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(レポ) [修斗] 7.4 下北沢:急遽出場の福本、八隅に完勝

ガッツマン・プロモーション "下北沢修斗劇場 第9弾 青春の門 〜鍛錬編〜"
2004年7月4日(日) 北沢タウンホール
認定・インターナショナル修斗コミッション

  レポート:若葉り子  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


第8試合 -73kg契約 5分3R
×八隅孝平(パレストラ東京/ウェルター級環太平洋8位)
○福本よう一(和術慧舟會千葉支部/ウェルター級クラスA)
判定0-3 (26-30/26-29/26-29)

 先日行われた第5回 全日本ブラジリアン柔術選手権大会、アダルト青帯レーヴィ級にて優勝、紫帯に昇格して勢いに乗る八隅がメインに登場。当初の対戦相手、中蔵が怪我のため急遽欠場、和術慧舟會の福本よう一が受けて立つ。直前のオファーながら、このところ白星に恵まれない感のある慧舟會を背負っての一戦となる。
(1R)向かい合う両者。身長差10センチ。リーチの差は瞭然だ。福本の1,2に組み付いて八隅がロープ際へと押し込み、差し合いが続く。八隅が時折ヒザを入れるも、お互い好機を探し合うままに2分が経過、ブレイクがかかり中央からスタンドでの再開。八隅が左のミドル、インローでぐらつかせ、素早いタックルで突進するが、福本はテイクダウンを許さない。押し込まれて再びロープ際で同じ体勢に。投げに行きたい八隅は身体を前後させて空間を模索。福本はその隙にヒザ、ボディへのパンチを見舞っていく。たまりかねて、正面から福本の両足を引っぱり込み、強引にテイクダウンに持って行こうとした八隅だが、左腕を肩越しに福本につかまれて中腰の状態でフリーズ。しかし粘り腰で、頭から福本の胸に突っ込み強引に上を奪うと、ボディにパンチを落として行く。ロープ際の展開だったため「ストップ ドント ムーブ」の声がかかるが、ゴングが鳴り、1R終了。
(2R)大きく1,2、ヒザのコンビネーションを出す福本に、高速タックルでテイクダウンを奪う八隅。上から福本を抑え込むと肩パンチを見舞うが、上手くタイミングを合わせた福本が力で立ち上がり、スタンドで組んだ状態へ戻す。ここで、八隅の豪快な投げが爆裂。がっちり上になり、ハーフガードの状態に持っていくと、また肩を狙いながらサイドに回る。柔術家八隅の独壇場か?と思わせつつも粘る福本。ここからは速い展開のポジション合戦に。パワーで福本がスタンドに戻すと八隅は低空タックル、しかしガブった福本が離れ際に強烈なヒザを打つとそのままテイクダウン、ハーフガードの状態から中腰でパンチを振り落とす。一端、場所を中央に戻してリスタート。一瞬もぐり込んで足を取ろうとする八隅だが、福本が上から潰して再びマウントを取り、パンチを落とす中でゴング。
(3R)打撃戦での幕開け。八隅の左インローに福本が左右のハイ、ミドルで返す。応酬の中で、八隅が福本の右ヒザに合わせて組み付きテイクダウン。上を取り、ハーフガードから昇っていく。下からパンチを出す福本。八隅が肩を固めながらサイドに移行しようとしたところを、またも粘ってスタンドに戻す。八隅が左ハイを放ち、距離が開いたところに、踏み込みながら強烈な右ヒザを福本が放つと、クリーンヒット。ダウン?と一瞬思わせながらも組み付いていく八隅。朦朧とした様子である。福本はそれを振りほどくと、喰らえ!と言わんばかりに、とどめの左飛び膝をめりこませると、レフェリーもダウンカウントをとる。再開すると力を振りしぼり、左ハイを放つ八隅だが、スリップで尻餅をついてしまう。すかさず乗る福本。ラスト30秒、福本がひたすら中腰の状態からパンチの雨あられを弛むことなく落とし続ける中でゴング。
判定3−0。直前の対戦相手変更が影響したのかは定かではないが、試合の組み立てが狂ってしまった印象の残る八隅に対して、突然のメイン抜擢というプレッシャーをチャンスに昇華させた福本が慧舟會に白星を持ち帰った。

◆福本「試合前は葛藤があって笑えませんでした。次の試合は負けられないので、1ヶ月は準備期間がほしいな、と思っていたので迷いましたが、チャンスだ!賭けろ!と皆さんがいってくれたので。自分でも前回の敗戦の悔しさがあったので、出てみようかなと。八隅選手はレスリングが強かったですね。打撃も上手かったし。KOするしかないな、と思ったので打撃で行きました。飛び膝は以前から練習していたのですが、左右踏み込んでまでの飛び膝は初めてですね。また明日から練習して、環太平洋王座にも挑戦したいです。慧舟會勢のプレッシャーもありました。(千葉大会での門脇選手の秒殺負け、第6試合での大沢選手のTKO負け)。受けてよかった。緊張しましたよ。勝ってよかったです。」


第7試合 ウェルター級 5分2R
△天突頑丈(PUREBRED大宮)
△鹿又智成(パレストラ八王子)
判定0-0 (19-19/19-19/19-19)

 鬼気迫る復活勝利を遂げた鹿又と、プロ3戦全勝の天突、勢いに乗る両者の対決。黒髪と金髪、トランクスも黒と白。スタイルも柔術と打撃、と正反対な両者である。
(1R)開始早々鹿又がキックで様子を見てから、天突を中心に回転。天突の方から組み付くと押し込んで、鹿又がロープを背にした状態に。天突はヒザを入れていく。鹿又が左ヒザから差し返すと空間を作り、左右のヒザを叩き込み、バックに回ってグラウンドへ持ち込む。が、天突が力で立ち上がりスタンドへ。また組んで再度ロープ際での展開。鹿又がヒザから後ろへ回り飛びついておぶさった状態に。振りほどいた天突。その周りを、全力疾走に近いスピードで走り回る鹿又。おいかける天突。リング上は鬼ごっこの様相呈する。天突が鹿又をとっ捕まえ、鹿又がヒザなどで逃れ、の繰り返しから、ロープ際で組み付いたところでゴング。
(2R)組み付いて力相撲から、離れ際に打撃、のループが続く。鹿又はヒザを出せば天突は1,2コンビネーション。繰り返しの中で、鬼の形相で天突が鹿又を青コーナーに押し込むと、ついぞや投げに成功。ハーフガードで上を取る。ほどけて、猪木アリ状態になるも、天突がキック、中腰からのパンチを降らせる。鹿又も下からキックを放つが、形勢が変化することなくゴング。判定はドロー。天突の殺伐とした打撃、鹿又の華麗なグラウンド、お互いの持ち味が発揮できないままゴングとなった。


第6試合 フェザー級 5分2R
×大沢ケンジ(WKシューターズスクール)
○田澤 聡(ガッツマン修斗道場)
1R 2'33" TKO (レフェリーストップ:額のカット)

 開始後、素早い打撃合戦。大沢が組み付いてテイクダウンを奪うと、中腰の状態からポジション作りの好機をうかがう。田澤も下から打撃を出し、なかなか大沢を入らせない。離れては入ろうとする大沢に対して、大沢の腰骨を足で押し返し、パンチやキックで反撃する。ここで、大沢が額から激しく流血。ドクターチェックが入る。と、傷の位置、深さからダメージが大きいと判断したドクターが試合をストップ、田澤のTKOがコールされた。これには大沢も納得できない。「まだまだできる!」そして「グラウンド状態での顔面へのキック=反則もしくはアクシデントでは?」と、アピール。セコンドの宇野薫も抗議するが、判定は覆らず。これから!というタイミングだっただけに場内からも不完全燃焼のため息がもれた。勝ち名乗りを受けた田澤も納得が行かない様子。再戦が組まれることを期待したい。


第5試合 新人王決定トーナメント準決勝 ウェルター級 5分2R
○内村世己(パレストラ東京)
×梶田高裕(ALIVE)
判定3-0 (20-19/20-19/20-19)

 1Rは打撃をきっかけに組み付き、テイクダウンの狙い合い。しかしどちらも倒れず、押し合ってロープ際での差し合いの繰り返しが続く。梶田がいい右ロー、左ミドルを見せれば、内村は豪快な1,2アッパーを放つ。
 2R、キックで勝機を狙う梶田だがパンチで内村が猛進すると、スリップ気味にバランスを崩し、ついにグラウンドでの優位なポジションを許してしまう。サイドバックについた内村が梶田の腰に高い位置からヒザを振り下ろす。首を押さえて、空いた手でパンチを落とすことも忘れない。なんとか下から腕を捕まえた梶田だったが、ほどけて猪木アリ状態になった中でゴング。2Rを優位に進めた内村が勝利した。


第4試合 新人王決定トーナメント準決勝 フライ級 5分2R
△タイガー石井(パレストラ吉祥寺)
△竹内篤志(パレストラ函館)
判定0-0 (19-19/19-19/19-19)
※抽選により竹内が決勝に進出

 左ローを叩き込み続ける。竹内が1,2のコンビネーションで距離をつめて入ってきたところに石井が上下の蹴りとパンチを散らしたところでゴング。
 2R、竹内が組み付いてテイクダウン、上を奪う。しかし石井の下からの攻めに抑えきることができず、スタンドへ。再び竹内が左ストレートからテイクダウンを奪うが膠着気味の中でゴング。お互い様子を見合ったせいか、大きな動きに欠ける試合となった。強運で決勝戦出場権を掴んだ(ドロー裁定のためくじ引き)竹内には熱い試合を期待したい。


第3試合 ライト級 5分2R
×色川 剛(Team TOPS)
○不死身夜天慶(シューティングジム横浜)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)

 1R 開始早々不死身夜のズゴッという鈍い音の左フックがヒット。以降、徹底して片足タックルにこだわる色川に対して、パンチを隙あらば入れていく不死身夜。色川はTeam TOPS名物の粘り腰タックルでテイクダウンを狙うが、不死身夜は倒れない。 
 2R やはりタックル狙いの色川だったが、ことごとく切られてしまう。逆にバランスを崩したところへ重いロー、インロー、ボディ、と的確に打撃を叩き込んだ不死身夜が、判定3−0で勝利した。


第2試合 ウェルター級 5分2R
×美木 航(RJW/Central)
○光蔭 兜[こかげかぶと](PUREBRED大宮)
判定0-3 (18-19/18-19/18-20)

 1R 光蔭が積極的にパンチの連打を見せる。対する美木はコンビネーションから組み付いて投げ、サバ折りなどでのテイクダウンを見せる。しかし、組み付きから足をかけてテイクダウンを奪った後あたりから、光蔭のスイッチが入る。
 2R 光蔭の右パンチで美木が頬をカット、ドクターチェックが入る。この後、光蔭の壮絶なパンチ攻勢。払って倒し、マウントを奪うとパンチの雨あられ。判定3−0でデビュー戦を白星で飾った。


第1試合 ライト級 5分2R
×松下剛士(ALIVE)
○中尾享太郎[きょうたろう](シューティングジム横浜)
判定0-3 (17-20/16-20/16-20)

 受太郎の弟。と呼ばれるのを嫌ってかはわからないが、スパッツは蛍光色でもなく「きょうたろう」とも書かれていない。が、妙な落ち着きと説得力を放つ中尾享太郎。
 1R 享太郎の左右ローでスタート。松下も打撃で応戦する。しかし享太郎はタックルから組み付き、ロープ際に松下を押し込んでヒザを叩き込む。ほどけると、右フックも披露。たまらず松下も組んでコーナーに押し込む。離れ際にアッパーのフェイントから組み付いてテイクダウンを奪う享太郎。松下も下から仕掛けるが、上をキープし、重たいパンチをボディ〜肩に落とし、サイドにまわって更に打ち続ける中でゴング。
 2R 大振りのパンチから腰に組み付き、テイクダウン〜バックをとると、もう止まらない。享太郎のパンチが火を噴く。松下も体勢を入れ替えようとするが完全に捕まってしまう。会場の歓声に応えるように、最後までパンチの手を緩めることなく試合終了。判定ながら文句なしの内容で享太郎が勝利。「北沢タウンホールの第一試合」という堅実なデビュー戦会場を、豪快な勝利で一気に盛り上げた。

Last Update : 07/09

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