(結果) [UFC TUF] 4.9 ベガス:総合格闘技初の全米無料生中継実現
Zuffa "TUF (The Ultimate Fighter) Season Finale" 2005年4月9日(土) アメリカ・ネバダ州ラスベガス:コックス・パビリオン
試合レポート&情報協力:シュウ・ヒラタ(BoutReview USA) 【→掲示板スレッド】
TUFとはUFCがケーブルチャンネルのSpike TVで12回放映したリアリティーショー「ジ・アルティメット・ファイター」の略称。日本でいえば「サバイバー」や「あいのり」の格闘技版で、無名のファイターたちが共に生活しながら、クートゥアやリデルらの元で修行する模様が1シーズン放映されてきた。今回はその最終回ということで本格的な大会を開催。土曜の東海岸時間の夜9時(西海岸でも9時からディレイ放送)からの2時間半枠で全米に生中継された。 Spike TVは、CNN、MTV、スポーツ局のESPN同様、基本ケーブルをひけば無料で付いてくるチャンネルの一つ。広大なアメリカではテレビの受信アンテナではなくケーブルを引いてテレビを見るのが通例だ。これまでのUFCはお金を払うPPV方式だったが、総合格闘技の興行が無料で全米ネットのケーブル局で生中継されたのは今回が初めてとなる。 大手テレビ局が付いたこともあり、賞金も破格。通常のUFCデビュー戦のアメリカ人のギャラは2000ドル程度だが、TUFの最終回で活躍した選手にはUFC本戦出場、「6フィギュア」契約(10万ドル単位のファイトマネーが保証されている契約)、さらには新車や宝石入りの腕時計といった副賞が贈呈された。 今回のリアリティショーは視聴率も好調。「TUF Season 2」が放映されることも決定している。今後も引き続きアメリカの格闘技関係者・ファンのみならず、一般層にもセンセーションを巻き起こしそうだ。(井原芳徳)
メインイベント ライトヘビー級 5分3R ×ケン・シャムロック(アメリカ/ライオンズ・デン) ○リッチ・フランクリン(アメリカ/ミート・トラック・インク) 1R 2'44" TKO (レフェリーストップ:パウンド)
シャムロックが右のハイキックを放った時、軸足の左足をスリップ。すかさず上に乗ったフランクリンが上からパンチの嵐。テンプルに数発入ったところでレフェリーが試合をストップした。 フランクリンは試合後「今はミドルの私がライトヘビーで試合をしたのは、相手がレジェンドだったから。戦えるチャンスを私にくれたことを感謝している」とシャムロックへの尊敬の意を表した。今後はエヴァン・タナーの持つUFCミドル級ベルトに照準を合わせることを宣言した。
TUFライトヘビー級決勝 5分3R ○フォレスト・グリフィン(アメリカ/ハードコア・ジム) ×ステファン・ボナー(アメリカ/カーウソン・グレイシー柔術) 判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
両者スタンドでの殴り合いに終始。組み合った時に力の差を見せつけたグリフィンが、テイクダウンを多く奪い、僅差で判定勝ち。UFC本戦出場権及び「6フィギュア」契約を獲得した。 試合後UFCオーナーのロレンゾ・ファーティタと同社長のダナ・ホワイト両氏が協議した結果「均衡した素晴らしい試合を魅せてくれた」という理由で、ステファン・ボナーにもUFC本戦出場及び「6フィギュア」契約をオファーすることを発表した。
TUFミドル級決勝 5分3R ○ディエゴ・サンチェズ(アメリカ/ジャクソンズ・サブミッション・ファイティング) ×ケニー・フロリアン(アメリカ/フリー) 1R 2'49" TKO (レフェリーストップ:パウンド)
前評判通り総合12戦無敗のサンチェズの独壇場。打撃に勝負を賭けてきたフロリアンの間合いを、頭を下げパンチを放ちながら前へ前へと出ることで封殺する。テイクダウンに成功するとすぐにマウントポジションを奪取。そのまま顔面へパウンドを連打し圧勝した。サンチェズはUFC本戦出場権及び「6フィギュア」契約を獲得した。
※他にもテレビ放映されない前座で、TUFに出演した選手による6試合が行われた。
Last Update : 04/12 16:27
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