[全日本キック] 郷野、敗因は『久江酔い運転』。タイトル戦を受諾

▼ (3/11 up) パンクラス3.6 横浜文体大会のメインイベントで行われた全日本キックの公式戦で、格下の桜木裕司相手にまさかの逆転KO負けを喫した郷野聡寛が10日、試合後初めてマスコミの前に姿を現した。

　郷野にとって一撃KO負けは生涯初。しかも「ディフェンスでお金の取れる選手になりたい」と常日頃口にしながら、自ら仕掛けてKO負けを喫する失態を犯した。「郷野聡寛っていう格闘技選手の存在意義自体を否定されたような負け方だった」とショックの色は濃い。

「あれは事故。交通事故が飲酒とか脇見とか原因があって起こるのと一緒。あれは『（渡邊）久江酔い運転』だった。車なら一発で免停モノ。それぐらいの点数を失った」
「ゴングが鳴った時から、向こうの目が怯えていたので、1Rが終わってからセコンドに『相手弱すぎるわ』と言ってしまった。思えばその時点で油断していた。2Rは試合が終わってからの久江ちゃんへのマイクアピールのことばかり考えて、試合を早く終わらせようとゴリ押ししてしまった。そしたら左を一発もらって、『弱いくせにウゼえ』とイライラして、ありえないぐらい雑なパンチを打ちに行って、（最後の一発を）もらってしまったと。早く再戦して、前は事故だったことを証明したい。（次はタイトルマッチ？）それしかないでしょう」
「俺はトランクスにロイ・ジョーンズの名前と、ジェームス・トニーのLIGHTS OUTのニックネームの刺繍を入れているけど、次はレノックス・ルイスのつもりで戦う。ルイスもハシム・ラクマンっていう全く負けるはずが無いと思われていた選手に足元をすくわれたことがある。でもその後のリマッチではキッチリ自分の型にハメて相手をKOした」

　郷野にとっての唯一の救いは、デートを要求していた渡邊久江から、汚名返上を願う手紙が届いたこと（全文）。「まぁ、興味が俺に向いてるとは思わないけど、付け入る隙は出来たかな」「『北風と太陽』で言えば、ちょっと太陽チックかな。押すだけじゃなくて、ちょっとこう引いて、逆に振り向いたりとかね」「試合は負けたけど、手紙は唯一の救いですね」と、再び“酔い”が回って来た様子だった。

　この試合の結果、桜木は全日本ヘビー級4位から1位に昇格。しかし桜木は4月9日オランダで、ヘビー級の強豪、メルヴィン・マンホーフと対戦が決定。2月、3月と3ヶ月連続で試合をするため、5月は休むものとみられる。パンクラスも5月、7月に横浜文体大会を開催するため、郷野はそちらの出場を優先するのが筋。そのため全日本の5/15後楽園大会での再戦実現は困難な情勢だが、6/12後楽園大会での実現の可能性は残されている。

　だがこの敗戦で、6/14 K-1ジャパンGP参戦に黄信号が灯った。郷野本人も「これでK-1も出れなくなったと思う」と考える。「でも俺は1年後は確実に強くなっている。K-1に出てしっかり勝つためにも、もう1年間必要と考えてしっかりやっていく」と話した。全日本ヘビー級戦線には、MAキック、正道会館、その他フリー選手も続々参戦する見通しで、郷野を中心にますます活性化しそうな気配だ。（井原芳徳）

桜木、2度目のオランダ遠征

　4月9日、オランダ・アムステルダムで行われるムエタイのビッグマッチ『Muay Thai Champions League XII』に、全日本ヘビー級1位・桜木裕司の出場が決まった。桜木は、MTBNオランダ・ヘビー級王者の強豪、メルヴィン・マンホーフ（オランダ）とキックルール・5ラウンドで対戦する（ノンタイトル戦。ヒジは禁止)。桜木は昨年2月28日のオランダ・ベイレン大会に続き、2度目のオランダ遠征。前回は古豪ヤン・ロムルダーに惜しくもKOで敗れているだけに、格闘王国オランダでの初勝利を目指しての一戦となる。
　また同大会では女子キック無敗の彩丘亜紗子（S.V.G.）がWPKL世界女子タイトルマッチに挑戦。さらにフィクリ×ビッグベン、ヴィンセント・ベルボーイ×パジョンスック、スポーン×オワリといった、世界中量級トップファイターたちの試合もラインナップされている。

Last Update : 03/11 11:24