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(レポ&写真) [シュートボクシング] 12.7 大阪:森谷、魔の一瞬の襲撃。緒形、S-CUPに向け復帰

シュートボクシング協会 "S of the World VOL.6"
2003年12月7日(日) 大阪・梅田スカイビル・ステラホール

  レポート&写真:井田英登  [→掲示板・キック&K-1 MAXスレッド]

第8試合 3分5R
○緒形健一(シーザージム/SB日本Sウェルター級王者)
×ヴラディウラヴ・クリクフェルド[Vladislav Klikfeld](米国)
2R 1'32" KO(3ダウン)

今年6月のシェーン・チャップマン戦で、肺を潰され長期の沈黙を強いられた緒形だが、ようやく半年の療養を終え復帰を果たした。対戦相手は身長189センチの巨漢クリクフェルド。極端な話、軽いジャブがストレートの距離になってしまう対戦相手に「復帰戦のせいなのか、相手の体格のせいなのか、距離が全然判らなかった」と語る緒形。一切パンチで打ちあうことをせず、インアウトを打ち分けながらの徹底したロー攻撃を左ヒザに集める。2Rにはすでにそのダメージの蓄積で2回のダウンを喫したクリフェルドだが、立ち上がってくる根性を見せ、勝負は3Rへ持ち越される。ローを警戒して足の止まったクリフェルドのボディにパンチ一閃した緒形の狙いが当たり、巨体をくの字に折ったクリフェルドはマットに。

試合後マイクを取った緒形は「今いろいろと華やかな舞台はありますが、僕は大きな資本とか関係なくシュートボクシングをみなさんに認められるようにがんばりたい」と宣言。バックステージでも「MAXが盛り上がったりしてますけど、まず僕は自分の競技を第一に考えたい。その間に時間が合ってオファーをいただくならともかく、やってることはやっぱり違うと思うんで。それに10年やってるんですけど、僕はまだS-CUP一回も出てないんで、今度こそという気持ちがあります」と来年開催を予定されるS-CUPに向け、出撃の意志を覗かせた。

第7試合 3分5R
×森谷吉博(シーザージム/SB日本Sバンタム級王者)
○ベン・スパイバック[Ben Spivak](オーストラリア)※ビリー・メイソネットから変更
3R 1'18" KO (左フック)

まさかの一撃だった。相手は初の舞台もあってか完全に舞い上がった調子で、上下にキックを打ち分けるチャンピオン森谷の技術に面白いように踊らされていた。ただ時折放つ左フックの威力が、ガードした森谷のグローブを鳴らすたびに客席のどよめきを呼ぶ。しかし、的確に下半身を切り崩していく森谷のローのダメージは、確実にスパイバックの動きを止めつつあった。

「後はどう倒そうかってところまで来てたと思うんですけど…年のせいにはしたくないんですけど、一瞬の判断が遅くなってるのが自分でも判って。練習不足なんでしょうね、次どうしようって考えてる感じで。多分、これまで身体の反射で動いてきたツケがたまってたんでしょうね」と試合後悄然と語る森谷。その言葉にもあるとおり、ローを重ねて足が止まったスパイバックと森谷の間に、一瞬両者の動きの止まる「魔の瞬間」が訪れた。先に動いたのは、そこまでボロボロに追い込まれていたはずのメイソネット。窮鼠猫を噛む、あるいは火事場の馬鹿力だったのか。渾身の左フックは森谷の顔面を捉える。朽木を倒すようにまっすぐに森谷の身体はマットに倒れ込んだ。

これまで自信のあった肉体に裏切られたショックからか「これで終わりとかは思いたくないんですが…まだ下から来る人間の気持ちも受けとめなきゃいけないでしょうし」と王者として、選手として進退を匂わせる発言を漏らした森谷。

盛りもあれば下り坂もあるのがスポーツマンの宿命ではある。限界を感じて現役を終えるべきときは必ず来る。しかし「如何に燃え尽きるか?」をデザインするのも現役選手の後半生のテーマだ。ましてチャンピオンを名乗るかぎり、敗北することなく現役を去ることは許されない。むしろこの敗北を、その第二章の最初の一戦と捉えるべきではないだろうかと強く感じた。

第6試合 3分5R
×瀧口準人(大阪ジム)
○関本 宏(寝屋川ジム)
判定0-3(48-50,49-50,48-50)

第5試合 3分5R
○市政貴文(大阪ジム)
×ATSUSHI(風吹ジム)
判定3-0(49-47,49-47,50-49)

第4試合 3分3R
×藤岡一也(岡山ジム)
○藤村欣司(龍生塾)
2R 終了時 TKO(タオル投入)

第3試合 3分3R
○菊池浩一(寝屋川ジム)
×尾松 賢(フリー)
3R 2'08" KO (パンチ連打)

修斗ウェルター新人王にも輝いた元コブラ会の尾松が初参戦。セコンドには、同じく地元でパレストラ大阪を構えるタクミが付く。ZST系の選手が見せるようなノーガードからの変則的なサイドキックと、大振りなフックで見せ場を作るも、菊池の的確なローとミドルを浴びまくりモモを赤く腫らせるハメとなり、最後はコーナーでのパンチ連打で玉砕した。

第2試合 3分3R
○菊田光正(寝屋川ジム)
×中西卓也(大阪ジム)
2R 2'10" KO (フロントチョークスリーパー)

第1試合 3分3R
○井上 亮(寝屋川ジム)
×清水 保(龍生塾)
3R 1'43" TKO(3ダウン)

Last Update : 12/12

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