(レポ) [club DEEP] 11.24 調布:長南、グラップリングでも殺気満点
DEEP事務局 "club DEEP 4th in 西調布格闘技アリーナ" 2003年11月24日 (月/祝) 東京・西調布格闘技アリーナ(U-FILE CAMP 調布ジム)
レポート:井田英登 [→掲示板・DEEPスレッド]
【ワンマッチ】
第18試合 82kg契約 5分2R △佐々木恭介(U-FILE CAMP.com) △窪田幸生(パンクラスism) 時間切れ
U-FILE vs パンクラスの隔世U系対決となったメインカード。意地の見える打ち合いが垣間見られたが、どちらも攻め切れずドロー。
第17試合 76kg契約 5分2R ○長岡弘樹(横須賀総合格闘技DOBUITA) ×永井明広(禅道会) 1R 2'51" 腕ひしぎ十字固め
フリー二戦目、気合の入った表情の長岡。早々にグラウンドに押し倒すと鉄槌を落とし、バックマウントを奪取。カメになった永井の腕を裏十字で極め、早々に勝負をつけた。試合後のマイクで「来年は修斗の強いヒトとやれそうなので、また応援してください」と相手の名前は挙げなかったものの、次に控える大一番を予告した。
第14試合 グラップリングルール 83kg契約 5分2R △長南 亮(U-FILE CAMP.com) △門馬秀貴(A-3) 時間切れ
打撃巧者の印象の強い長南だが、「U-FILEでは田村さんの次に俺が出来る」と豪語するだけあって、グラップラータイプの門馬相手に引けを取らない見ごたえのあるレスリングテクニックを披露。対する門馬は開始早々スライディングの足狙いを繰り出したり、大車輪の側転パスを試みるなど変化に富んだ華やかな動きで、ペースを作っていく。 2R、下からの三角締めで一気に勝負をつけに行く門馬だが、長南が手堅く守りきって見せる。以降全般には着実な押さえ込みに徹した印象の長南だが、引き込んでチャンスを作ろうとする門馬を相手に、胸をべったりつけた低空の側転パスで相手のお株を奪ったかと思うと、ラウンド終了直前にはアキレス腱固めであわやというシーンを作るなど、随所に非凡な冴えをみせた。特に上になれば徹底して有利なポジションをキープし、下からの攻めは狙わず、立てるときにはすばやく立つという、ヴァーリトゥーダーならではの“殺気を含んだ”隙のないグラウンドムーブは、従来の遊びの多いグラップリングマッチを見慣れた目には新鮮であった。「打撃だけで通じなかったとき、何をすべきかはいつも練習してますから」という長南。いわば普段見せない、引き出しの奥にしまった二本目のナイフの切れ味を垣間見せてくれた形だ。
第13試合 63kg契約 5分2R △山田泰範(ピロテクス新潟) △横山真樹(和術慧舟会東京本部) 時間切れ
【第2回フューチャーキングトーナメント】
当日抽選によるマッチメイクという形式となった今回のトーナメント。選手はくじでまず順番を決め、その後順番にしたがってトーナメントの対戦表から自分の場所を選んでいく「K-1 WORLD GP方式」。ただ各ジム推薦のプロアマ混合ということもあってこれが初戦となる選手も混じっており、枠選び自体のスリリングさはなかったようだ。ただ、結果として両階級とも打撃系組み技系がバランスよく振り分けられた形となり、試合はそれぞれの持ち味を早い段階で発揮した側が勝ち進んだ。
■69kg以下級
プロとしてDEMOLITIONなどに出場経験もあり、優勝候補の一角だったNUKINPO!がいきなりハイキック一発で沈むという波乱の幕開けとなった。続いて第2試合に登場した杉内も短期で勝負を決め、この日の両トーナメントの基本トーンを決定付ける試合となった。序盤打たすだけ打たせておいて、チャンスにパンチ連打で一気に畳み掛けるという杉内の試合運びは新人離れした印象を残した。二戦目も連打の畳み込みでレフェリーストップを勝ち取るなど、杉内は頭一つ抜けた存在感を放った。もう一方のブロックでは、すでにベテランクラスといってもいい佐藤が、いつもどおり押さえ込みに徹した着実な試合振りを見せ、決勝へコマを進めてきた。 ただ準決勝フルラウンド戦いきった佐藤と、短く試合をまとめてきた杉内の疲労度はの差は目に見えて明らか。1Rは両者警戒が過ぎて、ほとんど攻防が展開しなかった。レフェリーがラウンド間のインターバルで「この展開が続いたら次はイエローを出すからね」との警告を出す。それもあってか、2Rは両者の積極性が勝負を分けた。打ち合いを避けてタックルを繰り返す佐藤に対し、自らパンチを振り、飛びヒザをぶち込んでいく杉内のアグレッシブさが目立つ。試合内容に大きな差は生じず、これが通常のワンマッチであれば、ドローもしくは押さえ込み時間の長かった佐藤を僅差で支持と言う判定もありえたかも知れない。ただ新人抜擢のトーナメントであるという意味合いからすれば、佐藤の消極姿勢はイエロー相当であり、ジャッジが支持しなかったのは頷ける。その点、決定打はなかったものの、2R攻めに徹した杉内の気迫、姿勢が評価されたのは必然であったのかもしれない。
第1試合 トーナメント1回戦 ×NUKINPO!(P's LAB東京) ○堀之内将耶(禅道会) 1R 0'33" KO(ハイキック)
第2試合 トーナメント1回戦 ○杉内勇(Team ROKEN) ×沼田亮(ストライプル) 1R 2'00" KO(パンチ連打)
第3試合 トーナメント1回戦 ○佐藤力(SKアブソリュート) ×龍昌利(格闘技道場タフス) 1R 1'55" アキレス腱固め
第4試合 トーナメント1回戦 ○滝口幹樹(和術慧舟會駿河道場) ×根本一成(U-FILECAMP.com) 1R 0'30" アームバー
第9試合 トーメント準決勝 ○杉内勇(Team ROKEN) ×堀之内将耶(禅道会) 1R 2'09" TKO(レフェリーストップ)
第10試合 トーメント準決勝 ○佐藤力(SKアブソリュート) ×滝口幹樹(和術慧舟會駿河道場) 判定3-0
第15試合 トーナメント決勝 ○杉内勇(Team ROKEN) ×佐藤力(SKアブソリュート) 判定3-0
■82kg以下級■
ストライカー系が顔をそろえたこの階級、異色を放ったのは柔道着着用のまま試合を行った龍。緒戦、松田の大振りな蹴りのモーションを盗んでタックルを決め、押さえ込みからのアームロックで順調な滑り出しを見せたが、準決勝では打極共に優れた青木に、マウントからの腕十字を決められ戦線から消えた。青木は1回戦でも切れのいい打撃に冴えを見せており、まだ余力を残しての決勝進出だった。 対するブロックでは、桜井隆多率いるR-GYM所属の佐藤隆平が目を引いた。師匠譲りのビルドアップされた肉体から放たれる破壊力抜群のパンチで、1回戦を短時間K.O.でクリア。準決勝でも同タイプの立原と2Rフルタイムのパウンド勝負の消耗戦を戦い抜いて見せた。特に、序盤腕十字のキャッチ状態になった絶体絶命のピンチを耐え切り、再度のテイクダウン&パウンドでポイントを重ねて形勢逆転した勝負強さは評価できる。惜しむらくはこの準決での怪我で、好勝負必至だった決勝を棄権せざるをえなくなったことだ。願わくば、次回以降、青木の本戦進出前に、この幻の決勝を実現して欲しいものだ。
第5試合 トーナメント1回戦 ×都甲洋平(フリー) ○佐藤隆平(総合格闘技R-GYM) 1R 0'58" KO(右ストレート)
第6試合 トーナメント1回戦 ×安部健寿(禅道会) ○立原基大(MAXERCISE JAPAN) 1R 0'48" TKO(タオル投入:マウントパンチ)
第7試合 トーナメント1回戦 ○龍保利(格闘技道場タフス) ×松田大地(キングダムサテライト) 1R 2'12" アームロック
第8試合 トーナメント1回戦 ×沖村大(U-FILECAMP.com) ○青木真也(フリー) 1R 3'14" アームバー
第11試合 トーメント準決勝 ○佐藤隆平(総合格闘技R-GYM) ×立原基大(MAXERCISE JAPAN) 判定3-0
第12試合 トーメント準決勝 ×龍保利(格闘技道場タフス) ○青木真也(フリー) 1R 0'51" 腕ひしぎ十字固め
第16試合 トーナメント決勝 ×佐藤隆平(総合格闘技R-GYM) ○青木真也(フリー) ※佐藤の棄権により、青木不戦勝で優勝
Last Update : 11/27
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