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(レポ&写真) [サイボーグ魂] 2.25 Zepp:バラエティ番組主導の女子総合大会!

TBS "サイボーグ魂・女子総合格闘技大会" 2003年2月25日(火) 東京・Zepp Tokyo

  レポート&写真:井原芳徳   [→掲示板・女子格闘技スレッド]

▼TBSで火曜深夜11:55〜0:30放送中のバラエティ番組「サイボーグ魂」の企画として行われたこの大会。番組のプロデューサーはK-1ワールドMAXや猪木ボンバイエの中継と同じ樋口潮氏で、いわゆる“普通の女の子”たちが格闘技に挑戦する姿を追い掛けるのが企画の主旨のようだ。よって基本的にはアマチュアの範疇となる大会だが、スマックガールでも十分上位で活躍できるぐらいの実力者も出場し、演出はPRIDEを思わせるド派手さ。試合も好勝負が続出し、900人を越す観客は大いに盛り上がった。チケットを販売する通常の興行ではなく、番組の中で観覧希望者をハガキで募集する公開録画のような形で行われたため、入場は無料。いわゆる“サクラ”の姿は見られず、観客は純粋に選手達の奮闘ぶりに声援を送っており、“大会”としては大成功をおさめたといえる。とはいえ視聴率が低ければ“企画倒れ”となるのがテレビ業界の宿命。今後の継続開催の命運は3月4日(火)以降のオンエアの視聴率が握っていると思われるが、選手の発掘、ルール、演出面等で、スマックをはじめとした既存の女子総合シーンに大きな刺激を与える大会だったことは間違いない。

 ルールは5分2Rでインターバルは1分。時間切れの場合はドロー。オープンフィンガーグローブを着用するが、ヘッドギアやレガースは着用しない。グラウンドの制限時間は無いが、こう着状態とレフェリーが判断すればブレイクがかかりスタンドで再開される。頭部への打撃はグラウンドでは全面禁止だが、スタンドでは対戦する両選手が合意すれば認められる。
 審判団が島田裕二氏を筆頭としたPRIDEと同じスタッフだったことを始めとして、大会の運営はPRIDEをそっくりそのまま移植したような雰囲気だった。リングやロープの色から、試合前後の音楽の流れるタイミングや曲調はPRIDEそっくり。リングアナウンサーがスタンドでの打撃の有無を発表するときの声の張り上げ方が、PRIDEでの四点ポジションの有無を発表する時のそれとほとんど同じだったのには驚かされた。公開録画ではあったがダラダラとした待ち時間はなく、進行は普通の大会と同じ。7時過ぎにスタートして約2時間で全てのプログラムが終了した。
 テレビ中継のゲスト解説は、高山善廣とタレントの松本人志さんが務めた。

第5試合
△水野裕子(GRABAKAジム/タレント)
△高橋ちひろ(正道会館/薬剤師)
時間切れ


 タレントの水野裕子は、GRABAKA仕込みの2ヶ月の特訓の成果を存分に出し、ポテンシャルの高さを見せつけた。高橋の打撃に苦しみながらも不屈の闘志を発揮し、2Rの終盤にストレートで反撃した時は会場がこの日最大の歓声に包まれた。
「バカがつくぐらいの負けず嫌い」と自認する水野だが、今後も格闘技を続けるかという質問には「やめるでもなく続けるでもなく中間ぐらい」と答え、「高橋さんとはゆっくり仲良くしゃべりたい」「格闘技以外に他にもやりたいことがいっぱいある」とも話し、継続にはやや消極的な様子だった。「テレビの画面にたくさん並んでいる女の子のうちの一人になりたくない」と試合前の紹介VTRで語っていた水野にとって、本当に勝ちを目指す場所はリングの上ではないというのが本音なのだろう。だが、リングの上で最後まで力を振り絞った経験は、きっと今後のタレント活動の大きな糧となるにちがいない。そして水野の見せた底力こそが、「サイボーグ魂」のスタッフが最も求めていた映像(え)ではないだろうか?

◆試合後のマイクアピール
高橋「自分の持ち味が出せませんでした。水野さんが凄く強くて、これから頑張ろうという気持ちをもらいました。水野さん、ありがとうございました。」
水野「正直こんなたくさん人が入っているところでやると思わなかったので、こんな仕事をしていながらも、始まる前は緊張していたんですけども、リングに上がったらそんなことは全部忘れてしまって、せっかく菊田さんとかから教えてもらった作戦とかも全部頭の中から飛んでしまったんですけども、今、戻ったときに、『練習以上のものが出せたよ』と言ってもらえたので、たった2ヶ月という練習だったんですけども、正直満足ではないですけど、10点ぐらい出せたのではないかと思いました。ありがとうございました!」

第4試合
×大畑綾子(禅道会横浜道場/主婦)
○上田美紅(無名塾/格闘技専門店勤務)
1R 1'51" KO


 実力でこの日ナンバー1だったのはこの上田だろう。上田は和歌山県の格闘技専門店・モリヤに勤務する19歳。身長167cm、53kg。無名塾所属で、日本拳法歴13年。日拳では高校全国優勝、社会人全国2位を果たしている強豪だ。初めての総合の試合だったが、まるでミルコ・クロコップを思わせる冷静で着実な打撃で観客を驚かせ、見事右ストレートで2度目のダウンを奪ったところでレフェリーストップ勝ちをおさめた。趣味はカラオケで、普段はおっとりとした性格。強さと愛くるしいキャラクターのギャップで今後大きな注目を浴びそうだ。

第3試合
×羽柴まゆみ(BCG/グラビアアイドル)
○筒井千尋(和術慧舟會トイカツ道場/雑貨店勤務)
2R 4'41" 腕ひしぎ十字固め


 羽柴は小柄ながらも果敢にタックルで突進しグラウンドに持ち込むが、筒井は綺麗にリバーサルを決めたり、下から執拗に三角絞めを狙ったりと、終始優位に試合を運ぶ。最後はきっちり腕十字で一本勝ち。インタビューではスマックガールを始めとしたプロ大会への出場を希望した。

第2試合
△宮川十和(ガールファイトAACC/キャラクターデザイナー)
△松島帆の帆(和術慧舟會GODS/ダンスインストラクター)
時間切れ


 ダンサーを引き連れて入場してきた松島は、昨年9月のスマックに一度出場エントリーされながらも、相手選手の負傷により試合が中止となっていた選手。10月の女子だけのアマチュアグラップリング大会GFCにも揃って出場していたことからも、両者とも総合の基礎技術のできている選手であることがわかる。試合は1Rは宮川、2Rは松島が攻める展開となり、時間切れでドロー。

第1試合
○伊藤あすか(P's LAB大阪/バーテンダー)
×尾田優希(J-NETWORK・池袋ジム/フリーター)
2R 0'56" 腕ひしぎ膝固め
※公式発表はV1アームロック

Last Update : 03/21

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