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(レポ&写真)[K-U] 6.29 ディファ:瀬尾、タイ人に激勝。K-1参戦を目指す?!

キック・ユニオン "ディファ有明大会"
2003年6月29日(日) 東京・ディファ有明

メインイベント 68kg契約 3分5R
○瀬尾尚弘(JK国際/NKBウェルター級3位)
×チャイデー・侍(M.TONG/タイ国Jウェルター級)
KO 3R2'02"(3ダウン:右ローキック)
※チャイデーは4Rにダウン2あり。瀬尾は5Rにダウン1あり
 NJKF3月大会の木浪戦を痛恨のボーンヘッドで落としたNKBウェルター級3位瀬尾の再起戦。ラジャ・ライト級の元王者チャイデーは、ムエタイ時代は首相撲の選手だったようだが、APKF3月大会のロペス金本戦で重い左右のストレート、ボディへのフックで一方的に攻め、2つのダウンを奪って大差判定勝ちと来日してからはパンチ主体にスタイルチェンジしている。
 この試合前に国際式ボクシングの元日本S・ライト級王者亀田昭雄氏からパンチを徹底的に指導してもらったという瀬尾は初回から強烈な右フック、縦拳の右ストレートを振るう。チャイデーも目の良さを発揮して瀬尾の剛腕を巧みにかわしながら右ミドル、ワンツーを打ち返し、早くも乱打戦の予感。ところが2R、「右を打ち込んだとき、腕がメリメリ鳴って腕の骨が折れた音がした」(瀬尾)というアクシデントが起こる。チャイデーのタフネスさ(とパンチをかわす巧さ)もあって「パンチでは倒れない」と判断した瀬尾はパンチからロー中心に攻撃を切り替える。チャイデーの右ミドルとワンツー、瀬尾のローと右フック。互いにガードを忘れて打ち合うため、試合は凄まじい我慢比べの様相となってきた。
 さすがに現役を離れていたブランクと、62kgがベストという体格差(今回の計量体重は65kg)が影響してきて、中盤以降チャイデーが徐々に劣勢に。そして4R終盤、瀬尾のローに一瞬弱気な顔を見せたチャイデーに、瀬尾が右ローでたたみかけ立て続けに2つのダウンを奪う。5R開始直後にもローでダウンし、さすがのチャイデーもここまでかと思われたが、突如パンチの連打で怒涛の反撃を見せてコーナーに追い込むと、デビュー以来2回しかダウン経験のない瀬尾をマットに這わせる。これで一気に試合の行方がわからなくなり、瀬尾はローキック、チャイデーは左右のフックだけをガードもせずひたすら相手に打ち込む。この消耗戦に打ち勝ったのは瀬尾、ローで2度のダウンを追加し、激戦にケリをつけた。瀬尾の戦績はこれで21戦13勝(8KO)7敗1分。

 「ダウンしたのは全く覚えてない」という瀬尾、今後の目標になんとK−1出場を挙げた。現在NKBランク3位の瀬尾の上位には石毛慎也(王者)、木浪利幸(1位)、中村篤史(2位)がいるが、瀬尾はいずれも判定で敗れている。彼らにリベンジしてNKBのベルトを巻く事については「再戦って好きじゃないんですよ。それより魔裟斗とか武田幸三とかと戦ってみたい。俺みたいな場末のキックボクサーが彼らと戦う方が面白いじゃないですか。武田とローの打ち合い、見たくないですか?」
 確かに見てみたいが、出場をアピールするにはNKBのベルトを奪うのが最も近道の様な気もする。だが普段「強い奴と面白い試合が出来ればそれでいい」と言ってそれ以上の欲を語らなかった瀬尾の珍しいアピールだけに、その今後に注目したい。

第12試合 NKBライト級 3分5R
×高野洋一(神武館/4位)
○姉崎裕二(翔勇M1/9位)
TKO 5R2'48"(レフェリーストップ:ヒジのカット)
※姉崎は1Rにダウン2あり。
 NKBライト級上位ランカーの高野が新鋭・姉崎に敗れるという波乱があった。高野は初回、パンチで2度のダウンを奪うが、その後攻撃が単発になり首相撲でもつれる場面が目立ち始め徐々に失速。「ダウンはスリップみたいなもので、ほとんどダメージはなかった」という姉崎は左ジャブをや右ストレートをカウンター気味にコツコツと当てていき、最終ラウンド残り1分となったところで高野が組みにきたところに左ヒジで左目のマブタを切り裂く。あっという間に高野は大流血、ドクターチェックで一度は再開を許されたが姉崎が再びヒジで今度は左目の別の個所を切り、最終ラウンド終了直前に逆転のストップを呼び込んだ。これで姉崎はデビュー以来6連勝(4KO)。元々は空手のバックボーンがあり、国際総合空手道の全日本チャンピオンになったこともあるという。「高野選手は隙を逃さず攻めてきて、攻撃の圧力がこれまでの選手とは違った。そんな選手に勝ったのだから自信になる。チャンピオンの笛吹選手や上位ランカーもこの高野選手と実力差はそれほどないはずだから、努力次第ではその仲間に入ることは出来ると思う」と試合後語った姉崎、この勢いでさらなる上位食いが期待できそうだ。一方の高野は連敗で14戦9勝(6KO)5敗。調子がいい頃のスピードと切れ、何よりリング上で覇気が感じられないのが気がかりだ。

 

第11試合 59kg契約 3分5R
○松本浩幸(八王子FSG/NKBフェザー級5位)
×児玉正暁(ピコイ錦/NKBフェザー級9位)
判定3-0(50-43,50-41,50-41)
※児玉は2Rにダウン2、3Rにダウン1、4Rにダウン2あり
 元々知り合いだったという二人は「いつかタイトルマッチで対戦しよう」と約束をしていたそうだ。当初予定されていた松本の対戦相手の負傷欠場で児玉が急遽代打出場となり、二人が考えていたよりも早いタイミングで実現したこの一戦は、予期せぬ大激戦となった。
 松本が鋭い踏み込みから左を強打すると、児玉も左フックで反撃、一瞬たたらを踏んだ松本だがすぐさま撃ち返し初回から激しい打ち合いに。児玉は左右フック、ハイキックヒットさせるが松本強引な首相撲からのヒザ蹴りで主導権を握る。そして2R、松本が首相撲からのヒザ蹴りで児玉ダウンを奪う。かなりボディにダメージが残っている様子だったが、児玉は立ち上がると右ストレート、ボディで前に出る。しかし今度は松本の左ボディフックが炸裂し児玉2度目のダウン。松本は尚もテンカオ、首相撲、左ボディと畳み掛けるが倒しきれず2R終了のゴング。

 松本はさらにヒザで3Rに1回、4Rに2回のダウンを奪う。だが児玉はその度に立ち上がり、のみならずパンチの連打で松本を棒立ちにさせ追い込む、あわやの場面すら見せた。松本は攻めながら「普通の選手だったら倒れて(KOされて)いる。何で倒れないんだろう」と思っていたという。知り合い同士との対戦とはいえ、もちろん手を抜いているわけもなく、それどころか両者とも直前の試合でともにKO負けしているため、この試合はどうしても負けるわけにはいかなかった。特に児玉は2連敗中でこのところ精彩を欠いた試合が続いており、本人としても期するものはあったのだろう。松本の鬼気迫る攻めっぷりと、一方的に倒されても倒されても立ちあがって反撃、「もしかしたら」の期待を持たせる児玉の戦いに観客も大歓声を送る。結局、児玉はこの試合5度のダウンを喫し、フラフラになって立っているのもやっとという状態ながら、最後まで10カウントを聞く事は拒否し、試合は判定までもつれこんだ。

 もちろん判定は最大9ポイント差という大差で松本の勝利。だが試合後の観客の拍手は、間違いなく両者に送られたものだった。試合後、感極まったのか号泣する松本と、児玉がリング上で抱き合う姿が印象的だった。「児玉選手とはもうちょっと上でやりたかった。でも自分も連敗したらどうしようと思っていたし、これで首の皮一枚でつながった感じ。今後は当然チャンピオンと対戦したい」という松本はこれで17戦11勝(7KO)6敗。敗れはしたが間違いなく男を上げた児玉はこれで12戦7勝(4KO)5敗。

 

第10試合 59kg契約 3分5R
○難波博志(截空道/NKBフェザー級6位)
×トースーナ・ノンタチャイ(M.TONG/タイ国Jライト級)
KO 1R2'41"(右ストレート)
 難波の右ストレートでダウンしたノンタチャイ、足を痛めたようなしぐさをみせそのまま立ち上がらず。あっさりと10カウントKO負けとなった。

第9試合 NKBバンタム級 3分5R
×深山俊幸(截空道/6位)
○吉田洸輝(八王子FSG)
判定0-3(47-50,47-50,46-50)
※深山は4Rにダウン1あり

第8試合 NKBフェザー級 3分5R
×大出義昭(神武館)
○岩田 洋(八王子FSG)
KO 5R2'36"(ヒザ蹴り)
5R、両者にクリンチによる減点1あり

第7試合 NKBフライ級 3分3R
×加藤 誠(村越)
○関 正隆(翔勇M1)
判定0-3(29-30,29-30,39-30)

第6試合 NKBフェザー級 3分3R
○亀田誠一(村越)
×鷹山 勝(八王子FSG)
KO 1R1'54"(右ストレート)

第5試合 NKBフェザー級 3分3R
○鳥巣健太郎(村越)
×石井 旭(大塚道場)
KO 3R0'38"(パンチ連打)
石井は2Rにダウン2、鳥巣は2Rにダウン1あり

第4試合 NKBバンタム級 3分3R
△鳥山愛之(大阪真門)
△丸山 紹(截空道)
引分0-1(29-29,29-30,30-30)
※1R、両者にダウン1あり

第3試合 64kg契約 3分3R
×竹嶋大典(截空道/NKBライト級)
○荒谷智明(金子/NKBウェルター級)
判定0-2(30-30,29-30,28-30)

第2試合 NKBバンタム級 3分3R
○高橋勝治(截空道)
×飯泉洋平(大塚道場)
判定2-0(29-29,30-29,30-29)

第1試合 NKBライト級 3分3R
×小金 旭(神武館)
○亜斗武(杉並)
判定0-3(28-30,28-30,29-30)

※当初小金選手を勝者と掲載しましたが、亜斗武選手勝利の間違いでした。関係者及び選手にお詫びいたします。

Last Update : 07/05

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