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(レポ) [K-1 WGP] 5.30 スイス:ベネチアン、GP開幕戦進出。レコ、ベルナルドに圧勝

K-1 "K-1 WORLD GP 2003 in Basel - Andy Hug Memorial-"
2003年5月30日(金) スイス・サント ヤコブスホーリ バーゼル(St. Jacobshalle Basel) 観衆:7,800人

  レポート:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】   [→掲示板・K-1ヘビー級スレッド] 

※スカイパーフェクTV!のフジテレビ721では6/7(土)20時-23時に再放送


第1試合 トーナメント一回戦 第1試合 3分3R
○ビヨン・ブレギー(スイス/ボスジム)
×ドノバン・ラブ(南アフリカ/スティーブス・ジム)
1R TKO


 パンチで前に出るラブに対し、ブレギーは下がりながら右ローを当て続ける。だが中盤、試合がこれから盛り上がろうとした矢先にアクシデントが発生。前進したラブにブレギーが左膝を放つが、空振りとなったその足先がラブの股間を蹴り上げるような格好でクリーンヒット。回復を待つためインターバルが与えられたが、ラブは担架で運ばれるほどダメージが大きく、試合続行不可能と判断され、ブレギーの勝利扱いとなった。


第2試合 トーナメント一回戦 第2試合 3分3R
×アゼム・マクスタイ(スイス/ウィング・タイ・ジム)
○ラリー・リンドウォール(スウェーデン/タイボックス・カンパニー)
判定


 この枠にエントリーされていたレミー・ボンヤスキーだが、練習中に後ろ回し蹴りを受けた際に右脇腹を骨折し、全治1ヶ月と診断されたため惜しくも欠場となってしまった。
 代わりにリザーブマッチにエントリーされていたアゼム・マクスタイ(スイス)がトーナメント枠に繰り上がり。髪型、トランクス、体つきもアンディ・フグそっくりのマクスタイ。ムエタイスタイルのリンドウォールの右ロー主体のコンビネーションに苦しむが、スピリットもアンディ譲りの「ネバーギブアップ」。地元ファンの声援にも押され、パンチとミドルで果敢に前進する。
 2R序盤、リンドウォールのカウンターの左ストレートをもろにもらい、左眉から出血。その後も攻め込まれるが、ひるむことなくパンチで応戦する。3Rは両者バテ気味だったが、積極性ではマクスタイ。結局前半を優位に進めたリンドウォールに僅差ながらも準決勝進出を許したが、マクスタイが存在感をアピールした。


第3試合 トーナメント一回戦 第3試合 3分3R
○ジャビット・バイラミ(スイス/チーム・アンディ)
×ユルゲン・クルト(スウェーデン/ヴァレンテュナ・ボクシング・キャンプ)
延長R 判定


 1R、バイラミがジャブと右ローで優位に試合を進める。だが攻めが単調で、次第にクルトの反撃を許し、3R終盤には右アッパーをもらい防戦一方に。判定が割れ延長にもつれこむと、お互い消耗しながらも一進一退の攻防を繰り広げる。終盤にバイラミがアンディ譲りのカカト落としを、クルトは回し蹴りを見せるが空振り。大きな差がなかったがバイラミが評価され、かろうじて準決勝進出を果たした。


第4試合 トーナメント一回戦 第4試合 3分3R
○ジェレル・ベネチアン(オランダ/ボスジム)
×ピーター・マイストロビッチ(スイス/チーム・ピーター)
判定


 バイラミ同様、マイストロビッチもアンディ譲りの後ろ回し蹴り、カカト落としを見せる。だが、優勝候補筆頭のベネチアンは動きを見切っており、プレッシャーをかけ続けると、コーナーにつめて重いパンチの連打や、右ロー、右ハイで攻勢をキープ。ほとんどダメージのないまま、準決勝に駒を進めた。


第5試合 トーナメント リザーブファイト 3分3R
×ハッサン・クズジュラル(スイス)
○ゲーリー・ターナー(イギリス)
2R KO (右フック)


 イギリス予選優勝者のターナーがヒット&アウェイ戦法で的確にダメージを与え続け、ボンヤスキー欠場の影響で急遽リザーバーとなったクズジュラルを翻弄。2R2分過ぎ、右ローと左ストレートのコンビネーションで最初のダウンを奪うと、右フックで2度目のダウンを奪い完勝した。


第6試合 トーナメント準決勝 第1試合 3分3R
○ビヨン・ブレギー(スイス/ボスジム)
×ゲーリー・ターナー(イギリス)
判定


 マクスタイとの激闘を制し準決勝に進んだリンドウォールだったが、右拳の負傷のため棄権。リザーブファイトを制したばかりのターナーが代わりに出場することとなった。
 前の試合からの経過時間を考えるとブレギー有利かと思われたが、右足首にサポーターを付けており、一回戦で右ローを放った際に負傷した様子。ターナーの足払いに何度もコカされてしまう。だがそれでも体格を活かした伸びのあるパンチとミドルのコンビネーション、接近戦での膝などの手数で上回る。3Rにはターナーから鼻血を誘い、最終的に勝ち名乗りを受けたが、何度も倒された印象が悪く地元ファンはブーイング。逆に満面の笑顔を浮かべるターナーに暖かい拍手が送られていた。


第7試合 トーナメント準決勝 第2試合 3分3R
×ジャビット・バイラミ(スイス/チーム・アンディ)
○ジェレル・ベネチアン(オランダ/ボスジム)
延長R 判定


 1Rバイラミが右フックでベネチアンをひるませ、さらにパンチの連打でダウンを先取。地元ファンの声援に押されるように攻めるバイラミだったが詰めが甘く、次第にベネチアンの回復を許し、仕留めることができない。
 1R終盤からはベネチアンが形勢逆転。パンチの連打とローのコンビネーションを何度も当て続ける。逆にバイラミはガードを固めてパンチをもらいっ放しで、離れ際にフックを放つも空を切るばかり。3Rは棒立ちになることが多く、背中を向けてしまう場面も。
 同点に持ち込んだベネチアンは、ドロー判定が告げられると足早にコーナーに戻り、延長に向け臨戦体勢。バイラミがまだコーナーで待機しているというのに、早くもリング中央に進み、肩をイカらせて突撃の構えを見せている。当然延長戦のゴングが鳴ってからの勢いでもバイラミを圧倒。結局3R同様攻め続け、文句無しの決勝進出を果たした。


第8試合 70kg契約 3分3R
×パオロ・バリハ(スイス)
○アンテ・ビリッチ(クロアチア)
延長R 判定



第9試合 スーパーファイト 3分5R
×マイク・ベルナルド(南アフリカ/レオナルド・ボクシングジム)
○ステファン・“ブリッツ”・レコ(ドイツ/ゴールデン・グローリー)
判定


 かつてのライバル・アンディ・フグのメモリアル大会ということで序盤から勢いよく前に出るベルナルドだったが、レコの素早い動きに翻弄され、鋭い右ローに苦戦。得意のパンチもうまくブロックされ、逆にレコのパンチの的確さが上回る。決してベルナルドが不調だったわけではないが、レコの巧さばかりが光る試合だった。


第10試合 トーナメント決勝戦 3分3R
×ビヨン・ブレギー(スイス/ボスジム)
○ジェレル・ベネチアン(オランダ/ボスジム)
判定


 ボスジム同門決勝となり、ブレギーにはホーストとヨハン・ボス会長がセコンドにつきバックアップしたが、一回戦に右足首を痛めた影響が大きく、ベネチアンのローで簡単にふらついてしまう。1R終盤には右ハイをベネチアンにブロックされた時に余計に足を痛めてしまい、マットに崩れ落ちダウンを宣告されてしまうほどだった。しかしそれでも立ち上がり闘い続けるブレギー。軽いローで2Rにも2度、3Rにも1度ダウンを喫するが、準決勝とうってかわって、観客からは暖かい声援が飛び、それに押されるように不屈の闘志を発揮。最後まで前に出続け、フルラウンド闘い抜いた。
 勝ち名乗りを受けたベネチアンは、10月11日に大阪ドームで行われるGP開幕戦(16人エントリー)の出場権を獲得。また、アンディ・フグの未亡人・イロナさんから、フグの保持していたWKAヨーロッパタイトルのベルトを腰に巻かれた。WKAのポール・イングラム代表も立ち会っており、正式なタイトル授与となる。

Last Update : 06/02

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