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(レポ&写真) [J-NETWORK] 9.14 後楽園:増田、里帰り戦は辛勝

J-NETWORK "Kick Squad 5"
2004年9月14日(火) 東京・後楽園ホール

  レポート:永田遼太郎、井原芳徳  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ※サバイバルマッチ1は3分3R+延長1Rマストシステム

セミファイナル 第8試合 ライト級 サバイバルマッチ1
○増田博正(スクランブル渋谷/前J-NETフェザー級王者)
×ダーキー・ムアンウボン(タイ/KRS)
4R 判定2-1 (山中10-9/少9-10/小川10-9)
3R 判定1-0 (山中30-30/少30-30/小川30-29)


 増田博正ほど、J-NETWORKを愛した選手はいない。
 そう断言できるほど、彼は、時に選手としてJ-NETの看板を背負い他団体の選手と戦い、時に講師として、後身の指導に当たった。

 いまでも忘れられない出来事として、3年前、J-NETがMAキックと本格的な対抗戦をスタートさせた時、その第1弾として行われた01年2月のライト級のチャンピオン対決で、『もう一人の雄』西山誠人がMAの井上哲と対戦し、無念のTKO負けを喫した際に、うなだれる西山の隣で仇討ちを強く誓った時の表情だ。
 そして迎えた01年9月、ファイティング前沢とのチャンピオン対決で、増田は得意のキラーローで前沢の足を破壊し、一方的な勝ち方でJ-NETの看板を守った。彼はそうして結果を残すことで、常にJ-NETに対する周囲の雑音をかき消してきたのだ。
 そんな彼の姿をわかっていたからこそ、フリーになった今でも、ファンは増田博正という『J-NETのカリスマ』の二年ぶりの帰還に、温かい声援を送り迎え入れた。

 試合は序盤、思わぬダーキーの強いパンチとヒジに苦しんだが、決してそれに付き合うことなく、まるで“あの頃”を思い出させるように、得意の左のローとヒジで確実なポイント稼ぎに出る。
 しかし入場時に引きずっているようにも見えた左足に巻かれた、グルグル巻きのサポーターの内側に理由があるのか? ダーキーをあと一歩のところで崩しきれない。得意の左ローに以前ほどのキレが感じられなかった。
 それでも3ラウンドに増田にとって唯一、この日の勝負を決めるチャンスが訪れる。試合開始から狙っていたという増田の左ヒジが、ダーキーの右のこめかみ部分を捕らえ出血。ドクターチェックが入った。しかし傷は浅く、試合は続行。致命傷を最後まで与えられなかったことが影響したのか、試合は延長戦に突入した。

 しかし増田はその延長戦でも、決して焦ることなく確実に左のローでポイントを稼ぎ、スプリット判定ながらJ-NET凱旋試合を白星で飾ることができた。
 試合後、リング上で「年内もう一戦して、来年は巻き返します」と高らかに宣言。大声援のファンの声に応えた。(永田)

◆増田「(2年ぶりのJ-NETのリングは?)なつかしかったです。テーマ曲も当時のに戻しました。(相手の印象は)強いストレートとヒジを打ってきたので、それに付き合っちゃうと、いつもの悪い癖が出るのでそれに気をつけました。対策としてはローとヒジを細かく当てて行こうと。ちょっと距離感がダメでしたね。それが今後の課題です。ただ、本戦3Rで試合が決まったと思ったので『あれっ』って感じでしたけど。(3Rにヒジで切ったから?)そうです。(『年内もう一戦』という話でしたが)まだ決まってはいませんが、IKUSAとか全日本とか。声がかかれば、どこでも出て行きたいですね。(希望する対戦相手は)全日本のライト級の上の方と当たりたいですね。」

メインイベント 第9試合 64kg契約 サバイバルマッチ1
○喜入 衆(ソーチタラダ/J-NETスーパーライト級王者)
×ヨシ・KRSジム(タイ/KRS)
1R 2'59" TKO (レフェリーストップ:肘打ちによる額のカット)


 序盤から前に出るヨシに対し、喜入は下がりながら右ローを着実に当て、落ち着いた試合運び。首相撲になるとヨシは膝を連打し、ムエタイの本場での鍛練の成果を見せるも、喜入は突き離して右肘の連打。これがヨシの額を切り裂き、ドクターストップがかかった。
 ムエタイのお株を奪う肘で見事勝利した喜入。マイクを持つと、J-NET代表として来年は他団体へ侵攻していくとアピールした。今大会はJ-NETの元エース・増田の“里帰り”の方が注目された。しかし喜入が“里帰り”する頃、喜入がJ-NETの現エースとして大歓声で迎えられるようになっているか?それは喜入の頑張り次第となるだろう。(井原)

第7試合 54kg契約 サバイバルマッチ1
○牧 裕三(ソーチタラダ/J-NETバンタム級王者)
×割澤 誠(全日本キック・AJ/全日本バンタム級2位)
判定3-0 (山中30-29/少30-29/和田30-28)

第6試合 J-NETWORKフライ級王座決定トーナメント決勝 3分5R
○魂叶獅[たかし](全日本キック・はまっこムエタイ/1位)
×レックハーイ・マツモト(ウィラサクレック/2位)
判定3-0 (山中50-49/サミー50-49/和田49-48)
※魂叶獅がフライ級第2代王者に

第5試合 フェザー級 サバイバルマッチ1
×戦え!ひでりん(バンゲリングベイ/1位)
○尾田淳史(アクティブJ/2位)
判定0-3 (和田27-29/小川27-30/サミー27-29)
※3Rひでりんに膝蹴りによる1ダウンあり

第4試合 バンタム級 サバイバルマッチ1
×松下充也(M-FACTORY/元MA日本バンタム級1位)
○真後和彦(全日本キック・はまっこムエタイ/全日本バンタム級4位)
判定0-3 (サミー28-30/少29-30/小川29-30)

第3試合 ヘビー級 3分3R
×富樫龍一(梁山泊空手道連合/2位)
○馬場伸孝(MAキック・山木)
3R 2'48" KO (首相撲からの顔面膝連打)
※1R・3Rに富樫にスタンディングダウン1ずつあり

第2試合 スーパーライト級 3分3R
○相羽友介(サバーイ町田/J-NETライト級3位)
×小磯哲史(MAキック・山木)
判定3-0 (30-27/30-26/30-27)
※3R小磯に右ストレートによる1ダウンあり

第1試合 フェザー級 3分3R
○中野厚史(ティダマンディ八王子/5位)
×夜桜弘治(Team YOZAKURA/7位)
3R 1'22" TKO (レフェリーストップ:左目上のカット)

フレッシュマンファイト第2試合 フェザー級 3分3R
×武田晃一(アクティブJ)
○木村敬明(レグルス池袋)
判定0-2 (28-30/30-30/29-30)

フレッシュマンファイト第1試合 フェザー級 3分3R
○植野秀人(レグルス池袋)
×藤本義隆(ソーチタラダ渋谷)
3R 0'54" TKO (タオル投入)
※2R藤本にローキックによるダウン1あり

Last Update : 09/16

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