BoutReview
記事検索 by google
news

(レポ&写真) [全日本キック] 3.13 後楽園:西山、秒殺KO勝ち。増田・高谷敗退

全日本キックボクシング連盟
"全日本ライト級最強決定トーナメント 1st. Stage"

2004年3月13日(土) 東京・後楽園ホール 観衆:1,950人(超満員)

 レポート(第5-8試合)&写真:井原芳徳
 レポート(第1-4試合)&コメント編集:小林秀貴
 【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

 ※サドンデスマッチは3分3R・最大延長2R。
 ※トーナメントは肘打ち、首相撲からの膝蹴りは禁止。-62kg契約
 ※トーナメント組合せは第1試合前の綱引き抽選で決定

 ※二回戦は4/16(金)後楽園で開催。チケットは3/20(土)発売開始。

第8試合 ライト級トーナメント1回戦 サドンデスマッチ
×増田博正(スクランブル渋谷/元全日本&J-NETWORKフェザー級王者)
○山本真弘(藤原/全日本フェザー級2位)
判定0-3 (野口28-30/朝武28-30/豊永28-30)


 1R、増田が左ロー主体で優勢。首相撲からの膝蹴りはルール上禁止だが、片腕で抱えて膝を叩き込むなど、華麗な動きを見せる。だがラウンド終盤、山本が右フック一発で形勢逆転。さらにパンチを連打し、先制のダウンを奪う。増田は大月戦や前田戦同様、打たれ弱さを露呈する。2R以降は互いにパンチとローを当てる互角の展開。結局増田は1ポイントも取りかえすことができず、初戦敗退となってしまった。

◆山本「(ダウンを取れましたが)たまたま当たった感じです。練習したことが試合に出せなかったので、もっと練習してきます。(2回戦で戦いたい相手は?)シード枠の全員です。誰でもいいです。(対格差は感じたか?)打ち合ったとき、重さを感じました。(組み合わせについては?)増田選手は一番やってみたかった相手でした。(同門の小林聡と当たる可能性もあるが)できれば当たりたくないですね」

第7試合 ライト級トーナメント1回戦 サドンデスマッチ
×高谷裕之(格闘結社田中塾/03年修斗ライト級新人王)
○サトルヴァシコバ(勇心館/全日本フェザー級4位)
判定0-3 (和田27-30/大成28-30/豊永27-29)


 高谷にとってサトルは02年新空手全日本大会決勝で敗れた相手。念願通り綱引き抽選でサトルを引き当てた高谷は、気合たっぷりにパンチで前へ前へと攻める。だがサトルはサウスポーで下がりながら左ローと左ストレートを着実に当て続け、試合を優位に運ぶ。高谷の右フックでひるむ場面もあったものの、2Rには左ハイで豪快にダウンを奪取。あとは高谷のパンチ攻勢をかわしきり、見事初戦を突破することに成功した。

◆サトル「(久々に対戦した高谷について)気持ちの入り方が前とは違いました。最後はローが効いてるかなあ、と思ったけど、それでも向かってきました。打たれ強いし、勉強になりました。(ハイキックは)狙ってました。セコンドにも言われました。(キックでは負けられないと思った?)はい。でも向こうも打撃が強いんで、今日はギリギリ勝てたという感じですね。(2回戦で戦いたい相手は?)大月選手とは決勝で戦いたいですね。あと『X』は誰なのかも知りたいです」

第6試合 ライト級トーナメント1回戦 サドンデスマッチ
○西山誠人(ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKライト級王者)
×湟川満正(AJジム/全日本ライト級3位)
1R 0'54" KO (膝蹴り)


 開始間もなくの左フックで湟川(ほりかわ)はダウン気味にスリップ。湟川の右ハイを難無くブロックした西山は、右ストレートで湟川を吹き飛ばし、さらにミドル気味の膝をかぶせ、湟川をマットに沈めた。ダウン直後の湟川は足元に力が入らず、のたうち回るような状態で、しばらく立ち上がることができず。西山はこれで02年4月以来5試合連続KO勝ち。浜川憲一金沢久幸に続き、湟川も葬り去った今、「全日本キラー」としての次の獲物は誰か? 放送席にいた小林聡の目にはどのように映ったかのか? 2回戦以降、西山が要注意人物となることは間違いない。

◆西山「最初にたまたまいいパンチが当たったのでKOできました。最後はヒザだと思います。今日は久々の後楽園の雰囲気に慣れること、ヒジなしルールに慣れること、怪我なく勝つことの3つを課題としてリングに上がったのですが、すべて達成することができました。(2回戦は?)白鳥忍とは昔一度試合が決まってて流れたことがあるのでやってみたいです。(1RKO賞20万円について)正直、判定でいいと思ってたので、ボーナスみたいな感じです。使い道はまだ考えていません」

第5試合 ライト級トーナメント1回戦 サドンデスマッチ
×凱斗亮羽[かいと・りょう](S.V.G./元テコンドー全日本ヘビー&ミドル&ライト級優勝)
○吉本光志(AJジム/全日本ライト級4位)
判定0-2 (大成30-30/武井29-30/豊永28-30)


 凱斗が左ミドルを主体に、テコンドー流の回し蹴りも多用するが、吉本はその動きをしっかり見切って、着実に右ローとパンチを叩き込む。決定的な差は無かったが、的確さで上回り吉本が初戦を突破した。試合では両者がつかみ合う度にレフェリーから「つかみ無し!」との声が飛び、両者に注意が度々出された。首相撲に対しては、ヘビー級のK-1ルール以上に規制が厳しかった。

◆吉本「(相手の独特な動きに)硬くなってしまいました。相手の技自体は見えていたんですけど、防御から攻撃への切り替えがうまくいかなかったので、次への課題になると思います。(トーナメント戦については)本当は一回戦からガンガン行かないとダメなんですけど…。それも課題です。(次は誰と戦いたい?)こんな戦いしてるようじゃ何も言えないですね」

◆休憩明け、2/28イタリアの試合で2本目の世界ベルトを奪取した佐藤嘉洋がリングイン。「4月にたぶん日本で試合をすることになると思います。世界最強の夢を見たい人は、僕の試合を見に来てください。皆さんにこの会場で会えることを楽しみにしています」と語った。

第4試合 -57kg契約 3分5R
○山本元気(REX JAPAN/全日本フェザー級王者)
×ラビット関(山木/MA日本スーパーバンタム級王者)
5R 1'06" KO (パンチ連打)


 昨年12月の前田戦で全日本フェザー級王者となり、波に乗る山本が、キャリア41戦、MA日本Sフェザー級王者の難敵、関をホームで迎え撃った。伝統の全日本フェザー級王者の真価が問われる一戦。
 試合は、左ミドル中心に距離をとって攻めようとする関に対し、接近してのパンチで勝負をかける山本。山本は1Rと3Rに、それぞれ右パンチでダウンを奪うと、5Rにも右フックを関のアゴにヒットさせ、関が朦朧としたところを猛然と連打。3度目のダウンを奪うと、再開後すぐにラッシュをかけ、見事、5連続KO勝利を記録した。一方の関は3試合連続KO負け。

第3試合 肘無し -70kg契約 サドンデスマッチ
○清水貴彦(超越塾/全日本ミドル級2位)
×セルト・アドゥナン(オーストラリア/WKAオーストラリア・ウェルター級王者)
判定3-0 (30-28/30-27/30-28)


 昨年7月にガオランと引き分け、評価を上げた清水だったが、翌8月には佐藤嘉洋がそのガオランに勝利。やや差をつけられた感のある清水。しかし今回、佐藤も活躍する欧州スーパーリーグからの刺客を迎撃することになり、清水にとっては戦いの舞台を世界に移すためにも負けられない一戦となった。
 試合は1R、アドゥナンの首相撲狙いに対し、清水はそれを振りほどいての左フック、右アッパーで対抗。2Rには、清水も首相撲でヒザを打ち込み、組み負けないところを見せつける。
 3R、清水はアドゥナンのキックが当たらない距離を保ちつつ、チャンスがあれば左のリードジャブから連打を浴びせる。終盤、アドゥナンがブレーク後に攻撃を加えた反則で減点1となったところで、やや試合の流れが途切れたかにみえたが、終わってみれば終始清水のペース。3-0で勝利をモノにした。

第2試合 -54.5kg契約 サドンデスマッチ
○藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級2位)
×キム・ユドン(韓国/韓国バンタム級3位)
3R 0'48" KO (3ダウン:左ハイキック)


 昨年8月、平谷法之とのタイトル戦では破れた藤原も、今年1月の浦林戦では復活の勝利。今回は韓国の16歳を迎えて初の国際戦となった。
 1R、藤原の左ミドルがキムのボディを捉えるが、キムも軸足蹴りで対抗。藤原を2回転がした。しかし接近戦となれば藤原の独壇場。首相撲の攻防では終始キムに下を向かせ、の首を下げさせ、ヒザ蹴りを叩き込む。
 2Rは藤原の左ミドルの連打が冴える。キムは距離を詰めてパンチの攻防に持ち込もうとするが、藤原は逆に左ストレートから首相撲へ。
 3R、キムはすでに藤原の左ミドルのダメージが大きかったらしく、開始20秒でダウン。その直後も左ミドルでダウン。最後は藤原が渾身の左フックからの右アッパーでKO勝利をもぎとった。

◆藤原「(リング上で)もう辛くて辛くて…。先月29日、うちの親父が心筋梗塞で亡くなりました。それでも練習のときは頑張ってたんだけど、みんなに励ましていただいて…。この場を借りて…(言葉に詰まる)ありがとうございました」


第1試合 フェザー級 サドンデスマッチ
○石川直生(青春塾/3位)
×岩浅晶士(S.V.G./9位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)


 ミドルキックの打ち合いで幕を開けた試合。互いにワンツーからのローキックでチャンスをうかがう。石川は岩浅のキックに合わせて間合いを詰め、首相撲に持ち込む。
 2R、再びワンツーからのローで前へ出る岩浅を、石川が組みヒザで捕獲。首相撲の攻防では、176センチと長身の石川がやや優勢。しかし2分、バッティングで石川の左まぶたが切れ、岩浅には減点1。再開後、石川は目が覚めたかのように攻撃のスイッチが入る。右ハイ、ヒザ、左ハイと立て続けに蹴りをヒットさせ、岩浅のバランスを崩すと、笑みを浮かべて追撃に向かう。接近してヒザ、ヒジを打ち込んだところでタイムアップ。
 3R、それでも前に出ようとする岩浅に対し、石川が左アッパーからのパンチ3発で動きを止める。その後は右ロー、左ボディ、右フックを当て続けた石川が、3-0と大差の判定で勝利した。


フレッシュマンファイト第4試合 ウェルター級 3分3R
×箱崎雄三(TEAM-1)
○宝樹まもる(勇心館)
不戦勝 (箱崎負傷欠場による)

フレッシュマンファイト第3試合 ライト級 3分3R
×長谷川誠(青春塾)
○梶原政綱(藤原)
判定0-2 (30-30/29-30/29-30)

フレッシュマンファイト第2試合 フェザー級 3分3R
×栗原 豊(光)
○正巳(勇心館)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

フレッシュマンファイト第1試合 -83kg契約 3分3R
○コンボイ山下(超越塾)
×堀池典久(S-FACTORY)
判定3-0 (28-27/28-27/28-27)

Last Update : 03/15

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | NEWS | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | SHOP | STAFF

Copyright(c) 1997-2004 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。

編集部メールアドレス: ed@boutreview.com