(レポ&写真) [DEEP2001] 12.8 ディファ:手負いの長南、修斗王者・須田と接戦
DEEP2001 "7th IMPACT in DIFFER ARIAKE" 2002年12月8日(日)東京・ディファ有明
Text & Photo 井田英登
【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・DEEPスレッド]
第11試合 82kg以下契約 5分3R ○須田匡昇(CLUB J/修斗ライトヘビー級王者) ×長南 亮(U-FILE-CAMP.com) 判定2-1
二週間前練習中に右足靭帯とアキレス腱を損傷する大けがを負った長南だが、初のメイン起用ということで、「経験の浅い自分がチャンピオンとやらせてもらえるなら、どんなことをしてでもやりたかった」と怪我を押してリングに上がった。しかし「試合中は足をかけられるだけで辛くて、足をつかまれただけで痛くてタップしそうにもなりました」と言う状況はいかんともしがたく、スタンドではパンチのみ、グラウンドでも終始須田の仕掛けを切り返すカウンター的な動きにとどまった。ただし、体調を差し引いて考えても、プロキャリア一年少しのルーキーが修斗現役王者と渡り合った事実は驚異に値するといっていいだろう。
須田は長南のコンディションを知ってか知らずか、いつも通りねちっこいレスリングを軸に、序盤からマウントを奪うなどグラウンドでの覇権を握っていく。バックを制してのスリーパー、下からの三角締めと確実にポイントを重ねる。
「触られるだけでタップしようかと思った」という、足関節の取り合いのシーンもあったが、長南もU-File style-G王者の沽券にかけて一本は絶対に奪わせない。マウントをブリッジで切り返すなど自力の強さを見せ、グラウンドの押さえ込みを最大の武器とする須田に絶対的なリードを許さなかったのは特筆に値するかもしれない。
逆にスタンドではパンチで須田を圧倒、3Rには右ストレートがクリーンヒットして、須田の腰が砕けるシーンも見られた。
結局、グラウンドでの須田のポジション的優位は動かなかったが、怪我を押して強行出場した長南相手にこの結果では決して威張れるものではない。試合後、リング上で「僕はだめなチャンピオンですが、もっと戦うチャンスを与えて欲しい」と切実な叫びをあげた須田。佐伯代表は今後も連続参戦を示唆してはいるが、それならばなおさらこのリングで生き残るためのsomethingを身に付けることが急務となりそうだ。
第10試合 契約体重なし 5分3R ×石川雄規(格闘探偵団バトラーツ) ○滑川康仁(フリー) 1R 3'46" TKO (レフェリーストップ:腹固め→顔面パンチ)
40になんなんとする石川と、現役伸び盛りの滑川をマッチメイクしたことで、賛否両論が飛び交ったこのカードだが、やはり、一意専心の強さで、滑川がポテンシャルの強さを見せ付ける結果となった。
相手のローを取ってテイクダウンを狙った石川だが、逆にバックを奪ってチョークを狙う滑川。リアルファイトでの研鑽の差が早くも見え隠れする展開だった。ブレイク後、胸元へのパンチを呼び水にタックルで飛び込んだ石川を受け流して、四つんばいになった相手の腕を足でフックした滑川が、そのまま腕もつかんで腹固めを極める。元は石川の師、藤原喜明が得意としたトリッキーな技だが、実はリングス道場でこれを何度も何度もスパーリングパートナーに極めて来たのが滑川だった。
「パターンが三つぐらいあって、リングスジャパンのみんなにはもうすっかり知られちゃってるんで極められないですけど」とは言うものの、伝家の宝刀での一刀両断にすっかり気分を善くした滑川。試合後のリングでは「石川さんの勇気を感じて感動しています。協力できることがあればバトラーツのリングに上がる……気はありませんが、僕の通帳に20万あります。幾らか貸してあげたい……全部はちょっときついですけど」ととぼけたコメントを残した。
気分のいいのもそのはずで「一週間前から痛風の症状が出ていて、今日は痛み止めの注射と座薬を入れてリングにあがった」のだという。「このところ日本人選手とばかり試合が続いて、だれを怪我させたとか思うと悪くてしょうがない。外人となら思いきりやれるかもしれないです」と次なる飛躍へ意欲をのぞかせていた。
第9試合 日本人選抜×ムエタイ・大将戦 68kg以下契約 5分3R ○山崎 剛(Team GRABAKA) ×ナルポン・タックホームシン(タックホームシンジム) 1R 1'34" 腕ひしぎ十字固め
第8試合 日本人選抜×ムエタイ・中堅戦 57kg以下契約 5分3R ×廣野剛康(和術慧舟會GODS) ○“ランバー”ソムデート吉沢(M16ジム) 判定0-3
第7試合 日本人選抜×ムエタイ・先鋒戦 68kg以下契約 5分3R ○TAISHO(バルボーザ&NBJC) ×タッパヤー・クロスポイントジム(シスオージム) 1R 4'36" 腕ひしぎ十字固め
第6試合 タッグマッチルール 20分3本勝負 △上山龍紀&大久保一樹(U-FILE-CAMP.com) △窪田幸生&金井一朗(パンクラスism) 0-0
CLUB DEEPでいち早くタッグルールを始めていたDEEPだが、ついに本戦にもこのスタイルが導入された。記念すべき第一戦はU-FileチームvsPancraseチームの対抗戦となった。
U-Fileは上山が司令塔となって大久保を先に立てるスタイルで出たが、一方Pancraseチームは格上の窪田が先鋒で出撃してくる。この辺にタッグに対する考え方の違いが見られて面白かった。
タッチの肩透かせ感で「お客さんに楽しんでもらおうと思った」という上山は、窪田がタックルで大久保を捕らえた途端にタッチ交代と、早速頭脳プレイで試合の流れを分断する。対する窪田も上山にバックを取られた途端、金井にタッチするなど、次第にこの変則的なルールでの戦いかたを把握しはじめる。
結局、決定的な局面をコーナーで握らせなければいいということになり、両者自軍コーナーを背負って戦おうとする形に落ち着いていく。大久保はパンチで、上山はローでそれぞれ得意の打撃でリードは握るが、深追いが出来ない。逆に、金井が上山のバックを突いてチョーク、ヒールホールドと連続してキャッチする局面もあったが、上山はここをタッチで切り抜ける。「わざと取らせてピンチをつくったほうが盛り上がるでしょ。極まってなかったですし、ホントに極まってたら逃げられないですから。お客さんも沸いていたんでよかった」という上山のプロレス的な発想の演出だったようだ。逆に大久保が窪田に押さえ込まれたシーンでは、上山が大久保のタッチを拒否するシーンもあり、「勘弁してくださいよと思いました」と大久保を嘆かせた。
終始、自軍コーナーでの戦いで決定的局面は生み出せなかったものの、Uインター卒業生である上山の「プロレス心」が光り、客席の反応は上々の一戦ではあった。
第5試合 90kg以下契約 5分3R ○MAX宮沢(荒武者総合格闘術) ×伊藤博之(フリー) 判定3-0
第4試合 フューチャーキングトーナメント82kg以下級決勝戦 5分2R ○藤沼弘秀(荒武者総合格闘術) ×森山 大(U-FILE CAMP.com) 1R 2'20" TKO (タオル投入)
第3試合 フューチャーキングトーナメント69kg以下級決勝戦 5分2R ×綿貫浩一(P's LAB東京) ○深見智之(CMA京都成蹊館) 1R 4'50" TKO (タオル投入)
第2試合 95kg以下契約 5分3R △アステカ(プロレスリング華☆激) △一宮章一(フリー) 判定0-1
第1試合 82kg以下契約 5分3R ×KAZE(プロレスリング華☆激) ○原 学(格闘探偵団バトラーツ) 1R 2'40" TKO
<第1回フューチャーキングトーナメント>
◆69kg以下級
┏綿貫浩一(P's LAB東京) ┃ ┏┫ 2R 3'11" 腕ひしぎ十字固め ┃│ ┃└井賀孝(G-スクエア) ┃ ┏┫1R 2'08" 腕ひしぎ十字固め ┃│ ┃│┏小武悠希(U-FILE CAMP.com) ┃│┃ ┃┗┫ 1R 3'16" K.O. ┃ │ ┃ └増澤廣征(ワイルドフェニックス) ┫ ┃ ┏会田雅芳(和術慧舟會東京本部) ┃ ┃ ┃┏┫ 1R 4'56" T.K.O. ┃││ ┃│└宮下智也(B-CLUB) ┃│ ┗┫1R 3'29" チョークスリーパー ┃ ┃┏深見智之(CMA京都成蹊館) ┃┃ ┗┫ 1R 1'27" K.O. │ └川越和人(XXX[トリプルエックス])
◆82kg以下級
┏藤沼弘秀(荒武者総合格闘術) ┃ ┏┫ 1R 1'54" T.K.O. ┃│ ┃└jun[鬼頭潤](The Body Box) ┃ ┏┫1R 1'52" T.K.O. ┃│ ┃│┏RYO[田中亮](RODEO STYLE) ┃│ ┃┗┫ 判定3-0 ┃ │ ┃ └清水康一(CMA京都成蹊館) ┫ ┃ ┏森山大(U-FILE CAMP.com) ┃ ┃ ┃┏┫ 判定3-0 ┃┃│ ┃┃└市川喜栄(和術慧舟會東京本部) ┃┃ ┗┫判定3-0 │ │┏中村大介(U-FILE CAMP.com) │┃ ┗┫ 2R 0'50"腕ひしぎ十字固め │ └木村仁要(誠ジム)
Last Update : 12/10
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