(レポ＆写真) [女子ボクシング] 11.30 六本木：ライカ、僅差の初防衛

日本女子ボクシング協会 "FIGHTING ANGEL 2003 FINAL"
2003年11月30日(日) 東京・六本木ヴェルファーレ

　　レポート：新小田哲　　【→大会前のカード紹介記事】　[→掲示板・女子スレッド]

メインイベント　WIBA世界フェザー級タイトルマッチ　10回戦
○ライカ(山木／王者)
×シャロン・“ザ・ワイルドシング”・アニオス(オーストラリア／コンバットドーム／1位)
判定2-0(99-97,99-99,98-97)

　世界王者となったライカの初防衛戦は、王座奪取時の相手、アニオスとの再戦となった。王座奪回に燃えるアニオスは、初回から積極的にワンツー、左ボディを矢継ぎ早に繰り出す。ライカはこれに対し顔面のガードを固め、体を振りながら左右のフックを単発で入れていく。アニオスはスピードこそあまり感じないが、パワフルな連打で前進。ライカはじっくりとガードを固めながら、ロープに押し返して左右のフックを効果的に繰り出していき、時折「デンプシーロール」（上半身を８の字に振りながらその勢いを利用してパンチの威力を増すテクニック。漫画『はじめの一歩』の主人公の必殺技）を出すそぶりを見せるが、当てるまでには至らない。

　中盤、両者頭をつけて打ち合いになった際に、おそらくアニオスのバッティングでライカが左目尻をカットし流血、アニオスに減点１が課せられた（故意ではないように見えたので、いきなりの減点というジャッジにはやや違和感を覚えた）。
　その後ライカは手数こそやや少なかったものの、ボディの連打、右フックで接近戦を制し、打ち合いでも右フックから返しの左を当てるなどして巻き返し、2-0の小差ながら判定で防衛に成功した。

セミファイナル　日本フライ級タイトルマッチ　2分10R
△八島有美(Fギャラクシー／王者)
△猪崎かずみ(鴨居／2位)
判定1-1(98-99,98-97,97-97)
※八島が防衛に成功

　猪崎は172cmの長身を生かした徹底したアウトボクシングが持ち味。今回も長いリーチの左ジャブで距離を作り、フットワークを効かせてリングをサークルする。八島はこのジャブをグローブで払うパーリングや上半身を左右に振るダッキングでなんとか距離を詰めようとするが、うかつに中に入ろうとすると猪崎の右ストレートが飛んでくる。さらにこれを避けて中にもぐりこんでもクリンチとなり、パンチを思うように打たせてもらえず、決定打こそないものの前半はやや猪崎のペースでラウンドが進む。4Rには、左右のフックが大振りになった八島に猪崎のジャブから右ストレートがヒットする。
　しかし中盤から八島がようやく猪崎を捕らえ、左フック、ボディが当たり始める。猪崎もこれに左右ストレートで応戦する。打ち合いに持ち込みたい八島、強引に前進して左を放ちながら左右フックを連打。猪崎も必死に自分の距離を保とうとバックステップで周りながら右ストレート、八島が懐に潜り込んでもクリンチで追撃を許さない。終盤に入っても両者の手数は衰えず、八島が前に出て連打すれば猪崎が打ち返す…という乱打戦が展開された。
　判定は三者三様のドローで八島の王座防衛となった。初防衛を果たした八島が「KOで勝つって言ってたけど勝利も出来ずまた修行します」と反省。猪崎は「私は負けていなかったと思います。この戦い方で勝てないなら自分はどうすれば…」と涙声で勝てなかった悔しさをにじませた。確かに、猪崎は自分の持ち味を十分に出したと言えるが、八島が前に出ていた分、ポイントを取りきれなかった。
　一方の八島も試合後には「自分も負けていなかった」と言い切った。「ジャブはリーチが長かったけど、力がなかったのでダメージはないです。自分より大きな相手と試合するのが始めてだったので、いつものアウトボクシングではなく、ファイタータイプの練習をするのが楽しかったです」といい、再戦については「試合の後でいろいろ言われるのがちょっと」と猪崎を牽制しながらも、「海外を含めて、いろんなタイプの人と試合をしたい」と今後について語った。

　
エキジビションマッチ　2分3R
−菊川未紀(桶狭間)
−柴田早千予(白龍)
勝敗なし

ヤングファイト　フライ級　2分4R
△古賀友子(シュガーレイ)
△藤本りえ(KAKINUMA)
判定0-1(39-39,39-40,39-39)

ヤングファイト　ライト級　2分4R
○小八ヶ代真紀(山木)
×面田亜依(S-FACTORY)
判定3-0(40-35,40-36,40-38)
※面田は1Rにダウンあり

ヤングファイト　ミニフライ級　2分4R
×上村里子(フィオーレ)
○池山　直(フジワラ)
判定0-3(38-40,37-40,38-40)

Last Update : 12/02