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(レポ) [ムエタイ] 2.21 パタヤ:加藤督朗、敗れるも現地で高評価得る

ソンチャイプロモーション "UBCTVマッチ"
2003年2月21日(金) タイ・パタヤ・テーパシットスタジアム

  レポート:中村イワオ(山木ジム)


メインイベント 5R
×加藤督朗(フェニックス)
○ジャイペット・ギャットムアンカン(ポームウボン)
4R TKO (レフェリーストップ)

 加藤は以前戦ったことのあるエークウボンの弟・ジャイペットと対戦。ジャイペットは十分に加藤対策をとってきたようだ。日本からはスカパー関係者、中日スポーツカメラマンが同行した。セコンドはゲッチャンシンジムからロットほかタイ人2名、山木ジムから中村が同行した。

1R:加藤とジャイペットはリラックスしてお互いの様子を見ている。ジャイペットはサウスポーで太股とふくらはぎが太く、完全に蹴りの選手であることがわかる。

2R:ゲッチャンスインジムで練習している加藤は、パンチ主体のスタイルで前に出てプレシャーをかける。
 残り1分、セコンドのサインから加藤の猛攻が始まる。ガンガン前に出る加藤に対し、ジャイペットは下がって左ミドルをあわせてくる。加藤のストレートとアッパーが当りジャイペットがビビリ始めるも、必死に左ミドルをあわせてくる。加藤の右ミドルがヒットし、観客は加藤に大声援を送る。

3R:右ストレートで追う加藤に、しなる左ミドルを放つジャイペット。この回からジャイペットの左ミドル、左前蹴り、左膝が加藤を的確に捉え始める。ジャイペットのカウンターの前蹴りで加藤がすっ飛ばされ尻餅を着いてしまい、主導権がジャイペットになってしまった。嫌なパターンだ。
 ラウンドが終了しコーナーに戻った加藤は完全にパニクってしまいセコンドの指示が聞こえない。

4R:この回に勝負をかけた加藤は右フックで猛攻をかける。しかしサウスポーのジャイペットに軽くスエーでかわされ、逆に左ミドルを強烈にもらってしまう。ジャイペットは完全に左からの攻撃のみの選手で、左ミドル・左前蹴り・左膝、組んでは左肘まで入れてくる。ジャイペットはフッと息を入れた加藤のボディーに強烈な左ストレートを叩き込む。ジャイペットの左ミドル3連打でロープに詰められた加藤は、狙いすまされたように左膝をもらい、膝を着いてダウン。すぐ立ち上がりファイティングポーズをとるもレ
フェリーストップ。このストップは妥当だろう。

 試合後の加藤は「バンコクから余裕を持ってパタヤ入りしたことで逆に緊張感を欠いてしまった。次回はもっと自分をハングリーに追い込むよう、ゲッチャンシンで練習する。日本に帰国したらヌンサヤームとサウスポー対策をする」とコメント。
 対するジャイペットも「加藤のパンチが恐くて左ミドルを必死で蹴った。相手のセコンドにゲッチャンシンジムの人間が付いていたのでとても警戒した。今日勝てたのはとても嬉しい」とリップサービス(?)込みのコメントをした。またジャイペットはとても礼儀正しい青年で、試合前後もさわやかに加藤に挨拶をしていた。

 ソンチャイプロモーションのソンチャイ・ラタナスバン氏と、その番頭で以前三菱自動車で働いていたソムチャイ・ミッスー氏が、試合後わざわざ加藤の控え室を訪問。「負けてしまったが観客を沸かせる良い試合をした。今後のスッグワンソンチャイと年末のキングスバースディーに出場をさせる」と約束してきた。
 敗れたはしたものの今回も観客を大いに沸かせた加藤が、自らのファイトで今後のビッグマッチのオファーを手に入れた。

Last Update : 02/27

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