(レポ&写真) [パンクラス] 4.12 後楽園:アルメイダ、GRABAKA佐々木も撃破
パンクラス "Sammy Presents PANCRASE 2003 HYBRID TOUR" 2003年4月12日(土) 後楽園ホール 観衆:2,300人(超満員)
レポート&写真:井原芳徳
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メインイベント ライトヘビー級 5分3R ○ヒカルド・アルメイダ(ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー/2位) ×佐々木有生(パンクラスGRABAKA/4位) 判定3-0 (廣戸30-28,小菅30-29,梅木30-28)
アルメイダがパンチを振ってからの素早いタックルで序盤からテイクダウンに成功。グラウンドに固執せず、立ち上がっての猪木アリ状態から佐々木の頭部めがけ鋭いパンチやフットスタンプを放つ。アルメイダはこの作戦を佐々木小次郎と宮本武蔵の決闘になぞらえて「相手の名前が佐々木だから、僕は武蔵のつもりで、打撃と柔術の二刀流で戦ったよ」と試合後振り返った。 2Rの佐々木はアルメイダのタックルを二度こらえ、逆に投げでテイクダウンに成功したかに見えたが、腰の強いアルメイダはすかさずバックマウントを奪取。スリーパーで佐々木を追い詰める。しかし佐々木はしのいでスタンド勝負に戻すと、逆に今度はパスガードに成功しバックマウントを奪い返す。だが佐々木は「バックを取れて欲が出てしまった」ため詰めに欠き、アルメイダにひっくり返される。
ところが見せ場はここで終らない。ガードポジションの佐々木は掟破りのオモプラッタを狙う。簡単に外したアルメイダが立ち上がって、猪木アリ状態の攻防が続いたところでゴングが鳴るが、二転三転の内容の2Rの間中、満員の後楽園ホールは興奮のるつぼだった。 2Rの攻防が激しすぎたため、さすがに3Rは両者ともスタミナ切れ。アルメイダが猪木アリ状態で上から攻める場面や、アルメイダがギロチンの体勢で大声をあげながら力を振り絞る場面があった。 判定はアルメイダに軍配。敗れはしたが、アルメイダのポテンシャルを存分に引き出した佐々木に観客から暖かい拍手が送られた。佐々木は「アルメイダが強いと言われるのは当然だなと1Rから感じた。世の中強い奴がいっぱいいますね」とアルメイダの凄さを語った。アルメイダは「プロモーターが決めることだが、できれば菊田 vs. 近藤の勝者と戦いたい」とコメントしている。
セミファイナル ミドル級 5分2R ○國奥麒樹真(パンクラスism/2位) ×門馬秀貴(A3) 判定3-0 (廣戸20-19,小菅20-19,梅木20-19)
スタンドの打撃では門馬に優位を許した國奥だが、腕を差して組み付くと後は得意のパターン。テイクダウンを奪い、上からがっちりと押さえ込んでパンチの放つ隙を伺い続ける。結局3Rとも同じ展開。2Rこそ門馬は下からの腕十字を極めるチャンスがあったが、ロープに絡まってしまい失敗。あとは下で何もできないまま過ごす時間が大半だった。門馬はこれが総合格闘技のプロキャリアで初黒星。
第5試合 ウェルター級 5分3R ○大石幸史(パンクラスism/2位) ×クリス・ライトル(米国/リングスポーツ・パーマーズ・ジム) 判定2-1 (廣戸30-29,小菅28-30,梅木30-29)
ゴング早々、大石が飛び膝で奇襲を仕掛けるが、ダウン奪取にはならず、そのままグラウンドにもつれ込み、こう着状態が続く。2Rはライトルが引き込み際のギロチンチョークや猪木アリ状態での顔面蹴りで攻める。3R、大石は3度ほどテイクダウンを奪うが、上になったままこう着状態が続く。レフェリーの判断は割れ、テイクダウンの評価された大石が勝利となったが、大石の表情に笑顔はなかった。
第4試合 ライトヘビー級 5分2R △佐藤光芳(パンクラスGRABAKA/8位) △渡辺大介(パンクラスism) 判定1-0 (廣戸19-19,小菅20-20,梅木20-18)
1R序盤に佐藤が左ストレートでダウンを奪いそうになるが、渡辺は下になりながらもなんとか体力を回復する。リングの外に出そうになったためブレイクがかかると、リベンジマッチということもあり、両者闘志むき出しのパンチ合戦を繰り広げ、観客を盛り上げる。1Rには渡辺、2Rには佐藤がテイクダウンを奪うが、互いにリバーサルを決められ、グラウンドでも互角。2R終盤に佐藤がハーフガードからアームロックを狙うが極めきれず。結局今回も決着がつかなかったが、試合後の2人は爽やかな笑顔で握手をしていた。
第3試合 ライトヘビー級 5分2R △KEI山宮(パンクラスism/6位) △栗原 強(チームRoken) 判定1-0 (廣戸20-20,小菅20-20,梅木20-18)
山宮がハーフガードで膠着する展開が何度も繰り返され、観客からは「あ〜あ」と溜め息混じりの声が起こる。2R残り1分に山宮がパンチと膝でラッシュするが、時間切れとなりドローに終った。
第2試合 ウェルター級 5分2R △北岡 悟(パンクラスism/5位) △和田拓也(SKアブソリュート) 判定0-0 (廣戸20-20,小菅20-20,梅木20-20)
開始早々から北岡がパンチで突進し、差し合いを制してテイクダウンを奪う事に成功するが、和田はリバーサルを決め、バックマウントを奪取。2Rは和田がテイクダウンを2度奪うものの、攻め手に欠き、ドローに終った。
第1試合 ライト級 5分2R ×大場裕司(P'sLAB東京) ○熊谷真尚(禅道会) 判定0-2 (廣戸19-20,小菅19-19,梅木19-20)
大場はスタンドでの打撃戦ではやや上回ったが、グラウンドになれば熊谷がバックマウントを両ラウンドとも取るなど優位。最後まで関節を狙い合う白熱した試合となり、熊谷がかろうじて白星を勝ちとった。
Last Update : 04/14
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