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(レポ&写真) [K-1 WGP] 8.15 ラスベガス:ボンヤスキーが予選突破。サップとタイソンが舌戦

K-1 U.S.A. "K-1 WORLD GP 2003 in LAS VEGAS - Battle at the Bellagio -"
2003年8月15日(金) 米国ネバダ州ラスベガス・ベラージオ  入場者数:5,800人(超満員札止め)

  レポート:井原芳徳  Photos : Peter Lockley (Maxfighing.com)
  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・K-1スレッド]

※ネバダ州アスレチックコミッションの規定により、顔面への膝蹴りは禁止。判定の集計では端数の処理はなく、0.5ポイント差でもどちらかの選手が勝ちと評価される。

第9試合 スーパーファイト 3分5R
○ボブ・サップ(米国/チーム・ビースト)
×キモ(米国/DC7)
2R 1'11" KO (2ノックダウン:右フック)


 サップは突進ファイトを抑え右ミドルを多用。キモは前蹴りでサップを突き放そうとするが、サップに組み付かれると膝蹴り一発でふらついてしまう。キモのほうが米国では知名度があるため、会場からは「キモ」コールが巻き起こる。すると声援に押されてか?キモは左フック一発でサップをふらつかせ大チャンス。さらにサップをコーナーに詰め、左フックの連打で一気にサップを仕留めにかかる。だがサップがキモを振りほどき、再度キモが突進したところで、サップの右フックがキモの顔面にクリーンヒット。キモは大の字に倒れる。なんとか立ち上がると、またもキモが左フックで反撃。サップは足元がふらつき、自らのパンチでバランスを失いダウンを喫してしまう。サップはかろうじて10カウント以内でファイティングポーズを取り、直後のラウンド終了のゴングに救われる。

 サップはキモの左フックの連打で右眉尻を出血。インターバル中にドクターチェックを受ける。チェックが長引いたため、キモがリング中央で両手を上げ勝ち誇る一幕も。傷は深くなかったようで、2Rスタート。やや体力回復したサップは、1R序盤とはうってかわって、以前の試合のような突進ファイトでキモを一気に仕留めにかかる。サップは左ストレートでダウンを奪取。するとキモは余力がなくなり、時おり背中を見せながら防戦一方。最後はサップの右フックでキモは大の字。後頭部への攻撃で反則だったが、角田レフェリーは10カウントを数え、試合が終了した。
 豪快ファイトに興奮した観客は試合中総立ちで大盛り上がり。試合後サップにはブーイングが飛んだが、人気選手のキモを倒した“悪役”として印象を十分残せた証だろう。

 この試合はプロボクシングの元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソンがリングサイドで観戦。タイソンも途中から立ち上がって興奮しながら試合の行方を見守っていた。勝ったサップはリング上からタイソンを挑発。場内の「マイク」コールに押され、さらには石井和義・前K-1プロデューサーの手に引っ張られ、タイソンは笑顔でリングイン。サップはタイソンに突進するが、リング上に大量にいた関係者に制止される。

 タイソンはマイクを向けられると「今すぐやってやる」とサップを挑発。サップが「お前はダイナマイトのように思われてるかもしれないがな、俺を馬鹿にしたら、導火線ごと引っこ抜いてやる!」と興奮気味に答えると、タイソンは見下すような口調で「契約書にサインしなさいな、ビッグボーイ」とサップをスカし、場内の笑いを誘う。さらにサップが「俺の血でサインするのはどうだ!」と叫んだときには、タイソンはリングを降りていた。

 タイソンは1日に米国連邦裁判所に破産を申請したばかり。財政状態を立て直すためにK-1のリングに上がってもおかしくない状況だった。K-1側も2年前からタイソン招へいに乗り出しており、今年2月に石井前プロデューサーが逮捕された時の脱税容疑も、タイソン招へいに絡むものだった。最近ではミルコ・クロコップもタイソン戦を希望しており、タイソンが今後のK-1の話題の中心になることは間違いない。



第10試合 トーナメント決勝 3分3R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ)
×マイケル・マクドナルド(カナダ)
延長4R 判定2-1 (10-9,10-9,9.5-10)
※ボンヤスキーが世界最終予選トーナメント制覇


 マクドナルドがボディブローとハイキックのコンビネーションで攻めれば、ボンヤスキーは鋭いミドルやローで応戦するという、決勝らしいレベルの高いファイトに。両者とも一回戦、準決勝をKOで勝ち上がってきたが、さすがに体力の消耗は隠せず、結局3Rでは決め手がないまま延長戦へ。
 ボンヤスキーは右膝と右ハイで攻め、マクドナルドはパンチで応戦。結局僅差の内容となり、判定は割れたものの、かろうじてボンヤスキーが10月の大阪大会の開幕戦への出場権を獲得した。

第8試合 トーナメント決勝 3分3R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ)
×ジェフ・フォード(米国)
1R 1'28" TKO (レフェリーストップ:右肩の負傷)


 ルーファスの負傷によりチャンスの巡ってきたフォード。ボンヤスキーのキックを主体とした猛攻のしのぎ右フックを放つが、このとき後ろに身をかわしながらボンヤスキーが放った左ハイがフォードの右肩に命中。フォードがダウンを喫する。さらにフォードが左ハイを放った直後、スリップでマットに右腕を打付け右肩の痛みを悪化。苦しそうで立ち上がれないのを見たレフェリーが試合をストップした。


第7試合 スーパーファイト 3分3R
○カーター・ウィリアムス(米国/チーム・ブードゥーUSA/北米地域予選優勝者)
×デューウィー・クーパー(米国/ワンキックス)
判定3-0 (30-27,30-28,29.5-29)


 5月のラスベガス大会よりも全身一回りビルドアップしたウィリアムス。小柄なクーパーにプレッシャーをかけ続け、時おり豪快なパンチやハイを見せるが、動きが硬く今一つ攻めきれない。逆にクーパーの方が手数が上。勝ったウィリアムスはコーナーに登り勝ち誇るが、客席からはブーイングも飛んだ。


第6試合 トーナメント準決勝 3分3R
○マイケル・マクドナルド(カナダ)
×ジョージ・ランドルフ(米国)
1R 0'55" KO (左フック)


 カトゥーの負傷により、第1優先権を持つリザーバーのランドルフが出場。だがウォームアップする間もなく、マクドナルドがゴングと同時に右ミドルと左フックで奇襲。さらにパンチラッシュで攻め、右ストレートで最初のダウンを奪う。ランドルフはなんとか立ち上がるが、マクドナルドはすぐ突進して左フック一発でランドルフをマットに沈め、体力を残したまま決勝に駒を進めた。


第5試合 トーナメント一回戦 3分3R
○リック・ルーファス(米国)
×ジェフ・フォード(米国)
判定3-0 (30-26.5,,29.5-27.5,29.5-27.5)


 ゲーリー・ターナー(イギリス)が13日のコミッションの視力検査を通過できず欠場。代わってリザーバーのフォードがエントリーしたが、ベテランのルーファスを攻め込めない。ルーファスもなかなかエンジンがかからなかったが、2R残り30秒に左ハイでダウンを奪う。結局ルーファスは3R最後までこのまま逃げ切り勝利。しかし負傷により、フォードに準決勝進出権を譲ることになってしまった。


第4試合 トーナメント一回戦 3分3R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ)
×ヴァーノン・“タイガー”・ホワイト(米国)
1R 0'55" KO (右ハイキック)


 ボンヤスキーの飛び膝、ヴァーノンのジャンピングハイと、両者の派手な空中戦が繰り広げられ、会場が湧く。だがヴァーノンは回し蹴りを放った際にボンヤスキーの右ハイと相討ちになり、右足を痛めた様子。直後にボンヤスキーの助走を付けてのジャンピングハイキックがヴァーノンの顔面に命中。ヴァーノンは立ち上がれず、ボンヤスキーのKO勝ちとなった。


第3試合 トーナメント一回戦 3分3R
○アジス・カトゥー(ベルギー/センタージム)
×ラウル・ロメロ(メキシコ)
判定2-0 (29-29,29.5-28,29-28.5)


 突進型のロメロに対し、1Rのカトゥーは下がりながらディフェンス。だが2Rからは左右のフックと右ハイで攻勢。終盤には右ローであと一歩のところまで追い詰める。しかし終了10秒前から急激にパワーダウン。試合前に左太腿を痛めており、その影響でいま一つ攻めきれない。結局僅差でカトゥーが勝利したが、怪我のため準決勝を辞退。ロメロもダメージが大きく、代役を務めることができなかった。


第2試合 トーナメント一回戦 3分3R
○マイケル・マクドナルド(カナダ)
×ジェファーソン・“タンク”・シウバ(ブラジル)
2R 2'22" TKO (レフェリーストップ:右ストレート)


 マクドナルドは素早い右ミドルやストレートでタンクを翻弄。タンクはクリンチが多くなりレフェリーから警告を受ける。2R、マクドナルドが右・左とフックを当てると、タンクはダウン気味に前のめりで倒れる。再開後もマクドナルドは攻勢を続け、最後は右ストレート。タンクはなんとか立ち上がるが、意識が定まらずレフェリーが試合をストップした。


第1試合 スーパーファイト 散打ルール 3分4R
○カン・リー(米国)
×フィル・フェティート(カナダ)
判定3-0


Last Update : 08/26

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