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(コメント追加) [DEEP2001] 9.7 有明:期待どおりの好勝負続出!U-FILE勢が大活躍

DEEP2001 "6th IMPACT in ARIAKE COLOSSEUM"
2002年9月7日(土) 東京・有明コロシアム  観衆:8,501人

【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・DEEPスレッド]



第10試合 契約体重なし 5分3R
○田村潔司(U-FILE CAMP.com
×美濃輪育久(パンクラスism)
判定3-0

 美濃輪は日の丸を思い起こさせる和服を羽織り、腰には日本刀を下げ、自作の音楽で入場。花道はたくさんの赤いノボリで彩られ独特のムードに。一方の田村はいつものテーマ曲で入場し客席四方にお辞儀。そして美濃輪をにらみつけると、美濃輪もにらみ返す。美濃輪はいつものショートスパッツではなくUWFスタイルのパンツを着用。足のサポーターがレガースのようにも見え、かつての田村のコスチュームのようでもある。

 開始間もなく美濃輪は胴回し回転蹴りを放つが、田村はあっさりとかわす。先にテイクダウンを奪ったのは美濃輪。インサイドガードのまま自軍コーナーに運びパンチを落とすが、田村の首がロープの外に出たところでレフェリーがブレイク。そしてスタンドに戻ると、田村が強烈な左ミドルと左ハイを叩き込み、打撃のレベルの差を見せつける。またグラウンドとなり、美濃輪が下からアンクルを狙うが、田村は冷静に外しマウントに移行し、腕十字に。耐える美濃輪のクラッチを切り一瞬極まるが、なんと美濃輪は体を反転させディフェンス。大ピンチを持ち前の忍耐強さでしのぎきる。だが田村の攻撃はそこでは終らず、バックからスリーパーを狙う。この攻撃はゴングに阻まれるが、1Rは田村が優位に試合を運んだ。
 2R前半は互いにパンチを当てる打撃戦が中心に。中盤に美濃輪がタックルで組み付くが、田村は組み潰し、上から美濃輪の顔面にパンチの雨を振り落とす。そしてバックマウントを取りスリーパー狙いに。美濃輪は脱出し上になるが、スタミナが切れ膠着状態が続き、そのままラウンド終了のゴング。

 体力的にも明らかに劣勢の美濃輪は、3R早々にドロップキックを放つが、田村はかわして上からパンチを連打し、またもバックマウントに。だが美濃輪はリバースに成功。そして美濃輪はこの後もヒールホールド、膝十字を狙うが完全に田村に動きを読まれる。バックマウントを取った田村は、グロッキー状態の美濃輪を見て、「早めに止めてもらいたかった」といい、レフェリーに試合のストップを要求。パンチとスリーパー狙いの動きを止めるが、試合は続行される。最後に美濃輪がリバースし上になり、田村を持ち上げて叩き付けるがパワー不足。インサイドガードの体勢のままゴングを聞いた。
 判定はもちろん終始優位に試合を運んだ田村に軍配。試合後の会場には田村のテーマ曲に続けてUWFのテーマが鳴り響いた。佐伯代表からマイクを受け取った田村は「美濃輪選手のおかげで今日はいい試合ができました」と相手の健闘を讃えた。

第9試合 72kg契約 5分3R
○三島★ド根性ノ助(総合格闘技道場コブラ会)
×伊藤崇文(パンクラスism)
1R 0'53" 腕ひしぎ十字固め

 三島は、当初雷暗暴が着用するつもりだったと言う金髪のカツラをかぶり、バラの花を口にくわえて入場。伊藤のセコンドには鈴木みのるが付く。
 三島はゴング早々パンチで突進し伊藤をコーナーに押し込み、両腕を抱えたままテイクダウン。伊藤が蹴飛ばしてきたため三島がいったん立ち上がるが、また三島が上になり素早くバックを取る。そして体を反転させて横に回り速攻の腕十字。コーナー際でもつれたが、伊藤の肘が伸びた。

 完勝し大喜びの三島に反して、伊藤は叫び声を上げ悔しさをあらわにする。そしてマイクを持ち「もう一度戦ってください」とアピールすると、三島は戸惑いながらも「みなさんコンバンワ。ド根性ノ助です。今日はたまたま勝っただけ。交通事故のようなものなんで。もし佐伯社長と坂本社長の許しが出たら、いつでも受けますんで」と答えた。そしてリング下で観戦していた、パンクラスの尾崎社長に手にしていた花を渡して退場した。

第8試合 対抗戦 82kg契約 5分3R
×高阪剛(チームアライアンス G-スクエア)
○アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジリアン・トップ・チーム)
判定0-3

 ホジェリオには兄のホドリゴ、ムリーロ・ブスタマンチ、高阪には横井宏考、宇野薫、ジョシュ・バーネットらがセコンドにつく。リングサイドでは吉田秀彦も試合を見守る。
 スタンドになるとパンチ合戦を繰り広げる両者。グラウンドではホジェリオがサイドポジションを制し、高阪がTKシザースを狙うという展開が繰り返される。1Rはシザースを潰された高阪だが、2Rには華麗に決め大歓声。この後、スタンドの展開でホジェリオの膝がローブローに入ってしまい減点1(イエローカード)。2R後半に高阪がテイクダウンに成功しインサイドガードになるが、膠着したため1分ほどでブレイクがかかる。またホジェリオが上になってそのままゴング。

 3R、シザース狙いに失敗した高阪はすぐに足関節を捕まえに行くが、汗ですべりチャンスを逃す。この後もホジェリオが上のポジションをキープし続ける。ブレイクがかかりスタンドに戻り、残り1分で高阪が上になるが、攻め手がなくゴングが鳴った。
 結果はホジェリオに軍配。重みのある見ごたえ十分の試合のゴツゴツした試合だったが「金的はイエローを取られたもの以外にももう一回あって、それで頭に血が上ってしまった。またそんなことでカッとなってしまった自分に腹が立つ」と試合後高阪自身は試合内容に不満げだった。

◆ホジェリオ「いい試合ができた。今回は1週間前に日本に来たので体調が良かった。高阪はアグレッシブないい選手だった。今回は常にアグレッシブに行こうと思っていた。寝技で何度もチャンスがあったが、10日前に足を怪我してしまい、その影響で極められなかった。高阪の攻撃は特に脅威はなかった。」

第7試合 対抗戦 契約体重なし 5分3R
○上山龍紀(U-FILE CAMP.com
×ギルソン・フェレイラ(ブラジリアン・トップ・チーム)
3R 3'49" 腕ひしぎ十字固め
 
 ムエタイのトランクスを履いたフェレイラが、序盤からローを効かせる。そして左右のパンチの連打を叩き込む。上山がダウン気味に倒れこんだため、主催者席で間違って試合終了のゴングが打ち鳴らされてしまったが、上山はそのままタックルに移行し、ふらつきながらもしつこく組付きテイクダウン。一度猪木アリ状態となりスタンドに戻ったが、またもタックルでテイクダウンに成功。スタンドでも膝蹴り等の打撃を当て、少しずつペースを取り戻す。
 2Rも中盤に上山がタックルでテイクダウンしインサイドガードに。疲れの見え始めたフェレイラに対し、上山はサイドに移行し腕を狙い続ける。残り数秒でフェレイラの腕のロックを切るがフェレイラも素早く対応しディフェンス。
 3Rも上山がタックルで上に。猪木アリ状態との繰り返しで膠着状態が続いたが、最後に上山が粘りを見せた。上になったところでフェレイラのガードの中に入らず、そのまま時計回りに動いて上四方の体勢に。そして腕十字を見事極め、逆転勝利をおさめた。
 勝った上山に観客は大歓声。上山は「DEEPミドル級王者・挑戦者求む!」と書かれた横断幕をセコンドに持たせ、ベルトを肩にかけポーズを取った。

◆上山「最初にたくさんもらっちゃって危なかったですけど、意識は飛んでなかったんで、でもボーッとしちゃって。多分あそこで動いていなかったら止められていたと思います。1Rは見てのとおり取られていたので、2Rで絶対取らないとと思って。3Rに入ってかなり落ち着けて、判定にしたくなかったので1本勝ちを狙いました。相手のガードがすごく巧くて、さすがトップチームと思いました。なかなかパスガードもできないし。本当は打撃で勝とうと思ってたんですけど、ムエタイチャンプ相手にやっぱり無謀でした(笑)。(ミドル級の次期挑戦者について)今のところは頭がボーッとしてて、浮かばないです」

◆フェレイラ「チャンピオンの上山と試合が出来て光栄だった。チャンスがあればまた日本で戦いたい」

第6試合 対抗戦 67kg契約 5分3R
×矢野卓見(烏合会)
○ファビオ・メロ(ブラジリアン・トップ・チーム)
判定3-0

 半身で構える矢野に対し、強烈なローをメロが叩き込む。猪木アリ状態とメロのサイドポジションが繰り返され、1R終盤にはメロが上からパンチを落とす。
 2Rにはメロがマウントを取る。矢野がスイープに失敗しメロはバックに。スリーパー、アームロック、腕十字と波状攻撃をしかける。後半には肩固めの体勢のままマウントポジションに移行し、ボディにパンチを連打し矢野を苦しめる。
 3Rになると矢野は疲労の色が濃く、自分から寝転び猪木アリ状態となる展開を繰り返す。この展開を嫌ったメロが背中を見せた隙に、矢野が立ち上がりメロに飛びかかる場面もあったが、展開を返すことはできず、この後も猪木アリ状態の繰り返し。ラウンド後半にはメロは豪快なスープレックスを繰り出す。矢野は終了ゴングが鳴ってもなかなか立ち上がることができなかった。

◆ヤノタク
「相手がどんどん攻めてくるから『攻め疲れるかな』と思っていたけど、逆に攻められ疲れた(笑)。試合が終わってクラクラするから殴られすぎかと思ったら疲れすぎでした。(後ろから襲い掛かるシーンは?)惜しかったですね。なんか知らないけど急に背中向けてボーッとしてるから。(今後やりたい選手は)名前売れてるけど強くない選手と。穴のある人とやりたいですね」

◆メロ
「勝ててよかった。すごく戦いにくい相手だった。後ろから飛び掛るなんて汚いやり方だと思う。彼は立っているときに攻撃をしなかったのに。打撃で勝負したかったが、相手が逃げて倒れこんでしまった」

第5試合 契約体重なし 5分3R
○ドス・カラスJr(AAA)
×中野巽耀(フリー)
1R 4'05" チョークスリーパー

 Jrのセコンドには父のドス・カラスも付く。試合はJrが中野をロープに押し込み、最初はブレイクがかかったが、2度目の押し込みでテイクダウンに成功。サイドからパンチを落し中野が背中を見せると、すぐにバックに回り込み、胴締めの体勢からスリーパーを狙い続け、4分過ぎに中野からタップを奪った。頭一つ分大きい体格も活かしたが、マルコ・ファスの道場でのトレーニングの成果も出たようだ。

◆ドスJR
「非常に満足している。トレーニングの成果が出たと思う。ナカノは力はあったが、テクニックが少なかったな。ファンはチリマ(投げ技)を見たかったかも知れないが、優れたファイターはすべてのテクニックを持たなければならない。相手に合わせてそのテクニックを使っていくもの。今日は別のテクニックで勝つことができてよかった。(今後は?)謙吾とやりたい。これはリベンジではない。最初の試合では彼を病院送りにして、2度目の試合は私が投げてばかりいたのに謙吾が勝ってしまった。だからもう一度戦ってまた病院送りにしたい」

◆中野
「とにかく悔しい。強い強いとは聞いてたんだけど、実際強かったね。ロープ際のフロントチョーク、完全に極めてたんだけど、あいつ指引っ張って外したんだよ。反則だろ?それって。極める自信あったよ。勝ててたよ。レフェリーにちゃんと言ったんだけどさ。あいつも必死だったんだろうね。チョークをかけられた喉がすごく痛いよ。あれでもし俺がギブアップしてなかったら、2ラウンド目はあいつバテてたと思うよ。あそこで俺が参ってしまったから、悔いが残るね。俺はその後の打撃に賭けていたんだけどね」

第4試合 68kg契約 5分3R
×雷暗暴(フリー)
○ジョン・ホーキ(ノヴァ・ウニオン)
判定2-0 (ホーキ=松村・梅木,ドロー=塩崎)

 開始早々パンチの相打ちとなった両者だが、次の雷暗のパンチに合わせてホーキが素早いタックルで雷暗をテイクダウン。上から細かい動きでパスを狙い続け、3分近くでバックに。雷暗が立ち上がってもしつこく背後からしがみつき、またテイクダウンしハーフに。雷暗はホーキの動きについていくのにやっとのような状態。2Rもホーキがパンチに合わせてテイクダウンし、中盤にはマウントをキープ。3Rこそ雷暗が上になる時間が続いたが、ホーキに下から密着され有効な攻撃ができない。雷暗も特にダメージを受けることがなかったが、組技ではほとんど何もさせてもらえず。厳しい減量も苦戦の一因だったのかもしれない。

◆ホーキ「判定にはしたくなかったが勝ててよかった。雷暗が強かったので試合を終わらせることが出来なかった。私はこれから10年はキャリアがあるだろうけど、また重い選手ともやってみたいと思う。65キロ以下級では私が最強なのだから。(修斗王者のノゲイラと戦ったら?)私が勝つと思う。チャンスがあったらぜひ戦ってみたい」

◆雷暗「柔術練習しないとダメね。今日は絶対に勝ちたいと思っていた。お母さん来ていたから。それなのに負けて悔しいよ。打撃いってタックル切って、ヒザ入れようと思ってたんだけどうまく行かなかった。下になって柔術じゃ勝てないと思って立とうとしたけどダメだった。オレがどんなに動いても合わせてくる。セコンドに聞いたけどどうしようもなかった。タイミングがすごくうまかったね。自分より小さかったけどオレと同じくらい力あったと思う。3Rで上になって、初めからこうすればよかった、と思ったけどもう遅かったね。(体調が悪かったのでは?)分かった?あんまり言いたくなかったんだけど・・。100%で試合に出るのは難しいね」

第3試合 90kg契約 5分3R
○滑川康仁(フリー)
×MAX宮沢(荒武者総合格闘術)
3R 2'37" フロントチョークスリーパー

 一宮同じく滑川もグレイシートレインで入場。中には後藤龍治らの姿も見える。滑川が1Rから上を制しコツコツとパンチを落とし続け、宮沢は鼻血を出す。2Rこそ宮沢がレスリング出身者の本領を発揮し低空のバックドロップで観客を湧かせたが、滑川の優位は変わらず。2R終盤には少し疲れを見せたが、最後は立ち上がり際のフロントチョークに捕まえ、宮沢はタップした。

◆滑川「とりあえず最後のロープから落ちるパフォーマンスができてよかったです。リングスの時からずっとやりたかったので(笑)。宮沢選手は昨日の会見で『僕との試合でステップアップする』みたいなことを言っていたので、『そんなの終わってから言ってくれよ』って言う感じでしたね。相手はハートは強かったけど格闘家でハート弱い人なんかめったにいないんでね。僕だって普段は遠慮がちだけど、いざとなったら絶対誰にも負ける気しないですからね。(今後は)アメリカの八角形や日本の夢のステージとかに向けてがんばりたい(注:UFCとPRIDEのこと)。僕の力じゃまだまだですけど、格闘家になったからにはこの二つのメジャーのリングに誰でも立ちたいと思うんで、誰にだって言う資格があると思います」

第2試合 契約体重なし 5分3R
○長南 亮(U-FILE CAMP.com
×臼田勝美(格闘探偵団バトラーツ)
1R 0'05" TKO (レフェリーストップ:上からのパンチ)

 ゴングと同時に長南が突進し飛び膝蹴り。顔面にヒットし臼田が倒れ込んだところにそのままおおいかぶさり、パンチを連打したところでレフェリーストップ。わずか5秒の決着だった。

◆長南「でき過ぎといったらでき過ぎです。やってきたことが出せたといったら出せました。序盤にハイか膝蹴りのどっちかで行くのは決めてたんで。(今後)ネイサン・マーコートと戦いたいとは思うけど、特に相手は選びません。自分よりも強いと思われている人なら誰とでもいいんで」

第1試合 契約体重なし 5分3R
○大久保一樹(U-FILE CAMP.com
×一宮章一(フリー)
1R 2'41" 腕ひしぎ十字固め

 偽造男・一宮は、スキンヘッドに柔術衣姿でヒクソン・グレイシーにふん装。グレイシートレインの中にはセコンドの横井宏考だけでなく、ジョシュ・バーネット、和田良覚の姿も。
 だが試合は意外なほどオーソドックスな内容に。差し合いになっても20キロ以上重い一宮がなかなか倒れなかったが、大久保がテイクダウンに成功するとハーフガードからアームロックを狙い、さらにバックマウント、足関節狙いと余裕の試合運び。そして最後は腕十字を極めタップを奪った。
 リング上で大久保はセコンドのゴージャス松野氏とポーズ。因縁のある一宮と松野氏の接触は特にはなかった。

◆大久保「本当に緊張していたんですけど、自信持って松野さんの指示どおりで勝ててよかったです。相手も突進してくると思い、思ったより力もあったんで。」

◆一宮「本当に悔しい。いくら初めてだからって言ってもリング上で年下から手を差し伸べられて同情されるなんていう屈辱的なことはないですから。これからも高阪さんにお世話になって総合の練習を重点的にしていきたいと思います」

 
◆フューチャーファイト(17:30開始)

第2試合 76kg以下契約 5分2R
△関直喜(フリー)
△秋元駿一(和術慧舟會東京本部)
時間切れドロー

第1試合 67kg以下契約 5分2R
○岩間朝美(バルボーザ&名古屋ブラジリアン柔術クラブ)
×月影忍(Team-Roken)
1R 1'00" 腕ひしぎ十字固め  

Last Update : 09/09

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