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[File 0002] 小谷直之&ヒロキ「兄弟で戦うアウェー」

僕らの作戦ミスです


−−アメリカ・イリノイ州で12/3(金/現地時間) 開催される総合格闘技大会「XFO」に、兄弟で参戦することが決まりました。今回の参戦の経緯をまず教えて下さい。
ヒロキ「モンテ・コックス(チーム・エクストリームのマネージャー)の紹介です。ユーフォリアMFCもモンテからだったんですけど、直之が負けてしまって、UFCへのアピールが弱くなってしまったんで、『小さい大会だけど勝ってアピールしてほしい』とリクエストがあって、出場することになりました」

−−ルールは?
ヒロキ「VTルールになりますが、細かいところまではまだ聞いていないです。直之の相手もデイブ・メネーの所の軽量級のいい選手だと聞いているぐらいですね」

−−今回の意気込みは?
ヒロキ「僕は弟のオマケみたいな感じなんで(笑)。でも滅多にないお話なんで、勝ってアピールしたいです。前回の試合は2月のAFCで、今年は全部海外になりましたけど、これも何かの縁なんでね」
直之「相手のロジャー・フェルタ(右写真)のことがよくわからないので、相手に合わせた練習ができなかったんで、今迄やってきた自分のスタイルにグラウンドパンチを追加した形で、自分のやり方で勝ちたいです」

−−前回のユーフォリアでの敗戦の反省は?
直之「実際思っていたルールよりも全然違ったんで、そういうやり辛さもあったんですけど、日本とは環境が違うんで、それに合わせた戦い方ができるようにならないといけないと感じました」

−−ブレイクがムチャクチャ早かったと聞いていますが?
ヒロキ「さば折りで倒してハーフで殴ってたら、ブレイクですね(笑)。日本の総合の感覚でやってるともうダメです。アメリカはダイナミックな動きを要求されて。KOにつながらないパウンドだとブレイクになるんで。ジェレミー・ホーンがセコンドに付いてくれたんですけど、彼はそういう事をわかっていたんで、倒した瞬間に『とにかく極めに行かなくていいから、動きを作れ』ってことを言ってきたんですけど、イーブスも百戦錬磨で、下からガッチリ固めてきちゃって。僕らの作戦ミスです」

−−ルール問題は抜きにして、イーブス自体の強さはどうでしょう?
直之「自分の中では全く勝てない相手じゃないんで。実際他のルールだったら勝つ自信はあります」

−−打撃に関しては?
直之「ブレイクが早かったんで、打撃に付き合いたく無くても付き合わないといけなかったんで、グラウンドに徹すれば極めることができたと思います」

−−ブレイクが早くで動揺してしまった?
直之「ZSTでもブレイクが早い方だと思っていたんですけど、それより早いとなると戸惑うというか」

−−クレメンティ、アウレリロと比べると?
直之「タイプ的に違いますけど、試合運びの巧さでは上でした。得意の打撃でも、自分の不利な場面では絶対相手に付き合わないで、逃げるのが巧かったです」

−−お兄さんから見た試合の感想は?
ヒロキ「打撃である程度付き合わないといけないだろうという前提で練習してきて、こっちの打撃で向こうも嫌がって下がってたんで、本当に流れの中で一発ハイキックもらってしまったという感じで。内容的には五分五分だったんで、倒したらいつ極めるだろうというぐらいの感じだったんで。ただ直之も言うように、向こうの方がウマいですね。リングの上での場所の取り方とかにしても」

前回が最悪と考えれば、今回はもうちょっと楽だろう


−−一回ユーフォリアを経験したことで、海外で戦うということに関して、色んな感覚がつかめたんじゃないでしょうか?
直之「今迄行ったリングスUSAやリトアニアBUSHIDOだと、練習場所とか用意されていて、結構いい待遇を受けていたんですけど、ユーフォリアは考えていた物が用意されていなかったので、今回は逆に、それが最悪と考えれば、もうちょっと楽だろうと思えて、気が楽なんで」
ヒロキ「だから逆に今回は強行日程にしてもらったんですよ。着いてすぐ計量で、次の日試合というように。それが良く作用するかはわからないですけど、前回3日前に着いて結局何もできなかった教訓です」

−−減量でお腹が空いた状態の待ち時間が一番辛いですよね。
ヒロキ「そうですね。やはり海外の大会は、次に何が起こるのか直前までわからないのが辛いです。とにかく準備だけはしておかないといけないので、気が休まらなかったです。気持ちの面では強くなると思いますが」

−−正真正銘のアウェーというのはユーフォリアが初めてだったと。
直之「はい、そうです。車の運転手が道に迷った時はどうなるかと思いました」
ヒロキ「(同じく大会にアウェーで乗り込んでいた)ヨアキム(・ハンセン)が試合後に怒っていた気持ちは少しわかります(笑)」

−−会場の雰囲気は?
ヒロキ「思ったほどアウェーの雰囲気は無かったですね。ただポスターなんかにも直之が大きく載ってたんで、試合前はホテルの中を歩いててもサイン攻めに遭っちゃって(笑)部屋の中に篭ってました」

−−向こうのファンも直之さんを知っていると。
ヒロキ「雑誌にも紹介されてたんで、期待はかなり大きかったんでしょうね」

−−試合までは悲惨でしたけど、試合の後は観光とかは?
ヒロキ「帰りの飛行機に乗るために試合の次の日の朝6時に出発しましたので、観光は無理でした」

−−前回はあまり良いことがなかったのですね(笑)
ヒロキ「はい、おみやげに空港でチョコレート買っただけでした。でも、直之の今後にとっては、良い経験になったと思いますので、プロモーターのミゲル氏には感謝しています」

−−今回は試合が終った後、少しは余裕がありそうですか?
ヒロキ「試合の次の日にジェフ・カランが観光案内してくれるか、道場を案内してくれるかですね。」

−−海外でお二人が同じ日に試合をするのは初めてですよね? 準備も変わってきますよね。セコンドは兄弟で交代で?
ヒロキ「あと現地に片言の日本語ができる選手兼通訳がいるらしいです。リングスUSAの時と同じ人だと聞いてます」

−−何かアメリカでしたいこととかあります?
直之「WWEが好きなんで、今回は無理ですけど、試合会場が近くてタイミングが合えばいつか生で見に行きたいですね」

ZSTの代表として


−−今回に向けての練習は?
ヒロキ「僕も試合を控えて減量しないといけなかったんで、今迄のように付きっきりというわけにはいかなかったんですけど、ユーフォリアに向けてやってた練習を、さらに1ヶ月伸ばしたような感じでした」

−−普段の練習場所は?
ヒロキ「ロデオスタイルと、ウェイトトレーニング関係はこの大森のゴールドジムで、あといつもはK'zファクトリーに週1回出稽古で」

−−他の仕事との兼ね合いは?
ヒロキ「僕は米軍基地で働いていますけど、弟は毎日寝ているだけです(笑)」

−−兄弟で一緒に練習するのは週にどれぐらい?
ヒロキ「夜に週3、4日ですね。スパーリングやミットは僕がやっています。昼間は個人でコンディショニング関係を」

−−今回はどういう試合内容にしたいですか?
直之「相手がよくわからないんですけど、自分のやりかたで戦いたいです。たぶん今年はこれが最後になると思うんで、きっちり勝ちたいです」

−−大みそかは無いと思いますが(笑)
直之「まあ、万が一にも備えて(笑)」

−−今年はダメでも、来年以降大みそかのイベントに出ることに興味はあります?
直之「やっぱりありますね。注目度のある試合なんで」

−−ちょっと気が早いですけど、今年を振り返ってみるとどうですか?
直之「相手のレベルが上がって来たせいもあるんですけど、キツい戦いが続いて、強い相手には勝ってないんで、来年は強い相手にも勝てるようにしたいです」

−−来年はどういう予定になりそうですか?
ヒロキ「まだわからないですけど、直之の場合、仮に大みそかなりPRIDEなりK-1なりに出るにしても、ZSTの代表という形で出るんであればいい事だと思います。他所に出てお客さんを引っ張って来れれば。あくまでZSTのエースという形でやりたいし、ZSTの方も快く海外に送りだしてくれてるんで。引き続きそういう形になると思います」

(聞き手:井原芳徳:2004年11月30日(火)夜、東京・大森、ゴールドジムサウス東京アネックス付近にて)

Last Update : 12/01 20:39

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