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[第13試合]女子キック交流戦 54kg契約5回戦
神風杏子 vs 熊谷直子
初予定されていた神風対三井は、三井の急性肺炎のため中止。変わって同じ不動館からもう1人の全日本の女子のエース熊谷が出場した。
 長い間待ち望まれ、遂に実現したこのカード。互いに団体内に敵無し、外国人選手もレベルが違いすぎて試合にならず。呆気ない試合の連続に、女子キックの評価自体が下がってしまうと言う悲劇に見舞われている。
かし、この両者の対決がそんな女子キックの現状を打破する第一歩になるかもしれない。

 また、この試合もレフェリーは全日本キックのサミー中村が務めた。

試合前に欠場の三井がリングに上がって涙ながらの挨拶
「今日の試合、自分の不注意からキャンセルする事になってしまい、本当に申訳ありませんでした。
10日前にキャンセルする事が決まって、ピンチヒッターとして先輩の熊さんが出てくれることになったんですけど、たった10日間の中で7kg以上の減量と、ちゃんと調整も出来てないのにこの試合を引き受けてくれました。そこで皆さんにお願いがあります、もう一度私と神風選手との試合を、チャンスを下さい。お願いします。そして今日準備期間の無かった熊さんにも、準備期間を与えて再戦の機会を下さい。宜しくお願いします。
今日は本当に申訳ありませんでした。」



ラウンド1 谷は得意のパンチと左ミドルで攻める。対する神風が何故か弱々しい、積極的に攻めることはせず、熊谷の攻撃に対しても為す術がない。途中熊谷がノーガードで「来い」と挑発するが、それでも神風は自分からは仕掛けない。

ラウンド2 谷は左パンチから右ミドル、左パンチと連打。神風は熊谷の蹴りにパンチを合せるだけ、表情にも全く余裕が無い。

ラウンド3 谷は左ミドルで攻め続ける、神風もパンチ返すが力がない。熊谷のセコンドも「カウンター合わせられて良いからミドルだ」と、全く神風のパンチを怖がっていない。

ラウンド4 の回熊谷の左ストレートがカウンターになり、神風ダウン。更にパンチの連打で2回続けてスタンディング・ダウンを奪い試合終了。



試合後熊谷はマイクを取り
 「今日はこんな体調でリングに上がってしまって本当に申訳ありませんでした。昨日から8度8分の熱があって、今日は一寸ドクターとも相談して。どうしても、これが全日本キックとマーシャル・アーツさんとの始めての女子キックの交流戦だったので、どうしても出なきゃ行けないと思いました。
 ここにいる皆さん、それからMAの関係の会長の皆さん、お願いがあります。女子キックはこれからどんどん世界に上がって行きたいんで、今戦った神風選手とか、色んな選手と一緒にどんどん世界に行きたいと思いますので応援してください。宜しくお願いします。」

子の頂上対決は熊谷の圧勝で幕を閉じた。結果はともかく内容は予想外だった、あんなに弱々しい神風選手は見たことが無い。熊谷の攻めに恐れをなしてか踏み込むことが出来ず、攻撃に全く力がない。表情からもそれが読み取れるほどだ。熊谷は準備期間10日で試合に臨んだというが、内容からは何方が調整不足か判らないくらいだ。
れで再び三井と熊谷は対戦相手探しに苦労することになりそうだ、それは女子キックと言うジャンル自体が前途多難であることを示している。

 それにしても熊谷は余計なことを言ってしまった。熱があったとか、体調云々は負ければ只の言い訳だし、勝てば敗者への厭味になる。
 

文 渡辺


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