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[全日本キック] 6.17 ラジャダムナン:大月、異例の初参戦メイン抜擢

全日本キック "MUAY THAI CHALLENGE" 2007年6月17日(日) タイ・ラジャダムナン  【→概要】  [→掲示板スレッド]


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(6/14 up) 全日本キックの6/17のタイ遠征試合の試合順が決まった。17:00からの第1部は、第1試合からメイン第4試合までがテレビマッチ枠となり、タイ衛星放送「UBC」でタイ全土に生中継される。第2試合に石川直生が出場。セミファイナル第3試合にタイ人同士の試合をはさみ、メインイベント第4試合がグーピー vs. 大月晴明となった。タイのメジャースタジアム初参戦の外国人が、メインで試合が組まれることは極めて異例のことだといい、大月への期待の大きさが表れたマッチメイクといえよう。藤原あらしは続く第5試合。第4試合までがKOで試合終了が早まった場合は、第5試合もオンエアされる。
 なお、大月の試合は大月の希望により契約体重が135ポンド(61.23kg)から137ポンド(62.14kg)に変更となった。
 藤原ジム2選手が出場する21:00からの第2部は、第2試合に前田尚紀、第3試合に山本真弘が登場する。両選手のチーフセコンドは元タイ国ラジャダムナンスタジアム・ライト級王者、 現藤原ジム代表の藤原敏男氏が行う。

大月、元気下したグーピーと対戦

(6/8 up) 全日本キックは7日、東京・北新宿のAJジムにて、タイ遠征試合出場日本人5選手の公開練習と記者会見を行い、対戦カードも発表した。

 大月晴明 vs. グーピー・ウォー・スティラー(上写真左端)
 石川直生 vs. チャーンヴィットノーイ・シットチャーンヴィット(左2人目)
 藤原あらし vs. ルークゲーオ・ギャットトーボーウボン(中央)
 山本真弘 vs. ウィーラチャイ・チューワッタナ(右2人目)
 前田尚紀 vs. モンコントーン・ポンソンクラーム(右端)

 タイの5選手はいずれも構えはオーソドックス。ランキングには入っていないが、経験豊富な実力者ばかりだ。

 大月と対戦するグーピーは、昨年9月にラジャダムナンで大月の後輩・山本元気に2R TKO勝ちした19歳。戦績65戦47勝(7KO)17敗1分、うちラジャダムナン戦績25戦14勝10敗1分。元気戦の後はセーンチャイ・ジラグリアングライを相手に2連続判定負けを喫したが、4月8日には日本で増田、ヴァシコバを破っているイギリスのリアム・ハリソンに判定勝ち。5月10日にはタイ人に3R TKO勝ちしている。現在はフェザー級からライト級に階級をアップしている。
 大月はグーピーについて「元気との試合を見ていると、俺より強いと思っちゃって」と苦笑いを浮かべたが、「俺が勝つならKOしか無い。渾身の力で打ち合いに行く」と気合十分に語り、「相手にタイミングを覚えられる前に、ボディとかローを効かせて、意識をそっちに持って行かせたい」と戦略を話した。
 石川とのボクシング形式の1Rのスパーリングでは、右フックと右アッパーをクリーンヒット。周囲をヒヤヒヤさせるほどキレのいい動きを披露した。
 石川は「2発いいのをもらっちゃったけど、やってみて良かった」と、いい刺激になった様子。大月とは以前から1年に1度ぐらいの間隔で練習する機会があったといい、今回が初の練習では無かった。
 石川の相手のチャーンヴィットノーイはなんと90年生まれの弱冠17歳。膝蹴りを得意とする。戦績60戦48勝(5KO)5敗7分、うちラジャダムナンでは13戦8勝5敗。石川は「ラジャで勝ち越している選手とやることで、自分の実力が明確になると思う」と話した。

 あらしの相手のルークゲーオは今回のタイ人の中でも最年少の16歳だが、173cmと身長は最も高く、バンタム級では大きい部類に入る。戦績60戦45勝(6KO)15敗、うちラジャダムナン13戦10勝3敗。
 公開練習であらしは、AJジムのヌンサヤーム・トレーナーのミットに左ミドルや膝、肘を叩き込み、「蹴りでタイの観客をうならせたい」と話した。先日の記者会見で話したように、同じムエタイをやるつもりは無いが、大月とは正反対のアプローチで、判定でタイ人から白星を奪うことにも意欲的だった。

 真弘と前田の藤原ジムコンビは、通常のキックボクシング形式のスパーリングを披露した。
 真弘は「海外初試合なのでどうなるかわからないけど、思い切って倒しに行く」と抱負。対戦相手のウィーラチャイは全タイ人最年長の26歳。戦績78戦51勝(5KO)25敗2分、うちラジャダムナン45戦25勝18敗2分と、同スタジアムでの経験では他の選手に比べてずば抜けている。日本人選手団最年少で初海外の真弘は、経験豊富な相手をどう打ち崩していくか?

 前田の相手のモンコントーンは、全日本キック5月大会で山本真弘が3RでKOした22歳。戦績39戦24勝(4KO)14敗1分、ラジャダムナンスタジアム12戦5勝(1KO)7敗。
 前田は「先生(藤原敏男・藤原ジム会長)からは『日本とタイでは相手は別人だと思え』と言われた。あの試合(真弘戦)の時の動き以外も頭に入れて戦う」と話した。
 ムエタイのイメージを聞かれ「ドス黒い」と不思議な回答をした前田。小林聡GMとのファイナルマッチに続き、“闘う修行僧”は何を吸収するのだろう?

 今回の日本選手団の監督に就任した小林GMは会見中、なぜか終始モンコンを付けたままで、「彼らは大“全”日本人ですね」と松本人志監督の映画に引っ掛けたコメントを発する等、コミカルな側面ばかりを見せていた。
 だが藤原ジムの後輩の真弘と前田のスパーを見る時は、他の選手の動きを見る時以上に真剣で、藤原ジムで練習していた選手時代を彷彿とさせる鋭い目つきをしていた。
 石川は「頼りが無さそうで、頼りがいがあるその空気だけで十分にうれしい」と、絶妙な表現で小林GMを評し、大月も「試合中あきらめそうになった時に喝を入れて欲しい」と話した。ラジャダムナンのリングサイドに立った時、小林GMがどういった形で選手達に刺激を与えるかが、今回のタイ遠征の鍵となるかもしれない。

 大月、石川、あらしの試合の行われる第1部は、タイ衛星放送「UBC」で生中継される。3人の試合が放送時間内に入るかどうかは試合順次第となる模様だ。日本ではCS放送GAORAで7/27(金)24:00〜25:45に初オンエアされる。(井原芳徳)
 
最後の5人目は山本真弘に

(5/17 up) 全日本キックのタイ遠征試合のの5人目の出場選手が、全日本フェザー級王者の山本真弘に決定した。
 真弘は11日の後楽園大会でタイのモンコントーン・ポンソンクラームと対戦。過去3度に渡るタイ選手との対戦では2敗1分の真弘だったが、この日は本来のシャープな攻撃が冴え渡り、パンチのラッシュで見事3RKO勝利を飾った。今回は初の海外遠征で、いきなりムエタイの殿堂・ラジャダムナンスタジアム出陣となる。
 また、同じ5月大会でセーンチャイ・ジラグリアングライと引き分けた、全日本フェザー級1位・山本元気は、顔面に2箇所の裂傷を負っていることと、5Rをフルに闘い抜いたことによる肉体的ダメージからの回復期間を考慮し、今回のタイ遠征試合は不出場となった。
 だが全日本キック側は「8ヶ月ぶりのファイトにもかかわらず強豪タイ選手と引き分けたことで、当然、今回のタイ遠征に出場する権利は有しているものと考えます」と評価。元気および所属のDEION GYMからは「次も強いタイ選手と闘いたい!」という要望を受けており、全日本キックは次回の試合も強豪タイ選手との対戦をマッチメークする予定だ。
 

大月、豪腕復活目指し聖地初上陸

(5/2 up) 全日本キックのタイ遠征試合に出陣する選手が、大月晴明、石川直生、藤原あらし、前田尚紀に決まった。さらに5月11日の後楽園大会に出場する山本元気か山本真弘のどちらかも出陣し、計5名でタイに乗り込む。元気と真弘が揃って出陣できない場合は、同大会でウェルター級王者決定戦を行う山本優弥と湟川満生の勝者が権利を得る。

 1日、東京・御茶ノ水の東京ガーデンパレスで行われた記者会見には、出場の決まった4選手が出席。全日本キックが誇る精鋭陣を前に、金田敏男連盟代表は「一緒に行く選手同士で意識し合って欲しい」と、相乗効果でより力を発揮することを期待する。

 全日本側は当初、4名での出陣を予定していたが、5名に増えたのは、大月が会見前日に急遽出陣を志願したため。大月は05年12月、タイのオームノーイスタジアムに出場し、プロ初黒星。その後も望月竜介ら練習仲間の試合の付き添いで何度もタイに行き、「去年からタイで試合をしようと思っていた」「生きてる実感を味わいたい。ブッ殺されてもいい。年齢がギリギリなんで今しかできない」と志願の理由を語る。
 今年3月には増田博正に判定負けし、プロ2度目の黒星を喫したばかり。「前に出られなかった試合だったが、自分の中にはまだ野生はある」と話し、ムエタイの聖地ラジャダムナンで豪腕伝説を再スタートさせる構えだ。
 対戦相手に関しては、前回同様打ち合いのできるファイタータイプを希望。「1Rから倒しに行く」「僕がムエタイをやったら勝てない。堅いブロックを強引に力で叩き潰す」と話した。
 ラジャダムナンの有力プロモーターのチューチャルーン・ラウィーアラムウェン氏(通称・アンモー氏)は、去年11月の来日時に見た大月を「(ラジャの王者の)ジャルンチャイとやれは五分五分じゃないか?タイで試合をして欲しい」と絶賛していた。そのため全日本の宮田充興行部長は「特に手強い相手が用意されるかも」と推測する。5/11後楽園大会にもアンモー氏が来場。全日本側が日本人選手の特徴を伝え、タイ側が相手を選ぶ流れとなっている。

 タイに限らず海外で初ファイトとなる石川は「色々噂はあるけど、ちょっと待って、と。今はキックボクシングだろ、全日本キックだろ、ということを証明する試合をみんなでしたい」と、近々新設されそうなK-1 60kg級を意識するようなコメント。「ファイター(タイプ)とガチガチの試合をしたい。タイで斬られたい。そしたら斬り返したい」と話し、1月の強豪ワンロップ・ウィラサクレックと引き分けた試合の再現も、イメージの一つとしてあるようだ。ゴールデンウィークが明けたら「自分に肉付けするトレーニングをする」といい、その成果がタイでどう出るかも見所だ。

 あらしは4月の後楽園で元ルンピニースタジアム・バンタム級4位のコムパヤック・ウィラサクレックに完敗。「情けない試合をした」「ムエタイをやっちゃった」と振り返り、「スタイルを改造中」「蹴りだけじゃ無いところを見せる」「キックボクサーをタイの人に知ってもらいたい」と話し、初めてのタイで進化した姿を見せる考えを示した。

 前田は02年12月にルンピニーで判定負けして以来のタイでの試合。「チャンピオンばっかりの中で選んでもらえてありがたい。恩返しのためにも全力を出して戦いたい」と話す。「(師匠の藤原敏男)先生といえばムエタイなので、いつかはやらないといけない」とも語り、宿命を背負ってのタイ再上陸となる。

 なお、5選手で打倒ムエタイといえば、昨年3月の全日本キックでの日本VSタイ・5対5マッチで、藤原敏男氏が日本チームの“監督”に就任したことを思い出す。今回のタイ遠征に関しても、宮田興行部長は「監督をやってくれないかな、という人は一人しかいない」と意味深な発言。5/11後楽園の後、残り1選手発表の会見の際に、何らかの発表が行われる模様で、今後の動向から目が離せない。(井原芳徳)

★ 全日本キックではタイ遠征試合観戦ツアーを実施。資料請求は全日本キックまで。(Tel. 03-3365-1171 Mail. info◆aj-kick.com ※スパムメール対策のため◆を@に換えて下さい)

4選手参戦を予定

(4/20 up) 全日本キックは「2007年度・タイ国遠征試合」として、来る6月17日(日)ラジャダムナンスタジアム大会への選手出場を決定した。日曜日のラジャダムナン大会は、17:00からと21:00からの2部制となっており、今回はそれぞれに2選手、総勢4選手の参戦を予定している。出場選手は現在調整中で、今後決まり次第、随時発表される。昨年度の遠征には山本元気、大輝、遠藤智史が派遣された。(写真はラジャダムナンスタジアムのイメージ写真。提供: (C)全日本キック)

 

全日本キックボクシング連盟 "MUAY THAI CHALLENGE 〜タイ国遠征試合〜"
2007年6月17日(日) タイ・バンコク:ラジャダムナンスタジアム

※全試合ムエタイルールのためインターバル2分

◆第1部(17:00〜)(全7試合)

第4試合 メインイベント 137ポンド(62.14kg) 3分5R
大月晴明(AJKF/WPKCムエタイ・ライト級王者)
グーピー・ウォー・スティラー(タイ/ギャットチャーンシンジム)

第2試合 130ポンド(58.97kg) 3分5R
石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
チャーンヴィットノーイ・シットチャーンヴィット(タイ/シットチャーンヴィットジム)

第5試合 119ポンド(53.98kg) 3分5R
藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
ルークゲーオ・ギャットトーボーウボン(タイ/ポータワッチャイジム)

◆第2部(21:00〜)

第3試合 128ポンド(58.06kg) 3分5R
山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級王者)
ウィーラチャイ・チューワッタナ(タイ/チューワッタナジム)

第2試合 128ポンド(58.06kg) 3分5R
前田尚紀(藤原ジム/全日本フェザー級2位・元王者)
モンコントーン・ポンソンクラーム(タイ/チューワッタナジム)


Last Update : 06/14 15:02

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