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(レポ&写真) [DEMOLITION] 2.23 お台場:中村、またも電光石火の十字炸裂

GCMコミュニケーション "DEMOLITION 030223"
2003年2月23日(日)東京・お台場メディアージュ6F SDM

  【→大会前のカード紹介記事】  [→掲示板GCMスレッド]  【DEMOLITION ブロードバンド公式サイト】

※戦績のD.はDEMOLITION、C.はコンテンダーズの略

第7試合 -82kg契約 5分2R
×中台 宣(パンクラスism)D.初,パンクラス2勝4敗
○中村大介(U-FILE CAMP)D.1勝1敗,THE BEST1勝,'02JTC全国大会優勝
1R 2'54" 腕ひしぎ十字固め


スキンヘッドにタトゥ、黒く焼けた肌に鋭い目付きの中台の押し出しの強さに少し気圧された風情の中村だったが、ゴングが鳴ればここは俺のホームグラウンドだとばかりにパンチで前に出ていく。中台もキャリアを感じさせる動きで、中村の突進を捌き、逆にローを中心としてきれいなコンビネーションで押し返す。組んでも反り投げでテイクダウンを奪う中台。これは中村がなんとかフロントチョークに切り返してブレイクに。

しかし、この日の中村はスタンドでも積極的で下がらない。自らダイナミックなハイキックを出し前へ前へとプレッシャーをかける。対する中台は、中村のモーションを盗んで重いローを打ち返し、中村の攻めを分断にかかる。だが、中村も負けずにパンチでコーナーに詰め、課題だった連打で追い込みを掛ける。

伯仲した重い打撃戦に好勝負の予感が見えたが、勝負は一瞬でついた。中台のパンチで下がったに見えた中村が、電光石火の飛び付きで中台の左腕を捕らえ、マットに倒れこんだ勢いで十字を極めてしまったのだった。

師匠の田村の必殺技で、2大会連続の一本勝ちを決めた中村は「僕は田村さんのファンですから」とテレながらも「U-STYLEにも出たいですね」と抱負を語るなど好調ぶりを印象づけた。


第6試合 -67.5kg契約 5分2R
○中原太陽(和術慧舟會GODS)D.1勝,C.1分,ORG1勝
×佐藤伸哉(P's LAB東京)D.1敗,ORG1敗,パンクラス1勝2敗
判定3-0

抜群の運動能力とセンスで、宇野に続く次世代エースとして将来を嘱望されている中原だが、佐藤を今一歩のところまで追い込みながらフィニッシュに持ち込めない「歯がゆさ」の目立つ試合となった。

まず最初のチャンスは佐藤のタックルをキャッチした後のフロントチョーク。押し込んで逃れようとする佐藤の下半身を蹴り離して一本を取ろうとするがこれが極まらない。逆に首を抜いて立った佐藤に、アリ猪木状況へ持ち込まれてしまう。中原は前回話題となった、両手と片足をマットに突いて相手の顔面を蹴る攻撃を見せるが、逆に捌かれてパスを奪われそうになる。足を取ってアンクルを狙った佐藤の背中に付いて、バックマウントには成功したものの、またこの先の展開が図れない。パンチをたたき込み再三チョークを狙うものの、動き回る佐藤を制しきることができずじまい。





 2R、タックルを切って逆にアリ猪木状態になったときも、今度は足を取られて這う這うの態で逃げ出さねばならなくなる。傘にかかって上になった佐藤がインサイドからパンチを落としてくると、三角締めを狙ったが、これも首を抜かれて不発。結局最後まで、レスリングでは佐藤の先手を取って動きを制しながら、極めが甘く一本を奪うことが出来なかった。

 試合後、中原もさすがにこの状態に「練習不足がもろに出ましたね。トップに居る選手はそこから極めていくんでしょうね。その差が出たとおもいます」と反省しきり。仕切り直しの意味もあるのか、同門の門脇の名をあげ、「自分が格闘技を始めたときに教えてくれたのが門脇さんだったので、恩返しというか、自分がどこまで出来るか力試しをしてみたいですね。エキシビジョンでも何でもいいんで、自分の先生とどれだけやれるか試してみたいですね。打撃アリでは自分は足下にも及ばないと思うので、組技だけでやってみたい」とコンテンダーズなど組技ルールでの対戦を希望した。

第5試合 -70kg契約 5分2R
○滝田J太郎(和術慧舟會東京本部)D.1敗,ORG1勝1敗,プロ修斗1敗
×安田けん(ロデオスタイル・チームカトケン)D.初,ORG1勝
1R 3'40" 三角締め

 すでに会場人気はDEMOLITEIONナンバーワンである滝田の、この日の入場パフォーマンスは「東日本ハウス」のCMソングから少年隊の「仮面舞踏会」へと繋ぐカラオケメドレー。出場ギャラの大半をこのパフォーマンスにつぎ込むという滝田は、フンドシ風のラメの布を腰にまとったダンサー集団“J-BOYS”を引き連れ花道を歌い踊りつつ進んでくるが、実はこの歌は数日前にカラオケボックスで「レコーディング」された口パク。(あきれたことに、その後一同は朝までカラオケに興じたという)
 このお約束の大盛り上がりに、客席はもうすっかり“お腹一杯”と言った風情だったかもしれない。昨年のDEMOLITION旗揚げ大会でも、散々入場パフォーマンスで盛り上げて置きながら、肝心の試合はあっさりバッティングのアクシデントで終わってしまった過去を持つ滝田だが、この日は“本編”でも、しっかり中身の詰まったところを見せた。

 いきなりコーナーで安田にバックを取られた滝田。しかし腕を取ったまま足払いでグラウンドに持ち込み、そのままアームロックを極めにかかる。マウントを取ったのもつかの間、安田にスィープされると、今度は下から三角絞め。顔を真っ赤にして耐えていた安田だが、両手を引き付けてがっちり極めが入っており、タップアウト。

 「こんな色物の俺と戦ってくれて…安田、お前は男だ!」とマイクを取った滝田は、高田延彦ゴッコで場内の大爆笑を誘い、続いて「じゃ、いきますか? 1・2・3…J!」と意味不明の猪木チックなシメでリングを後にした。

第4試合 -74kg契約 5分2R
○飯田崇人(A-3)D.1勝,C.1勝,リングス1敗,パンクラスゲート1分,TRIAL1勝
×加藤泰貴(ロデオスタイル・チームカトケン)D.1敗,ORG1敗,'99コンバットレスリング3位,プレミアムチャレンジ1敗
判定2-0

 この日、飯田は打撃が好調。組みに来る加藤との間合いを制して、巧みにパンチをヒットさせていく。テイクダウンされると下からのカンヌキアームロックやフロントネックロックを狙うなど、試合のペースを渡さない。パンチで切られたのか加藤の額には流血が見える。2Rも飯田の打撃が冴え、左のフックを中心にきれいにパンチをヒットさせていく。コーナーに詰めての膝も相当加藤を苦しめた様子で、焦った加藤が打ち返した膝が飯田の股間を襲うローブローのアクシデントも起きるほどだった。終盤ようやくタックルで上のポジションを取った加藤が、グラウンドパンチを浴びせるシーンも見られたが、飯田も負けずに下から打ち返す。決定打が無かったために判定は一者ドローの2-0で飯田に。

 「今日は一本極めたかったですねー」と悔しがりつつも、充実した試合内容には満足げだった飯田。門馬、大沢らが好調にで頭角を現すA3勢のなか、また一人DEMOLITION効果で存在をアピールする選手が現れたようだ。


第3試合 -78kg契約 5分2R
○太田洋平(A-3)D.1勝1敗,C.1敗,パンクラス1勝3敗,U-FILE1勝
×井上 敦(ストライプル)D.初,TRIAL1敗
判定3-0

 4回の大会で3回出場と、DEMOLITION常連選手となりつつある太田。しかし、「登竜門」的位置づけのされているこのシリーズで、中堅選手として居残っているということは、逆に言えば外部からのオファーに発展していないと言うことでもある。DEMOLITIONのコンセプトからいえば、太田のようなポジションに居る選手こそが奮起して、この「往かず後家」状態を打破しなければならないはず。一発のパンチのキレなどはいいものがあるだけに、太田に求められるのは勝負所に畳み込める攻め強さと、そこに持ち込む構成力だ。

 この日の相手の井上は打撃より組み技の選手だけに、太田の打撃が勝負の分かれ目になるかと見られたが、蓋をあけてみると、やはりコーナーでの差しあいで膠着が多く試合となり、なかなかダイナミックな流れを作ることが出来なかった。2Rにはダイナミックな一本背負いからマウントを奪う絶好のチャンスもあったにも関らず、逆に膝十字を狙われるなど、やはり詰めの甘さが目立つ。その後せっかく上になったポジションを捨てて、自分から立ってアリ猪木状態になってしまったあたりも、粘りの無さを感じた。ラウンド終盤でも、払い腰からグラウンドパンチ、そして腕十字といい流れを作っていただけに、余計に太田の勝負所での“淡泊さ”が際立った気がする。

第2試合 -81kg契約 5分2R
○井上克也(RJW/central)D.1敗,第5回PRE-PRIDE優勝,コンバットレスリング3位
×立原基大(バトラーツB-CLUB)D.1敗
判定3-0

 投げにこだわった井上が腰の強い立原の粘りに苦しむ展開となったが、2R引き込みを狙った立原をフロントネックにとって上になると、井上がパスガードして腹固め風に腕を脚で極め、パンチをたたき込む展開に。このシーンを期に、井上の投げも決まりはじめ、グラウンドでも上のポジションを支配した井上が着実に袈裟固めからのパンチ、タックルを潰しての頭部への膝と有効打を重ねて判定をもぎ取った。

第1試合 -100kg契約 5分2R
○山本高行(TEAM-KAZE)D.初,第4回タイタンファイト準優勝,柔道全日本実業団三部優勝
×日下 武(烏合会)D.初,ORG1敗
判定2-1

 柔道出身の山本はどうしてもまだ打撃に腰が引けるらしく、序盤から日下の大振りなパンチをもろに顔面に浴びてしまう。だがコーナーに押し込まれながら組み付くと、今度は山本有利の展開。バックをうばってそのまま押しつぶし、マウントからアームロック、さらには腕十字と一気に攻め込む。しかし、この極めが浅勝ったため勝負は決まらず、再度スタンドになると日下がパンチ連打を浴びせる展開で山本は腰砕けのダウン。しかしこれで勝負は決まらず。2Rもスタンド勝負で、ローと組んでの膝を繰り出した日下だが、山本はこれを凌ぎ切りになると腕十字を狙う。しかしこれを逃すと、グラウンドパンチに戦術を切替えた山本がポジションを支配、なんとか判定で乗り切った。

 

Last Update : 02/24

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