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(レポ&写真) [PRIDE武士道6] 4.3 横アリ:ヒョードル、高阪にリベンジ

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE武士道 -其の六-"
2005年4月3日(日) 神奈川・横浜アリーナ  観衆:14,121人  フジテレビ 4/10(日)24:45-26:15 OA

  レポート:井原芳徳  写真:井田英登  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第11試合 1R10分・2R5分
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル/PRIDEヘビー級王者)
×高阪 剛(日本/チーム・アライアンス/パンクラス・スーパーヘビー級王者)
2R 開始前 TKO (ドクターストップ:左まぶたのカット)


 開始間もなく、高阪は片足タックルでヒョードルを倒しにかかる。だがヒョードルは腰の強さを発揮しあっさりトップポジションに。左右のパンチの雨を降らす。高阪はブロックし強打こそもらわなかったものの、昔から切れやすい部分であった左まぶたの上をカットし大出血。高阪の足関をヒョードルが逃れ猪木アリ状態となったところでドクターチェックが入る。
 ここまでわずか1分。高阪本領発揮の前にドクターストップとなってしまいそうな気配だったが、本人の続行意志も強く、試合は再開。だが高阪は自分のパンチでバランスを崩す格好で下になってしまい、またもヒョードルのパンチを被弾し出血。2分過ぎにも再びドクターチェックが入る。
 今度こそストップかにも思われたが、同じポジションから再開。高阪はヒョードルのパンチの隙を突いてシザースを狙うもまたも被弾し出血。高阪が下から密着する場面が増え、こう着状態に陥り、レフェリーは両者にレッドカードを提示しブレイク。直後に3度目のドクターチェックが入る。

 時計は5分過ぎから再始動。しかし展開は変わらない。高阪はさば折りでテイクダウンを狙うが、ヒョードルはまたも潰して上に。ヒョードルのパンチと高阪のリバーサル狙いが続き、1R残り1分間際に膠着ブレイクがかかる。最後も高阪が下になったところでラウンド終了。2分間のインターバルの後、2R開始直前にようやくドクターストップがかかった。

 内容はともあれリベンジに成功したヒョードルは、右親指付け根の古傷を大みそかのノゲイラ戦で悪化させたため100%力を発揮できなかったことをファンに詫び、「ミルコ戦では100%の力を出します」と誓った。
 日本刀を腰に携えて入場し、覚悟のほどを示した高阪だったが、不完全燃焼に終わったショックからか、膝をがっくりと落とし無念の様子。試合後もノーコメントだった。ヒョードルは「コウサカサンとはまた試合をしたい」と語り、榊原信行DSE代表も「高阪選手が日本男児として真っ向勝負を受けたことに感銘を受けた。もう一回高阪選手がその気があれば、再戦を組む事を考えてあげたい」と話した。
 ヒョードルに関して榊原代表は「お腹のたるみを含め、本調子のシェイプじゃなかった」と評し、「右親指の怪我の治り具合を見て、ミルコとのタイトルマッチを早ければ6月、遅くても8月に組みたい」と話した。

(関連記事:「ヒョードル、“氷の拳”に新たなヒビ。ミルコ戦の行方は?」=大会翌日会見の模様)



◆ PRIDEミドル級GPラストワントーナメント

第2試合 1回戦 1R10分・2R5分
○パウロ・フィリオ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
×アマール・スロエフ(ロシア/レッドデビル)
1R 4'22" 腕ひしぎ十字固め


 スロエフの蹴りを見切ったフィリォが、タックルで豪快に持ち上げてテイクダウンを奪いかける。だがスロエフはロープをつかんでしまい、それが2回続いたためイエローカードをもらってしまう。フィリォは3度目のタックルでテイクダウンに成功。そのままサイドを奪うとあっさりマウントを取り、パンチの連打をスロエフが嫌ったところで腕十字を極め、余裕の決勝進出を果たした。

第3試合 PRIDEミドル級GPラストワントーナメント1回戦 1R10分・2R5分
×小路 晃(日本/フリー)
○ディーン・リスター(アメリカ/ファビアノ・サントス柔術)
1R 3'13" 三角絞め


 スタンドの攻防の後、リスターがタックルを仕掛けるも、小路は切って上に。リスターはガードから腕を狙うが、小路は立ち上がって防御し、再び上になる。だが次第にリスターの両足が小路の背中を昇り、三角絞めがガッチリと極まってしまう。リスターは小路の腕を足の方に巻き込んで脱出できない状態にしており、小路は逃げられない状態。いったん持ち上げて叩き付けて逃げようとするが、逆に極まりが深くなってしまい、あえなくタップ。GP出場の夢があっさりと断たれた。

第10試合 PRIDEミドル級GPラストワントーナメント決勝 1R10分・2R5分
×パウロ・フィリオ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
○ディーン・リスター(アメリカ/ファビアノ・サントス柔術)
不戦勝


 世界屈指のグラップラー同士のハイレベルな攻防が期待された決勝。第6試合の後の休憩時には両者異常なしと発表されたが、試合直前に10分ほどのインターバルが取られた末、フィリオの右足首負傷による棄権が発表された。榊原代表によると、フィリォは試合直後は興奮状態で異常を訴えなかったが、その後異常を訴えたという。フィリオに1回戦で敗れたスロエフも足の負傷によりドクターストップがかかり、自動的にリスターの優勝。GP出場権を獲得した。
 フィリォは右足首を包帯で巻いてリングに上がり「申し訳ない。怪我を直してチャンピオンになります」とファンに挨拶。リスターも「GPで精一杯闘います」と約束した。



◆ その他ワンマッチ

第9試合 1R10分・2R5分
○美濃輪育久(日本/フリー)
×ギルバート・アイブル(オランダ/ボスジム)
1R 1'10" 足首固め


 開始早々、美濃輪は右フックを振りながらそのままタックルでテイクダウン。上になるとそのままアキレス腱固めに移行する。アイブルとの足の取り合いの攻防になるが、美濃輪が足首固めに移行すると、これが極まりアイブルはタップした。この日はこの試合まで日本人5人が完敗。沈滞ムードを吹き飛ばす美濃輪の一本に会場は盛り上がった。

第8試合 1R10分・2R5分
×桜井隆多(日本/R-GYM/DEEPミドル級王者)
○ムリーロ・ブスタマンチ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
判定0-3 (ヒューム=ブスタマンチ/三宅=ブスタマンチ/小林=ブスタマンチ)


 1分少々でブスタマンチがバックマウントを奪取。隆多が逃れても、すぐさまがぶってスピニングチョークを狙うなど、序盤の主導権を握る。だがスタンドに戻ると、隆多はブスタマンチのタックルを潰してサイドポジション。その後何度かスタンドに戻るが、その度に上を取り返し、五分の状態に持ち込む。ところが1R終盤、ハーフガードからブスタマンチのパンチの連打を浴びたこともあって、2Rから一気に失速。スタンドのパンチの打ち合いで何発もストレートを浴び、最後はマウントパンチの連打に苦しみ、惜しくも勝ちを逃した。ブスタマンチは20日しか準備期間がなく、ベストコンディションではなかったというが、最後はベテラン戦士の底力を見せつけた。

第7試合 1R10分・2R5分
○エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビル)
×ヒカルド・モラエス(ブラジル/ブラジル・ドージョー)
1R 0'15" KO (スタンドパンチ連打)


 開始早々ワンツーストレートを当てたアレキサンダーが、スタンドのままパンチを十数発叩き込みあっさりノックアウト勝ち。モラエスは何もできないまま敗れた。ブスタマンチ同様20日しかトレーニングができなかったという事情もあったようだが、あまりにも打撃に無防備すぎた。

第6試合 1R10分・2R5分
×高瀬大樹(日本/フリー)
○ダニエル・アカーシオ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
2R 3'34" TKO (レフェリーストップ:サッカーボールキック)


 高瀬が寝技に引き込むのを失敗するたびに、アカーシオがアリ猪木状態からの踏みつけやサッカーボールキック。じわじわとダメージを与え、主導権を握る。高瀬は打撃主体の練習を積み、総合の練習をほとんどしていなかったせいもあり、持ち味を発揮できず。最後はリンチ状態で蹴られまくったところでレフェリーストップ。同時にタオルも投入された。

第5試合 1R10分・2R5分
×ルイス・ブスカペ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
○ルイス・アゼレード(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
判定1-2 (ヒューム=アゼレード/三宅=ブスカペ/足立=アゼレード)


 ブラジルの実力者同士のスピーディーな攻防に会場は沸き上がる。上になる場面の多かったのはブスカペだったが、アゼレードはマカコ柔術仕込みの寝技で腕十字で何度かチャンスを作り、勝利をものにした。

第4試合 1R10分・2R5分
×中村大介(日本/U-FILE CAMP)
○マーカス・アウレリロ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
判定0-3 (大橋=アウレリロ/三宅=アウレリロ/小林=アウレリロ)


 柔術強豪のアウレリロがバックマウントからしつこく攻める展開が繰り返される。腕十字、三角を狙われる場面もあり、中村は防戦一方。終了間際に膝十字を狙ったが、良かったのはこの場面ぐらいだった。

第1試合 1R10分・2R5分
×大場貴弘(日本/AO/DC)
○デニス・カーン(フランス/スピリットMC)
1R 4'26" 腕ひしぎ十字固め


 カーンがマウントを奪い、腕十字を狙う展開の繰り返し。大場は2回逃れてスタンドに戻すが、3度目は極められタップした。

Last Update : 04/04 20:00

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