この試合、あえてテーマを見いだせば、新旧王者対決ということになるだろうか。しかし、山口選手は現在は階級を上げてバンタム級で闘っているが、元MAフライ級王者。そして、砂田選手は現MAフェザー級王者。王者の肩書で比べれば2階級も違い、現在のウェイトからしても1階級違う両者の対決は、ややマッチメークの狙いが読みにくいというのが正直なところだ。 とはいえ、山口選手の実力はいまだに無敗かつ60%を越すKO率という数字が雄弁に物語る。砂田選手にしても、実力者の揃うMAフェザー級戦線で、コンスタントに結果を出し続けてきた点は、もっと評価されていいはずだ。 また、お互いムエタイを意識したスタイルだけに、テクニカルな試合は予想がつくし、さらにハートが巧く噛み合えば、ファンを巻き込む好試合が期待できるだろう。
三者三様のジャッジを見ても分かるとおり、どちらかが決定的な場面を握るということはなかった。ドローという結果は妥当だろう。 後半、やや山口選手の動きが落ちた気がするが、体格差もあるし、首相撲でもほぼ互角だったことを考えれば、「さすが」というべき。重いミドルも相変わらずで、バンタムに戻ったときの今後の活躍に期待したい。 一方の砂田選手も、ミドルを中心に巧く組み立てていたが、得意のヒザはやや封じ込まれてしまった感がある。十分なテクニックはこの試合もうかがえたが、もう少しパワーがあれば…という気もする。最近、鈴木秀明選手(NJKF)、小野寺力選手(新日本キック協会)と、フェザーには話題も多い中、ややおとなしい印象のMAフェザー級をもっともっと盛り上げるためにも、砂田選手には頑張って欲しい。 文 片岡
一方の砂田選手も、ミドルを中心に巧く組み立てていたが、得意のヒザはやや封じ込まれてしまった感がある。十分なテクニックはこの試合もうかがえたが、もう少しパワーがあれば…という気もする。最近、鈴木秀明選手(NJKF)、小野寺力選手(新日本キック協会)と、フェザーには話題も多い中、ややおとなしい印象のMAフェザー級をもっともっと盛り上げるためにも、砂田選手には頑張って欲しい。 文 片岡