.W.F.スネークピッドジャパン/SB日本スーパーフェザー級2位)
判定3-0 (岡林30-28/大成29-28/松田30-28)


 空手出身でライト級のKAWASAKIが、ストレート連打の突進ファイトで歌川を圧倒。ロープ際に詰め、右ハイでダウンを奪う。1Rはサウスポーからの蹴り主体の攻めだった歌川も、2Rからはストレートも使うスタイルに移行。だがKAWASAKIの勢いを止めることができず、組み付く場面が増え、イエローカードをもらってしまう。3Rもストレートの打ち合いとなったが、世界のKAWASAKIのエンジンは最後までフルスピードを維持。ぶっちぎりの状態で初戦を駆け抜けた。

 自身いわく「リアルディールの男気系」のKAWASAKI。試合後のインタビューでは畦田(あぜた)聡会長が裕樹ら今風のイケメンばかりを売り出すことについてグチをこぼしていたが、博多弁全開の奔放な人柄とアグレッシブなファイトは、今後じわじわとファンを増やすことになるだろう。準決勝の石川戦に向けては、首相撲対策の強化を課題にあげた。

IKUSA其の参 IKUSA-U60 GP一回戦Aブロック(2) 60kg契約 3分3R(延長1R)
×小石原勝(習志野ジム/MA日本スーパーフェザー級王者)
○山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級2位)
1R 3'00" KO (左フック)


 山本がいつもどおり変則的な動きから左ローと左ストレートを当てれば、小石原は左右のミドルと右ローを着実に返す。様子見のまま1Rが終わるかにも思われたが、終了間際に驚きの展開。小石原の組み付き際、山本の左フックがクリーンヒットし、小石原は前のめりでマットに崩れた。
 1Rは緊張して動きが堅かったという山本。自己評価では100点満点での10点と厳しかったが、3月にタイ人に敗れたことから反応を良くするトレーニングを強化し、その成果が少しは現れたのかもしれない。「会場の客層が若い。こういう雰囲気は好きなので、もっと出たい」とも発言しており、IKUSA参戦が山本にとって大きな転機となりそうな気配だ。準決勝ではSBの及川と対戦。「パンチを打ってくる選手なので、僕とリズムが合う。もっとヒートアップした試合ができる」ことを予告した。
 この日GP一回戦でKO勝ちをおさめたのは山本と石川の全日本キック勢2名。改めて全日本勢の強さを感じさせられた。

IKUSA其の弐 IKUSA-U60 GP一回戦Aブロック(1) 60kg契約 3分3R(延長1R)
○及川知浩(龍生塾/SB日本スーパーフェザー級王者)
×大高一郎(山木ジム/MA日本フェザー級王者)
判定2-0 (大成29-28/岡林29-29/梅沢30-28)


 大高は開始早々からエンジン全開。左ミドルを放ったかと思えば、その回転のままバックハンドを放つ等、勢いたっぷりの攻めを繰り広げる。及川も真っ向勝負。ジャブからローまで、どの攻撃も巧いが、特に光ったのが左の前蹴り。伸びと高さとスピードのある蹴りが何度も大高の顔面に突き刺さり、会場を騒然とさせる。大高も右ローと左ミドルで最後まで果敢に応戦したが、2R以降の及川の手数とクリーンヒットの数が上回り、及川の勝利に。下馬評どおり及川の勝利とはいえ、大高も急遽出場とは全く思わせない動きで、存在感を示した。

 この結果、9/19 Zepp Tokyo大会の準決勝は山本×及川、石川×KAWASAKIと、2試合とも東京の全日本キック勢 vs. 地方在住選手という構図に。だが、4選手ともそれぞれの個性が活きる形で勝ち残っており、シンプルに個性のぶつかり合い自体が楽しめる決勝トーナメントとなりそうだ。


IKUSAメイン IKUSA-U70戦王タイトルマッチ 70kg契約 3分5R
×新田明臣(バンゲリングベイ/王者)
○小次郎(スクランブル渋谷/挑戦者)
判定0-3 (松田46-50/梅沢48-49/岡林46-49)

※小次郎が第2代戦王に。試合後プレス向けインタビューで返上を表明

 1Rから小次郎がストレートの連打で攻勢。新田もサウスポーからローを着実に当て、小次郎の動きが少し止まる場面もあったが、ペースを握るには至らない。4Rあたりから小次郎はパンチが減り、蹴りと膝を多用。5Rにはようやく新田が右ローで小次郎をぐらつかせ、膝の連打でペースを握るが、あと一歩およばず。戦王の刀の初防衛に失敗した。試合後、プレス向けインタビューで小次郎は王座返上を表明した。

IKUSA其の六 スーパーファイト 70kg契約 3分3R(延長1R)
×HAYATΦ(FUTURE_TRIBE/UKF世界スーパーウェルター級王者)
○輝浪(フリー/WPMF世界スーパーウェルター級王者)
判定0-2

※試合ではHAYATΦが延長R判定3-0で勝利したが、試合後のミーティングで、集計に誤りが確認されたため、本戦での判定結果をもって輝浪が勝者と裁定が変更された。

 ボクサータイプのHAYATΦがアッパーとボディを当てれば、ムエタイスタイルの輝浪は左ミドルと右ローを当てる、1R序盤からバチバチの展開。中盤、輝浪が右フックをこめかみにクリーンヒットさせダウンを先取するが、HAYATΦは驚異的な回復力を見せ、右フックで逆に輝浪をぐらつかせる。輝浪はブロックしてなんとか1Rを逃げ切るが、2RもHAYATΦの勢いに押され気味。しかし片腕で組み付くブレイク逃れ戦法でうまくHAYATΦをつかまえ、確実に膝を当て続ける。HAYATΦも離れた場面でパンチとハイを当て果敢に応戦するが、輝浪がうまく逃げ切った。
 幻となった4R目だが、HAYATΦが勢いをキープし、終盤にパンチを集め文句無しで勝利の内容だった。どちらの頑張りも光る好勝負だっただけに、集計ミスは非常に残念だ。
 なお、大会後、小澤進剛プロデューサーはこの集計ミスをはじめとした大会の管理不行き届きの責任を取り、プロデューサー職を辞任している。

IKUSA其の壱 スーパーファイト(肘アリ) 67kg契約 3分3R(延長1R)
○加藤督朗(PHOENIX/元WPMF世界ウェルター級王者)
×Φ 〜零〜 [ゼロ](TEAM DAVID/-U70琉球戦王トーナメント準優勝)
1R 2'14" KO (2ダウン:肘打ち連打)


 開始早々から加藤が肘と膝で主導権。ローブローをもらい、一時ストップがかかるが、再開するとエンジン全開。ハイキックもヒットさせ、肘の連打でダウンを奪う。加藤はさらにパンチも交え猛攻。最後は肘の連打で相手の右目尻から出血が見られたところでスタンディングダウンが宣告され、試合が終了。緊急復活の加藤がきっちりと役目を果たした。

Last Update : 07/02 21:53

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