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(レポ&写真) [ZST] 6.1 Zepp:今成、初メイン秒殺勝利。小谷兄弟、足関で華麗な共演

ZST "THE BATTLE FIELD ZST 3"
 2003年6月1日(日) 東京・Zepp Tokyo

  レポート:井原芳徳  写真:井田英登
  【→大会前のカード紹介記事】
  [→掲示板・ZSTスレッド]


メインイベント ライト級 1・2R5分&3R3分
○今成正和(TEAM ROKEN)
×ダニー・バッテン(リングスUK)
1R 0'43" 腕ひしぎ十字固め


 試合開始早々がぶり寄ったバッテンの勢いに押されて、今成はテイクダウンされてしまうが、そのまま手首を取って離さず、三角から腕十字に移行してあっさり勝負を決めてしまった。得意の足関は出なかったものの、初メインを秒殺で飾った。
 渋々マイクを持たされた今成は「ZSTに来てくれてありがとうございます。次もがんばりますんでよろしくお願いします」と恥ずかしそうに話し、足早に花道を退散していった。

セミファイナル ライト級タッグマッチ 20分3本勝負
○小谷直之(ロデオスタイル)小谷ヒロキ(SHOOTO GYM K'z FACTORY)
×リッチ・クレメンティ&ジェフ・カラン(チーム・エクストリーム)
2-0

※ヒロキ→カラン:3'51" アキレス腱固め
※直之→クレメンティ:9'45" ヒールホールド

 直之がクレメンティの脇を差して足を掛けテイクダウンに成功したり、鋭い左ハイでカランを退かせるなど、キレのある動きを披露。3分過ぎ、ヒロキ対カランになったところで、カランは自らグラウンドに誘い込む。だが、ヒロキは足をつかまえると、カランを自軍のコーナー近くに引きずってから、意外にあっさりとアキレス腱固めでタップを奪ってしまう。

 続いて直之も、クレメンティに対しアキレス狙いを繰り返す。クレメンティは直之の前蹴りをもらった影響で鼻血を出し、その血が口に入ってしまい苦しそうな様子。しかもパートナーのカランが退場しタッチできなくなったのに対し、小谷兄弟がテンポよくタッチするため、クレメンティはペースがつかめない。それでもなんとかタックルでテイクダウンに成功するが、小谷はリバーサルに成功。そして一気にヒールホールドを極め、2本目を取り勝利をおさめた。

 マイクを持った兄・ヒロキは「僕の使命は弟を中軽量級のトップにすることです」と発言。兄から突然マイクを渡され慌てた様子の直之は「また次強い奴とやる時はお兄ちゃんの力を借りたい」と話し、最後は兄が「(チーム・エクストリームのマネージャーの)モンテ・コックスはUFCの代理人の仕事もやっているらしいんで、弟を是非UFCのライト級戦線に絡ませてください」とアピールした。

 
第3試合 ライト級 1・2R5分&3R3分
×所 英男(チームPOD)
○レミギウス・モリカビュチス(リングス・リトアニア)
1R 1'45" KO (ヒザ蹴り)


 いきなり所がタックルで突進するが、足腰の強いレミギウスはなかなか倒れない。逆に倒されてしまった所はしぶとく足関を狙うものの、レミギウスのパワーと素早い反応に手こずる。上に乗ったレミギウスは重いパンチを所の腹部に連打し脱出。猪木アリ状態になっても左のローを一心不乱に連打し続ける。所が足を取りにいこうと前のめりになり、レミギウスがボディに湾パンチを放ってから離れたところで和田レフェリーがブレイク。

 そしてここでの両者の集中力の違いが勝敗の分かれ目となる。所が立ち上がり、体勢を建て直して間もなく、レミギウスは猛突進。前回坪井を仕留めたのと同じ必殺の飛び膝蹴りを所の顔面に命中させる。ひるんだ所に対し、レミギウスは一気呵成。容赦なく首相撲から左右の膝を連打し、所をマットに沈めた。
 肉体面での強さはもちろん、勝負への執念と集中力の高さも見せつけたレミギウス。小谷や今成との1対1の対決に期待したい。

 
第2試合 ライト級 1・2R5分&3R3分
△大河内貴之(パレストラ東京)
△花井岳文(養正館)
3R 時間切れ


 今大会から採用された新しい膠着ブレイクの基準について、和田良覚レフェリーは「とにかく膠着したら即スタンド。(中略)試合展開がスピーディーになるので、お客さんには喜んで頂ける事になると思います」と大会パンフで語っていた。実際この試合では、猪木アリ状態で離れた瞬間にブレイクがかかり、花井がタックルで倒しても、大河内が脇をかかえてオープンガードで10秒ほど下になっただけでブレイクがかかるという速さだった。

 確かにスピーディーにはなった。しかし観客のノリは今一つ悪い。花井は潜り込んで得意の足関を何度も狙う。だが大河内は花井の攻めのパターンを読み切り、寝技に付き合わずスタンド勝負にこだわるため、両者の思惑がすれ違う。大河内も唯一3Rにサイドポジションから腕十字を狙いかけるが、花井にふりほどかれると、あっさりと自らスタンドに戻してしまう。両者とも早いブレイクを意識し過ぎてか、一個一個のグラウンドの攻めに今一つ粘りが感じられない。
 結局最後まで淡々とした内容のまま時間切れ。ZSTルール慣れしないシューターと、総合慣れしていないグラップラーの対戦だったせいもあるだろうが、それだけでは割り切れないものが残る試合だった。
 

第1試合 フェザー級6人タッグマッチ 20分3本勝負
△矢野卓見(烏合会)梅木繁之(SKアブソリュート)代官山剣Z(TEAM ROKEN)
△五木田勝(木口ワークアウトスタジオ)小林悟郎(U-FILE CAMP)松藤裕晴(和術慧舟會千葉支部西道場)
1-1

※梅木→五木田:9'18" TKO (ドクターストップ:バックブローによる出血)
※小林→代官山:11'05" フロントチョーク

 矢野チームは全員がグローブを付けずに試合に臨む。前半は梅木が出ずっぱり。飛びついて足関を狙おうとするが、なかなか五木田チームの選手をつかまえることができない。一方の五木田チームの3人は数分ごとに入れ替わるが、3人ともトリッキーな動きの梅木相手に距離を取り辛そうで、スタンドでのお見合い状態でほとんどの時間が費やされる。
 9分過ぎ、梅木のバックブローで五木田が左の眉尻をカットし出血。五木田にドクターストップがかかる。「アクシデントにより」と場内発表されたが、記録上梅木が一本を取った形となってしまう。

 再開と同時に梅木は代官山にタッチ。五木田の代わりに登場した小林は、代官山のタックルをつかまえフロントチョークで一本を奪い返す。ここでようやく矢野が出て来るが、小林は間合いを詰められず、松藤にタッチ。すると矢野はすぐに梅木にタッチし肩透かしを食わせる。梅木はその後松藤の足首を捕まえるが、松藤はなんとかディフェンスし小林にタッチし脱出。結局ここが最大の山場となり、その後も両軍もう一本が取れないまま時間切れ。異色のマッチメイクで楽しい試合が期待されていたが、今一つ噛み合ないまま終ってしまった。

【ジェネシスバウト】

第4試合 バンタム級 5分1R
△朝岡秀樹(チーム・ノーフェイク)※写真左
△佐藤直登(ストライプル)
時間切れ

第3試合 ウェルター級 5分1R
○櫛田雄二郎(高田道場)
×水野健次(SKアブソリュート)
3'13" 反則 (再度のロープ掴みによるレッドカード)

第2試合 フェザー級 5分1R
○植村“ジャック”龍介(P's LAB 東京)
×辻 昌樹(烏合会)
1'12" 腕ひしぎ十字固め

第1試合 フェザー級 5分1R
○内山貴博(総合格闘技武蔵村山道場)
×藤沢卓也(禅道会世田谷道場)
4'33" 腕ひしぎ十字固め

Last Update : 06/03

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