(レポ&写真) [R.I.S.E.] 7.4 有明:青柳×FABIANOの頂上戦はKO決着
R.I.S.E.プロモーション "R.I.S.E. The Law of The Ring(リングの掟)〜日本 vs 世界〜" 2004年7月4日(日) 東京・ディファ有明
レポート:井田英登 写真:米山真一 【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第8試合 日本vs世界・大将戦 ヘビー級 3分3R ○青柳雅英(日本/アイアンアックス) ×FABIANO(ブラジル/TARGET) 3R 1'35" KO (3ダウン:ローキック)
フレッシュマンファイトながら3月、K-1WGPに進出を果たし、R.I.S.E.のトップファイターとして認知度も高くなってきたFABIANOと、昨年末のヘビー級トーナメント覇者に輝いた後、K-1 JAPAN GP出場権争奪トーナメント では大石亨に破れるなど連敗中の青柳。トップ君臨か再浮上か、両者の命運が掛かった頂上決戦が実現した。
序盤から、積極的なパンチで前に出る青柳は、潜ってのサブマリン風フックや左右の回転の速いパンチのコンビネーションなど、常に先手を重ねてローキックまで繋ぐ。対するFABIANOはフットワークと前蹴りを使って攻め込んでくる青柳の気持ちをイナすように、距離をキープ。ローにはローを返す程度で、主にカウンターのチャンスを探る動き。
2R中盤若干攻め疲れの気配が見えた青柳の攻めが一段落。FABIANOが攻勢に出る。ハイキックからチャンスを掴んだFABIANOは、コーナー際、ガードをかいくぐったアッパーなどパンチ連打で畳み込んで青柳の動きを止める。
だが3Rに入って、青柳がパンチのコンビネーションの最後にコツコツと打ち込んで来たローが功を奏しはじめる。左の膝上にローを浴びる毎にFABIANOが露骨に顔をゆがめるようになったのだ。この追い風に青柳はローを重ね、またたくまに2ダウンを奪取。クリンチに逃げようとしたFABIANOだが、すでに勝負あった観もあり、止めのローを浴びて10カウントを聞いた。
トーナメント制覇後、勝ちに見放されていた青柳だが、本拠地といってもいいR.I.S.E.で復権。ふたたびこの舞台の主役の座を勝ち取った。「今後どこのリングにあがっても勝ち驕ることなくコツコツやっていきたい」と地味めの勝利コメントを残した青柳だが、勝利直後のリングではテーマソングでもあるTRFの懐かしのナンバー「EZ DO DANCE」に乗ってダンスを披露。陽性キャラで会場人気をひとり占めにしていた。
第7試合 日本vs世界・副将戦 -70kg契約 3分3R △阿部 勝(日本/クロスポイント) △チャーリー・ビッグショットキャンプ(タイ/シットゴーソンジム) 判定1-0 (30-29/29-29/29-29)
序盤快調にパンチで攻め込んだ阿部だが、2R以降至近距離に入ると確実にボディに膝を打ち込んで来るチャーリーのカウンター攻撃が決まり始め、阿部の踏み込みが甘くなる。中距離でも阿部のミドルは確実にガードし、逆にキレのいいローを繰り出してくる34歳ベテランの老獪な“ムエタイ式遊泳”に若い阿部はペースを掴めないまま試合を終えることになってしまった。
第6試合 日本vs世界・中堅戦 ヘビー級 3分3R △百瀬竜徳(日本/TARGET) △アレキサンダー・ロバーツ(アメリカ/空柔拳会館) 判定1-0 (28-27/27-27/27-27)
三年前の第12回新空手全日本重量級決勝で戦った両者だが、このときは百瀬が僅差の判定で勝利。その後百瀬はK-1 Japanトーナメントに抜擢されるなどプロ活動に比重を移す。一方、ロバーツは大道塾北斗旗などアマチュア大会を転々としながら、百瀬へのリベンジのチャンスを探って来た。プロ活動としては総合志向ながらR.I.S.E.のリングに上がったのも、このときの借りを返すためという。
しかし試合序盤から打点の高い顔面への膝攻撃に固執したロバーツは、カウンターのパンチを被せられ、早々にダウンを喫してしまう。これで勢いに乗った百瀬は、飛び込んでインファイトからパンチ勝負に出てくる。とりあえずダメージを与えて百瀬の動きを止めたいロバーツは、またもや首相撲からの膝を狙う。しかし焦りもあってか、バランスを崩したところに、パンチを合わせられスリップ気味ながら二つ目のダウンを宣告されてしまう。
だが2R目に入ってようやく居直ったのか、首相撲への執着をすてたロバーツが、突き蹴りのみの猛攻を開始する。リーチの違いもあって、ストレート主体のロバーツのパンチが面白いように百瀬の顔にヒットしていく。見る見る顔面が赤く染まった百瀬にドクターチェックが入るが、試合は続行。しかし、コーナーに追い込まれ左ストレート浴びた百瀬は、ダメ押しの前蹴りでダウンを喫する。
3Rも同様の展開が続くが、なおも倒れない百瀬に焦れたロバーツは、顔面をそのまま襲う飛び膝や、バックブローまで繰り出す。それでも2つ目のダウンは奪えず。
ロバーツはプロ二戦目で怪物的破壊力を見せつける事には成功したが、パンクラスでのデビュー戦でも見られた首相撲への執着が今回も祟った形だ。結局、スコアはドロー(百瀬支持1票)となったものの、顔面が腫れあがり鼻を折られても最後まで倒れなかった百瀬のタフネスに、客席の拍手が寄せられた。
第5試合 日本vs世界・次鋒戦 -65kg契約 3分3R ○尾崎圭司(日本/チームドラゴン) ×シャノン・F16・フォレスター(オーストラリア/ファイブ・リングス) 判定2-0 (29-29/30-29/30-29)
29勝17敗13KO勝ちとハードパンチャーで知られる超ベテランが登場。チームドラゴン一のイケ面「前田二世」の呼び名も高い尾崎にとって、大きな試練となった。しかしそのプレッシャーも見せず、入場時にはかつて全国大会優勝も成し遂げたテコンドーのジャケットに身を包み、華麗な回転蹴りを披露してみせた。 ミドルから口火を切った尾崎の攻めだが、フォレスターはあまり打ち合いに応じず、主にクリンチからの膝を掛け逃げ風に打ち込んでくる。時折バックブローやソバットなどトリッキーな回転系の技を繰り出しながら、尾崎はアウトボクシングで積極果敢に手数を出し続ける。時折、ロシアンフック風の大きなフックがフォレスターの顔面を捕らることもありKOが期待されたが、クリンチに持ち込んでは首相撲から打点の高い膝をヒットさせるなど、ベテランらしいゲームメイクでフォレスターが尾崎の追撃を許さず、判定にもつれ込んだ。
第4試合 日本vs世界・先鋒戦 ヘビー級 3分3R ○世良田孝徳(日本/アイアンアックス) ×ウィル・リーバ(イギリス/The Spirit Gym) 2R 1'54" KO (3ダウン:右フック)
ニコラス・ぺタスの秘蔵っ子と言われるウィル・リーバ。TV解説席を抜け出してセコンドについたぺタスの表情も、現役時代以上に緊張の色が濃い。一方、世良田は今年五月の新空手全日本大会で惜しくも優勝を逃し、今回R.I.S.E.凱旋ならなかったが、ヘビー級ながら回転系のトリッキーな技で玄人筋の支持が高い選手。 いきなりソバットで幕を開けた世良田の人を食った攻めに対し、リーバはワンツーで突進、組んでは真正面から膝と新人らしい突貫ファイト。そのリーバの気負いをスカすように、マットに手を付いた胴回し蹴りを繰り出すなどまったくマイペースな世良田。 2Rに入ると“遊びは終わった”といわんばかりに、ロー、ミドルと蹴りでリーバをコーナーに追い込むと、パンチ連打でリーバをぐらつかせる。さらにノーガードでの挑発とやりたい放題。ムキになったリーバが打ち返してくると、右フック一発でダウンを奪ってみせる。 追い込まれたリーバが起死回生のバックブローを放つと、カウンターの右を合わせて2D目。さらにクリンチからの膝で粘るリーバに、もう一発右のフックを浴びせて三つ目の、そして決定的なダウンを奪ってプロ二勝目をマークした。
第3試合 -70kg契約 3分3R ×笹谷 淳(福生橋本) ○井出康晴(リアルディール) 判定3-0 (28-29/29-30/28-30)
第2試合 -72kg契約 3分3R △A.KAMINE(TARGET) △寒川直樹(バンゲリングベイ) 判定1-1 (29-28/30-29/30-30)
第1試合 -70kg契約 3分3R ×高橋忠一郎(クロスポイント) ○吉武龍太郎(チームドラゴン) 判定3-0 (30-27/30-26/30-27)
Last Update : 07/08
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