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(レポ) [新日本プロレス] 5.2 東京ドーム:ジョシュ、鮮烈KO勝ち。藤田は苦戦

新日本プロレスリング "ULTIMATE CRUSH presented by HEIWA" 2003年5月2日(金) 東京ドーム

  レポート:井原芳徳  【→概要&ルール紹介記事】  [→掲示板・プロ総合格闘技全般スレッド]

第8試合 5分3R
×中西 学(日本/新日本プロレスリング/120.06kg)
○藤田和之(日本/猪木事務所/114.5kg)
3R 1'09" TKO (レフェリーストップ:バックからのパンチ連打)


 開始早々、藤田の右ストレートで中西が鼻血。コーナーの差し合いで出血がひどくなり、ドクターチェックが入る。スタンドの間合いから再開すると、中西は意外にも器用にローキックを放つが、鼻血が再発し息苦しい状態となり、その後は藤田に何度もコーナーに押し込まれる。
 2Rも藤田優位だったが、3分過ぎ、中西のパンチが数発当たり藤田が一瞬ひるむ。的確さに欠いたが、その後も中西がパンチで突進し続け、五分の展開に持ち込む。
 だが3Rは藤田の独壇場。中西のタックルを切り四点ポジションから膝を放つ。中西は立ち上がるが藤田はすかさず足を掛けてテイクダウンを奪い、うつぶせで倒れた中西の頭にパンチを連打したところでレフェリーストップがかかった。
 総合デビュー戦の中西の粘りに予想以上に苦戦した藤田。6月のPRIDE.26のヒョードル戦は相当厳しい試合となりそうだ。


第7試合 5分3R
○ジョシュ・バーネット(米国/AMCパンクレイション/100.45kg)
×ジミー・アンブリッツ(米国/トッド・メディーナ・フリースタイル柔術/前KOTC無差別級王者/134.05kg)
1R 3'05" TKO (レフェリーストップ:膝蹴り)


 パンチの打ち合いの後、アンブリッツに足を抱えられ倒されたジョシュだが、落ち着いた様子で下になり、アンブリッツの攻めを封じ込めブレイクを待つ。スタンドでのパンチの打ち合いを制したジョシュは、アンブリッツをコーナーに押し込みテイクダウン。だがジョシュはあえてグラウンドに持ち込まず、アンブリッツにわざと立ち上がらせガラ空きとなった顔面に膝をクリーンヒット。さらにパンチをたたみかけると、アンブリッツは鼻血を出し苦しい展開に。最後もアンブリッツをコカしての顔面への膝。うつぶせに倒れたアンブリッツにジョシュがさらに攻め込もうとしたところでアンブリッツがタップした。
 “幻のUFCヘビー級王者”となったクートゥア戦から約1年ぶりの総合の試合だったジョシュ。グラウンド技術の成長は判別できなかったが、立ち際の膝の入れ方は絶妙で、トータルファイターとしての巧さにより一層磨きがかかったような気がする。試合後のジョシュは新日本プロレスの旗をかかげて勝利をアピール。一方のアンブリッツはこの試合の数日前にKOTCから王座をはく奪され、背水の陣で新日本のマットに乗り込んだが、ジョシュとは格が違いすぎたようだ。


第6試合 5分3R
○中邑真輔 (日本/新日本プロレスリング/103.5kg)
×ヤン・“ザ・ジャイアント”・ノルキヤ(南アフリカ/スティーブス・ジム/145.9kg)
2R 3'12" タップアウト (マウントからの前腕チョーク)


 中邑のセコンドには宇野薫、光岡映二、ブライアン・ジョンストンがつく。
 序盤、中邑の低空タックルをつぶしたノルキヤが四点ポジションからの膝蹴りを数発。だが中邑はしつこくタックルを続けテイクダウンに成功。ハーフガードからコツコツとパンチを落とす。サイドからの頭への膝蹴りでノルキヤを弱らせ、腕十字を狙うが、ロープに絡んでしまい惜しくもブレイク。スタンド再開後、中邑はまたも低空タックルを出し今度は簡単にテイクダウンに成功。あっさりサイドを取り、ノルキヤの頭に膝を連打する。
 1Rは時間切れとなったが、2Rになっても中邑は優位をキープ。今度も低空タックルで上になり、頭部に膝を叩き込む。するとノルキヤは鼻血を吹き出し苦しそうな表情。最後は中邑がマウントポジションを取ると、肘を顔にこすりつけ嫌がらせをした後、前腕チョークでノルキヤを戦意喪失状態に追い込みタップを奪った。


第5試合 5分3R
×ドルゴルスレン・スミヤバザル(モンゴル/モンゴル・プロレス協会/120.04kg)
○高阪 剛 (日本/チームアライアンス・Gスクエア/108.1kg)
1R 2'58" TKO (ドクターストップ:スミヤバザルの左腕骨折の疑いによる)


 スミヤバザルは大相撲の横綱・朝青龍の兄。総合は初めてだが、開始早々から右ストレートで先制。組み付いては高阪の足を抱え豪快にテイクダウンを奪い、実力の高さを発揮する。上からの攻め手に欠きブレイクがかかったが、スタンドに戻ってもまたもテイクダウンに成功する。ところが倒れ際にスミヤバザルの左腕が高阪の右腕に巻き込まれ、ひねった形でマットに強打。上になったスミヤバザルだが痛みを訴えドクターチェックとなり、左腕骨折の疑いが発生したため試合終了。無念の結末となってしまった。


第4試合 5分3R
○LYOTO(ブラジル/猪木事務所/95.2kg)
×謙吾(日本/パンクラスism/100.45kg)
判定3-0


 ヴァリッジ・イズマイウに総合のイロハをみっちりと叩き込まれたLYOTOが、謙吾から何度もマウント、バックマウントを奪い、パンチ、スリーパーで攻め続け完勝。2R最後はマウントパンチで攻め、あと数秒あればレフェリーストップになったのではという展開だった。だが極めきれなかったLYOTOに対し師匠のアントニオ猪木氏はリング下で鉄拳制裁。殺気だった雰囲気に会場が一瞬どよめいた。


◆総合ルールの前に3試合プロレスが行われていたため、リングのマットからスプリングが抜かれ、一番下のロープの下にさらに落下防止用のロープが一本備え付けられた。
 和田良覚レフェリーと、現在新日所属の成瀬昌由によるルール説明VTRが流れたあと、新日創始者のアントニオ猪木氏がリングイン。「今日は新日本の猪木でなく、観客の一人として会場に入りました。最も厳しい観客の目で今日の試合を見ます。ですから、今日は馬鹿な話はしません。元気のある奴、このアゴに止まれ!」とマイクアピールし、リングサイドに着席した。他にもリングサイドにはエメリヤーエンコ・ヒョードル、菊田早苗、榊原信行・DSE社長、作家の百瀬博教氏、スミヤバザルの弟・朝青龍らの姿が見られた。
 総合ルール5試合の後にもプロレス3試合が行われた。

Last Update : 05/02

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