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(レポ&写真) [一撃] 5.30 武道館:フィリォ、ボンヤスキー下す

一撃実行委員会 "SANKYO presents 一撃 〜 極真 vs K-1 全面対抗戦〜"
2004年5月30日(日) 東京・日本武道館

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・K-1スレッド]

※「一撃キックルール」はK-1ルールとほぼ同じルール

■第2部:極真 vs K-1 7対7 全面対抗戦

第7試合 一撃キックルール 3分3R(最大延長2R)
×レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
○フランシスコ・フィリォ(ブラジル/極真会館)
判定0-3 (御座岡28-30/黒住28-30/朝武27-30)


 フィリォがオランダのボスジムで5月の初頭から20日まで練習した成果を発揮。1R、パンチの連打で優勢。2R前半はお見合い状態が続くが、後半はフィリォが主導権。ボンヤスキーのフライング殺法を見事に封じ込める。
 3Rになるとようやくボンヤスキーの膝蹴りが当たり始め、ポイント的には五分に戻り延長に突入するかと思われた。だが残り30秒、フィリォの右フックがクリーンヒット。さらにストレートの連打でボンヤスキーの足を止め、右アッパーでスタンディングダウンを奪う。ボンヤスキーは納得いかない素振りだが、そのまま時間切れで試合終了。フィリォが土壇場に勝負を決めた。
 谷川貞治・K-1イベントプロデューサーは「倒すまでやったほうが良かった」とスタンディングダウンに不満を示したが、「気持ちの強さがあのアッパーにつながった」とフィリォの執念を評価した。さらに「総合格闘技もやってほしい」と何度も口にしていたが、フィリォ本人は「興味はあるが、チャンスと時期が整うまで待ちたい」とやや消極的だった。

 「極真 vs K-1 7対7 全面対抗戦」と銘打たれた第2部はK-1側が全敗。谷川プロデューサーは「純K-1を呼べるのはボンヤスキーとマイストロビッチだけだった。今回は総合の選手が多く、ルールに不馴れな部分もあった」と語り、実質は全面対抗戦でないことをアピールした。
 そもそもK-1は団体や流派や道場ではなく、ただの“競技”に過ぎなかった。だが世間はどうしてもK-1の常連選手を「K-1ファイター」と一括りにしてしまう。そして最近のK-1はテレビ向けの「わかりやすい」テーマが必要と考えてか、「vs 極真」「vs ボクシング」「vs 新日本プロレス」といった“団体”対抗戦を組む事が増えた。
 ところが先週のROMANEXでも総合のエース・ボブ・サップが完敗するなど、K-1ファイターが総崩れ。今回は昨年GP覇者・ボンヤスキーまでもが陥落してしまった。今度の日曜のK-1名古屋大会では「vs ボクシング」で3試合が組まれている。“団体”として負け続きのK-1。しかし“競技”ではなく“団体”としてのアイデンティティを自ら強めた以上、もはやこの流れから逃れることはできない。
 

第6試合 一撃キックルール 3分3R(最大延長2R)
×アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
1R 2'13" KO (右アッパー)

 TOAが首頚椎捻挫で全治2週間と診断され欠場し、急遽出場となったアリスター。総合ではストライカーで鳴らしているが、キックルールは不馴れな様子で、フェイトーザのストレート連打であっけなくダウン。その後もパンチの連打を浴び、2度目のダウンを喫したところでレフェリーがストップした。アリスターはこのKO負けで、元々出場の決まっていた1週間後のK-1名古屋大会を欠場せざるをえなくなった。

第5試合 一撃キックルール 3分3R(最大延長2R)
×セス・ぺトルゼリ(アメリカ/マーシオ・シマスBJJ)
○アレクサンダー・ピチュクノフ(ロシア/極真会館)
2R 2'18" TKO (レフェリーストップ:左フックでのダウン後)

第4試合 一撃キックルール 3分3R(最大延長2R)
×マーブリック(アメリカ/シャークタンクジム)
○赤石 誠(日本/極真会館)
2R 2'11" TKO (タオル投入:左フックでのダウン後)

第3試合 極真ルール 2分3R
×ピーター・マイストロビッチ(スイス/正道会館)
○エヴェルトン・テイシェイラ(ブラジル/極真会館)
判定0-3

 極真第8回全世界大会3位のテイシェイラが、パワフルな攻めで圧倒。

第2試合 極真ルール 2分3R
×ビッグファム(アメリカ/タイ・カイ柔術)
○レチ・クルバノフ(チェチェン/極真会館)
1R 1'00" 一本 (右後ろ回し蹴り)

 クルバノフが総合格闘家のビッグファムに得意の後ろ回し蹴りを極め完勝。ビッグファムは意識があるものの、しばらく立ち上がることができなかった。

第1試合 極真ルール 2分3R
×ハンス・ナイマン(オランダ/フリー)
○田中健太郎(日本/極真会館)
1R 1'49" 失格 (故意の顔面パンチ)

 ナイマンの日本初登場は91年12月のリングス有明大会。佐竹雅昭とフルコンタクト空手ルールで対戦し、猛攻を耐え抜き引き分けに持ち込んでいる。今回も同じルールとなったが、ナイマンは反則の顔面パンチを平気で何発も放ち反則負け。

■第1部

第6試合 一撃キックルール 3分3R
○イゴール・ぺプロフ(ロシア/極真会館)
×森口 竜(日本/極真会館)
2R 0'37" TKO (ドクターストップ:右肩の負傷)

 1Rは互角の展開。これから勝負というところで、森口が右肩を脱きゅうしてしまい終了となってしまった。

第5試合 一撃キックルール 3分3R
×藤田雅幸(日本/極真会館)
○アルトゥール・ホヴァニシアン(アルメニア/極真会館)
判定0-3 (相見27-30/岡林28-30/朝武28-30)
※2R両者とも1ダウン

 極真第8回全世界大会ベスト16のホヴァニシアンが、初のグローブマッチであることを感じさせない慣れたパンチとローのラッシュで優勢。2R、左フックでダウンを先制する。だが極真第19回全日本ウェイト制重量級4位の藤田は、トランクスに書かれた「特攻精神」の文字を体現するようなファイトを展開。直後に左フックでダウンを奪い返すと、武道館は大歓声に包まれる。LAボクシングジムでの2ヶ月の特訓の成果を見事発揮する。以降もホヴァニシアンが優勢で、藤田にチャンスは訪れなかったが、第2部も含め、最も観客に感動を与えたのは藤田だったのではないだろうか。第4試合の日比野のファイトも素晴らしく、極真会館はもっと自前の選手層に自信を持ってもいいような気がした。

第4試合 一撃キックルール 3分3R
○マキシム・デディック (ロシア/極真会館)
×日比野丈二(日本/極真会館)
判定3-0 (川本30-28/黒住30-28/御座岡29-28)

 極真第8回全世界大会出場者同士の対決。デディックが重みのあるパンチとミドルで優勢。日比野は鼻血を出すが、3Rにはパンチで反撃を見せ、観客を大いに湧かせた。

第3試合 一撃キックルール -72.5kg契約 3分3R
○マグナム酒井(士道館)
×大野 崇(INSPIRIT)
判定3-0 (池田30-28/御座岡30-29/朝武30-29)

 この試合のみ、首相撲からの膝蹴り連打が認められるK-1 MAXと同様のルールが採用された。試合は大野がローに対する打たれ弱さを露呈し、酒井が着実にローとストレートを当て続け完勝した。

第2試合 一撃キックルール 3分3R
×古田太一(日本/アイアンアックス)
○アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン/極真会館)
1R 2'15" TKO (タオル投入)

第1試合 一撃キックルール 3分3R
×スベト・デコヴィッチ(セルビア・モンテネグロ/極真会館)
○ファビアーノ・ダ・シルバ(ブラジル/極真会館)
1R 終了時 TKO (タオル投入)

Last Update : 06/11

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