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[UFC] 格闘技専門メディアの取材を拒否。テレビ人気上昇が影響?

(10/4 up) 総合格闘技専門メディアの取材はサンキュー、バット、ノー・サンキュー。UFCの運営会社ズッファ社(ZUFFA, LLC)が打ち出した新たな方針が、今アメリカを中心に、全格闘技メディアの間で波紋を呼んでいる。

 各総合格闘技専門メディアに、UFC 55のプレス・パス却下、つまり取材拒否をズッファが告知し始めたのは9月の第一週目。1997年から紙とネットの両媒体でUFCを含む世界の格闘技ニュースを配信している「フル・コンタクト・ファイター」誌から、総合だけに限らずキック、レスリング、グラップリングなど格闘技全般に渡ってカバーしている「ADCC News」、1999年創立の格闘技サイト「シャードッグ」、インターネット・ラジオで知られている「MMAWeekly.com」やカナダの「MMARingReport.com」など、総合格闘技専門メディアに限らず、ほとんどの格闘技メディアのプレス・パスが却下されたのだ。

 10月3日(現地時間)付けで掲載されたシャードッグの記事によると、その理由は「(プレス・パスを却下された媒体は)すべての責任を持ち大会のレポートを世間に配信する事を妨げている」となっている。
 ちなみに本誌もプレス・パスを却下されたが、その告知に記された理由は「貴社の媒体は、弊社のプレス・パス発行規定の資格を満たさなかった」というものだった。
 更にズッファは、各格闘技媒体からの写真やロゴ・デザインなどの使用申請も却下。事実上、格闘技専門媒体の完全に締め出しという事態となった。

 同シャードッグの記事によると、9月30日に米格闘技メディアの代表者数人が、ズッファ社長のダナ・ホワイトと話し合ったらしいが「どの媒体にプレス・パスを発行するかという権利は全てズッファにあり、現時点では総合格闘技専門ネット媒体のプレス・パスは全部断っている」といった状況で、その理由についてホワイト社長が語ったかどうかは一切触れていない。

 SPIKE TVでオンエア中のリアリティー番組「ジ・アルティメット・ファイター(The Ultimate Fighter : TUF)」が人気番組となり、UFCのアメリカ一般社会での浸透度が激増したという点と、格闘技以外のスポーツも取り上げている媒体には、UFC 55のプレス・パスが発行されているという現状を合わせて考えると(※本誌の井田英登編集長が格闘技分野のガイドを務める「All About」の取材許可は下りた)、ズッファが、この国ではまだまだアンダーグラウンドの域を越えていない格闘技媒体との付き合いはやめて、もっとメジャーな媒体での露出を図っているのが明らかである。

 某米ネット媒体が現在オンエア中のTUF 2の結末を暴露してしまったので、SPIKE TVとズッファ側が全格闘技ネット媒体に不信感を抱いている、または、UFCは独自の雑誌を創刊する予定だ等といった噂が一部で流れてはいるが真相は明らかにされていない。

 10月3日のUltimate Fight Night 2も正式発表が9月21日で、プレス・パスをほとんど発行してないTV主導の大会である事から見ても、UFCは、これからケーブルTVとメジャー媒体だけでの露出で、アメリカの総合格闘技界を独占するつもりなのかもしれない。(シュウ・ヒラタ:BoutReview USA編集長)

Last Update : 10/04 11:23

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