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(レポ&写真) [K-1] 8.17 ラスベガス:豪腕グッドリッジ、疑惑のベルナルド戦勝利

K-1 "アルゼ K-1 WORLD GP 2002 世界最終予選 ラスベガス大会"
2002年8月17日(土) 米国ネバダ州ラスベガス・ベラッシオ
観衆・6400人(超満員)

レポート:井原芳徳
Photos by Jeff Sherwood (Sherdog.com)

【→大会前のカード紹介記事】
[→掲示板・K-1スレッド]

※ネバダ州アスレチックコミッションの管轄のため、各ラウンドとも判定はマストシステム。0.5ポイント単位の採点も可能。

第10試合 トーナメント決勝 3分3R
×パヴェル・マイヤー(チェコ)
○マイケル・マクドナルド(カナダ)
2R 1'01" TKO(戦意喪失)

 一回戦、準決勝をフルラウンド戦い、疲労の色が濃いマイヤー。マクドナルドも疲れはたまっているが、かつての練習パートナーの故アンディ・フグ直伝のフグトルネード(下段後ろ回し蹴り)、右ローでマイヤーのスタミナを奪う。体格で勝るマイヤーも膝蹴りで豪快に攻めるが、マクドナルドは右ストレートをお返しし、着実にダメージを与える。そして2R、マクドナルドがカカト落としのような格好で放った前蹴りが、マイヤーの喉元に命中。マイヤーは後ずさりし戦意喪失とレフェリーに判断され、TKO負け。マクドナルドがグランプリ開幕戦(10月5日・さいたまスーパーアリーナ)出場権を獲得した。
(写真はマクドナルドの一回戦・ドュエナス戦)

第9試合 スーパーファイト 3分5R(3ノックダウン制)
×マイク・ベルナルド(南アフリカ/スティーブズジム)
○ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバコ/フリー)
1R 1'38" TKO(レフェリーストップ)

 ゴング早々いきなり突進するグッドリッジ。そしてなんと右フックをベルナルドのアゴに命中させ最初のダウンを奪う。だが普段PRIDEルールで戦っている影響からか、その勢いのままマットに倒れたベルナルドの背後におおいかぶさりパンチを連打し、注意1を課せられる。
 試合再開後もグッドリッジの勢いは止まらない。さらに右フックでベルナルドを苦しめてから、最後も右フックをベルナルドの後頭部に叩き込み、2度目のダウンを奪う。ベルナルドは立ち上がるが、ベルナルドはファイティングポーズを取らず角田レフェリーが試合をストップ。ベルナルド陣営は「2度しかダウンしていない」と抗議したが聞き入れられず、グッドリッジが大方の予想を覆し勝ち星を奪い取った。
 だが、最後の後頭部へのパンチは反則で、その前にもグラウンドパンチで反則を犯しているため、グッドリッジの勝ちが正当だったとは言い難い。グランプリ開幕戦の出場権はグッドリッジに与えられたとしても、ベルナルドにも何らかの救済措置が与えられる可能性もある。今後の主催者の判断を見守りたいところだ。

第8試合 スーパーファイト 3分5R(3ノックダウン制)
○ステファン・レコ(ドイツ/ゴールデン・グローリー)
×レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
判定3-0 (49-48.5,49-48.5,49.5-47.5)

 スピーディーなパンチとローで突進するボンヤスキーに対し、レコはバックハンド、回し蹴りで応戦。なかなか決定打の出ない両者だが、レコが老かいなテクニックでボンヤスキーの勢いを止め、手数でも上回る。ポイント僅差ながらも、0.5ポイント差でも勝っている方が勝者になるというこの試合の特別ルールのため、レコが勝利。グランプリ開幕戦出場の切符を獲得した。

第7試合 トーナメント準決勝 3分3R
×エロル・パリス (オランダ)
○パヴェル・マイヤー(チェコ)
判定0-3 (28.5-29.5,27.5-30,27.5-30)

 マイヤーが巨体を活かして膝とパンチで飛び込み、パリスの攻めを封じ込める。だがマイヤーは次第にスタミナを消耗。3Rにはパリスが右ロー、右フック、膝を叩き込みあと一歩のところまで追い詰めるが、決定打に欠き、前半の失点を取りかえすことはできなかった。マイヤーはふらふらになりながらも決勝進出。

第6試合 トーナメント準決勝 3分3R
×トニー・グレゴリー(フランス)
○マイケル・マクドナルド(カナダ)
判定0-3 (27.5-30,28-30,28-30)

 1R中盤、マクドナルドのローキックが金的にクリーンヒット。グレゴリーはマットに崩れ落ちる。マクドナルドに警告1が課せられ、2分ほどで試合が再開する。試合自体はマクドナルドのペースで、距離を取りながらも的確にボディとローを叩き込む。3R序盤にはフグトルネード、終盤には右フックを繰り出し、判定で決勝進出を果たした。

第5試合 スーパーファイト 3分5R(3ノックダウン制)
○アーネスト・ホースト(オランダ/ボスジム)
×ヤン・“ザ・ジャイアント”・ノルキヤ(南アフリカ/スティーブズ ジム)
3R 1'29" KO(右ロー)

 ノルキヤが巨体に似合わずスピーディーに距離を詰め、回転の早いストレートの連打を放ちホーストを苦しめる。だが1R終盤からホーストは右ローをノルキヤの左足に効かせ、ノルキヤの動きを止める。2Rには左右のパンチ連打も交えるようになり、ノルキヤは「効いていないよ」とばかり手を上げ挑発。観客が盛り上がる。そして3R、ホーストが首を軽くつかんだまま右ローをノルキヤの左膝に叩き込み、ついに巨漢をマットに沈める。ノルキヤは立ち上がりかけるが、10カウントになってもふらついたままで、角田レフェリーが試合をストップ。熱狂する観客に対しホーストは喜びのダンスを披露。10日後のDynamite!でのセーム・シュルト戦(K-1ルール)に向け、ホーストは巨漢退治の手ごたえをつかんだと言えそうだ。

第4試合 トーナメント1回戦 3分3R
○エロル・パリス (オランダ/2月24日オランダ大会優勝)
×アンドリュー・トムソン(南アフリカ/6月7日南アフリカ大会優勝)
1R 2'59" KO(2ノックダウン)

 長身のトムソンの顔面に、パリスは的確な左ジャブを叩き込み、左・右のストレートとボディのコンビネーションで最初のダウンを奪う。その後もパリスがストレート、ボディ、ローを変幻自在に散らし、最後は膝の連打に続き左右のパンチの連打でトムソンをサンドバッグ状態にしたところで、レフェリーが試合をストップした。


第3試合 トーナメント1回戦 3分3R
×アダム・ワット(オーストラリア/2月18日メルボルン大会優勝)
○パヴェル・マイヤー(チェコ/12月1日プラハ大会優勝)
判定0-3 (28.5-29.5,28.5-29.5,29-30)

 198cmのマイヤーに対し、ワットは距離を取ってからロー、フックで飛び込む。だがマイヤーは2Rからパワフルな左右のフックで積極的に飛び込むようになり、ワットを苦しめる。マイヤーは3Rも圧力を加え続け、決定打には欠いたものの手数で勝り勝利した。


第2試合 トーナメント1回戦 3分3R
×ピーター・ボンドラチェック(チェコ/4月13日イタリア大会優勝)
○トニー・グレゴリー(フランス/1月25日マルセイユ大会優勝)
1R 2'48" KO(2ノックダウン)

 背の低いボンドラチェックがパンチで飛び込み間合いを詰め、右ストレートでダウンを奪う。だがコーナーポストに崩れ落ちたグレゴリーをボンドラチェックが殴り続けたため、1点の減点が課せられる。闘志むき出しのボンドラチェックはさらに飛び込んで決着を付けようとする。だがガードが下がった隙を突き、左ハイでグレゴリーがダウンを奪うと、さらに右ストレートでボンドラチェックを脅かし、右からのパンチ連打で2度目のダウンを奪うことに成功し、見事な逆転勝利をおさめた。


第1試合 トーナメント1回戦 3分3R
○マイケル・マクドナルド(カナダ/5月3日アメリカ大会優勝)
×ヒカルド・ドュエナス(スペイン/4月13日スペイン予選優勝)
1R 1'25" KO(2ノックダウン)

 セルゲイ・イバノビッチ(5月4日ウクライナ大会優勝)に代わり出場したドュエナスに対し、マクドナルドがいきなり強烈な右ハイ2連発でダウンを奪う。さらにパンチで前に出るドュエナスをかわし潜り込んで、右ボディを効かせドュエナスをマットに沈めた。マクドナルドは無傷で準決勝進出。

Last Update : 08/19

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