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(レポ&写真) [PRIDEチャレンジ] 1.18 大森:初のアマ大会で全14試合

ドリームステージエンターテインメント "PRIDEチャレンジ.1"
2004年1月18日(日) 東京・ゴールドジムサウス東京アネックス

  レポート&写真:井原芳徳  【→掲示板・PRIDEスレッド】  【→掲示板・アマスレッド】

(1/19 up) PRIDEを目指すアマチュア格闘家の登竜門「PRIDEチャレンジ」の第1回大会が開催され、全14試合が行われた。テレビ番組の企画としてこれまで「PRE-PRIDE」トーナメントも開催されてきたが、本格的なアマチュア大会はDSEにとってこれが初めてとなる。

 試合時間は5分1Rで、決着がつかない場合は3名のジャッジが判定する。体重制は4階級。ヘッドギアの着用が義務付けられ、顔面打撃の有無を選択できる(無しでもハイキックは可能)。一般的な反則以外に、顔への膝蹴り、グラウンド顔面打撃、バスター、首投げ、引き込み、ギロチン、ヒールホールド、クロスガードが禁止されている(詳細はPRIDEオフィシャルサイト内のページ参照)
 島田裕二実行委員長と野口大介レフェリーはバトラーツ&BCGで、大城盛敬レフェリーはU-FILEでアマチュア大会を多数運営してきた経験がある。そのため試合進行は滞りなく、約2時間半で全試合が終了した。グローブチェックや医療体制も万全で、表彰式でPRIDEのテーマ曲が流れた以外は、普通のアマチュア大会とさほど変わらなかった。
 出場選手は全27名。うち1名は最初と最後に2度試合をした。全14試合のうち、判定決着はわずか4試合。第6試合以降の9試合は秒殺のオンパレードとなり、うち8試合は2分以内の決着だった。第1回大会で、しかも正月休み明け間もない開催ということもあり、選手が十分集まらなかったせいか、実力差の大きいマッチメイクが目立った。プロなら一本決着の連続は歓迎されがちだが、選手育成が目的のアマでは関係ない。たとえ判定決着が多くても、各選手が実力を十分発揮できるようなマッチメイクが望まれる。だが今後この大会がアマチュア選手に浸透していけば、これも徐々に解決される問題だろう。

「日本人ファイターの育成」のコンセプトの大会だったが、皮肉にもMVPを取ったのは日系ブラジル人3世のクリスチアーノ上西(かみにし:写真)で、次点にあたる実行委員長特別賞もモンゴル相撲出身のホスバヤルが獲得。二人とも日本語は片言しか喋れなかった。

MVP:クリスチアーノ上西(アクシス柔術アカデミー)
実行委員長特別賞:ホスバヤル(モンゴル・ブフ・クラブ)
特別賞:池上能就(クロスポイント)、前島行晴(非公開)
    太田裕之(チームPOD)、アラン・バラード(フリー)
    作田啓司(非公開)

 上西はブラジリアン柔術茶帯の24歳で、日本の柔術界では名の通った選手。01年と02年にはブラジリアントップチームに長期修行に行った経験もあり、BTTでしか打撃の練習をしたことは無い。だがこの日は松本明彦(盾の会)相手に打撃主体のファイトで圧倒。技術はまだまだ荒削りだが、パンチをもらってもひるむことなく前進し、スタンドで膝蹴りを連打。最後は軽々とサイドポジションを取ると。ボディに膝蹴りを連打したところでレフェリーストップ。わずか98秒のMMA初戦だった。視察に訪れたDEEPの佐伯繁代表をはじめ、関係者の評価も上々。佐伯代表は「CLUB DEEPあたりにでも使いたい」と語ったが、本人は6月からBTTに行って本格的な練習をし、アマチュアでもう5・6試合経験してからデビューしたい考えだ。

 大会後は中村和裕による技術交流会も行われた。DSEは3ヶ月に一回のペースで、将来的には日本全国の主要都市での開催を目標としている。選手の育成や発掘が目的で開催される「PRIDEチャレンジ」だが、PRIDEブランドが付くとなると、アマチュアに興味がないPRIDEファンでも興味を示すと考えられる。この点がいわゆる“やる側”に的を絞った既存のアマチュアMMA大会との大きな違いになるだろう。「PRIDEチャレンジ」を通じて、スポーツジャンルとしてのMMAへの理解が“みる側”の人達の間でも深まって行くことも秘かに期待したい。

Last Update : 01/20

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