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(レポ&写真) [全日本キック] 4.16 後楽園:大月またもKO勝ち。小林&西山敗退

全日本キックボクシング連盟 "全日本ライト級最強決定トーナメント2004 2nd.STAGE/二回戦"
2004年4月16日(金) 東京・後楽園ホール  観衆:1,820人(超満員)

  レポート:BOX-T(KillerDoop),井原芳徳(白鳥戦&吉本戦のみ)  写真:井原芳徳
  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

第8試合 ライト級トーナメント二回戦 Aブロック サドンデスマッチ(3分3R・最大延長2R)
○大月晴明(AJジム/全日本ライト級王者)
×チェ・ヨンイク[崔 永益](韓国/韓国スーパーライト級王者)
2R 2'08" KO (左バックブロー)


 試合前、控え室横の階段の踊り場で、トレーナー相手にバックブローのミット打ちを入念に繰り返す大月を偶然に目撃。前回1月の試合に続いてバックブローが炸裂するか!?
 1R、序盤は静かな立ち上がり。かなりの身長差の為か、大月はなかなか踏み込まない。しかし、意を決したように遠くから大振りの右フックで飛び込んでローへ繋げるコンビネーションを繰り出す大月。大月のフックがチェの顔面や腕にヒットする度に、まるで銃の射撃音のような轟音が会場に響く。たまらず前に出てきたチェに、大月がバックブロー。当たらなかったが会場がどよめいた。続けてパンチを振るう大月に対して、組み付いて難を逃れるチェ。1R終了後、コーナーでレフェリーに注意される。

 2R、ミドルでチェが前に出ようとするが、踏み込んだところで逆に大月のフックが炸裂。耐えるチェに、大月は構わず左右のパンチを打ち込み続けダウンを奪う。なんとか立ち上がったチェは、力ないパンチとキックを打つが、大月は意に介さず、一瞬、何かを待つように動きを止める。チェが右のクロスを打つ為に踏み込んだ瞬間、ダッキングでかわした大月はバックブロー一閃。尋常でない音を大月の拳とチェの顔面が奏でると、チェは前のめりに倒れ動かなくなった。カウント7で、チェが少しだけ立ち上がりそうな気配を見せたが、レフェリーは試合を止めた。

◆大月「最初は戸惑いました。チェ選手は距離感が優れていて、右を狙ってる気がして、入るのが怖かったです。でも、打たれてでも入ろうと思いました。相手のパンチを最初に受けた時に、これなら大丈夫。打ち勝てる。と安心しました。今日はパンチが切れてたので、当たれば倒せると確信しました。
(最後のバックブローは狙ってた?)いえ。右のクロスが来たのでダッキングしたら、丁度いい位置に来たので、一瞬の閃きで打ちました。練習どおりだったので、まあ待っていたと言えば、待っていたのかも知れないですね。
(サトルヴァシコバが小林に勝ったことについて)試合は見てないけど、歓声は聞こえました。サトル選手は左が強いと思いますが、自分はサウスポーには絶対の自信があるので倒して勝ちます。
(アメリカでの練習について)避ける技術、当てる技術をロスで学んで来ました。
(決勝はどっちが来ると思う?)吉本だと思う。一緒の仲間だし、僕よりも凄く練習してるので吉本が勝つと思います。先輩後輩対決がしたいです。」

第7試合 ライト級トーナメント二回戦 Bブロック サドンデスマッチ
×小林 聡(藤原ジム/WKA&WPKC世界ムエタイ・ライト級王者)
○サトルヴァシコバ(勇心館/全日本フェザー級4位) 
判定0-3 (大成28-29/和田28-30/朝武28-30)


 小林の入場テーマがかかると、小林ファンから手拍子が巻き起こり、人気の面ではサトルを圧倒した。…かに思われた。が、しかし、花束の数ではサトルが小林を圧倒し、ファン同士がまず意地の張り合いを見せる。
 1R開始直前、小林に背中を向けて立っていたサトルは、ゴングが鳴った瞬間、突然ふり向き、小林に向かって前蹴りで襲い掛かる。前蹴りはすかされたが、続けて出した重いパンチが小林の顔面を捉える。しかし、小林は冷静に距離をとり、ペースは渡さない。サトルはジリジリと距離を詰めようとするも、逆に小林のロー&ミドルとワンツーを浴びてしまう。
 2R、今度は強引にパンチで入ろうとするサトルに、小林は的確にローとワンツー、リバーブローを入れていく。状況に応じて、距離を詰めたり開けたりと、小林がキャリアの差を見せつけ、試合をコントロールする。対するサトルは左ハイで小林の右頬を腫らすが、突破口が見つからないように見えた。

 しかし、3Rが始まると、サトルが打ち合いを仕掛け、小林もこれに応じた為、1〜2Rの展開を無視するような、ノーガードでの壮絶なパンチの打ち合いが始まる。殴りあいは延々と続き、会場は大興奮。両者、鮮血に染まった顔面をボコボコに腫らして手を出し続ける。サトルの重い左ストレートが小林の顔面を捉えると、突然、小林のパンチが当たらなくなり、サトルは重いパンチを数発クリーンヒットさせ、レフェリーが小林のスタンディングダウンを宣告。サトルの逆転劇に会場は絶叫の大爆発。

 再開後、一気に畳み掛けようとするサトルに、小林は爛々と目を輝かして、サトルの状態を見極めながらパンチを的確に入れていく。後退するサトル。あわや小林の再逆転かと思われた。しかし、サトルも打ち返す。ここで試合終了。サトルが判定勝利を力づくでもぎ取った。

◆サトル「最後のラウンドは倒すつもりで行きました。無我夢中で、どっちかが倒れるまで続くのかなーと思いました。小林選手が立ち上がった後、僕も効いてて、スタンディングダウンを取られそうになったので必死で打ち合いました。小林選手は、対戦を夢にまで見た憧れの選手。その相手に勝った自分は、凄いな…カッコいいな…と思いました(笑)。足首が痛いです。どうやって痛めたのかは分からないんですけど…。でも優勝を目指します。決勝には大月選手が来ると思うので研究します。」

◆小林は右目を腫らし病院に向かったためノーコメント

第6試合 ライト級トーナメント二回戦 Cブロック サドンデスマッチ
○白鳥 忍(高橋道場/全日本ライト級1位)
×山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級2位)
判定2-0 (大成30-29/野口30-29/朝武29-29)


 花戸から改名した白鳥は、髪の色も金色に変わっていた。えり足を長く伸ばすのはモンゴルの流行りか? サウスポーの山本に対し、白鳥は右ローと右ミドルを連打。ムチで打つような音が何度も響くうちに、山本の足が流れ始める。
 だが白鳥のパターンを読み切った山本は2R、細かい動きから距離を詰めパンチを当て、前蹴りや近距離からのミドルを放つなど、手数で上回る。いつの間にか白鳥の左足の動きが不自然に。山本は白鳥のお株を奪うようなカカト落としを先に披露する。
 3R、ようやく白鳥のカカト落としが出たが距離が遠い。どうも本調子が出ない。一階級下の山本もスタミナを切らし、クリンチが増える。豊永レフェリーはまるでPRIDEの試合のように両者にイエローカードを出す。後半、地力で勝る白鳥がミドルや膝の手数で上回り、かろうじて判定勝ちをおさめたが、半年のブランクの影響はありありだった。

◆白鳥「半年試合をしていないのでパンチを出せなかった。山本選手はスピードがあってやりにくかった。(準決勝は吉本だが?)さっきの試合は見てない。これからが本番です。(K-1 MAXでのナラントンガラグの活躍が刺激になったそうだが?)はい。モンゴルで一緒に練習していたので」
 

第5試合 ライト級トーナメント二回戦 Dブロック サドンデスマッチ
×西山誠人(ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKライト級王者)
○吉本光志(AJジム/全日本ライト級4位)
判定0-3 (野口28-29/豊永28-29/大成28-29)


 西山が右ストレートをきっかけにラッシュを仕掛ける。一回戦同様、西山の勝ちパターン突入か? しかし吉本は何発ももらいながらも冷静にブロック。息を吹き返すと、1R後半は左ミドルで反撃。西山にポイントを奪わせない。
 2R序盤、西山の膝蹴りが吉本の顔面にヒット。足元がふらついた吉本だが、背中のロープの反動でかろうじてダウンを免れる。1R同様西山が仕留めにかかるが、吉本はこれも耐え抜くと、お返しの右ストレート。今度は西山が苦しい局面に。吉本はパンチだけでなく左ミドルも絡め、確実に西山にダメージを与える。
 3Rは完全に吉本のラウンドだった。パンチと左ミドルでイケイケの展開。西山は両手のガードが何度も下がり、思い出したように両手を上げるような状態。吉本を押し込んでなんとか決定打を凌ぎ、試合終了のゴングを聞く。
 J-NET最後の砦・西山がついに敗れた。そしてその相手が元J-NETの吉本というのも、皮肉な話である。

◆吉本「いつもの悪い癖で、気合が入りすぎて逆に体が重くなってしまいました(苦笑)。下馬評で、向こうの方が上と言われていたのでブチかましてやろうと思ってました。自分はキックが本業だと思っているので、勝ったことで次の仕事が入って良かったです。向こう(対戦相手)がスタミナなくて勝っただけなので、自分では勝った気がしてないです。ああ、アゴが痛い・・・。一回戦より、今回の方がリラックスしてたので、たぶん次の方がリラックスして出来ると思うので、ガンガン行きたいです。」


■6/18(金)後楽園大会・決勝トーナメント組合せ:
  大月晴明 vs. サトルヴァシコバ  白鳥忍 vs. 吉本光志


第4試合 -67kg契約 サドンデスマッチ
○山内裕太郎(AJジム/全日本ウェルター級王者)
×ハイパー・キック・リー(韓国/WKF異種格闘技トーナメント準優勝)
2R 2'25" KO (3ダウン:パンチ連打)


 淡々とした表情で奇妙な間を保ち、突然パンチの連打で前に出るリーに対して、山内は落ち着いて対処していく。1R残り11秒で、山内が強烈な右ストレートをリーの顎にヒットさせダウンを奪う。リーはすぐに立ち上がって反撃を試みるが、ゴングと同時に放たれた山内の右ストレートで、再度ダウンを奪われてしまう。
 2R開始から30秒間ずっと、リーがパンチを打ち続ける。しかし、有効打を奪う事は出来ない。逆に山内が右ストレートを放つと、リーはまたもダウン。立ち上がってきたリーに山内はラッシュを仕掛け右ストレートでダウンを奪う。さらに最後は山内が膝の連打でダウンを奪いKO勝利をモノにした。
 

第3試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ
○山本優弥(BOOCH BEAT/全日本ウェルター級1位)
×金沢久幸(TEAM-1/元WPKC世界ムエタイ・スーパーライト級王者)
判定2-0 (野口30-29/豊永30-29/和田29-29)


 硬い表情を見せる金沢に対して、笑ったり、怒ったり、大げさなジェスチャーを見せたりと、色々な精神的な揺さぶりを仕掛ける山本。序盤は金沢がペースを握り掛けたが、山本のパンチのコンビネーションで形成が逆転。時折、山本の強烈な打撃がヒットするが、今ひとつ精彩を欠く金沢は、なんとか組み付いて決定打は許さず。そんな金沢に対し、苛立ちを見せる山本は後ろ回し蹴り、ハイキック、カカト落としなどの大技も出す。金沢も負けじとハイやとび膝を見せるが、今ひとつシックリ来ない試合となった。
 

第2試合 ミドル級 3分3R
○上林 剛(青春塾)
×今野孝親(DRAGON GYM)
判定3-0 (30-27/30-29/30-28)

第1試合 バンタム級 3分3R
×水原浩章(光ジム)
○リポビタンD(DRAGON GYM)
不戦勝 (水原の負傷欠場)

Last Update : 04/17

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