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(レポ&写真) [全日本キック] 12.7 後楽園: 山本元気が新王者に。藤原敏男氏が大暴れ

藤原敏男スポーツジム後援会
"Fujiwara Festival -藤原祭り- 藤原敏男・キック生活35周年記念大会"

2003年12月7日(日) 東京・後楽園ホール
認定・全日本キックボクシング連盟

  レポート:新小田哲  写真:井原芳徳
  【→大会前のカード紹介記事】
  [→掲示板スレッド]

メインイベント 全日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R
×前田尚紀(藤原ジム/王者)
○山本元気(REX JAPAN/1位)
KO 3R0'47"(右フック)
※山本が第22代全日本フェザー級王者に

 両者は2000年1月28日「フェザー級3回戦トーナメント」でデビューの“同期生”。同年4月にトーナメント準決勝で対戦、この時は山本が勝利している。元々は新空手などで実績があった山本の方がデビュー当初は前評判が高かったが、先にベルトを巻いたのは前田の方だった。山本も前田と同じく、滅多に表情が変わらない「修行僧キャラ」だったが、常に前に出ることで激情を表していた前田に比べ、山本は高い技術を持ちながらあまり倒しに行こうとしないスタイル。リングサイドで見ていて、「この選手はキックが嫌いなのではないだろうか」と思わされることもあった。しかし、「この1〜2年でキックに対する取り組み方が変わった」(REX JAPANの清水代表)ことで、そのスタイルにも徐々に変化が現れる。チャンスを逃さない、鋭いカウンターを武器に今年に入って3連続KO勝利を記録、このタイトルに挑むことになった。

 初回、前田が足を使って距離をとり、ローを狙う作戦に出る。「序盤は体が硬かった」という山本だがワンツーからのミドルのコンビネーション。さらに左ボディ、左右のローと多彩なテクニックで攻め、前田もパンチを返すがスピード、正確さで山本が上回る。それでも「相手のガードが固くて、1、2Rはポイントをとられたと思った」山本は3R、パンチで勝負に出る。前田も当然打ち返し、前田の右ロングフックがヒット。「打たれ強い方だから、あれくらいじゃ倒れない」という山本は左右フックを相打ちから返しの右を前田の顔面に痛打し前田ダウン。大の字になった前田は一瞬このまま立ち上がれないかと思われたがカウントぎりぎりで立ち上がる。しかし山本は冷静に右を再度叩き付け、前田をキャンバスに逆戻りさせてノックアウト勝利を飾った。
 師匠である清水氏がかつて巻いていたフェザー級王座のベルトを劇的なKO勝利で奪取した山本は「自分ではまだ早いと思ったんですけど、チャンスを生かせてうれしいです」と素直な感想を口にした。そして今後については「まず全日本のフェザー級で1番だという事を証明して、それから他の団体の日本人の強い人と戦いたい」と希望している。

セミファイナル シュートボクシング協力試合 日本vsリトアニア国際戦 72kg契約
○後藤龍治(STEALTH/SB日本ミドル級王者)
×デニサス・アルフィレーヴァス(リングス・リトアニア)
判定3-0(30-28,29-28,30-28)
※後藤は計量を300gオーバーの為、後藤10オンス、アルフィレーヴァス8オンスのグローブハンデ

 アルフィレーヴァスは思い切りのいい左右フック、右ストレートを見せ、後藤はこれらをガードしながらじりじり前に出てローを入れる。アルフィレーヴァスがローのガードの難があると見るや右ローを集中させ2Rダウンを奪う。ところがアルフィレーヴァスはトビヒザ、左右フックで前進、これに対し後藤は悪い癖である弱気の虫が出たか、あるいは減量苦から来るスタミナ切れか、完全に失速。2R終盤にはコーナーに詰められボディを連打されるとマウスピースを吐き出すなど明らかにダメージのあるところを見せてしまう。
 3Rにも左右のフック、ストレートをフルスイングしてくるアルフィレーヴァスに手が出ないまま試合終了。ダウンの貯金があったため辛うじて勝利したが、これが5Rマッチだったらどうなったかという内容だった。

スペシャルエキシビジョン・タッグマッチ 総合ルール 3分1R
−藤原敏男(藤原ジム・代表)&國奥麒樹真(パンクラスism)
−小林聡(藤原ジム)&宇野薫(和術慧舟會東京本部)
勝敗なし

 スペシャルゲストの藤原喜明氏がリングアナウンサーを勤め、テレビの解説席には佐山サトル氏、スペシャルゲストとしてセレモニーで挨拶した前田日明氏がリングサイドで見守るという豪華な布陣。
 注目の先発は藤原氏&小林といういきなりの“師弟対決”。藤原氏がいきなり掌底からミドルのラッシュで小林を攻め立てると、小林たまらず宇野にタッチ。宇野はタックルでテイクダウンして腕十字の体勢に持ち込むが藤原氏これを宇野の足に噛み付いて逃れ会場を沸かせる。さらに宇野&國奥の流れるようなムーブや、最近総合の練習もしているという小林と國奥の絡みなど、見所一杯のエキジビジョンだった。

スペシャルエキジビジョンマッチ キックルール 3分1R
−小林 聡(藤原ジム/WKA&WPKC世界ムエタイ・ライト級王者)
−宇野 薫(和術慧舟會東京本部)

第9試合 スペシャルマッチ 55kg契約 3分5R
△平谷法之(空修会館/全日本バンタム級王者)
△山本真弘(藤原/全日本フェザー級2位)
引分1-0(48-48,49-48,48-48)

 距離をとる平谷に対し、山本は前後に細かくステップしながら左ミドル、ハイで積極的に攻撃する。平谷はいつものように相手のミドルに左フックをカウンターで合わせていく戦法をとり、2Rには打ち合いから右フックでダウンを奪い先制。ただ、山本にはあまりダメージが残らなかった様子で、その後も手数に衰えを見せることなく前に出、左ハイ、左右のパンチをヒットさせると平谷は3R、鼻出血でドクターチェック。さらに山本はミドルから首相撲に捕らえ、ヒジを出すと平谷は4R、左目尻をカットしまたもチェック。これで焦ったか大振りになった平谷に山本はなおも首相撲からのヒジで右目尻をカットし、3度目のチェックを受けさせる。平谷は前蹴り、ハイキックで必死に反撃するが、流れは山本に。結局前半のダウンの失点を山本が巻き返した形で、痛み分けのドローとなった。

第8試合 ヘビー級 3分3R
×Suzuki 3:26(GENESIS/全日本ヘビー級3位)
○桜木裕司(掣圏会館/掣圏道ヘビー級1位)
判定0-3(28-30,28-30,29-30)

第7試合 ヘビー級 3分3R
○赤石 誠(TEAM TBC・極真総本部)
×鈴木 桂(掣圏会館)
判定3-0(30-27,30-27,30-26)
鈴木は3Rにダウン1あり

第6試合 ミドル級 サドンデスマッチ(3分3R・延長2R)
○中村高明(藤原ジム/3位)
×江口真吾(AJジム/4位)
4R判定2-0(10-9,10-9,10-10)
本戦引分1-0(29-29,30-29,29-29)

第5試合 ミドル級 3分3R
×上林 剛(青春塾)
○藤倉悠作(格闘結社田中塾/2003新空手全日本中量級優勝)
判定0-3(29-30,28-30,29-30)

第4試合 ウェルター級 3分3R
○田中孝征(藤原)
×池田将之(はまっこムエタイ)
KO 1R2'39"(3ダウン:左フック)

第3試合 フェザー級 3分3R
○正巳(勇心館)
×橋本城典(REX JAPAN)
KO 1R1'35"(右ストレート)

第2試合 バンタム級 3分3R
×柏木吾一(S.V.G.)
○水原浩章(光)
判定0-3(29-30,29-30,28-30)

第1試合 フェザー級 3分3R
×上山浩一(RIKI)
○寺戸伸近(空修会館)
判定0-3(27-30,27-30,27-30)

Last Update : 02/29

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