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(レポ&写真) [IKUSA] 11.16 台場:HAYATO、K-1本戦に前進。入江劇場IKUSAに飛び火

IKUSA事務局 "Young Gunners 2" 2003年11月16日(日) 東京・お台場スタジオドリームメーカー

  レポート:井田英登&古谷わか  写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

メインイベント 打撃GI(肘なし) 70kg契約 3分3R(最大延長2R)
○HAYATO(FUTURE_TRIBE)
×濱崎一輝(シルバーアックス)
判定3-0 (30-27,29-28,29-27)


 HAYATOは、ビジュアル的にも、技術的にもプロとしてまだまだ「伸びシロ」を感じさせる選手だ。今回、若手中心大会とは言え、彼をメインに起用したIKUSAの期待は、ずばりK-1 MAX進出。攻めに徹するファイトスタイルはプロとして好感が持てるし、技術的にもうすこし幅が出てくれば、MAX本戦の枠に食い込んでいくだけのポテンシャルはある。ただ、実際、過去3回のリザーブマッチ起用ではいずれも僅差の判定で黒星。それまで肘を含むムエタイスタイルで戦ってきた彼にとって、K-1の壁はまずこのルールとの戦いでもあったのかもしれない。
 三度目の正直を実現するためにも、IKUSA小澤プロデューサーはHAYATOに過酷な壁を設定し続けてきた。DAVID戦を肘でなんとか逆転勝利に飾ると、今度は肘なしルールで総合系のハードパンチャー雷暗暴にぶつけて玉砕させ、8月には同じくMAX進出を狙うRISEの阿部勝とのサバイバルマッチを仕掛けるといった具合で、そのハードルは過酷を極めるものだったといえるだろう。

 今回の対戦相手の濱崎はボクシング国体優勝&新空手中量級王者。さらにいえばK-1の母体である正道会館出身。6月のRISEでは、望月竜介とメインで接戦を演じたハードパンチャーでもある。今回その濱崎に挑ませるのも、間違いなくMAXへの階段を意識しての話だろう。

 1Rは濱崎がパンチ主体でやや優位に試合を運ぶ。右ミドルを中心に攻め込むHAYATOだが、濱崎はカウンターから左右のストレートで押し返し、付け込む隙を与えない。2R、若干堅さの取れたHYATOがペースを掴み、五分の打ち合いとなる。HAYATOは右のミドルで押し込み、ローを返した濱崎にカウンターの右ストレートを浴びせダウンを奪取する。ラウンド終了間際の一撃だったため、追いきれなかったHAYATOがコーナーへ戻ると、本部席に陣取った小澤Pの「判定で逃げ切ろうなんて思うんじゃねえぞ!」という鋭い叱責が浴びせられる。
 ただ、このダウンで逆に欲が出たのか、3RはHAYATOが右パンチに固執。逆に、この大味な攻撃の間に息を吹き返した濱崎は、ガードを固めるHAYATOの顔面に何発かいいパンチを入れていく。

 結局、圧倒的な差はつかず。2Rにダウンを奪ったHAYATOが判定勝利。念願のK-1 MAX本戦進出に向け一歩前進した。
 試合後、小澤プロデューサーの紹介で、シュートボクシング・スーパーライト級王者の宍戸大樹がスーツ姿でリングイン。次回1月24日(土) 六本木velfarre大会への参戦が発表された。シーザー武志・SB協会会長はHAYATO vs. 宍戸を提案しているといい、実現すれば面白い試合となるだろう。他にもIKUSAの常連となりつつある小比類巻貴之の参戦も内定。そのコヒと戦う予定だったDAVIDも出場する模様だ。

■HAYATO「(ダウンを奪いましたが?)自分ではあまり効いているようには思っていませんでした。狙っていったわけでもないです。(濱崎選手のプレッシャーはどうでしたか?)速いですね。自分もプロボクサーの方とのトレーニングをしてきたので焦らずに、こんなもんか、と対処できました。ボクサーの方との練習で、攻めはまだまだですが、相手の打撃が見えるようになったのと、落ち着いて対処できるようになったという点では、成果が出ていると思います。
(今日の作戦は?)本当は右ミドルと右インローで攻めていくつもりでした。キャッチされてしまって思ったように蹴れませんでした。(サウスポーの選手について)今までサウスポーの選手と3,4人やってるんですけれども、一回も勝ってないんです。苦手意識はありますね。今回はこれまでと違ってボクシングのサウスポー選手ということで、タイプが違ったので。
(次に戦いたい相手は?)強い選手とやりたいです。1月に『これに勝てばK-1出してもらえるぞ』ってような強力な選手と戦って、3月のK-1 MAXの日本予選に繋げられれば。特に誰というのはありません。自分はこれまでも対戦相手を自分から指名するようなことはしてきていないので。明日も友達のボクシングの試合の応援に。明後日のK-1もダメージがないので普通に見られそうです。」

第7試合 打撃GI(肘なし) ヘビー級 3分3R(最大延長2R)
○FABIANO(TARGET)
×伊藤 学(アイアンアックス)
判定2-1 (30-29,30-29,29-30)


 高見盛式にロボティックな気合いと共に入場する伊藤。開始早々、積極的に左ハイ、ローをアグレッシブに繰り出す。ファビアーノは組み付いて至近距離からヒザを入れる。ファビアーノのお返しのパンチに対して伊藤の左ミドル、そしてハイがクリーンヒット。負けられないファビアーノも右のロー、さらにヒザを放っていく。
 2Rもヘビー級戦士の激しい打ち合いに会場はヒートアップ。ファビアーノが飛びヒザを見せれば伊藤が左ストレートをヒットさせる。両者一歩も譲らぬ状態で3Rへ。
 持てる力を振り絞り鬼になる両者。ファビアーノの右インローが口火を切れば、伊藤が左ミドル&ローの連打、ファビアーノは右ミドルの雨にさらに飛びヒザ。伊藤の渾身の左ストレートがファビアーノの顔面をとらえれば、ファビアーノのヒザが伊藤のボディにのめり込む。激しい攻防の中でついにゴング。判定は割れたが、ファビアーノが2-1でなんとか勝利をものにした。

第6試合 総合GII スーパーヘビー級 5分2R
×保坂忠広(MEGATON)
○RBリョウタ(RBアカデミー)
判定1-2


 ゴング早々、リョウタが果敢にタックルを敢行するが、一回り大きい保坂はガブって上を取るとパンチを落とし、サイドに回ってヒザを脇腹に振り下ろす。だがスマックガールのように40秒のグラウンド制限時間があるため、攻撃の途中でブレイクがかかり、スタンドで再開。保坂は突進しリョウタをコーナーに追い詰めるが、その先の攻撃がなく、レフェリーがブレイクをかける。以降もグラウンドのブレイクとコーナーに押し込みのブレイクの繰り返し。保坂はやや攻めあぐねるが、リョウタはスタンドの攻防中に随所で的確にパンチをヒットさせることに成功。評価の難しい試合となったが、マストシステムのため、有効打の多かったリョウタに軍配が上がった。第1試合も合わせると、総合ルール「MEGATON VS RBアカデミー」の2戦は2-0でRBアカデミーが完勝。RB軍団は今後のIKUSAマットを脅かす存在になりそうだ。

 両者がリングから引き上げる最中、キングダムエルガイツの入江秀忠が突然リングへ上がり込むとマイクを要求。「なんだなんだ? 高森も保坂もだらしねえじゃないかよ。こんなんでいいのか? 小澤? 俺がこのリング盛り上げてやるよ。誰かこのリングで世界一過激なエルガイツルールでオレと戦うやつはいないのか?」と吠え、小澤プロデューサーに向かって「次、1月、オレをエルガイツルールで上げるのか上げないのかはっきりしろ!」と絶叫した。小澤プロデューサーはクールに「…誰ですか? さっきアレックスとスパーリングしてた人ですよね」とスカして観客を笑わせる。
 実は、この大会の開始前、リング上では、11月30日の大道塾無差別大会の優勝候補に上がっているアレックス・R・ロバーツが寝技の練習を展開する光景があった。ロバーツは関係者を通じてこの大会観戦に招待されたものの、大会前の追い込みもあり練習時間を削るわけにも行かないと答えたところ、主催者の好意でリングでの練習時間を与えられたのだという。以前よりロバーツと交流のあった入江は練習相手を務め、その後試合を観戦。畑違いのキックだけならともかく、総合の試合を見るうち“乱入王”の血が騒ぎ、今回の凶行に至ったらしい。
 
 小澤プロデューサーもあまりの突然の展開に目を白黒させたものの、思わぬ珍客の参戦要求に、申し出を前向きに検討することを約束。しかし、それでも足りないのか、なおも入江はリングに留まり「俺はな、今歌やってんだ。ここで勝ったら、リングで歌わせてくれ、それが条件だ!」と更に無理難題を吹っかける。「わかりました。僕も音楽のプロですんで、中身をチェックさせてもらって判断します」と切り替えした小澤氏の言葉に「ぜひよろしくおねがいします」といきなりの低姿勢でリングに土下座して、最後はトップロープを飛び越えそこなって転落という“芸”をみせて入江は退場。DEEPから飛び火した「入江劇場」の一幕だったが、ひょうたんからコマで、次回1月のIKUSAではその本編が見られるかもしれない。

■来年のIKUSAラウンドガールの公開オーディションがこの大会の休憩時間に行われた。

第5試合 打撃GII(肘なし) ウェルター契 3分3R
○裕樹(REALDEAL/JML九州ウェルター級王者)
×南本隆之(ビクトリー/MA日本ウェルター級4位)
3R 0'49" KO (ローキック)

第4試合 打撃GII(肘なし) 58kg契約 3分3R
○駿太(谷山)
×植松辰弥(シーザー)
判定3-0 (30-27,30-26,30-26)

第3試合 打撃GII(肘なし) 67.5kg契約 3分3R
○城戸康裕(谷山)
×山辺英人(山木)
判定3-0 (30-27,30-27,30-27)

第2試合 打撃GII(肘なし) 52.5kg契約 3分3R
○ハト山ハト助(谷山)
×松尾 宗(フリー)
判定2-0 (30-28,30-27,29-29)

第1試合 総合GII スーパーヘビー級 5分2R
×IRO関(MEGATON)
○吉野圭祐(RBアカデミー)
1R 1'40" KO 

Last Update : 11/17

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