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(レポ&写真) [修斗] 2.23 後楽園:五味、残り1秒の関節マジック!

パレストラ "プロフェッショナル修斗公式戦" 2003年2月23日(日)後楽園ホール

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】  [→掲示板スレッド]

メインイベント ウェルター級(ノンタイトル戦) 5分3R
○五味隆典(木口道場レスリング教室/王者)
×ニック・アートル(米国/シーザー・グレイシー・アカデミー)
1R 4'59" 腕ひしぎ十字固め


 世界進出を目前にした五味が、無名のグレイシーファイターを横綱相撲で仕留めた。
 テコンドー仕込みの変則的な回し蹴りを出すアートルを、五味は的確なカウンターパンチで追い詰め、脇を差し豪快にテイクダウン。インサイドガード、サイドポジションを自在に移動してじわじわとプレッシャーをかける。一瞬アートルが腕十字を狙う場面もあったが、難無く対処した五味は残り1分でマウントポジションを奪うと、パンチの雨嵐。そして最後は時計を見て残り時間を伺いながら、速攻の腕十字。1Rの残り時間わずか1秒で極めるという高等テクニックで見事メインを飾った。
 ヒーローインタビューではビートたけしの物まねをしてみせるなどリラックスした様子の五味。最後は「UFCのベルトを持って来ます」とファンの前で宣言した。

 
◆五味「できれば相手のビデオを見て準備して試合をしたいですね。こんなんで怪我しても勿体ないんで。まあ、“お仕事”と割り切ってやりました。仕事でやるのは大変ですね。(三島戦のように)『因縁の対決』と言われた方がいいかもしんないですね(笑)。
 今日は久しぶりに凄くいい雰囲気でしたね。後楽園が。日曜日というのもあったんですけど、懐かしく熱気があって。僕ねえ、マア★ティン(星野育蒔)と同じ興行に出れるのがうれしかったんですけど(笑)。マア★ティン、今日は大人しかったですよね。ああいう子は楽しくていいですよね。ああいう気持ちで自分もいつまでも続けられたらなと思います。
(最後は残り1秒でしたけど、時間を気にしていましたか?)そうですね。相手にすりゃ『早く極めてくれよ〜』って思ってたかもしんないですけどね(笑)。

 ま、木口先生も言ってたんですけど、今日はちょっと自分のスタミナがおかしかったですね。ガードポジションから『いつ極められちゃうのかな?』って体勢になるのが大嫌いなんですよ。自分もどう動いていいかわかんないから、ちょっと腕極められたりしたじゃないですか? 僕も焦ってパンチ出してしまって『ああ〜、俺ダメだな』って思って。ガードからの攻め方は(UFCで活躍する)マット・セラやBJペンだったらまた違うと思うし、ああなってたら確実に極められてると思うんですよね。あそこからを研究しないと。
(関節の一本勝ちは初めて?)んー、ステファン(・パーリング戦)の時もやったから(99年:チョークで一本)。何でもできるんですよ〜これが。やらないだけで。スイープも今度見せます(笑)。蹴りも見たでしょ? でも『蹴りはダメだな』とみんなに言われました(笑)。K-1にアピールしようと思ったけど。キックパンツも(inspiritに)新しく作ってもらったのに。日本のバッドボーイ(=ティト・オーティス)で頑張ろうかなと思って。このテンションで生きて行ければ楽しいかな(笑)。人にさえ迷惑かけなければ、ね〜?(横に座ったレスリング教室の児童に話し掛ける)まっすぐ暴れていこうね〜(笑)。
(UFCに出場する時期は?)宇野選手の結果もありますし…。とにかく、UFCじゃないにしてもアメリカでやると思うんで。
(アブダビコンバット出場は?)寝技の勉強になると思いますね。コンバットレスリングも三連覇がかかっていますので、頑張ります。(12月恒例の)NKはシャオリンかバスケスになると思うんですけど。ベルトを2本、肩から下げて出場できればいいですね。」

第8試合 フェザー級サバイバー・トーナメント準決勝 5分3R
○松根良太(パレストラ松戸/5位)
×野中公人(PUREBRED大宮/6位)
判定2-0 (29-27,29-29,29-27)

※2R、グラウンド状態の相手の頭部への蹴りで野中に減点1

 1Rは中盤から松根が上になるが、その先の攻め手に欠く。2Rはスタンドの差し合いのまま緊迫した攻防が続き、残り1分を切ったところで松根がテイクダウンに成功。だが野中が下から松根の顔を蹴り上げてしまい減点1。3Rこそ野中が差し合いを制し上になるが、決定打に欠きばん回ならず。
 結局減点の有無に関わらず松根を2人のジャッジが評価し、決勝進出。プロ唯一の黒星を許している今泉と、約2年ぶりに5月後楽園大会で相見える。

第7試合 フェザー級サバイバー・トーナメント準決勝 5分3R
○今泉堅太郎(SKアブソリュート/2位)
×勝村周一朗(SHOOTO GYM K'z FACTORY/8位)
判定3-0 (30-27,30-27,29-28)


 一触即発の緊迫した打撃戦が続くが、2R、今泉がABKZをも葬った強烈な膝蹴りで勝村を倒し鼻血を誘うと、あとは優位をキープ。3Rには開始早々から今泉が上になり中盤にはマウントパンチを連打。勝村も大応援団の声援に押されるように足関を狙うが、サンビストの今泉は不敵にも手を振って「効いてない」とばかりにアピール。打投極のトータルで上回った今泉が見事決勝への切符を手にした。

j ライトヘビー級 5分3R
△ダスティン・デニス(米国/アメリカン・トップ・チーム/3位)
△山下志功(パレストラ札幌/6位)
1R 3'48" テクニカル判定

 スタンドでの間合いと差し合いが繰り返されるが、1R中盤のコーナー付近の攻防で偶然にもバッティングが発生。山下は左眉を大きくカットしドクターチェックを受ける。なんとか再開するが、出血が激しくなりドクターストップがかかった。その場ではデニスの勝利扱いとなったが、試合の前半の偶発的な事故による負傷のため、ルール上は「テクニカル判定によるドロー」となるのが妥当だろう。

【6/17追記】インターナショナル修斗コミッションは6月15日、この試合の裁定をドローに変更している(→詳細)
  変更前:デニスの勝利 1R 3'48" TKO (ドクターストップ:左眉尻の出血)
  変更後:ドロー 1R 3'48" テクニカル判定

第5試合 ウェルター級 5分3R
○八隅孝平(パレストラ東京)
×山崎 剛(TEAM GRABAKA)
1R 1'21" KO (スタンドパンチ)


 開始から左ロー、ストレートを効かせた八隅が、カウンターのパンチで山崎からダウンを奪う。山崎は本能のままのタックルで八隅を倒しにかかるが、意識が飛んでおりレフェリーのダウンカウントが聞こえず、八隅の足にしがみついたまま10カウント。ようやくレフェリーから解き離され意識を戻したが、「え?なんで?」とでも言わんばかりの表情で、時すでに遅し。KO負けの裁定が下された。レフェリーがもっと早い段階から強硬な態度で両者を解き離しておくべきだったのではという意見もあり、レフェリングの難しさを感じさせた一戦だった。

第4試合 鶴屋浩引退記念エキシビション ブラジリアン柔術5分1R
−鶴屋 浩(パレストラ松戸)
−中井祐樹(パレストラ東京)
勝敗なし


 終盤には師匠の中井からパスガードを奪い雄姿を披露。引退セレモニーでは関係者や知人から花束を贈呈された。

第3試合 ライトヘビー級 5分2R
×ジョン・レンケン (米国/チーム・ハヴォック)
○桜井隆多(r.gym)
2R 3'09" チキンウィングアームロック


 桜井がキャプチュード気味の投げや、グラウンドでのパウンドで圧倒。2Rレンケンも足関で反撃するが、不敵な笑みを浮かべながら楽々と脱出すると、ハーフガードからのチキンウィングで一本。4月の自分のジムを茨城県ひたちなか市にオープンするのを控え、待望のクラスA入りを果たし、ライトヘビー級ランキングで9位入りした。

第2試合 ミドル級 5分2R
○菊地 昭(SHOOTO GYM K'z FACTORY)
×中山 徹(インプレス)
1R 2'53" TKO (レフェリーストップ:マウントパンチ連打)

 
 菊地があっさりとマウントを取りパンチを連打し完勝。これでデビュー1年で5戦5勝。第3試合の桜井同じく菊地も大会翌日にクラスA入りを決め、ミドル級9位に入った。

第1試合 女子58kg契約 5分2R
△星野育蒔(DB55)
△オードリー・クラウニング(オランダ/フィジカル・エーデ)
判定0-1 (19-19,20-20,19-20)


 身長で16センチ上回るクラウニングに対し、星野は先にテイクダウンを奪い、下になっても腕十字を狙うなど果敢な攻めを見せようとするが、パワーに押しつぶされ、何もできない状態が続く。結局両者決め手に欠きドロー。星野は諸事情により和歌山の実家に戻り、しばらくプロ活動を休むが、また元気な姿をリングで見せてくれる日が来る事を心待ちにしたい。

Last Update : 03/21

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