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(レポ&写真) [IKUSA] 3.12 お台場:裕樹、元日本ランクボクサーをKO

IKUSA事務局 "WEBBWOODS presents IKUSA YGZ04 - BIRD-BASE -"
2005年3月12日(土) 東京・スタジオドリームメーカー

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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メインイベント IKUSA‐U70戦王JUDGEMENT GAME 打撃GI 70kg契約 3分3R(最大延長2R)
○裕樹(REALDEAL/R.I.S.E. DoAトーナメント2004準優勝)
×拳士(シルバーウルフ/元ボクシング日本ウェルター級6位)
3R 1'26" KO (左ローキック)


 試合前から相手を鋭い目つきで睨みつける拳士。ボクシング28戦18勝(9KO)7敗3分、日本ランク最高6位の男の貫禄がビシビシと伝わってくる。そしてゴングが鳴るとすぐさま突進し、頭を付けて相手の距離を潰してボディブローとロングフックを連打。その勢いの凄まじさで会場を騒然とさせる。
 押され気味だった裕樹だが、そのまま首相撲に捕まえると膝蹴りを連打。それでも拳士は突進をやめず、上に下にとパンチをブンブンと振り回してくる。両者とも将来目標とするK-1では首相撲からの膝蹴りは1回。パンチの回数には規制がない。クリンチでイエローカードをもらう可能性もあるが、突進力さえ失わなければ、拳士の戦法は意外と有効かもしれない。

 しかし課題は蹴りへの適応力。裕樹は拳士を突き放すたびに、数々のライバルを仕留めて来たお得意の高速ローキックで拳士の足を止めにかかる。すると拳士は失速。声を上げながらパンチを振り回すが、序盤のような勢いはない。パターンをつかめた裕樹は、ローと膝で序々に攻勢に。最後はロープに詰めて左ローを連発し、拳士をマットに沈めた。

 勝利者インタビューを受けた裕樹は「とりあえず勝ててうれしい。ずっと緊張していたんで」と語り、“悪童”らしからぬ側面もチラリ。試合前には挑発的な言動を繰り返したが、それもIKUSAのメインのプレッシャーを跳ね返したい気持ちの裏返しだったのかもしれない。激戦を重ねるほどに、悪童は確実に成長している。

 そして改めてHAYATΦと新田明臣に対戦を要求。奇しくもこの日、HAYATΦがIKUSAのエース返上を宣言し、元NKBウェルター級王者・輝浪もHAYATΦ&新田狩りを表明しており、夏に向け70kg戦線がいっそう混沌としたものとなりそうだ。その中で裕樹が光ることができれば、夢のK-1参戦もそう遠くはない。
 敗れた拳士も最後のダウンの後は必死でファイティングポーズを取るなど、折れないハートを見せつけた。K-1ヘビー級でも同じボクシング出身のフランソワ・ボタが次第に適応し、ジェロム・レ・バンナを破るなど結果を残している。拳士が中量級にもボクシング旋風を巻き起こしてくれることを期待したい。


セミファイナル IKUSA GP JUDGEMENT GAME 打撃GI 59kg契約 3分3R(最大延長2R)
○TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver.OJ/元NKBフェザー級王者)
×中西一覚(谷山ジム/MA日本スーパーフェザー級3位)
判定3-0 (市瀬30-27/松田30-28/岡林30-27)


 TURBΦが右ミドル、右ローと右一辺倒なのに対し、サウスポーの中西は徹底して左の蹴り。両者ともなかなか膠着を打開できなかったが、2R終盤、TURBΦのエンジンにようやく火が灯り、コーナーに追いつめパンチラッシュ。あと一歩のところまで追いつめる。3RもTURBΦが右のフックとローで攻勢をキープ。文句無しの判定勝ちをおさめた。
 とはいえ6月開幕のIKUSA GPに向けて強さをアピールする試合には率直なところならず。本人も「GPに向けて一から出直す」と宣言した。小澤プロデューサーは試合後、TURBΦが怪我をしていたことを明かしたが(箇所は不明)、その怪我を回復して、GPではTURBΦエンジン全開の姿を見せてもらいたいものだ。

第5試合 IKUSA GP JUDGEMENT GAME 打撃GI 58kg契約 3分3R(最大延長2R)
○前沢カピラ義徳(カピラヴァッツ/元MA日本スーパーフェザー級王者)
×駿太(谷山ジム/MA日本フェザー級5位)
4R 判定3-0 (梅沢10-9/岡林10-9/市瀬10-9)

3R 判定0-1 (梅沢29-29/岡林28-29/市瀬29-29)

 前沢が飛び膝、前蹴り、左のハイとミドルと、多彩な蹴り技で1Rは主導権。しかし駿太も右ローで応戦し、2Rには首相撲からの膝蹴りの連打で挽回する。3Rは一進一退。結局判定では決着がつかず、延長戦へ突入。3Rは前沢がやや疲れ気味だったため、駿太がこのまま押し切るかにも思われたが、前沢がベテランの底力を発揮。右ミドルの連打で序盤から飛ばすと、前蹴りで駿太を吹き飛ばす。パンチの打ち合いでも優位に立ち、かろうじて接戦をものにした。
 しかし試合のテーマはIKUSA GP出場者の査定。ブランクがあり試合勘が戻っていないことを差し引いて考慮すべきだが、もう少しアピールする要素が欲しかったところだ。

キックエキシビジョン 3分1R
−HAYATΦ(FUTURE_TRIBE/UKF世界Sウェルター級王者)
−加藤督朗(PHOENIX/前WPMF世界ウェルター級王者)
勝敗なし


 当初総合ルールのエキシが計画されたが、二人の持ち味の活きるキックルールが採用されたことは、結果として吉。スピーディーな両者の動きから一瞬たりとも目が離せない。HAYATΦが左ミドルでダウンを奪い、加藤の山本優弥戦の悪夢を再現すれば、加藤もパンチの連打からの左ハイキックでHAYATΦのK-1 MAX日本代表決定トーナメントでのダウンを再現し、観客サービスも忘れなかった。


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第4試合 総合GII(寝技60秒) 70kg契約 5分2R(インターバル2分)
×BULL(TEAM EXIT)
○杉内 勇(Team ROKEN)
判定1-2 (小沼=BULL/市瀬=杉内/岡林=杉内)


 杉内が同門の足関十段・今成ばりのスライディングでテイクダウンを再三狙うが、BULLはそれを防ぎスタンド勝負を望み、空手仕込みの左ローを効かせる。杉内も日本拳法仕込みの右ストレートで応戦。ケンカ腰の打撃戦に突入する。
 1R終盤には杉内が腕十字を極めかけ、BULLも左ローを積極的に当て一進一退の展開となるが、両者ダメージが大きく次第に膠着。判定の難しい試合となったが、2R終盤にストレートを数発当て底力を発揮した杉内に軍配が上がった。
 敗れたBULLだが、小澤プロデューサーはハートの強さと積極性を高く評価。総合への適応はまだまだだが、今後の活躍が楽しみだ。

第3試合 打撃GII バンタム級 3分3R
○森田晃允(士道館橋本ジム/MA日本フライ級1位)
×タイガー石井(クロスポイント吉祥寺)
2R 2'42" KO (2ダウン:膝蹴り)


 森田がローを効かせるが、パンチを的確に当て続けたタイガーが1R終了間際、ワンツーからの右ストレートでダウンを先取する。2Rもタイガーが優勢。総合系の選手らしく、相手を倒してマウントポジションを奪い挑発したが、レフェリーに反則を取られイエローカードをもらってしまう。森田は左まぶたから出血。劣勢が続くようにも思われたが、1Rからのローが功を奏し、次第にタイガーが失速。首相撲に捕まえ膝の連打で立て続けにダウンを奪い、見事逆転勝利に成功した。

第2試合 打撃GII 54kg契約 3分3R
○TOMONORI(OGUNIジム/UKFバンタム級王者・WMCインターコンチネンタルSフライ級王者・NJKFフライ級3位)
×今井教行(シーザージム)
2R 1'54" KO (2ダウン:右ハイキック)


 1RからTOMONORIは猛攻を仕掛けるが、今井の執拗な右ローで次第にぐらつくように。ローブローももらってしまい、やや苦しい展開になりかけたとも思われた。しかし3R、右フックで今井をふらつかせると、右ハイキックでダウンを奪取。足のダメージの影響もありやや手こずったが、最後もハイキックを決め、IKUSA初戦を見事なKO劇で締めくくった。
 大会後、小澤プロデューサーは「森田晃允×TOMONORIの勝者を、J-NETさんのMACH55の優勝者とやらせたい」と発言。U70、U60の盛り上がりの見せるIKUSAだが、U55戦線も今後見逃せないものとなる。

第1試合 打撃GII 70kg契約 3分3R
○城戸康裕(谷山)
×剣(フリー/元NKBウェルター級5位)
2R 2'32" KO (左ハイキック)


 しばらくお見合いの状態が続いたが、1R終盤に城戸が左ハイキックをヒット。2Rになるとローの打ち合いで主導権を握り下に意識を向けさせ、最後は再び左ハイで豪快に剣をノックアウトした。


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Last Update : 03/15 14:47

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